ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

ビタミンとミネラル、ビタミン様物質、ファイトケミカル

[ 2018/03/28 (水) ]
3大栄養素の勉強を終えたので、次はこれです。
生理学などの基礎的素養がない素人のノートなので誤りがあるかも知れません。
ちなみに、人体の構成要素の割合は
  1. 水分           :50~70%
  2. タンパク質  :15~20%
  3. 脂質           :13~20%
  4. ミネラル分  :5~6%
  5. 糖質           :1%
3大栄養素(炭水化物・タンパク質・脂質)以外に必要な栄養素の内、有機物をビタミン(第4の栄養素)、無機物をミネラル(第5の栄養素)と呼んでいます。

目次

1.ビタミン(13種類)
  脂溶性ビタミン(4種類)
  水溶性ビタミン(9種類)
  摂取基準
  ビタミンの欠乏症、過剰症
2.ミネラル
  主要ミネラル(7種類)、微量ミネラル(9種類)
  摂取基準
  ミネラルの欠乏症、過剰症
3.ビタミン様物質
4.ファイトケミカル
5.関連エントリーなど

1.ビタミン(13種類)

ビタミンは、微量で動物の生理機能を調節する働きのある一群の有機化合物。体内で合成することができず、栄養素として外からとり入れなければならない
水に馴染まない脂溶性のものと、水によく溶ける水溶性のものとがあり、合計で13種類

脂溶性ビタミン(4種類)

脂溶性ビタミン代表的な化合物作用多く含む食品
ビタミンAレチナール、
レチノール、
レチノイン酸、
β-カロテン
(体内においてビタミンAに変換される)
網膜で光を関知する物質の成分となる
成長の促進、皮膚粘膜の形成など
レバー、卵黄、牛乳・乳製品、緑黄色野菜、魚など
ビタミンDコレカルシフェロール、
エルゴカルシフェロール
カルシウムの吸収・骨形成の促進
ホルモン分泌の調節、免疫の調節など
卵黄、脂肪の多い魚、牛乳・乳製品、きのこ類など
ビタミンEα-トコフェロール体内の脂質の酸化の阻止食品中に広く分布
特に植物油、種実類、小麦胚芽など
ビタミンKフィロキノン、
メナキノン
血液凝固に必要な物質の生成に関与
骨形成の促進など
食品中に広く分布
特に緑葉野菜、植物油、豆類、海草類など
(腸内細菌による生合成もあり)

【吸収】
脂溶性で細胞膜とも相性がいいので、多くは吸収の際に特別なトランスポーターを必要とせず、そのまま小腸上皮細胞へと吸収され、カイロミクロン*に同乗して運ばれる。*この辺りの説明は別エントリーにあります。
大量に摂取すると体内に蓄積され、過剰症を起こす恐れがある。(通常、食品からとっている量では心配ない。)

水溶性ビタミン(9種類)

すべての水溶性ビタミンは、酵素(enzyme)補因子もしくはその前駆体(食物から取り入れられた後に体の中で修飾を受けて補因子に変わる)。それも代謝の根幹をなす重要な酵素反応に関わるものが多い。

酵素、補因子、補酵素、補欠分子族などの簡単な説明はこちらのエントリーにありますが一部を引用。

補因子は3つのグループがあり、非タンパク質の低分子有機化合物である①補酵素②補欠分子属③金属イオンに分けることができる。
①補酵素(coenzyme):反応の時だけ酵素と可逆的な結合をする(くっついたり離れたりすることができ、反応後に離れて別の酵素との反応に関与する)
②補欠分子族:酵素と不可逆的な結合をする(一度くっついたら離れない)
③微量金属イオン:Mg2+、Mn2+、Cu2+、Zn2+、Co2+など

ビタミンB群が8種類、それ以外にビタミンC

例えば、ビタミンB1は、体内に入るとリン酸化を受けてチアミンピロリン酸(TPP)に変わり、TPPは糖分を燃やしてエネルギーを作る代謝にかかわる重要な酵素であるトランスケトラーゼや、ピルビン酸脱水素酵素などの補酵素として重要な働きをする。
ビタミンB1が、糖分のとりすぎ、激しい運動によって消費されるなどの理由で不足すると、体のだるさや倦怠感、足のむくみ、動悸、息切れなどの症状を引き起こす。さらに不足すると、脚気(かっけ)発症の可能性が高まる。

水溶性ビタミン
(化合物名)
生じる
補因子
関与する
主な代謝
働き
多く含む食品





ビタミンB1
(チアミン)
チアミンピロリン酸
(TPP)
クエン酸回路
糖代謝
糖質の代謝など豚肉、玄米、
豆類、内臓類など
ビタミンB2
(リボフラビン)
FAD、FMNクエン酸回路
電子伝達系
脂肪酸のβ酸化
糖質、たんぱく質、
脂質の代謝のほか、
さまざまな酸化・還元作用
レバー、卵、
牛乳・乳製品、
緑黄色野菜、豆類など
(腸内細菌による生合成もあり)
ナイアシン
(ニコチン酸
ニコチン酸アミド)
NAD、NADPクエン酸回路
脂肪酸合成・β酸化
コレステロールや
ケトン体の合成
多くの酸化・還元作用食品中に広く分布
特に
魚介類、肉類、藻類、種実類など
パントテン酸
(同上)
補酵素A
CoA
脂肪酸の合成
脂肪酸のβ酸化
コレステロールや
ケトン体の合成
クエン酸回路
糖質、脂質、たんぱく質代謝
コレステロール、
免疫抗体などの生成
食品中に広く分布
特に
レバー、酵母、卵黄、豆類など 
(腸内細菌による生合成もあり)
ビタミンB6
(ピリドキシン
ピリドキサール
ピリドキサミン)
ピリドキサールリン酸アミノ酸代謝
グリコーゲン分解
たんぱく質の代謝食品中に広く分布
特に種実類、穀類、肉類など
(腸内細菌による生合成もあり)
ビオチン
(同上)

ビタミンHと呼ばれた
事もある。
同左新糖生
脂肪酸合成
脂質の代謝など
皮膚や神経組織、
甲状腺などの機能を
正常に保つなど
食品中に広く分布
特にレバー、豆類、穀類、
卵黄、ローヤルゼリーなど
(腸内細菌による生合成もあり)
葉酸
(同上)
テトラヒドロ葉酸
(THF)
アミノ酸代謝
ヌクレオチド代謝
核酸合成、たんぱく質代謝、
赤血球の生成
豆類、緑黄色野菜、レバーなど
ビタミンB12
(シアノコバラミン)
メチルコバラミンメチオニン・グリシン
の合成
スクシニルCoAの合成
核酸の合成など
(金属補因子として
コバルトを含む)
レバー、肉類、魚肉、貝類、
卵、牛乳・乳製品など
(腸内細菌による生合成もあり)
ビタミンC
(アスコルビン酸)
同左薬物代謝
コレステロール代謝
酸化・還元反応、代謝など
抗酸化作用
柑橘類、緑葉野菜、いも類

ビタミンCの生理作用は2 つ。具体的には、コラーゲン、エピネフリンやカルニチンなどの合成反応における補酵素的作用と酸化ストレスに対する抗酸化作用
大航海時代に200万人の船乗りが壊血病で命を落としたと推定されており、原因はビタミンC欠損で、血管壁のコラーゲンの脆弱化による壊血病の発症。


ビタミンCに限らずビタミンの多くが複数の役割を担っており、一つにつき一つの仕事しかしない酵素に比べると、かなりマルチタレントな物質と言える。

【吸収】
これら水溶性ビタミンが欠乏すると、中心的な代謝そのものが停滞、最悪の場合は停止するので、様々な障害が生じる。それだけ重要な栄養素であるから、それぞれに特有のトランスポーターが小腸上皮細胞に存在している。
尿などに排出されやすく、たとえ大量に摂取してしまっても、過剰症の心配はない。一方、体の中にためておくことができないので、必要な量を毎日とることが大切。

摂取基準

日本人の食事摂取基準(2015年版)より(栄養成分ナビ)

ビタミンの欠乏症、過剰症

ビタミンの欠乏症、過剰症
出典:栄養に関する基礎知識(国立循環器病研究センター)

2.ミネラル

炭素・水素・酸素・窒素以外で代謝に必要な元素であり、それ単独で機能することは滅多にないが、他の化合物と合わさることで、その元素ならではの独自の働きをする。

主要ミネラル(7種類)、微量ミネラル(9種類)

非常に多くの種類があるが、主要ミネラル7つが特に重要。これらは、エネルギー産生の代謝や脳・神経の活動、筋肉の収縮、遺伝子発現など、生命現象の根幹に深く関わっている。
元素記号機能および
含有化合物
多く含む食品





ナトリウムNa体液濃度調節、
神経の興奮調節
食塩、みそ、しょうゆ
カリウムK体液濃度調節、
神経の興奮調節
いも類、野菜類、果物類
塩素Cl体液濃度調節、
神経の興奮調節
食塩、みそ、しょうゆ
カルシウムCa骨形成、
血液凝固、
情報伝達
牛乳・乳製品、小魚、海草類、大豆製品、野菜類
リンP骨形成、
エネルギー代謝
核酸代謝
食品中に広く分布 食品添加物など
硫黄S脂質・糖質の代謝、
電子伝達系
含硫アミノ酸
たんぱく質を含む食品に広く分布
マグネシウムMg骨形成、
酵素の補因子
食品中に広く分布 特に緑黄色野菜や海草類などの植物性食品




ラル
Feヘモグロビン、
シトクロムのヘム、
電子伝達系
レバー、貝類、卵黄、緑黄色野菜、ひじき
亜鉛Zn酵素の補因子かき、肉類、小麦胚芽
マンガンMn酵素の補因子穀類、種実、野菜類、抹茶
コバルトCoビタミンB12
(シアノコバラミン)
葉菜類、肉類、臓器類
ヨウ素Iチロキシン海草類、貝類
セレンSe酸化還元酵素、
セレノシステイン
(アミノ酸)
魚肉、獣鳥肉、小麦、大豆
Cu酸化酵素、
電子伝達系
野菜、穀物(特にピーナツ類)、肉類
モリブデンMo酸化還元酵素穀類、種実、野菜類、抹茶
クロムCr糖代謝、
脂質代謝に関与
食品中に広く分布 野菜、穀物、肉、魚など

【吸収】
ナトリウムカリウム塩素の3つについては、ATPのエネルギーを使って取り込みや放出を制御する膜タンパク質(ポンプ,チャネルと呼ばれる)がある。この膜タンパク質は体内吸収に関わる小腸の細胞だけでなく、体内のあらゆる細胞で働き、身体の中で3つのミネラルのバランスが常に保たれるように調整されている。

ナトリウム-カリウムポンプによるイオンの輸送
カルシウムマグネシウムにも、体内に取り入れるための似たような輸送タンパク質があるが、吸収効率はナトリウムなどに比べるとかなり劣る。というのも、この2つの原子は消化管の中で他の様々な化合物に結合してしまい、一緒に外へ出てしまうことも多いので。
たとえばカルシウムの場合、ほうれん草に含まれるシュウ酸やお茶に含まれるタンニン酸などが一緒にあると、そちらにくっついてしまい、カルシウムを摂取したつもりでも便と一緒に排出されてしまうことがある。逆に、ビタミンDの作用によってカルシウムの吸収効率は大幅に変化する。

リンイオウは実質的に、脂質やアミノ酸に含まれている元素なので、それらの栄養素を充分に摂取できていれば、脂質やアミノ酸の吸収と同じに考えてよい。

微量ミネラル9種は、微量で事足りるが重要なミネラル。
この中で特には、食事内容による摂取量の増減が激しいミネラルなので、日々の食事の内容によっては、大幅に不足することがありえるので注意が必要である。亜鉛も、鉄ほどではないにせよ、そのような傾向がある。
それ以外のミネラルについては、必要量が少ないので不足することは滅多にない。ヨウ素のチロキシン、コバルトのビタミンB12のように、ピンポイントに使われることもあるが、多くは様々な酵素やタンパク質の補因子として機能する。

摂取基準

日本人の食事摂取基準(2015年版)より(栄養成分ナビ)

ミネラルの欠乏症、過剰症

ミネラルの欠乏症、過剰症
出典:栄養に関する基礎知識(国立循環器病研究センター)


3.ビタミン様物質

ビタミン様物質はビタミンのような特徴を持ちながらへ体内で生合成できたり、必要量が通常のビタミンよりも多かったり、その作用が曖昧だったりで、ビタミンとしては認められていない化合物のことである。どれも生理的に重要な役割を果たしているが充分に体内で合成できるので、外からあえて摂取する必要はない。

ビタミン様物質機能、関連情報など
コエンザイムQ10
(学名ユビキノン)
電子伝達系における補酵素
Q1~Q12まで見つかっているが、人体内で働くのは主にこのQ10。
【メモ】
「健康食品」の安全性・有効性情報(国立健康・栄養研究所)
疑似科学とされるものの科学性評定サイト
そもそも“コエンザイム”:coenzymeは補酵素の英語訳
カルニチン脂肪酸のβ酸化
(脂肪酸のミトコンドリア内への輸送因子)
S-メチルメチオニン
(キャベジン)
アミノ酸代謝(抗胃潰瘍因子)
コリン神経伝達物質、リン脂質の材料
イノシトール情報伝達物質の材料
α-リボ酸ピルビン酸デヒドロゲナーゼの補欠分子族
補酵素との説明もある)
【メモ】
「健康食品」の安全性・有効性情報(国立健康・栄養研究所)
オトロ酸ピリミジン(DNAの素材)合成の中間産物

あえて外から摂取する必要はないのだが、ドラッグストアなどでは必須ビタミンのサプリメントの横に、このようなビタミン様物質も並んでいる。すると「これらも足りない栄養素なのだろう」と思ってしまうのは人情。しかし、代謝上の疾患でもない限りは、ビタミン様物質を外から摂取しても、劇的な身体変化を期待することは難しく、むしろ、過剰にに摂取することで、何らかの生理的障害が現れる可能性すらある。
.
4.ファイトケミカル

何らかの生理作用を持ちながら、体内で合成できず、必須栄養素ではない植物由来の化合物を、まとめてファイトケミカルという。
ファイト(Phyto-)は「植物」という意味。植物は、「動けない」ことに対する生存戦略として、外敵に対する防御や繁殖などのために植物化学成分を作ってきた。
植物の種類によって合成される化合物は大幅に違う。よって、ファイトケミカルが何種類存在し、それぞれが私たちの身体に対してどのような生理作用があるのか、まだまだわからないことの方が多い。
しかし、こういったファイトケミカルについて注意しなければならないのは、「誰にでもいつでも身体に良い作用しか及ぼさない化合物などはない」という大原則である。
「~に効果がある」と華々しく宣伝されていても、それが代謝全体から見て、どのような意味を持つのかを考えなければならない。
幾重にもからみ合った様々な代謝によって、私たちの生命活動は維持されている。何らかのファイトケミカルを摂取したからといって、その代謝調節のシステムが劇的に変わることは考えにくい。もし、変わるとすれば、それは非常に危険な物質であり、「毒」 又は 「薬」 として取り扱うべきであろう。

ファイトケミカル機能
テルペノイド類【カロテノイド】
 リコペン(トマト)、ルテイン(ホウレンソウ)、
 β-クリブトキサンテン(ミカン)
【モノテルペン】
 リモネン(ミカン)、メントール(ミント)
ポリフェノール類【フラボノイド】
 力テキン(チヤ)、アントシア二ン類(ブルーベリー)、
 イソフラボン類(タイズ)、ルチン(ソバ)
【非フラボノイド】
 セサミン(ゴマ)、クルクミン(ウコン)、クマリン(サクラ)、
 レスベラトロール(ブドウ)
有機硫黄化合物アリシン(ニンニク)、スルフォラファン(ブロッコリー)
アリルイソチオシアネート(ダイコン)

転記
5.関連エントリーなど

↓のカテゴリにまとまっています。
[ 2018/03/28(水) ] カテゴリ: 生理学・栄養学の基礎 | CM(0)
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