ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

(メモ)伊方原発運転差し止め仮処分の疑問

[ 2017/12/15 (金) ]
現時点では、ニュース以外の論説は少ないようですが論説を4点、アーカイブします。

◎前代未聞の高裁“杞憂”判断
杉浦正章 永田町幹竹割り 2017/12/14

【部分的に引用】
裁判官も売名をするのか
天が落ちてくると心配するのを杞憂という。
広島高裁裁判長野々上友之は判断の理由を「阿蘇山に1万年に一度の破局的な噴火が起きれば火山灰などの噴出物が大量に飛来して火砕流が到達する可能性がゼロではない」としているが、裁判長の空想性虚言症という症状を初めて見た。
この論理に寄れば40年の耐用期限にあと5年で到達する伊方原発が1万年に1度の噴火を前提に稼働出来ないことになる。判決はそのゼロに近いリスクに偏執するものであって、あまりのも極端で到底容認できるものではあるまい。そのような噴火があれば九州全体が灰燼に帰する事態だ。例えば航空機が原発に墜落する可能性はゼロではない。世界中でそれを理由に停止する事態があったか。北朝鮮のミサイルに狙われる可能性も1万年に1度のリスクごときではない。
原発訴訟に対する司法判断は既に確立している。最高裁の1992年判決は以後の原発裁判を左右する重要なものだ。やはり四国電力伊方原発訴訟で原告側の主張をを全面否定した内容は、「原発問題は高度で最新の科学的、技術的な知見や、総合的な判断が必要で、行政側の合理的な判断に委ねられている」としている。高度な専門性が求められる原発の安全性の判断は政府に任せて、科学的知見のない司法がかかわりすぎるべきではないとしているのだ。全国で起きている原発訴訟で、大半の地裁、高裁はこの判例に基づいた決定を下している。
もっともこの判断に楯を着いた馬鹿な裁判長が過去に二人いる。大津地裁裁判長・山本善彦福井地裁裁判長・樋口英明だ。大津地裁の停止命令は、稼働中の原発をストップさせるものであり、悪質極まりないとされた。原子力規制委員会による世界最高水準の厳しい基準をクリアして、やっと稼働し始めた原発を、科学的知見に乏しい山本の独断でストップさせたのだ。また樋口は高浜3,4号機の「運転再開差し止め」を命じており、これが原因で名古屋家庭裁判所に左遷されたが、継続審理のため職務代行が認められて再び「再稼働など認めぬ」という決定を下したのだ。まるで今回同様に最高裁の判例に楯突くような決定である。弁護士として退官後に活躍するための売名行為とされた。
これまでに地裁が原発稼働を差し止めた例は3回あり、今回の高裁で4回目だ。いずれも「原発停止」判断は多分に裁判長個人の“特異な性格”が反映されたものという見方が定着している。
まさにここまで来るとろくろく証拠調べも行わず、たった4回の審理で重要決定をした高裁の判断にはあきれるばかりだ。今回の仮処分は効力が直ちに生ずるが、極めて高度な判断を要求される原発訴訟への適用は控えるのが裁判官の常識であるはずだ。野々上は過去の2人の裁判官同様に田舎の判事が一生に1度全国紙のトップを飾る判断を出して、有名になりたいのだろうか。今月下旬に定年での退官を迎える時期を狙って、次は弁護士として活躍しようとしているのだろうか。いずれにしても仮処分の弊害だけが目立つ判断であった。四国電力は決定を不服として執行停止を高裁などに申し立てるが当然だ。



【小見出しと部分的に引用】
今回の事件が深刻なのは、規制委員会が合格と認めた原発の運転を裁判所が差し止めたことだ。これでは電力会社は何を基準に運転したらいいのだろうか。

  • 「1万年に1度の大噴火」のリスクで原発を止めた
    争点は単純である。「火山以外の争点については新規制基準は合理的で、規制委員会の判断も合理的だ」と認め、問題を火山の大噴火に絞っている。
    高裁決定は「大噴火の頻度は著しく低い」と認めるが、具体的にどういう事故が起こるか示さないで「当裁判所の考える社会通念に関する評価」によれば、伊方3号機を合格とした規制委員会の審査は「新規制基準の趣旨に反し、許されないと考える」という。
    つまり裁判所が、規制委員会の安全審査を否定したのだ。四国電力は高裁に異議申し立てを行う方針だが、今回の決定の影響は大きい。それは司法が安全審査に介入できるという前例をつくったからだ。これが認められたら、安全審査に合格した原発も、つねに訴訟リスクにさらされる。
  • 誰が決めるのか分からない原子力行政
    原子力規制委員会の更田委員長は、広島高裁の決定について「安全審査に影響はない。科学的に技術的に安全が確保できるかどうかというのが最も大きな因子だ」とコメントしたが、これは法的に正しい。
    原子力規制委員会は新規制基準で全国の原発の立地審査をやり直しているが、これは再稼働の認可ではない。原子炉等規制法によると、既存の規制基準に合格していれば運転できるので、内閣が規制委員会の審査とは別に運転許可を出せばよい。
    しかし安倍政権は「規制委員会が安全と認めた原発は再稼働する」という方針で、問題を規制委員会に丸投げしている。その規制委員会が合格と認めた原発の運転を裁判所が止めたので、原発の安全性は誰が判断するのか分からなくなった。
    他の原発でも、再稼働は困難だ。新潟県の柏崎刈羽原発6・7号機は原子力規制委員会の審査に合格したが、米山知事の同意が得られないため再稼働の見通しが立たない。県知事には再稼働を認可する権限はないが、地元の理解がないと運転できないからだ。
  • あらゆる人が原発に拒否権をもつ
    このように原発をめぐっては当事者が電力会社と国だけでなく、県知事から裁判所に至るまで拡散し、あらゆるステークホルダーが拒否権をもつ。マスコミはゼロリスクを求めて騒ぎ、政治家はそれを恐れて動かない。電力会社は腰を低くして理解を求めるしかないが、1万年に1度の大噴火の対策をしても原発が安全になるわけではない。
    誰も責任をとらないまま原発が止まり、毎日50億円の化石燃料が無駄に燃やされている。原発を止めて問題を作り出したのは民主党政権だが、それを放置した安倍政権の責任も重い。ここまで混乱した問題を一挙に解決することは不可能だが、曖昧な意思決定を法的に明確化し、拒否権をもつ人を減らすことが必要だろう。



【小見出しと部分的に引用】
1万年に1度程度国内のどこかで起きる噴火が、運転期間は原則40年である原発の運転差し止め理由になるのだろうか。
高裁の理屈に従えば、そもそも日本全体が人間の居住に適さないということにならないか。
天が落ちてきたり、大地が崩れたりしないかと無意味な心配をし続けて、夜も眠れず食事も取れない状態になった古代中国の杞の国の人をまねるのは、賢いこととはいえまい。

  • 「薪や何とかで十分」
    高裁決定に「どこかで聞いたような屁理屈だな」と感じ、思い出したのは、菅直人元首相(立憲民主党最高顧問)が唱えるエネルギー論、いわば「菅直人理論」である。
    「1億分の1でも、1回で地球が崩壊するようなリスクはとれない」
    高裁も菅氏も、別の事象を無理やり結びつけ、極端に飛躍した結論ありきの筋立てをつくる点が共通している。
  • 訴訟弁護士スカウト
    菅氏は13日付ブログに「本当にうれしい」「(運転差し止めの仮処分は)極めて効果的な裁判戦術の成果です」と記し、原発訴訟にかかわった弁護士を立憲民主党から立候補させるアイデアを披露している。


広島高裁の判決に大きな違和感
諸葛宗男 GEPR 2017/12/19

【小見出しとごく一部のみ引用】

  • 広島高裁の伊方3号機運転差止判決に対する違和感
    ネットにはこの判決に対する様々な意見が見られるが、大半は判決理由とした阿蘇山の噴火の事である。しかし、私は別の理由で違和感を抱いている。
  • 原子力発電所の安全性は誰が判断するのか
  • 裁判所は行政の法的手続きだけ審査すべき
    安全性の技術判断は原子力規制委員会の専門家に任せるべきである。
  • 原子力規制委員会は火山リスクも評価している
  • 根本原因は行政が安全だと言わなかったこと
    原子力規制委員会が2014年7月16日に九州電力川内1,2号機に設置変更許可を与えた際、当時の委員長だった田中俊一氏は”私は安全とは言わない“と、一般論の安全の話をしてしまった。国が決めた安全性の線をクリアしていることを確認したから、変更許可を出したと言えばよかったのである。
    このため、原発が安全なのかどうかを誰でも議論できることになってしまったように思う。今からでも遅くない。伊方3号機は国が決めた安全性の線をクリアしていることを確認していると原子力規制委員会が宣言し、国が決めた安全目標をクリアしていることを明言すべきである。


【メモ】
逃げた新聞-原発差し止め仮処分をめぐって(ようこそDr.町田のホームページへ 2018/3/22)
伊方原発の差し止めは、広島高裁・野々上裁判長の「結論ありき」の判決(パテントマスター・宮寺達也のブログ 2017/12/15)
広島高裁判決に従えばすべての科学文明は全否定されてしまう(農と島のありんくりん 2017/12/15)

[ 2017/12/15(金) ] カテゴリ: おかしな司法判断 | CM(0)
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