ポストさんてん日記

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がんの生存率いろいろ

[ 2018/10/12 (金) ]
子宮頸がんグラフを追記。2018/10/12
初回公開日:2018/10/10


最近、がんの生存率の話題を良く目にするので勉強しました。確かにいろいろな統計があるようです。

目次

1.生存率のデータを出している統計は3種類ある
2.個別データを観るにあたって
3.全がん協(全国がんセンター協議会)加盟施設における5年生存率、10年生存率
4.全がん協のKapWeb(生存率解析ソフト)のサイトで詳細なグラフが観れます。【追記】
5.関連エントリー、メモ

1.生存率のデータを出している統計は3種類ある

全国がんセンター協議会
(全がん協)
地域がん登録院内がん登録
集計対象 がん専門診療施設32施設47都道府県内の全医療施設
主に都道府県を
主体として運営
がん診療連携拠点病院約300施設
開始年1997年1951年(罹患登録)2007年
3年
相対生存率
(2018/9
時点の
最新)
未集計未集計2011年診断
胃74.3%
(約4万3千例)
大腸78.1%
(約3万6千例)
5年
相対生存率 
(2018/9
時点の
最新)
2007-09年診断
胃74.5%
(約2万2千例)
大腸76.0%
(約1万5千例)
2006-08年診断
胃64.6%
(約10万9千例)
大腸71.1%
(約10万3千例)
2008-09年診断
胃71.1%
(約7万5千例)
大腸72.9%
(約6万)
施設別生存率あり
*01
10年
相対生存率 

(2018/9
時点の
最新)
2001-04年診断
胃64.3%
(約9千例)
大腸65.9%
(約5千例)
未集計
(都道府県単位ではあり。
例:大阪府)


ピリオド法による
2002-06年追跡
10年生存率

ピリオド法による
2002-06年追跡
サバイバー5年生存率
未集計
備考我が国のがん専門病院のデータ
であり、日本を代表するものではないが、
地域がん診療連携拠点病院が
今後目指すべき目標値であると考えられる。

*01がん診療連携拠点病院等院内がん登録生存率集計(国立がん研究センター 2018/9/12)
下記の『施設別生存率の公表の意義についての説明』がありますが、案の定、一部の週刊誌がネタとして騒いでいるようです。
その他の出典:PDF院内がん登録による生存率集計(国立がん研究センター 2018/9/10)

2.個別データを観るにあたって
出典は4項のサイトの2ページ目。

生存率のデータを見ていただく時に、いくつかご理解いただきたいことがあります。

  1. 生存率のデータは、たくさんのがん患者さんの平均的な数字です。
    いわば確率として推測するものであり、一人ひとりの患者さんの余命を決定づける数字ではありません。
  2. この生存率は、日本のデータとしては最も新しいものですが、それでも10年以上前にがんにかかった方のデータです。
    ある程度の年数を経ないと、がん統計は結果が出ないためです。
    ですから、現在は医療の進歩により、この生存率の数字よりさらに治療成績は向上していると考えてください。
  3. 生存率は、何万人というがん患者さんの生と死の結果わかった数字です。
    ご覧になる方の受けとめ方によっては、生きる力になることもあるでしょうが、逆にその意欲を失くしてしまわれることもあるかもしれません。
    おひとりおひとりが、そのことを心に刻んだうえでご覧ください。


3.全がん協(全国がんセンター協議会)加盟施設における5年生存率、10年生存率

2つのグラフを合体したもの。
上のグラフは、全症例の5年生存率・10年生存率
下のグラフは、臨床病期毎の10年生存率

いずれも、全年齢(15歳から94歳)、男女計
朱腺囲みは4項に個別グラフがあります。
生存率全体03
【下記のデータ出典からブログ主作成】
  • 5年生存率2007~09年診断例 がんの統計2017年版のP93
  • 10年生存率2001年~04年診断例 がんの統計2017年版のP97

4.全がん協の生存率グラフを描画してくれるKapWeb(生存率解析ソフト)のサイトで詳細なグラフが観れます。

がん粗死亡率の上位の大腸がん、肺がん、胃がん(既エントリー)のグラフを抽出しました。サイトの画面では臨床病期ごとのグラフが表示されます。
下記は抽出したステージ毎の4つのグラフを1つに重ねて引用したもの。
抽出条件は3項のデータに合わせたほか、『エデラ―Ⅱ』を選択
実線上下の点線は±10%信頼区間
【大腸】
10年大腸
【肺】
10年肺
【胃】
10年胃
【甲状腺】 これは生存率カーブが他とはかなり異なっているので引用。
10年甲状腺
参考までに、【小児甲状腺がん】の生存率。
(条件として年齢層のみを最小レンジにして、15歳から29歳、男女計、組織診断:全て、エデラ―Ⅱ)
10年生存率:2001年~04年診断例で、100%(42例)
5年生存率:2007~09年診断例で、100%(106例)

【追記】
【子宮頸がん】 これはHPVワクチン問題に関連するので引用。
10年子宮頸がん

各グラフとも抽出条件は3項と合わせたので、10年目の生存率は3項のデータと同じ数値になっています。

5.関連エントリー、メモ

がんの統計2017、年齢調整死亡率、粗死亡率、死亡リスク、罹患リスク

【メモ】
あなたが知っておくべき がん治療の現状(大須賀 覚 がん治療で悩むあなたに贈る言葉 2019/2/6)
生活費等の助成や給付など(国立がん研究センター)
あと何年生きられますか 余命という究極の予測、正しく理解するには(西村宏治 朝日新聞GLOBE+ 2019/10/11)
誰のための、何のための安楽死? 反論や批判にどう答えるか 幡野広志さん、安楽死について考える(3)(岩永直子 BuzzFeed 2019/3/8)
「緩和ケア」という言葉が分かりにくい理由(関本克宏 日経メディカル 2019/3/4)
「私のがん、治りますか?」 末期がんの患者のその言葉に、現役医師の“答え”は?(大塚篤司 AERA dot. 2018/11/2)
【寄稿】余命に関するコミュニケーションをどう行うか(前編)余命宣告はなぜ不正確になるのか(大須賀覚 医学書院週刊医学界新聞第3292号 2018/10/8)
【寄稿】余命に関するコミュニケーションをどう行うか(後編)信頼関係を築くコミュニケーションとは(大須賀覚 医学書院週刊医学界新聞第3297号 2018/11/12)
末期癌の友人にどのように接するべきなのか?(大須賀覚 がん治療で悩むあなたに贈る言葉 2018/6/11)
余命宣告に関する誤解(大須賀覚 がん治療で悩むあなたに贈る言葉 2018/5/1)
「あとどれくらい生きられるのですか?」と聞かれたら(かわさきOncology&Palliative Care 2017/8/23)
[ 2018/10/12(金) ] カテゴリ: がんに関する事 | CM(0)
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