ポストさんてん日記

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糖尿病の目標値 HbA1c とは、AGEsとは

[ 2018/03/19 (月) ]
栄養素の消化・吸収・代謝の基礎で、グルコース(ブドウ糖)は、エネルギー源や様々な化合物の材料として重要であることを学びました。
しかし、同時に、反応性の高い化合物であり、多量にあると酵素の作用なしに勝手にタンパク質や脂質と反応してしまう有害な化合物です。有害だから糖尿病になるのですが、その辺りについて、勉強しました。

目次

1.AGEs(advanced glycation end-products : 糖化最終産物)
2.タンパク質の非酵素的糖化が元凶
3.HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)
4.関連エントリー

1.AGEs(advanced glycation end-products : 糖化最終産物)

タンパク質の間でおこる非酵素的反応(メイラード反応)で生成された物質。

グルコースがタンパク質に結合するときに、時間と共に数回にわたってグルコースの構造が変わって、初期(early)は可逆性だったものが後期(advanced)にはしっかりと結合して離れなくなる。それが最終生産物。
タンパク質やアミノ酸にグルコースのような還元糖*を加えて加熱すると褐色に変わる。90年以上も前にこの現象を研究したのがフランスの化学者マヤール(英語読みでメイラード)。
パンの皮がこんがりと焼き上がるのも、「みそ」や「しょうゆ」が寝かすことで熟成するのも、このメイラード反応。この反応はもともと食品化学で研究されていたもの。
* 単糖は還元性のあるアルデヒド基(-CHO)を持つので還元糖とも言われ、二日酔いの原因物質アセトアルデヒドの仲間

【関連エントリー】アクリルアミドについての情報アップデート

2.タンパク質の非酵素的糖化が元凶

AGEsの蓄積
人体では、数千もの酵素が生きていくための化学反応を円滑に進めている。炭水化物を食べれば、酵素(アミラーゼなど)が働いて最終的にはグルコースに分解される。これらの酵素による化学反応は生物にとって必要な反応。
ところが体の中では、酵素によらない、つまり体にとって必要のない反応がおきてしまうことがある。
このような反応がコラーゲンなどのタンパク質で進行すると、架橋ができてコラーゲンが変質してしまう。酵素なしの反応はゆっくりとしか進みまない。ヘモグロビンのようなタンパク質は120日で入れ替るのでその影響を受けにくいが、コラーゲン目の水晶体のタンパク質は入れ替るのがとても遅いので、血管が傷んだり、皺(しわ)がよったり、白内障になったりと影響がでる。
高血糖状態が続くと、このAGEsが蓄積して、やがて合併症が現われるという仮説が有力。体の中で酵素なしにタンパク質とグルコースが結合して架橋をつくりだす反応がメイラード反応。
【参考】高血糖による糖化、老化を防ぐ科学(1) [糖尿病] All About 2011/5/27)

AGEs糖化最終産物
出典:身体が糖化しないスープレシピ(ダイナリーオフィス)

3.HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)

グルコースはインスリンの作用により、細胞内に取り込まれてエネルギー産生の原料として使われるが、インスリンが働かず細胞内に取り込まれないと血糖値が高いままで維持される。
高血糖状態が長期間続くと、血管内の余分なグルコースは体内のタンパク質と結合する。
赤血球のタンパク質で酸素を運搬する役割を担っているヘモグロビン(Hb)とグルコースが結合したものがグリコヘモグロビン
このグリコヘモグロビンには何種類かあり、糖尿病と密接な関係を有するものが、HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)

HbA1c01.png
赤血球の寿命はおよそ120日(4ヶ月)。赤血球はこの間、体内を巡って血管内のグルコースと少しずつ結びつく。高血糖すなわち余っている糖が多ければ多いほど結びつきが増えグリコヘモグロビン(HbA1c)も多くなる。
したがって血液中のHbA1c値(HbA1cのヘモグロビンに対する割合%)は、赤血球の寿命の半分くらいにあたる時期の血糖値の平均を反映する。すなわち外来で血液検査をすると、その日から1~2ヶ月前の血糖の状態を推定できることになる。
日本糖尿病学会(2012年4月1日)によるHbA1cの目標値
血糖コントロール目標02
注1) 適切な食事療法や運動療法だけで達成可能な場合、または薬物療法中でも低血糖の副作用なく達成可能な場合の目標。
注2) 対応する血糖値としては空腹時血糖値130mg/dL未満食後2時間血糖値180mg/dL未満をおおよその目安とする。
注3) 低血糖などの副作用、その他の理由で治療の強化が難しい場合の目標
注4) いずれも成人に対しての目標値であり、また妊娠例は除く。
治療目標は年齢、罹病期間、臓器障害、低血糖の危険性、サポート体制などを考慮して個別に設定する
出典:糖尿病治療ガイド2016-2017(抜粋)(日本糖尿病学会)

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[ 2018/03/19(月) ] カテゴリ: 生理学・栄養学の基礎 | CM(0)
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