ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

マンションの上下室の騒音問題、二重床・二重天井の効果など

[ 2017/04/04 (火) ]
当ブログの守備範囲から外れる異色のテーマですが、身内からの質問で勉強しました。

マンショントラブルの常連と言えば、騒音、その他としてはペットと駐車場がトップ3。
特に上階からの生活音でのトラブルは深刻。上階と下階の住民で生活時間が合わない場合トラブルになることが多い。

目次

1.床衝撃音には軽量床衝撃音と重量床衝撃音がある
2.対策の基本
3.直床と二重床
4.中空ボイドスラブ工法とは?
5.二重天井
6.結論的なところ
7.現地での確認のヒント
8.その他の参考情報

1.床衝撃音には軽量床衝撃音と重量床衝撃音がある

軽量床衝撃音
スプーンなどを床に落としたときにする「コツン」という音。スリッパで歩いた時にする「パタパタ」という音。比較的軽くて高い音
軽量床衝撃音の遮音性は床材によって変わります。(スラブ厚は関係ありません。)
床材はフローリングや石貼りよりもカーペットや畳のように柔らかく吸音性が高いものほど遮音性は高くなります。
どうしてもフローリングがいいなら、床衝撃音提言性能の良いものを使用することをオススメします。

重量床衝撃音
子どもが飛び跳ねたり、重いものを動かしたときなどにする、「ドスン」「ガタン」という音のこと。大きく下の階に伝わる鈍くて低い音
床の材質が固くて重いほど遮音性は高くなるので、床のコンクリートスラブの厚みに比例して遮音性は高くなります。(梁で囲まれたスラブ面積の広さも関係します)

遮音マット、遮音フローリングにしてもほとんど効果がありません!
後から何も対策ができないので、もうこれはスラブ厚の薄いマンションは買わない!以外の手がないんですよね。
目安としては、最低200㎜は欲しいところ。古いマンションだと、150㎜とか180㎜とかのマンションもけっこうあるので要注意です。最新のマンションだと220㎜が標準のようです。

主な出典:二重床でもうるさ~い!騒音で悩まないマンション選びで知っておきたい6つのこと。(安山泰民 マイホーム塾  2016/11/25)

2.対策の基本

軽量床衝撃音
床衝撃音の遮音等級は、L45、L50、という形で表し、数値が少ないほうが遮音性能は高い
遮音等級→L40L45L50
軽量床衝撃音
椅子の移動音、物の落下音など
ほとんど聞こえない小さく聞こえる聞こえる
生活実感、プライバシーの確保・上階で物音がかすかにする程度
・気配は感じるが気にならない
・上階の生活が多少意識される状態
・スプーンを落とすとかすかに聞こえる
・大きな動きが分かる
・上階の生活状況が意識される
・椅子を引きずる音は聞こえる
・歩行などが分かる

目安としては、
・普通のフローリング:L60
・遮音フローリング:L55~L45
・カーペット仕上げ:L45~L40
マンションの管理規約によっては、L45の材料でないとフローリングにしちゃダメ!となってるマンションもありますので、購入前の確認が必須です。

L等級は、必ずしもその数値の遮音性を保証するものではありません。そこで最近では、床材の床衝撃音低減性能を表す「ΔL等級(デルタエル等級)」を使っています。これは、使用する床材の単体性能を表しており、ΔLL-1とかΔLH-2のように表記されます。ΔLLは1~5の5段階、推定L等級と異なり数字が大きくなるほど遮音性能が高いことを意味します。ΔL等級は2008年に策定された指針ですので、比較的築年数の浅い物件ではこの考えを導入しているものもあります

重量床衝撃音
これに関しては、直床と二重床の違いや、昔と今の性能試験制度の違いがあり、少し複雑なお話になる。
2007年までの旧性能試験制度は精度が低く、二重床は遮音性が高いという間違った試験結果を公表していたのですが、2008年には試験が改善され、内容も訂正された。

3.直床と二重床

直床
床スラブに直床フローリング(9mm程度のフローリング材の裏に4mm程度のクッション断熱材が付いたものなど)を直接貼っていく仕様である。スラブと直床フローリングとは密着しているので、この間に設備配管などを設けることはできない。フローリングの下にクッション断熱材があるので、多少ふわふわ感のある歩行感となる。
図1 床仕様例(直床+小梁有の均質単板スラブ+直天井)出典:お客様(購入者)を第一に考えている「性能の良いマンション」を簡単に見抜く方法(建築資格研究会のPDF

二重床
一般的な仕様として床スラブ(コンクリートスラブ)の上に「防振ゴム付き支持脚+パーティクルボード+下地合板+フローリング」で構成される(更に状況により床暖房パネルやアスファルト系面材が入る)。二重床の下は空気層なので、ここに設備配管を自由に設けることができる。
一般的に二重床のマンションの住戸の床には段差がなく、バリアフリー仕様になっています。
【図2】二重床の概念図。
出典:マンション選びで「二重床・二重天井」が大切な理由(All About 2015/12改定)

直床の配管
給排水、ガス、電気配線などのスペースがないため、必要なところだけ床の仕上げを上げたり、床スラブを下げたりして対応します。そのため住戸内に床段差が生じることもあり、また配管スペースが限定されます。
【図4】水周りだけコンクリートスラブを下げ、かつ床仕上げを上げて床下に配管空間を確保する方法。大きな間取り変更に対応しにくい。出典:マンション選びで「二重床・二重天井」が大切な理由(All About 2015/12改定)

昔の二重床は遮音性が低い

20年ぐらい前の二重床は、図3が一般的であった。これは、二重床と壁との取り合い部分に、際根太(黄色の部分)という木の板を壁に釘で取り付けて、その上に二重床を設置する工法(際根太工法)である。施工がし易く、価格も安いことから一般的に使用されていた。この工法は現在も多くのマンションに入っている。
その後、この工法を採用すると、二重床の音が、際根太を通じて下階へ響き、遮音性能が大幅に低下することが指摘された。現在は、際根太の採用をやめて、この壁と二重床のところは、隙間を設ける工法が主流となっている(図4参照)。
図3 二重床仕様(際根太あり)図4 二重床仕様(隙間あり)
図3              図4
出典:お客様(購入者)を第一に考えている「性能の良いマンション」を簡単に見抜く方法(建築資格研究会) 

4.中空ボイドスラブ工法とは?

ボイドスラブ工法とは、スラブ厚さを250~350mm程度(通常のスラブ厚さ200mm前後)とし、小梁をなくす工法のことです。(コンクリート床スラブに円筒状の穴をあけて中空にする。)
小梁をなくすことにより天井面が開放的で美しいレイアウトを可能にします。
サイレントボイドスラブ工法
出典:リージア経堂テラスガーデン

一般的には【ボイドスラブ工法のスラブ厚さ ×0.8】=【従来スラブ厚さ】と考えられています。
例えば、ボイドスラブ工法のスラブ厚さ250mmは「250×0.8=200」となり、通常スラブ200mmと同等となります。

主な出典:中空ボイドスラブ工法とは?(マンション購入重要ポイント~ラガーの目)

古いボイドスラブ工法は軽量床衝撃音の遮音性が低い
20年ぐらい前のボイドスラブ仕様は、図5のような「矩形ボイドスラブ」が一般的であった。その後、この「矩形ボイドスラブ」を採用すると、共振現象により軽量床衝撃音が大きくなりやすいことが指摘された。こちらも二重床と同じように、現在も多くのマンションに入っている。
現在は、矩形ボイドスラブのほか、波型形状などの共振抑制ボイドスラブも使用されている(図6参照)。
(価格は矩形ボイドスラブより波型ボイドスラブの方が高い)
図5 ボイドスラブ仕様(矩形)図6 ボイドスラブ仕様(波形)
図5              図6
出典:お客様(購入者)を第一に考えている「性能の良いマンション」を簡単に見抜く方法(建築資格研究会のPDF

5.二重天井

【図1】二重天井概念図。直天井概念図。
二重天井               直天井
出典:マンション選びで「二重床・二重天井」が大切な理由(All About 2015/12改定)

二重天井の天井スラブと天井仕上材の間にある空間(B)には照明器具の配線や、台所、洗面、トイレ、浴室などについている換気扇のダクト(風導管)が通っています。
二重天井にすることによって遮音性が向上するとは一概には言い切れませんが、より安心と言えるでしょう。
直天井の場合、照明器具の配線などは天井のコンクリートスラブに打ち込まれることになります。この方法だと、「照明器具の位置をずらしたい」「照明器具を増やしたい」という希望が出ても、変更が難しくなります。小梁やダクト用の下がり天井などを隠さず直接天井面に現れるため、天井面がデコボコしています。

6.結論的なところ

最近のマンションで、「二重床・二重天井」を備えているマンションは多くありません。多いのは「直床・二重天井」の物件です。逆に「直床・直天井」の物件は、最近はほとんどありません。ですので、現在の新築マンション事情は「二重天井は常識」と考えて、ポイントを「床」に絞って確認すればいいでしょう。

直床だからダメというわけではない。
直床に最高遮音性能のフローリングを貼れば、性能の低い二重床よりも遮音性が高くなる、という専門家もいます。
マンションの管理規約で、遮音性能が高いフローリングを必須としているマンションなら、直床でも遮音性で二重床にひけをとらない、というわけです。
一言で「二重床」といっても種類はさまざまで、安い施工のものもあります。そうした「安物二重床」に比べると、高性能遮音フローリングの直床がのほうが、たとえば衝撃音に強かったりするわけです。

スラブ厚の目安としては、最低200㎜は欲しいところ。最新のマンションだと220㎜が標準のよう。

古い中古物件で二重床は少ない
中古物件を購入する際は、築年数が古くなるほど、二重床物件が少なくなるので、直床を避けていては中古マンションそのものを買えなくなってしまいます。
そのため、中古物件では、直床というだけで拒否するのではなく、直床を承知した上で買うかどうかを判断すればいいと思います。

主な出典:直床、直天井、二重床、二重天井のメリットデメリット(日本マンション研究所 2016/10/13)

7.現地での確認のヒント

床を叩いてコンコンと軽い音がしたり、水回りと他の部屋の床高さが同じなら二重床と考えていいでしょう。
天井に凹凸がなくフラットであれば二重天井と考えてよいでしょう。

8.その他の参考情報

お便り返し-11 騒音クレームへの苦情先としての対応(はるぶー スムログ 2017/2/14) 
直床・二重床(高橋健介 マンションを考えるヒント2016/1/25)
築20年以上のマンションに住むあなたへ!買う時には誰も教えてくれない配管の真実。(安山泰民 マイホーム塾  2016/10/22)
直床と鳥居形配管とウォーターハンマー(その1)(高橋健介 マンションを考えるヒント2014/08/19)
サヤ管ヘッダー工法 床下配管システム 天井配管システム
[ 2017/04/04(火) ] カテゴリ: ★未分類 | CM(0)
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