ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

(メモ)「日本版コネクト&マネージ」関する情報

[ 2018/02/21 (水) ]
2017年末から、送電線の空容量問題が、ネガティブキャンペーンの形で報道されているようですが、勉強になった情報からメモします。


【部分的に引用】
「再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会」の第二回(2018/1/24)で「日本版コネクト&マネージ」の内容がかなり具体化された。
日本版コネクト&マネージ01

①想定潮流の合理化:空容量の算定方式
これまでの系統運用方針:系統に接続されている全ての電源がフル稼働する前提で容量が割り当てられていた。
(潮流を過大に見積もって余裕を持たせすぎているということ)
今後:実態の運用状況に沿った形で容量を割り当てる。
基本的な考え方としては、再エネに関しては過去の最大実績を、火力発電については地域のメリットオーダー(限界コストの安い順での運用)を考慮した容量が設定され、想定潮流の合理化が図られる予定だ。

②緊急時用の枠の一部開放
これまでは通常2回線のうち1回線を予備回線として無条件に確保。
いわば全体の50%を緊急時用に確保していたわけだが、今後は事後時に瞬時遮断する装置を設置することを条件に予備回線の一部を解放する「N-1電制システム」を採用。

③(系統混雑による)出力制御前提の接続
今後は混雑時の出力制御を前提とした接続を認める。
具体的には特定の送電容量を持たず、系統に空きがある時に送電することができる「ノンファーム型接続」を認める方針が打ち出された。
なお現在一般に言われている太陽光発電、風力発電などの「出力制御案件」は系統混雑時ではなく、需給の不一致時の出力制御を想定したものであるので、両者の混同を避けられたい。

想定潮流の合理化は2018年度早々から、N-1電制への切り替えは2020年度以降から、ノンファーム型接続はそれ以降運用システム開発が終了してから順次適用される見込みである。

最後に余談ではあるが、委員会では「日本の系統の活用率は20%程度で再エネは不当に抑制されている」とされた年初からの報道でネガティブキャンペーンが展開されたことに対する強い反発があるように見受けられた。従来から再エネ業界は政府や既存電力会社をいわば「悪」と見立てて、その不当さを世間に訴えるキャンペーンをしかけてきた傾向があるが、それに対して政府なり電力会社なりが今回ほど不快さをあらわにした例は珍しい。その要因としてはおそらく、系統の運用方針の見直しに向けて前向きな議論をしているタイミングでその議論を混乱させるようなキャンペーンが展開されたことに苛立ちを覚えたことや、系統運用というインフラ中のインフラについて世間から誤った認識をもたれることに系統運用者として危惧を覚えたことなどがあるだろう。

これまで再エネ業界みずからを正義と見立て既得権益を攻撃することで業界の拡大に成功してきた側面があるが、こうしたアプローチはもう通用しなくなりつつある。むしろ一般家庭の賦課金負担が増え続ける中で、メガソーラーに関する景観・環境問題が続出しており、再エネ業界の正当性に疑念を持つ声が徐々に世間に増えつつあるのも事実だ。こうした状況を踏まえると、これまでのように既存の電力会社や原子力発電を対立的に捉えて糾弾するのみならず、再エネ業界としても一皮向けて電力業界全体を見据えた上で全体最適としてのあるべき姿を模索・提示するようなアプローチに転換していくことが業界のさらなる発展に向けて必要なように思う。

資料全体:系統制約の緩和に向けた対応2018年1月24日(PDF)(配布資料全部はこちら

ネガティブキャンペーンで広がる?誤解

産経新聞「送電線容量に安定供給へ50%の予備…「空き」広がる誤解」でのコメント(霞が関政策総研Blog by 石川和男 2018/2/17 )

勉強になる参考情報

再エネの大量導入に向けて ~「系統制約」問題と対策(資源エネルギー庁 2017/10/5)
送電線「空き容量ゼロ」は本当に「ゼロ」なのか?~再エネ大量導入に向けた取り組み(資源エネルギー庁 2017/12/26)
発電設備利用率(供給種別ごと) - 電力統計(エレクトリカル・ジャパン )
[ 2018/02/21(水) ] カテゴリ: エネルギー基礎資料 | CM(0)
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