ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

米国の原発の安全基準見直しの動き、安全とコスト、日本の場合は?

[ 2011/07/20 (水) ]
最近の動きを二つアーカイブ。時系列では2.1.

1.ウォール・ストリート・ジャーナル 7月18日 米国原発の安全性向上、早期実現を求める=ヤツコNRC委員長

【全文引用】
 米原子力規制委員会(NRC)のヤツコ委員長は、原子力発電業界の安全基準を大幅に変更する提案を今後どのように進めるか、90日以内に決定するよう同委員会に指示している。提案事項には、発電所がより多くの予備電源を備えることなどがあり、多くのコストがかかる可能性がある。
 現在のところコストに関するルールがあるため、健康上のメリットによって、かかるコストを正当化できない限り、NRCは発電所の大きな改善を要求できない
 福島第1原子力発電所の事故後に結成されたNRCのタスクフォースが行う提案は、原子力発電所の安全性に関して、1979年のスリーマイル島事故以来もっとも大きな変更を伴うものとなる。
 ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューに答えてヤツコ氏は、NRCは素早く行動し、福島を襲ったような災害から原子炉を保護するよう、米国の原子力発電所に求めるべきだ、と述べた。タスクフォースによる提案では、最初は費用対効果分析を行わずに安全性を向上させることを求めているが、ヤツコ氏はそうした提案への支持を表明した。
 23年前に定められたNRCのルールによると、安全面で大きな変更を行うには、最初に費用対効果分析を行うこととされている。しかし、国民の「十分な保護」に必要だとNRCが判断すれば、そうした分析を行わなくてもよい。
 米国原発業界は、安価な天然ガスからの競争圧力にさらされている。同業界は、費用対効果分析があることで、安全面がさほど向上しない高価な変更を行わずに済んでいると言う。
 提案でカギとなる点の一つは、原発がどのくらいの時間、電力なしで機能できるようにするべきかという問題だ。
 福島の事故では、何日も電力のない状態が続いたことで、核燃料の損傷や水素爆発、危険なレベルの放射線の漏えいが起こった。
 NRCスタッフによる安全性に関する提案と、ヤツコ氏がそれらを公式なルールにしたいと考えるスピードが示すのは、ヤツコ氏が従来とは異なり、あまり業界寄りでないスタイルをとるようになったことだ。同氏はタスクフォースの提案を、「包括的でよくできている」としている。

2.ウォール・ストリート・ジャーナル7月14日 【NewsBrief】米原発業界が原子力規制委の提案に反発

【全文引用】
 NRCの作業部会が明らかにした新規制案に対し、米原子力発電業界は13日、コストを無視していると不満を表明した。
 福島原発事故を受けてまとめられたこの規制案はまた、原発業界を高コストの設備更新から免じている1988年に制定されたルールを実質的に無効にする提言も行った。同業界はこれまで、設備更新による国民の安全の向上がコストとバランスの取れたものであることを求めるこのルールを使って、意に沿わない規制に反撃してきた。
 今回の提案には、自家発電も含めた電力が失われても原発を最低3日間安全な状態に保てるようにすることを求める勧告も盛り込まれている。現在、米国の原発は外部電源と自家発電による電力が失われた場合4~8時間稼働するバッテリーの設備を備えることが義務づけられているにとどまっている。

 【つぶやき】

 これらの記事を読んで再認識した事は、安全とコストは常にトレードオフの関係にあることだ。(普遍的な命題)

 この二者の関係を決定するファクターの一つは、反省と慣れだと思う。痛い目にあった時にはオーバー目の対応が支持される事が多く、暫くするとアンダー目の対応の主張が強くなって行く、の繰り返しが続いて来たのが実態ではないか。
 二者の関係を決定するもう一つのファクターは、“権威”だと思う。(一般的に政・行・学のいずれか)

 今の時期は、少々オーバーな対応が取られて然るべきだと思うが、米国の“権威”が、どの様な結論を出すか?注目していきたい。

 日本は、この命題(安全とコストのトレードオフ)の論議以前の問題で、具体的な対策がよく見えない事から正さなければならない。ストレステストの中身である。その中でも、地震による原発被害の実態と今後の対応”はどうなってしまったのだろうか?耐震基準の見直しが必要なのでは?。
 さらには、利権に侵されている“権威”をこのままにして進むのか?このままだと、ストレステストも骨抜きになってしまう。来年の4月などと悠長なことを言わずに、すぐにでも経産省から切り離した形の新しい組織を作るべきだ。
 
  

【関連エントリー(新しい順)】
●米国の原発の安全基準見直しの動き、安全とコスト、日本の場合は? →本エントリーです
●米国における、NRCの権限、フクシマ後の原発の状況、使用済み核燃料処分場計画の現状
[ 2011/07/20(水) ] カテゴリ: 原発に直接に関する事 | CM(0)
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