ポストさんてん日記

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ウイルスが原因のかぜには抗菌剤(抗生物質、抗生剤)は効かない

[ 2018/09/18 (火) ]
本エントリーは当初はかぜ、インフルエンザ、抗菌剤(抗生物質、抗生剤)、などの勉強ノートの1項目でしたが、追記してきて情報量が増えたので、単独化したものです。

5.ウイルスが原因のかぜには抗菌剤(抗生物質、抗生剤)は効かない

抗菌剤は主に細菌に対して防御用に作り出す化学物質。(例えばペニシリンは、ペニシリウムというカビが微生物から自らを防御する為に分泌する化学物質。)
その作用機序は、細菌代謝系のどこかを阻害(例えばペニシリンは細胞壁の合成を阻害することによって細菌を殺す。 )するもので(細胞をもたない)ウイルスには効かない
主な抗生物質のはたらき
細菌の分裂の際に
細胞壁ができるのを
阻止する
・βラクタム薬
 ペニシリン系、セフエム系、カルバペネム系など
・グリコペプチド系
細菌がタンパク質を
つくるのを防げる
・テトラサイクリン系
・マクロライド系
・アミノグリコシド系
 など
分裂の際にDNAの複製
を妨げる
・キノロン系 など

インフルエンザを除き、ウイルス起因のかぜの治療薬はない、ということになります。(症状を緩和する薬はいくつかある。)
【参考】
風邪の咳に確実に効く市販薬はない 米国の専門家委員会が結論 (大西淳子 日経グッデイ Yahoo 2018/1/18)
図解入門よくわかる最新抗菌薬の基本と仕組み

薬剤耐性菌が大きな問題になっている
詳細は2015年の有志による抗菌薬啓発啓発週間活動 ホームページ(DCC国際感染症対策室の抗菌薬啓発)が参考になります。
そのサイトから、『ウイルス?それとも細菌?ポスター』(日本医科大学 根井貴仁 先生 作成)を引用します。

CDC抗菌薬(根井先生)02

急性気道感染症の診断および治療の手順
出典:国が本腰「かぜに抗菌薬を使うな!」(日経メディカル 2017/4/27)



欧州と日本の抗菌薬使用量比較出典:2017/5/6産経新聞

抗菌薬販売量の推移
出典:2018/10/11産経新聞

【参考】
抗菌薬の適正使用とは?(園田唯 MEDLEY 2017/9/4)
抗生物質(抗菌薬)を使えば使うほど薬が効かなくなる?(園田唯 MEDLEY 2017/8/28)
抗菌薬の乱用が不明熱を増やす(内藤俊夫 日経メディカル 2016/12/20)
大人の風邪に抗生物質はほんとに効くの?(園田唯 MEDLEY 2016/6/11)
抗生物質で耐性菌増殖も(徳田安春 yomiDr./ヨミドクター 2016/1/21)
「だいたいウンコになる」抗菌薬にご用心!(忽那賢志 日経メディカルAナーシング 2015/12/14)
抗生物質への耐性について (ファクトシート)(2015年10月のWHO文書の翻訳)(FORTH)
世界中で乱用される「抗生物質」--菌と医学の果てしない競争が続く憂鬱な未来(川口マーン惠美 現代ビジネス 2014/6/13)

(参考)オラペネム(カルバペネム系抗生剤)は第一選択薬ではなく、重症感染症に限定して使用
オゼックスとオラペネムは世界中で日本だけ子どもに使われている最強の抗生剤、本来、外来で使うべき薬ではない。
【参考】
1、抗生剤の種類・中耳炎に使用する抗生剤(もぐらタイムズ 2017/1/10)
2、副鼻腔炎に対する抗生剤と耐性菌(もぐらタイムズ 2017/1/16)
3、風邪と抗生剤(もぐらタイムズ 2017/1/19)
過剰な心配が 過剰な抗生剤治療につながります(ふかざわ小児科) 

(参考)細菌の薬剤耐性のしくみ
  • 抗生物質を分解する酵素をつくりだす。ほとんどの抗生物質が効かない多剤耐牲菌として恐れられている「NDM-1産生菌」はこのタイプ。
  • 抗生物質のターゲットとなる自らのタンパク質の形をかえるなどし、薬からの攻撃をのがれる。日本国内でもよくみられるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球)などがこれにあたる。
  • 抗生物質が細菌の内部へ入るのを阻止したり、細胞内に入った抗生物質を外部へ排出したりする。免疫力が低下した患者に感染症を引きおこすこともある緑膿菌は、元々この機能をもっているので抗生物質が効きにくいという。

(参考)グラム陰性菌、グラム陽性菌

グラム陰性菌グラム陽性菌
グラム染色性陰性(赤色)陽性(紫色)
代表的な細菌大腸菌、サルモネラ菌、赤痢菌、ペスト菌、肺炎桿菌
グラム陽性菌に比べて病原性が高いとされる
ボツリヌス菌、ぶどう球菌、ウェルシュ菌、乳酸菌、肺炎球菌
細胞壁
(人の細胞にはない強固な構造体)
グラム陰性菌
薄い。外側に外膜を持つ厚い
(細胞壁の主要物質)
ペプチドグリカン(PG
糖とアミノ酸から構成
PGは1~2層、厚さは1~8nmPGは最大で40層、厚さは20~80nm
外膜リポ多糖(LPS)とリン脂質からできている
LPSが菌体の破壊で遊離すると内毒素(エンドトキシン)になってしまう。
マクロファージを刺激し、種々のサイトカインが産生、ショックを引き起こすことがある
主な参考文献:抗菌薬と細菌について

(参考)薬剤の臓器移行性

薬剤の臓器移行性
かぜ、インフルエンザ、抗菌剤(抗生物質、抗生剤)、などの勉強ノート戻る
[ 2018/09/18(火) ] カテゴリ: 生物・医学関係一般 | CM(0)
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