ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

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【後半】デンマークのエネルギー政策など(自然エネルギー、風力発電、発送電分離)

[ 2011/07/27 (水) ]
本エントリーの記載情報は古いです。
新しいエントリーにまとめ直しています。
デンマークの再エネ比率が世界1位の理由

クリック


【前半】からの続き。

後半は、風力発電の実像についてである。

 「黙殺の音 低周波」と言うサイトに“National Wind Watch=NWW”に”Key Documents”として載っている“A problem with wind power”全訳がある。(【資2】と記載する)
 2006/9/5作成で、この全訳の前説明に、『内容的にはデータが少し古くなってしまい、現状とのズレが有るかも知れないが、風力発電が持つ本質的問題に変わりがあるとは思えないので』とある。
 さらに、全訳の後説明に『まー、もちろん、風車産業をここまでボコボコに言っている筆者に対して、それなりに反論は有るモノで、』と、反論資料も紹介している。

 今回は、全訳のうち、“なるほど”と思える極一部を引用した。

6. A problem with wind power 【資2】から一部引用)

パー ト I 風力発電が、その支持者によってされた主張通りではない
●1998年のノルウェーの委嘱研究の結論は、デンマークでの風力発電は「重大な環境に対する影響、発電能力不足、製造コストが高い」。
●風力発電の間欠性と変動性のため、従来型発電所は全く止められていない
風が適切に吹いている時には、それらが生成するパワーは通常過剰であり、極めて割引かれた価格で他の国に販売されるか、風力発電タービンは停止されなければならない。
●2003年に西部デンマークの風力発電の84%が輸出された。風力発電は自国の電力需要の3.3%を提供したに過ぎない。
●2000年にデンマークは輸出した電力よりも多くの電力を輸入した。風力発電建設補助金を含んだデンマークの家庭用電気料金は欧州で最も高い。
●多くの風力発電装置を送電線網に接続する場合の技術的問題。【Eon Netz,“Wind Report”(2004年)】
①風力発電電力は非常に激しく変動するので変動を相殺するために付加的な通常発電装置による予備電源が必要、
②冷暖房高需要期と風力発電能力の低い時期が重なる、
③発電電力の予測が困難、
④風力発電には高電圧と超高電圧のグリッド基盤への対応する拡張が必要である、
⑤風力発電の増大で送電線網をより不安定にする。

パー トII 環境と人々の生活への影響が決して穏やかではない
景観の問題、設置面積が大きい、自然破壊、など(略)
騒音問題だけ、一部引用
●確かに、新しいタービンはより静かなベアリングとギアを装備しているかも知れないが、巨大な磁化した発電機は、低周波のブーンという音を出すことを避けることはできない。さらに100フィートの風車の羽根が100mph以上で空気を切り裂く問題は克服できていない。
●騒音における低周波音の侵入は、ズシンズシンとした振動であり、通常測定される「可聴の」騒音よりずっと遠くまで届く。

 次ぎの資料は、東京電力の海外エネルギー情報2006年4月14日 欧州における風力発電の現状である。(【資3】と記載する)
 原発派の東電ゆえに真偽も疑ったが、【資2】と比べて齟齬もないため、問題ないと判断した。

7.欧州における風力発電の現状【資3】から一部引用)

 欧州には世界の7割を越える風力発電が集中しており、なぜ欧州にはこんなに風力発電が多いのかという疑問は誰もが持つ。
 その主な理由としては、2001年のEU指令(再生可能エネルギー促進)により、電力系統への優先接続が認められ、導入促進のための様々な制度(ドイツのプレミア付き固定価格買取制度など)が各国で整備されていることが挙げられる。
 この他、偏西風が主で風況が安定していることや、風力発電産業の育成(風力発電装置の8割以上は欧州製)などもある。
 欧州の電力系統はメッシュ状に接続されており、系統全体の容量が大きいため、全体が大きなクッションのように働いて、風力発電の出力変動に対応した調整が行えるためである。西デンマーク(デンマークの系統は東西に分離)は、総発電容量の1/3が風力発電という状況を実現している。日本では風力発電の導入促進策として解列(調整力が不足する際に系統から切り離し)や蓄電池(出力変動を平滑化)の活用が検討されているが、デンマークでは特別な対策はとられていない。「デンマークの風力には蓄電池はいらない、なぜならノルウェーとスウェーデンという大きな蓄電池がもう既にあるから」というのはあるセミナーで出た冗談である。
 ただし事情の異なる国もある。それは島国である英国で、欧州では最も風況が良いといわれながら、現在130万kW強の風力発電しかない。
 英国におけるフランスやアイルランドとの連系線は、総発電容量の3%程度の容量しかなく、デンマークのようなわけにはいかない。英国のように連系線の容量の少ない国では風力発電の導入には限界があるという意見が出されている。一方では、特別な対策なしで、現状の設備計画により1300~1500万kWまでの風力発電の系統接続は可能との意見もあり、推進派と懐疑派の間の議論は続いている。 

 次ぎの資料は東京電力の海外エネルギー情報2010年8月27日欧州の洋上風力開発動向である。(【資4】と記載する) 統計データのまとめであり、問題ないと判断した。

8.欧州の風力開発動向【資4】から一部引用)

 2009年にEU27ヶ国で新設された風力発電設備は1,016万kWで、合計7,476万kW
 新設の内訳は、陸上風力が958万kWで前年比21%増、洋上風力が58万kWで56%増と着実に成長。
 2009年末の洋上風力発電の国別内訳で、最大は英国の88万kW(44%)で、次いでデンマークの64万kW(31%)、オランダの25万kW(12%)。
 英国では、2020年までにエネルギー需要に対する再生可能エネルギー比率を15%とする目標に向けて、洋上風力発電の急成長が期待されている。
 EUの共同研究センターがまとめたエネルギー技術戦略計画のロードマップでは、2020年に陸上風力が1.9億kW、洋上風力が4,000万kWに達するとの見通し。その年間発電電力量は5,000億kWhでEUの電力需要の12~15%に相当。

9.風力・太陽光発電の本質的欠点

 気象条件によって変動し、発電量がほとんどゼロになる場合もある。こうした状況に対するバックアップが必要である。
 欧州の場合でも全体でみれば、既存の発電所を残したまま風力・太陽光発電を併設し、条件の良いときには風力・太陽光発電で電力を供給し、発電できないときには既存の発電所を動かすという運用を行うというのが実態となる。つまり、既存の発電システムの置き換え・代替えにはならないのである。(大規模な蓄電システムが実現しない限り)

【9/22追記】
●産経ニュース9/4 風力発電の環境負荷は? 騒音、太陽光遮断…住民に影響

【つぶやき】

●スリーマイル島の6年後、チェルノブイリ1年前の1985年の原発なし議会決定には、結構、長いストーリーがある。草の根運動によって国策を覆すというスバラシイ過程と結果だ。

 第一次オイルショック直後(1973年)電力会社は全国に15箇所の原子力発電所の建設計画を発表する。76年春には「原発法」が議会を通過。
 それに対してOOA(原子力情報組織)という環境NGO(1974年に立ち上げたのが、シグフリード・クリステンセンという青年で、当時の設立メンバーは全員20代の若者)が、政府のエネルギー計画に対案を出し、メディアなどを通じて社会的な議論を喚起するとともに、地域でのエネルギー問題への関心を高めるために、15カ所の原発候補地に「エネルギー情報センター」も設けた。
 その中で、首都コペンハーゲンの対岸に、スウェーデンが原発を建設したことが大規模な原発反対デモを引き起こし、1979年のスリーマイル島原発事故によって、世論は決定的に原子力発電の放棄に傾き、原子力発電に依存しない公共エネルギー計画を議会が決議した。
 出典:「命の記」5/18 デンマークに学ぶ脱原発市民運動



風力発電について
 デンマークでの高い普及率は、国の規模、欧州全体の統一電力網、と言う必要条件がある事が大きいようだ。(具体的には、周辺に風力発電の不安定電力を吸収できる巨大な送電線網と市場が存在)
 ただし、国民の参画意識と言う十分条件も見逃す事はできないと思う。(一部の業者に利権を集中するのではなく市民も出資して事業者になれると言う政策の一方で、景観などの欠点・高い電気料金の我慢?など)  
 優遇政策の効果もあり、2009年までは、欧州での風力発電は着実に成長している。洋上風力の伸びが大きい。当初は疑問もあった英国での普及も進んでいる。

 日本では、今までの風力は結構、問題がある様だ。
 今後は、(ベース電源である)原発の代替えにならないことを理解したうえで、発電のベストミックスの一つとして、問題を解決しながら慎重に進めるべきと思う。先発国の経験や失敗から学ぶ事が重要である。
 現在の建設コストは、優遇政策がないと普及しないレベルなので、(結果として税金投入or電気料金転嫁となる)優遇政策自体は、ある程度はやむを得ないと思う。ただし、優遇政策が新たな利権を産まないようにしなければならない。(原発ビジネスで明確になった様に)利権が絡むとブレーキが利かなくなるので。

 【11/16追記】英国も日本と同じような問題を抱えている様だ。
 「小さな政府を語ろう」11/15 イギリスにおける風力発電の現実

●やはり、発送電分離は、日本でも絶対に必要だ。

高福祉・高負担については、理想的な姿の一つと理解した。 
 高い税率負担も、透明性があり、目的にマッチして、(用途外の)無駄がなければ、受けいれられる。(もちろん、社会保障制度全体が高いレベルである事が必要だが)
 デンマークでは、高い税率負担自体が押しつけではなく、主権者が選択した結果に近いのだろう。

●全てに関係する基礎的な事だが最大のポイントは、日本と正反対の政治・行政の状況(金がかからない、腐敗なし、など)であろう。うらやましい限りである。ここをどうにかしないと!


【関連エントリー】

●再生可能エネルギーに関する誤解? [2012/12/06]
●【前半】デンマークのエネルギー政策など(自然エネルギー、風力発電、発送電分離) [2011/07/25]
●【改定】世界一高いか?日本の電気料金 [2011/07/15]

その他の関連エントリーはカテゴリーにひとまとめにしています。記事下部or左欄のカテゴリーリンクから、どうぞ。

(個人的メモ)
●「All About」2011/5/30 風力発電の問題点と、その可能性
[ 2011/07/27(水) ] カテゴリ: 今では古い陳腐化情報 | CM(2)
コメント、ありがとうございました
地熱を応援!様

丁寧なコメント、ありがとうございました。
この機会に、地熱についても勉強してみたくなりました。
[ 2011/07/29 10:00 ] [ 編集 ]
日本は地熱資源国
自然エネルギーは電力の安定供給が難しいと言われています。

それぞれの施設稼働率は、

風力発電  約20%
太陽光発電 約12%
地熱発電  約70%

地熱発電の施設稼働率はとても高く、現在の原発(40%)よりも高くなっています。
もちろん地熱発電の場合は24時間安定的な発電が出来る上、電圧も一定した発電が可能です。
太陽光や風力と違い、天候や季節、昼夜を問わず安定した発電ができる技術なのです。
また風力発電と太陽光発電は電力供給の問題だけではなく電圧の問題もあります。

しかも日本は世界第3位の火山国、つまり「地熱エネルギー資源国」なのです。

中学校の理科や高校の地学の学習を思い出して下さい。地球の内部はとてつもなく熱くなっています。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ファイル:Earth-crust-cutaway-japanese.svg

この地球の内部の熱を利用して発電をするのが地熱発電です。45億年前の原子の破壊熱を利用する訳ですから、もう放射能の心配はありません。
石油やウランと違い、地球がある限り枯渇することもありません。

問題は地熱発電の悪い「風評」がたくさん流れていることです。
温泉が枯渇すると言う噂がありますが、現在の日本の地熱発電の影響で枯渇した例はありません。
事故の危険性や地震の耐久性の風評もたくさん流れていますが、今回の震災で東北地方の火力発電所が壊滅状態になったり、福島の原発が大事故を起こしたのに対して、地熱発電所は震災の時には、全ての発電所において何の被害もなく安全点検の後、すぐに通常稼働に戻りました。

それと、どういう訳か事業仕分けで地熱発電開発予算が大幅カットされました。なので国の開発予算がぜんぜんありません。また国の規制がきびしく立地することが困難だという問題もあります。(国は地熱発電を本気で開発する気がないようです)

とにかく地熱発電は悪い噂がたくさん流れていますが、ほとんどがウソです。

技術総合誌『OHM』7月号で地熱発電の特集をしていますので、よろしければ読んでみてください。

http://targetwinget.com/aws/a/b0057y03bk/
[ 2011/07/28 23:18 ] [ 編集 ]
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