ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

ストレステスト、EUとアメリカと日本の違い

[ 2011/07/09 (土) ]
 菅首相の“思いつき”、“唐突”、“丸投げ” 、“延命第一”、“ポピュリズム”、“パフォーマンスだけ”、“スローガンだけ”、“迷走”の政策運営にはコメントのしようがない。( を噛み殺して冷静に、以下に進める)
 “菅直人という危機”問題は別にして、ストレステストが実行される事になったのは良かった。(停止原発の再稼働とは切り離すのがベストだったと思うが)
 今後、『ストレステスト』の内容やスケジュールが明らかになってくるのだろうが、比較の対象となるであろうEUの情報を拾ってみた。
EUのスケジュールとチェック段階の概略は、以下のとおりである。
(1) 3月21日、ストレステスト実施へ向けて着手していくことで合意
(2) 5月25日、実施計画を発表
(3) 6月1日から原発事業者が検査に着手。
(4) 8月15日に結果を各国の規制機関に報告。
(5) 9月15日に規制機関は国別検査結果を欧州委に報告。
(6) (12月のEU首脳会議での報告を経て、)2012年4月末まで各国が検査結果の妥当性を相互に検証
(7) 検査の結果、基準を満たさない原発を閉鎖するか否かは加盟国が判断する。EUに閉鎖を命じる権限はないが、「閉鎖しない理由を対外的に説明する」としている。

米国は原発の安全性について、自国で独自に検査している。
(1) 読売ONLINE 5月13日米原発の3分の1、ポンプなどに不備…NRC
(2) 毎日jp 7月2日 原発耐性試験:米が相互評価を拒否 IAEA提案に(リンク切れ)

【9/5追記】
 「プラント技術者の会」の方々が、EUの仕様書を翻訳し、日本で行われようとしている「ストレステスト」の問題点を整理した資料(9月5日付け)(開くのに少々時間が掛かるようです)
 ●http://www.kk-heisa.com/data/2011-09-05_stresstest.pdf

【9/21追記】
 ●日経BPnet9/20原発の再稼働を考える――「福島第一の教訓」が盛り込まれていないストレステストではダメだ大前研一

【つぶやき】

●各国とも、それぞれの国益の中でフクシマの重大性を捉え対応している。(それに比べ、本家本元の日本は、、、
以下、日本の場合
●13か月インターバルで点検停止する原発の再稼働判断と、ストレステストは本来、別の命題だと思う。
 点検停止原発の再稼働は従来のモノサシ+α(フクシマの限られた知見)で判断するものであり、ストレステストによる停止や廃炉の判断は、(ポストフクシマの)全く新しいモノサシによるものだ。
 ストレステストの結果が出た時点で、当該原発が動いていようが止まっていようが関係なく、継続・改修・廃炉が適用されるものであろう。
●本来、EUと同じような時期にストレステストの実施計画を決めるべきだった。
●チェック方法や結果の妥当性を誰が判断するのだろうか?原子力ムラ内部だけでは意味がない。
●もし、原発継続のための「アリバイテスト」なら、世界の恥になる。
IAEAに提出した政府報告書の28の教訓 の展開もキチントやってほしい。
●さらに、“地震による原発被害の実態と今後の対応”はどうなってしまったのだろうか?ストレステストに、この命題が抜けている。


【関連エントリー(新しい順)】
●IAEAに追加報告した“28の教訓”への対応、取り組み姿勢の後退も?
●ストレステスト、EUとアメリカと日本の違い →本エントリーです
●IAEAに提出した政府報告書の28の教訓

(EUに関する情報元は以下の資料2点)

(1) 日経新聞の5月25日の記事 EU域内の原発安全検査、2段階で実施 テロと天災は区別 (電子版はすでに消えている)
【要約引用】
 EUは25日、域内の原子力発電所の安全性を検査する「ストレステスト」の実施計画を発表した。検査の基準として地震や洪水などの自然災害と、テロ攻撃を区別して2段階で実施するのが特徴。安全保障上の影響を考慮してテロ対策の内容は非公表とする。

 欧州委員会と加盟27カ国の原子力規制機関でつくる欧州原子力安全規制機関グループ(ENSREG)が合意した。これまでドイツやオーストリアが検査に航空機テロの想定を含めるよう主張、仏英がこれに反対してきたが、約2週間の協議で妥協が成立した。

 記者会見したエッティンガー欧州委員は「スイスなどEUの近隣諸国の関与も必要」と周辺国にも同様の検査実施を求める考えを示した。欧州委によるとロシアから前向きな反応を得たという。

 安全検査の対象は、域内に143あるすべての原発。福島第1原子力発電所と同規模の事故が起きた場合、原発の建屋が倒壊しないか、非常用電源などで原子炉の冷却機能を確保できるかなどを調べる。

 今後はまず原発事業者が6月1日から検査に着手、結果を8月15日に各国の規制機関に報告。規制機関は9月15日に国別検査結果を欧州委に報告。12月のEU首脳会議での報告を経て、2012年4月末まで各国が検査結果の妥当性を相互に検証する作業を続ける。

 フランスの原発を例にとると、相互検証はフランス以外の加盟国の代表、欧州委員会らが実施、実際に原発も訪れる。テロ対策は公表しないが、安全検査、相互検証の結果はすべて公表する。

 検査の結果、基準を満たさない原発を閉鎖するか否かは加盟国が判断する。EUに閉鎖を命じる権限はないが、欧州委は「加盟国は閉鎖しない理由を対外的に説明する必要がある」と圧力をかける構えだ。 


(2) 毎日新聞の5月26日の記事 EU:原発検査厳格化 飛行機墜落も想定 (電子版はすでに消えている)
【部分的に引用】
 福島第1原発事故でEUは「考えられない事態が起こることを学んだ」として、マグニチュード6以上の地震が起こったことのある地域にある原発にはそれ以上の地震への耐性を求める。また、複合的な要素で原発の冷却機能が失われる事態に対応できるか調べる。

 「テロによって起こったかどうかに関係なく」、飛行機の衝突に関する格納容器の耐性をみる。また飛行機が炎上した場合や、付近のガスタンクが爆発した場合などの耐性も検査する。

 検査からは「テロへの耐性」の項目は外され、「専門家委員会」を別途設置して調査する。テロの項目を加えると、多くの原発を閉鎖しなければならないことを恐れた原発大国フランスや英国が反対したという。

(本文には引用しなかったが、参考としてアーカイブ)
日経BP 復興ニッポン 5月30日 大前研一:福島第一が世界の原子力政策に与えた影響――米国はテロ、ドイツは飛行機墜落を想定
[ 2011/07/09(土) ] カテゴリ: 原発に直接に関する事 | CM(0)
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