ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

(メモ)近田康二氏による連載:食肉の世界で起きていること(FOOCOM.NET)

[ 2018/12/20 (木) ]
全3回の記事の自分用アーカイブです。いづれも長文からごく一部のみを引用したものですので、正確なところは原文をご参照ください。

  • 全国共通のランク付け
  • 最下位のC1から最高位のA5まで格付けは15段階
    格付けは「歩留」(ぶどまり)と「肉質」で決まる。
    歩留がA、B、Cの3段階、肉質が1~5の5段階、合計で3×5=15段階の等級になり、C1が最下位、A5が最高位の等級。
    歩留とは、枝肉から骨や余分な脂肪などを取り除いて製造される部分肉(正肉)がどれくらいとれるか。
    大ざっぱにいうと、赤肉(筋肉)の発達が不良で皮下脂肪が厚く骨太の牛は歩留が悪くC等級に、赤肉の発達が良く脂肪が薄く骨が細い牛は歩留が良いのでA等級。
    肉質等級は、「脂肪交雑(いわゆるサシ、霜降り)」、「肉の色沢」、「肉の締まり及びきめ」、「脂肪の色沢と質」の4項目で決まる。
    B.M.S(牛脂肪交雑基準、ビーフ・マーブリング・スタンダード)で12ランクに設定されている

    脂肪交雑の等級
  • 和牛、国産牛、交雑牛の違いは?
    日本で生産される牛肉の品種は大ざっぱにいって、和牛が4割、乳牛が3.5割、残りは交雑牛2.5割。
    和牛は4品種(黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種)あるが、ほとんどが黒毛和種
  • サシ指向の牛肉生産
    和牛はA5:33%、A4:36%、B5:0.6%、B4:2.7%と、“高級”とされている4,5等級が7割。
    マーケットが脂肪交雑の多い牛肉を高く評価することに応じて、黒毛和種の脂肪交雑に関する遺伝的能力の改良を推進。また、エサについても改善。こうした積み重ねにより、現状ではサシ指向の牛肉生産が続いている。

    しかし、一方で行き過ぎの傾向もある。
    現在までの20年間を比較すると、1988年ではBMSナンバー8に格付けされた枝肉の胸最長筋内の粗脂肪含有量は23%であったが、1998年では37%であり、2005年では41%に達している。さらに「近年では粗脂肪含有率が50%を超えるものもあり、現行のBMSでの評価が難しくなってきている。

    ただし、B.M.S.№の判定においては脂肪交雑の形状(粗い、細かいなど)も加味されるため、脂肪含量の多寡と必ずしもパラレルするわけではない。ナンバー12がもっとも脂肪含量が高いということではなく、きめ細かく入っていることも評価される。

    焼き肉店で宣伝されている「最上のA5肉」は、サシ志向の高まりから今や和牛の3分の1を占め、脂肪含量とサシの入り具合によってさらに5段階に評価されるほどランク付けが進んできた。
    しかし、最近はサシの行き過ぎに「待った」をかける傾向が出て、赤身牛肉が評価され始めている。


  • 老舗すき焼き店の新たな試み
    創業明治36年のすき焼き専門店「浅草ちんや」では、、、
  • 赤身牛肉の人気高まる?
    火をつけたのはニュージーランドのグラスフェッドビーフ「牧草牛」だといわれる。
    グラスフェッドビーフとは牧草を食べさせた牛肉のこと。これに対するのは「グレインフェッドビーフ」で日本の和牛のように穀物(トウモロコシや大麦)を給餌した牛肉である。
    これから注目されるのが南米産のグラスフェッドビーフ。
    国産の赤身牛肉生産の取り組みも始まっている。
  • 牛肉のおいしさ評価で新手法


  • 肉質を重視した日本の豚肉生産
    日本で出回っている豚肉は3元交配豚(3 種類の純粋種を掛け合わせた雑種豚)など交雑種が一般的だが、単一品種によるブランド化を試みる養豚生産者も登場。
    代表的なのが「黒豚」(バークシャー種)だが、このほか、、、
  • 豚肉もサシが決め手 脂肪交雑の判定始まる
    豚肉脂肪交雑の統一基準が2017年11月に策定され、これにもとづき2018年1月からその判定が始まった。
  • 脂肪交雑の少しの違いで食味向上
    この基準は、豚肉のロース断面(第 4-5胸椎間の胸最長筋)における脂肪交雑程度を6段階で評価するもの。ただし、この判定はオプションで行うもので豚枝肉取引規格(後述)の改正ではない。
  • 豚肉の規格は5段階
    実は、食肉業界の豚枝肉の格付け・規格は全く違う基準で決められている。
    豚枝肉の格付等級は食肉卸売市場におけるセリや養豚農家と流通業者間の取引価格を決める大きな要素になるが、小売店や飲食店段階で表示されることはまずない
    格付は、品種・年齢・性別には関係なく半丸枝肉重量と背脂肪の厚さの範囲を定めた判定表(下表・下図)にもとづいて、極上・上・中・並・等外に分けられる。
    ついで、外観(均称=つりあい、肉付き、脂肪の付着、仕上げ)および肉質(肉のきめ・しまり、肉の色沢、脂肪の色沢と質、脂肪の沈着)についてチェックされ、各項目を極上、上、中、並、等外の5段階で評価される。

    精肉として小売り店頭に並ぶのは「中」規格以上の豚肉が多く、全体の8割以上を占める。
  • 肉質評価を格付けでも再考を


(以下はNewtonから)
熟成でやわらかさや旨味が増す

実は、スーパーなどで売っている肉をはじめ、私たちが日常的に口にしているあらゆる肉は、基本的にすべて「熟成」されたもの。
熟成とは、牛や豚を解体したあと、ある程度の時間、低温(4℃程度)の環境で肉を保管すること。
牛肉を例に、家畜を解体してから熟成が完了するまでの間に、何が起きているのかをみてみよう。
まず、家畜の心臓が止まると、筋肉をはじめとした全身の細胞に酸素が行き渡らなくなり、筋肉は細胞に残されたATPをひたすら消費し、収縮しつづけてしまう。これが「死後硬直」とよばれる現象。解体した直後の肉がかたくで食べられないのは、このため。
なお、細胞に蓄積されたATPが消費されつくすと、死後硬直が終わり、筋肉はやわらかくなる。牛の場合、死後硬直から1週間ほど経つと、筋肉の細胞の中にもともと含まれている「酵素」のはたらきて、筋肉のタンパク質が分解されたり、消費されたATPの分解が進んだりして、旨味成分のグルタミン酸とイノシン酸が増加する。イノシン酸は筋肉を構成するアクチンとミオシンの構造をゆるめ、筋肉をやわらかくすることにも一役買っている。
こうして、肉を解体してからある程度時間が経つと、かたかった肉がやわらかくなり、さらに旨味も増す。
これが「熟成」。なお、スーパーなどで市販されている肉だと、牛肉は約10日、豚肉は約5日、鶏肉は半日ほど熟成させた状態で出荷されている。
また、熟成は、肉のやわらかさや旨味を増大させるだけではなく、肉の香りを増す上でも重要な役割をになう。熟成中にタンパク質が分解されて生じるアミノ酸や、脂肪酸が空気中の酸素にふれて酸化した物質は、加熱したときの香りの素になる。和牛特有の甘い香りは、熟成中にできた物質が加熱によって「ラクトン」という成分に変わることで生じる。
なお、飲食店で提供されている牛肉の「熟成肉」は、市販の牛肉よりも長い日数(30-40日間程度)熟成させたもの。
豚肉や鶏肉の熟成肉を見かけないのは、豚肉や鶏肉は短い期間の熟成でも十分にやわらかくなるから。また豚肉や鶏肉に多く含まれる脂肪酸の二重結合は酸化しやすく、長時間熟成させようとすると「酸化臭」とよばれる悪いにおいの原因となる。豚肉や鶏肉は、長時間熟成させるメリットよりも、デメリットが大きいといえる。
なお、牛肉を10日以上熟成させるときは、肉をつるして低温の場所で乾燥させる「ドライエイジング」が主流。この方法で長時間の熟成を行えば、長時間かけてタンパク質の分解を進めながら、雑菌の繁殖などを防ぐことができる。


加熱でさらに味が豊かに

肉に火を通すとき、肉の中では、味や香りを左右する二つの重要な化学反応がおきている。 「メイラード反応」と「ストレッカー分解」。
「メイラード反応」は、別名を「アミノカルボニル反応」ともいう。肉を加熱することで赤身に含まれている糖分とアミノ酸が反応し、肉の香ばしさや肉らしさの素になる何百もの物質がつくられる。熟成でタンパク質が分解され、メイラード反応の材料となるアミノ酸の量が増えると、反応がよく進むようになる。
「ストレッカー分解」は、メイラード反応が進むことで生じる反応。メイラード反応で生じた「ジケトン」というさまざまな物質が、さらにアミノ酸と反応することで「ピラジン」などの窒素を含む物質が生じる。また、アミノ酸と糖との反応などにより、硫黄原子を含む物質(含硫化合物)も多数生成される。これらの物質によって、肉に焼き色がつき、香ばしさや肉っぽさが際立つとされている。
また、加熱は、肉の食感にも変化をあたえる。筋肉を構成するタンパク質が、熱を加えられることで形を変えて(変性)かたまり、本来はきれいに整っていた筋肉の線維構造が乱れるため。また、熱を加えると、肉に含まれていた水分が蒸発し、みずみずしさも少しずつ失われていく。つまり肉の焼き加減は、肉の香りや食感、そして、ジューシーさを調整するために非常に重要な要素。


熟成と似た効果を生む「低温調理」とは?

低温調理とは、肉を真空パックに入れ、65℃程度の湯で、長い時間(1時間程度)加熱する方法。
実は低温でじっくり加熱することで、肉の内部では、本来数日かかるはずの熟成と似たような反応が起きている。肉の中にあるタンパク質を分解する酵素は、40℃前後で最も活発にはたらく。低温調理の最中は、肉の内部の温度が長い時間40℃前後になっている。このため、加熱中にもタンパク質がアミノ酸に分解されやすく、熟成と同じように、グルタミン酸が生じて旨味が増すと考えられている。また、低温調理を行っている問は、イノシン酸はたらきで筋肉がほぐれ、肉がやわらかくなることもわかっている。ほかにも、低温調理では、タンパク質の変性や水分の蒸発がおきにくいため、やわらかく、みずみずしい肉料理をつくることができるという。


食中毒や感染症のリスク低減

調理法によっては部分的に“生”でも食べられる肉を加熱するのは、肉をおいしく加工するためだけではなく、肉に付着している細菌を殺すためでもある。そもそも肉の内部は、アミノ酸や糖分、水分などが豊富で、微生物にとって繁殖に適した環境。そのため、肉を食べるときには食中毒や感染症になるリスクをともなう。
食中毒などの主な原因は二つある。一つは動物の腸内や皮膚にいる細菌。家畜などを解体する過程で、細菌が肉の表面に付発してしまうと、食中毒などの原因となる。牛肉では「0-157」という大腸菌の一種、鶏肉では「カンピロバクター」や「サルモネラ」といった細菌が知られている。
また、豚肉や鹿肉には、解体時に付着する細菌だけでなく、ウイルスや寄生虫による食中毒や感染症のリスクもある。豚や鹿、猪などの肉の内部には人の肝炎の原因となる「E型肝炎ウイルス」や、 「有鉤嚢虫」(ゆうこうのうちゅう)などの寄生虫がいる場合がある。豚肉やジビエ肉だと中までしっかり焼く必要があると言われるのはこのため。なお、牛肉や鶏肉の内部には、基本的に人に有害な細菌やウイルス、寄生虫はいないとされている。
細菌やウイルス、寄生虫を殺すためには、63℃で30分加熱することが目安とされている(パスツール殺菌)。温度が5℃上がると、必要な加熱時間がおよそ10分の1になるため、加熱時に100℃程度になる家庭のフライパンでは、肉の表面に付着した細菌であれば数秒間の加熱だけで殺すことができる。
現在の法律ではたとえば「表面から1センチメートルまで火が通るように加熱する」、 「調理後すぐに提供する」などのいくつかの条件をクリアした牛肉であれば表面を切り取ることで内側の生の部分を生食用として提供できる。一方、豚肉や、牛・豚のレバーを生食用として提供することば、食品衛生法で禁止されている。
なお、鶏肉には明確な規制はないものの、加熱して食することが推奨されている。生食用として提供されている鶏肉は、表面に菌がつかないよう、各店舗の責任で衛生管理がなされたものである。

[ 2018/12/20(木) ] カテゴリ: 食のその他 | CM(0)
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