ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

【前半】デンマークのエネルギー政策など(自然エネルギー、風力発電、発送電分離)

[ 2011/07/25 (月) ]
本エントリーの記載情報は古いです。
新しいエントリーにまとめ直しています。
デンマークの再エネ比率が世界1位の理由

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各国の電気料金を調べてみて、デンマークの家庭用が世界一高いことが判った。この機会に、日本では自然エネルギー導入の優等生と目されているデンマークのエネルギー政策、風力発電などについて、情報を拾ってみた。(好奇心のおもむくままに)

前半
後半に分けてエントリーするが、
前半は、ウィキペディアなどの一般資料(【一般】と記載)と
デンマーク在住の方のブログ「Lille Du」の5月22日のエントリー Hope 希望【資1】と記載)からの引用によるものである。
また、本川裕さんのサイト『社会データ実情図録』から判りやすいグラフなど、いくつかをリンクさせて頂いた。

後半は、デンマーク風力発電の実像についてまとめて行く。

1.基本データ (情報元は【一般】)

●人口:550万人(108位)、日本は1億2700万人(10位)
●デンマーク人による単一民族国家であるが、 2009年の統計によると全人口の9.5%を移民とその子孫が占める。(欧州一とも言われる厳格な移民法がある)
●GDP(2010年):3,100億ドル(31位)、日本5兆4,000億ドル(3位)。なおデンマークの規模は愛知県レベル
1人当たりのGDP(2009年):56,200ドル(5位)、日本39,700億ドル(17位)
●輸出額(2010年):970億ドル(30位)、日本7,700億ドル(4位)
●高負担(国民負担率(2007年)71.7%主要国1位、日本は44.3%)だが、世界最高水準の社会福祉国家で、国民の所得格差が主要国で最も小さい
「幸福度」で世界178ヵ国の中で世界一
家族・子供向け公的支出のGDP比(2003年)で主要国2位(日本は24カ国中22位)。
保育・幼児教育への公的支出(2005年)主要国2位(日本は29カ国中22位)。
●付加価値税(VAT)は25%
環境関連税収のGDP比(2008年)は、主要国一高い
家庭用電気料金は世界一高い。
●EUの加盟国だが、ユーロには参加していない:2000年9月の国民投票において、反対53.1%、賛成46.9%でユーロ参加を否決。

2.環境・エネルギー政策関係など

(1) まずは、【一般】からの情報
●他の欧州諸国と同様、発送電分離がなされ、近隣のEU諸国と送電網が繋がっている。
●1985年に原発を導入しない事、自然エネルギーの中でも特に風力発電に重点を置くを決定。
●欧州各国の風力発電設備能力では、2010年末時点で、1位:ドイツ27.2GW、2位:スペイン20.7GW、3位:デンマーク3.8GW、と水を空けられた3位(日本は2007年で1.6GW)だが、人口1人あたりの風力発電能力はダントツ1位である。
風力発電は2006年時点で電力供給量の約2割を占めている。なおも普及を進めており2025年には5割以上に増やせるとしている。1979年より国の設備投資補助金、固定価格制度のもと、組合が設立され個人の共同所有方式により多数が建設された。2004年時点で約15万世帯が約5,500基の風力発電機を共同所有している。
●デンマークにおいては、風力発電の経費は過去20年間で80%以上削減され、今後10年間のうちに通常電力と競争可能な水準まで低下するとの試算もある。温暖化対策費まで考慮すると、欧州における風力は石炭火力より発電経費が一桁少ないとする試算もある。なお、近年の資材の高騰により、装置価格の増加も報告されている。
●世界の風力発電機メーカー市場のシェアは2009年時点でデンマークのVestas社が12.5%で1位

(2) 【資1】からの引用 
●現在、20%の電力を風力発電で賄い、21%をバイオマスによる火力発電、21%をごみ処理場の熱を利用した発電で賄い、23%の電力を国外へ輸出。EUのどの国民よりも、1ワットあたりのGDPが大きく、CO2消費量は1990年代よりも13.3%削減していると同時に、経済成長も順調に伸びています。また、2050年には化石燃料フリーの国となると、国家が宣言しています。
風力発電について、国自体が投資する以外にも、投資する人々(例、農協、会社、投資家、民間団体、自治体等)について、税率が優遇されます。余剰電力については、電力会社が買い受ける義務があります。この際、風力発電の持ち主は、余剰電力を販売すると、国からの助成金が出ます(例、1kwにつき1デンマークオーレ)。また一方、電力会社は安価で余剰電力を買い受けることが出来るように国が助成しており、買い受けた電力を販売することによって利益を出すことが出来るのです。
高い税率に反対することもなく、むしろ、政府が税率を下げようとしたときに国民が反対したほど、国民は、高額な税金を支持し、その見返りに満足しているといえます。
●エコ・カー、より熱伝導のない窓など、あらゆる、節電・エコなこと、製品に対しても、製造者、購入者ともに、税率が優遇されるようになっています。車を購入する際は、より排気ガスを出さない車については税率が低くなります。
●税金の有効利用がなされている、政府が真に国民の代表であり、腐敗政治がない
●デンマーク国民が、電気代の50%を税金(ブログ主注:税率100%)として、自然エネルギー推進、国有の送電網の管理の財源とすることによって得ているものは、安全・安心・CO2ニュートラルな自然エネルギー、CO2削減、自然エネルギーのさらなる発展、自然エネルギー産業・電力の輸出による収益、雇用の拡大、経済発展、そして子どもたちが安心して住める環境、食べ物、自然、毎日の生活、他国へ示せるショーケース(よき見本)。
●自然エネルギーへの投資・運用費用は、効率的で使途が透明な税金、国家の全面的支援により可能だった。政策・税制・法律の整備により、電力会社にとっても、エネルギー会社にとっても、消費者にとっても、自然エネルギーの利用をすると利益が出やすいようにした。
●エネルギー・電力会社に対して、CO2削減目標を国が設定し、義務付けている。エネルギー・電力会社は、法人の顧客が効率的に節電できるよう、コンサルタントを提供。よって、1ワットあたりのGDPがEUで最も高いなど、効率的なエネルギーの使い方がよく考えられ、実施されている。
腐敗のない政治・企業。政治家になるのにお金がいらない。選挙運動は無料で行うことができる。デモクラシーが機能していること、情報の統制が全くない。
●デンマークの風力発電機メーカーVestas ヴェスタス社は株の時価総額で日本のNissan 日産と同じ程度であり、福島の事故で、株価はさらに上昇中です。

3.発送電分離の実態など (【資1】からの引用)

●近隣のEU諸国と送電網(national grid)がつながっており、国有の送電網を管理する会社も国有であり、管理費は、電気代から賄われています。
●国民の支払う電気代は、電気会社ごとにも、電気の消費量の変動ごとにも異なります。国内最大のエネルギー会社(国有会社) Dong Energy ドン・エナジー社以外にも、様々なエネルギー会社があり、また、様々な電力会社があります。国民は、自分の好きな電力会社を選択することが出来ます。電力会社によっては、顧客全体の電力消費量が低いときには、電気代を安くし、顧客全体の電力消費量が多いときには電気代を高くすることにより、節電を推進しています。
●電気代については、たとえば、我が家の電気代の一例(変動します)は、1.90DKK(デンマーク・クローネ)/kwh。日本円にすると、2011年4月2日の為替では1kwhにつき約30円です。税金の占める割合が約50%(ブログ主注:税率100%)と大きく、その収益は、国有の送電網の管理・自然エネルギー推進を支えています。ただし、会社など法人は、それぞれの法人によって異なりますが、電気代に付加される税金が免除されるため、一般の電気代の約半額を支払うことにより、優遇されており、経済活動が促進されるようになっています。
●いくら自然エネルギーを地方自治体・民間企業が開発・実用したとしても、送電網に流せず、自由に売電出来なければ意味がありません。送電網を、国民のものとすることが、日本にとっての課題だと思います。
●送電網・エネルギー会社・電力会社ともに、国民のエネルギー政策へのコンセンサスが反映されるよう、国が管理しつつ、利益優先の独占企業があらわれないよう、健全な自由競争がなされる仕組みが、この国の自然エネルギー政策の成功を支え続けているように見えます。
●電力会社について、インフラという重要性を鑑みながらも、健全な自由競争にすることで独占形態の弊害を阻止し、また、個々の電力会社が利益優先に走らないよう、一定の管理・法規制のもとに国がおいている。

4.風力発電の不安定さ対応 (【資1】からの引用)

●デンマーク国内、さらにEUでは、送電網 (national grid)がお互いの国につながれています。 そのため、色々な場所に設置された風力発電が送電網でつながっているので、あるところで稼動が下がっても、別の場所で稼動している風力発電の電力を使うことができ、お互いを補いあい、安定した供給、また電力の売買が可能です。
●つまり、風力発電大国であっても、それぞれの風力発電の供給量はもちろん変動する。しかし、送電網でつながっていることにより、供給量を補い合い、風力発電による電力の安定した供給が国内で総合的に成し遂げられているのです。

5.その他 【資1】から引用)

●こんな被害のあるとき、そもそも原発のことを、事故を契機に気づいたことを書いてもむなしい気持ちすらしました、遠くにいる私に何ができるだろう・・。原発のことだって、今まで時々、危機感は持っても、追及して知ろうとまではしなかったくせに・・えらそうにかけるほど、私は知識があるわけでもないし、頭がいいわけでもなく、専門家でもない、ごく普通の働く母、一市民です。私には見えていないこと、きっとたくさんあります。日本のこと、世界のこと・・・でも、悪あがきかもしれないけれど、意味がほんの少しでもある と信じたことを書きました。

【2011/8/29追記】
 8月25日のNHKスペシャルで紹介された隣国のスウェーデンのエネルギー政策について纏めて頂いているエントリーを紹介させて頂きます。スウェーデンは原発への依存度は38%あるものの、電力自由化の面では同じ北欧という事で、デンマークと共通しているものがあると思いました。
 ●『showbinの「ゆるほと日記」』8/29 スウェーデンではエネルギーは自分で選べる

【後半】に続く。
【つぶやき】も後半のあとで。

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[ 2011/07/25(月) ] カテゴリ: 今では古い陳腐化情報 | CM(0)
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