ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

バイオマスプラスチックの種類と特徴

[ 2019/09/04 (水) ]
生分解性プラスチックの勉強に続き、今回は『バイオマスプラスチック』について勉強しました。

目次

1.環境負荷の少ないプラスチックは2種類あるが目的が違う
2.BIOMASS(バイオマス)=BIO(生物資源)+MASS(量、集まり)
3.バイオマスプラスチックによるCO2削減
4.バイオマスプラの製造方法の例
5.バイオマスプラの種類、基準は含有量が25%以上

本論に入る前に
1.環境負荷の少ないプラスチックは2種類あるが目的が違う

生分解プラスチックとバイオマスプラスチック
生分解プラスチック
自然界で分解される、
最終的には水とCO2にまで。
微生物が出す酵素で
分解される成分でできている
非生分解系
バイオマスプラスチック
カーボンニュートラルの考え方ができる
原料が植物由来のバイオマスで、
燃やしても地球全体のCO2は増加しない
生分解マルチフィルム、
ティーバックなど
素材はPLA:ポリ乳酸など
(原料はトーモロコシ,サトウキビ)
自動車の内装材、
電気・情報・OA機器など、
メーカーの地球温暖化対応
として増えてきた。
非バイオ(石油合成系)医療用縫合糸、釣り糸
畑の畝に使用する生分解マルチフィルム
(収穫後にフィルムを剥がす必要がなく、
そのまま鋤きこめる

堆肥化施設に回収する生ごみ用袋
移植用苗ポット
素材はPGA:ポリグリコール酸など
一般のプラスチック
現状では、圧倒的に多い。
  • 増えているのは『バイオ』で『非生分解』の部分。トヨタなどの自動車メーカーの発信情報をみるとかなり積極的に取り組んでいる事がわかる。
  • 『生分解』の部分の釣り糸の例では製品価格が高くなるため普及が進んでいない。
  • 両方の特性が同時に求められるニーズは少ないようだ。
  • 焼却処理するプラスチックを『生分解』に転換するのは、理にかなわないトンチンカンな対応。

本論に入る前に
2.BIOMASS(バイオマス)=BIO(生物資源)+MASS(量、集まり)

再生可能な生物由来の有機性資源で、固体燃料・液体燃料・気体燃料としての活用が進められてきたが、近年、化学品製造も活発に取り組まれている。
バイオマス
有機物であることから、燃焼させた場合にはCO2が発生するが、それは生育段階で大気から吸収したものであり、全体で見るとCO2量は増加しないカーボンニュートラルという考え方ができる。従って、地球温暖化防止に寄与する。
仮に、活用しないまま自然界に放置されていても、そこに含まれる炭素は、自然浄化や廃棄物処理などで分解されるので、最終的には大気中に放出されることになる。

【メモ】
PDFバイオマスからの化学品製造分野の技術戦略策定に向けて(NEDO技術戦略研究センターレポート 2017/11)

本論として、
3.バイオマスプラスチックによるCO2削減

使用後に焼却すれば、カーボンニュートラル
カーボンニュートラル
図の出典:プラスチック資源循環とバイオプラスチック(中谷隼 IEEI 2019/8/23)

焼却せずに、使用継続あるいはリサイクルでは、炭素貯留と同じ意味を持ち、大気中から吸収した分だけCO2排出量はマイナス、いわゆるカーボンポジティブということになる。
カーボンポジティブ
いずれの場合も、(枯渇性である)石油資源の節減に寄与する。

厳密には、そのバイオマスを作るために生育(肥料など)~収穫・出荷(農機・輸送など)までに使った化石燃料資源や、バイオマスプラの生産・加工のために使った化石燃料資源の全てを考慮する必要がある。(ライフサイクルCO2の考え方)

4.バイオマスプラの製造方法の例

プラスチックは原料となるモノマー(単量体)を重合したポリマー(高分子化合物)。
バイオマス由来の原料モノマーを使用したものがバイオマスプラであるが、石油資源由来の原料の置き換えか?否か?で2つに分類できる。

【PLAポリ乳酸のように、モノマーがバイオマスからしか産生できないもの】
ポリ乳酸の製造方法トウモロコシの澱粉を分解した糖や、サトウキビから抽出された糖から、乳酸菌などによる発酵によって得られた乳酸を重合して作られるポリエステルの一種。
これに類するものは、多くは生分解性を示す。

【バイオPEのように、石油由来モノマーの代わりにバイオマス由来モノマーを利用するもの】
ポリエチレン
ポリエチレンの製造方法サトウキビなどから得られる糖を発酵させてバイオエタノールを作り、それを脱水したエチレンを重合して作られる。石油からPEを作る場合は、石油を蒸留してナフサを得、ナフサを分解したエチレンを重合する。

石油由来の方が、ライフサイクルCO2が少ない、というケースもあるような気がする。
(話が逸れるが)ライフサイクルCO2は、プラスチックのリサイクルを考えるときに大切な事。
【前篇】(プラスチックのリサイクル)マテリアルリサイクルか?、サーマルリサイクルか?


5.バイオマスプラの種類、基準は含有量が25%以上

日本バイオプラスチック協会JBPAが運営するバイオマスプラ識別表示制度
【基準の概要】
  • 製品中のバイオマスプラの含有量が25%以上
  • ポジティブリスト記載のバイオマスプラを使用。
  • JBPA指定の使用禁止物質を含まない。

100%バイオマス由来原料部分的バイオマス原料
生分解PLAポリ乳酸
PHAポリヒドロキシアルカノエート
バイオPBSポリブチレンサクシネート
ポリ乳酸ブレンド・PBATポリブチレンアジペートテレフタレート
スターチブレンド・ポリエステル樹脂
PBTSポリブチレンテレフタレートサクシネート
非生分解バイオPE
バイオPP
バイオPA11
バイオPA1010
バイオPTTポリトリメチレンテレフタレート
バイオPETリエチレンテレフタレート
バイオPA610、410、510
バイオPA1012、10T
バイオPA11T、MXD10
バイオポリカーボネート
バイオポリウレタン
芳香族ポリエステル
バイオ不飽和ポリエステル
バイオフェノール樹脂
バイオエポキシ樹脂
PA:ポリアミドは別名ナイロン
出典
PDFバイオプラスチック概要(日本バイオプラスチック協会 2018/9/19)
PDF日本バイオプラスチック協会パンフレット
原料にバイオマスを利用したバイオマスプラスチック(日本バイオプラスチック協会)


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[ 2019/09/04(水) ] カテゴリ: 廃棄プラスチック問題 | CM(0)
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