ポストさんてん日記

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国際的に禁止されているオゾン層破壊物質CFC-11が増加している現象について、大半が中国由来

[ 2019/10/14 (月) ]
5月の報道で目にした情報なのでチョット旧聞に属する話ですが、少し広めに関連情報を集めてみました。

目次

1.背景
2.オゾン層破壊物質の放出域特定に関する英科学雑誌「Nature」掲載論文
3.関連する情報

1.背景

オゾン層保護のためのフロン類の規制は、有効な対策が迅速に実行され、地球環境問題の中ではもっとも効果をあげている取り組み、と言われている。
一例として、CFC-11*はオゾン層保護のためのモントリオール議定書(1989年発効)によってその生産は段階的に削減され、途上国も含めて2010年に全廃された。
この規制を反映して、大気中のCFC-11濃度は90年代後半から減少する傾向にあった。
*CFC-11フロン11CCl3F:トリ・クロロ・フルオロ・メタン は、かつて、断熱材用の発泡剤等として広く使われていた。
CFC-11.png

大気中のフロン濃度(日本)
大気中のフロン濃度(北海道)
大気中のフロン濃度(世界)
大気中のフロン濃度(世界)
しかし、その減少スピードが2010年代に入ってから予想外に鈍化していることが先行研究によって明らかとなり、全廃後も継続する大気への放出がその原因であることが報告されていた。
その先行研究ではCFC-11の新規製造が東アジアのどこかで行われていることが示唆されたが、これまで国や地域は特定されていなかった。

【ごく一部のみ引用】
  • Nature 2019年5月23日版に掲載
  • 英国ブリストル大学が率いる国際研究グループ(日・韓・英・米・スイス・豪)による調査結果
  • 済州島(韓国)と波照間島(沖縄県)の2地点のデータを用いて、大気輸送モデルにより解析(2ヵ所とも、世界的な観測ネットワークの一部)
  • その結果、2013年頃から中国東部(山東省、河北省など)においてCFC-11放出量の上昇が認められ、その量は年間7000トンで全球的な放出量増加のかなりの部分(少なくとも40~60%)を占めていた。
    放出量分布
  • この原因としては、2010年の全廃にもかかわらず、CFC-11が新たに製造・使用されている可能性が高いと考えられる。
  • なお、中国では近年、CFC-11の製造に使われる四塩化炭素の放出量が増加しているとの報告例があり、今回のCFC-11の放出と関係している可能性がある。

3.関連する情報
【ごく一部のみ引用】
  • 中国は1991年にモントリオール議定書を批准している。
  • ロンドンに拠点をおく環境調査エージェンシー(EIA)が昨年発表したリポートは、中国企業数十社が依然、ポリウレタンフォームの生産時にCFC-11を使用していると指摘している。

【ごく一部のみ引用】
  • 2018年に、環境調査局が中国で行なった更なる追求調査の結果は、CFC-11の出所は中国だったと示していたとされる。調査員が接触した複数の工場で製造されたポリウレタン断熱材の大部分に、違法な化学物質が使用されていたことが確認された。
  • CFC-11の販売業者の1人は、中国の国内販売の7割に違法ガスが使用されていると推定した。実に単純な理由からで、CFC-11はほかの代替ガスよりも良質で安価だからだという。
  • CFCは強力な温室効果ガスでもある。
  • 中国東部から放出されたと確認したこれらの増加分の量は、毎年大気圏に放出される二酸化炭素量、約3500万トンに相当する。これは、イギリスの総放出量の1割ほど、あるいはロンドン全体の総放出量に近い
【ブログ主、注】CFC-11の地球温暖化係数は4,750≒5,000。
 7,000トン×5,000=3,500万トン
[ 2019/10/14(月) ] カテゴリ: オゾン層の破壊 | CM(0)
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