ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

ケトン体によるエネルギー代謝の基礎

[ 2018/03/23 (金) ]
“ケトン体”は糖質制限ダイエット系のお話に関連して良く聞く名前です。糖質制限ダイエットについては専門家の間でも賛否両論があるようですが、“ケトン体”の基礎的なところはエネルギー代謝の基礎部分のようですので、勉強しました。

目次

1.そもそもケトン、ケトン体とは
2.ケトン体の産生
3.ケトン体によるエネルギー供給
4.【参考】ケトーシス、アシドーシス、糖尿病ケトアシドーシスという言葉

1.そもそもケトン、ケトン体とは

【ケトン基】
ケトン基は、R1−C(=O)−R2の構造式で表される官能基。
R1, R2 はアルキル基、R1−C(=O)−R2そのものを“ケトン”とも呼んでいる。
ケトン基02ケトン基やアルデヒド基はカルボニル基(−C(=O)−)の種類の1つ。

【ケトン体】
下図の“ケトン体”と表示のある3つの物資の事を“ケトン体”と呼んでいる。取りあえずは、その部分だけ見て頂きたい。本図の他の部分については順に理解していくので。
すなわち
  • アセトン
  • アセト酢酸
  • 3-ヒドロキシ酪酸
    β-ヒドロキシ酪酸は慣用名らしい。さらに、これはケトン基を持たないので、化学的にはケトンには含まれない。

ケトン体13
2.ケトン体の産生

飢餓状態が数日続いたり、糖質をほとんど摂取しない状況、糖代謝異常(糖尿病)などで、糖質からのエネルギー供給が不足してくると、身体はケトン体をエネルギー源として利用するようになる。

ケトン体は肝臓で産生される。

糖質がないと脂肪細胞の中性脂肪から分解された遊離脂肪酸は、細胞外に出されて血流に乗ってエネルギーを必要としている細胞や肝臓に取り込まれて、脂肪酸のβ酸化が進みアセチルCoAに変換される。アセチルCoAクエン酸回路に組み込まれAPTが産生される。
ここまでは、別エントリーで勉強済です。参考として、関連図のみを再掲しておきます。
エネルギー代謝

エネルギーの産生経路

肝臓の細胞のミトコンドリアマトリクスでは、アセチルCoAが増加する一方で、(糖質由来の)オキサロ酢酸が不足し、クエン酸回路が回らない事になる。そこで、固有の酵素の働きで、アセチルCoAアセト酢酸、さらにはアセト酢酸にNADH(これも多量に余っている)からの水素を付加した3-ヒドロキシ酪酸を産生し、血中に放出する。
この2つの物質を“ケトン体”といい、脂肪酸と違ってケトン体は水溶性であるため、特別な運搬タンパク質の助けがなくても血流によって肝臓と赤血球以外のあらゆる必要な細胞(心臓や筋肉、脳など)に運ばれ、エネルギーを供給できる。

ただし、アセト酢酸は、やや不安定な物質で、酵素の作用もなしに二酸化炭素とアセトンに分解してしまう。エネルギー源として使われる前にガスとなって離散してしまう部分も大きい。一方、3-ヒドロキシ酪酸は安定した化合物である。
アセトンはエネルギー源にはならず呼気などから排出される。

3.ケトン体によるエネルギー供給

各々の細胞のミトコンドリアに取り込まれた3-ヒドロキシ酪酸は、合成時と同じ酵素の逆反応によって、水素がとられアセト酢酸に戻る。アセト酢酸は複数の酵素による複数の反応で、アセチルCoAになりクエン酸回路へ入ってATP生産に貢献してゆく。
肝臓はこの一連の反応の鍵となる酵素がないのでケトン体を利用できない。赤血球には、そもそものミトコンドリアがない。

4.【参考】ケトーシス、アシドーシス、糖尿病ケトアシドーシスという言葉

3つの用語に誤用も多いようです。文献などを読む時に必要になるのでブログ主なりの理解をまとめましたが、医学的なことなので、あくまで参考です。

【ケトーシス】
通常、インスリンが作用する状態のもとで、糖尿病、絶食や飢餓状態、極端なダイエットをした場合などに起こる、ケトン体が血中に増加する状態をいう。血中のケトン体濃度は上昇しているが、アセト酢酸3-ヒドロキシ酪酸の酸性が血液の緩衝機構でpHは保たれている状態。

【アシドーシス】
酸性血症ともいう。正常人の動脈血はpH:7.36~7.45程度の間に保たれているが、種々の原因で pHが 7.35以下になっている状態をいう。
肺機能の低下等により二酸化炭素が排出されないために血中の二酸化炭素量が上昇し酸性に傾くことでおこる呼吸性と、酸の過剰生成や摂取増加、酸排泄の低下、つまり下痢や腎不全、薬物の影響等、代謝異常によって酸性に傾く代謝性がある。pHが酸性に傾くことで吐き気や疲労感、脱力感(代謝性)、眠気や頭痛(呼吸性)を感じ、重篤な場合は昏睡状態におちいる状態のことである。

【糖尿病ケトアシドーシス】
インスリンの欠乏・作用不足によって引き起こされ、血液中の大量のケトン体により、血液や体液のpHは酸性にかた向く、高血糖性の急性代謝失調。

関連エントリー

最下部にリンクのカテゴリにまとまっています。

【メモ】
ケトン体・ケトン食とは(福田一典 銀座東京クリニック)
ケトン体:Metabolism’s Ugly Duckling(代謝の醜いアヒルの子)?
[ 2018/03/23(金) ] カテゴリ: 生理学・栄養学の基礎 | CM(0)
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