ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

栄養素の消化・吸収・代謝の基礎

[ 2017/09/19 (火) ]
食べた栄養素がどのように消化・吸収され、さらには代謝されるのか?基礎的なところを勉強しましたので、そのノートをまとめてみます。生物学などの基礎的素養がない素人のノートなので誤りがあるかも知れません。
ちなみに、人体の構成要素の割合は
  1. 水分           :50~70%
  2. タンパク質  :15~20%
  3. 脂質           :13~20%
  4. ミネラル分  :5~6%
  5. 糖質           :1%

目次

1.消化・吸収・代謝の全体像
2.各栄養素毎に見ると
3.体の各細胞におけるエネルギー代謝
4.脂肪を燃焼させるには
5.関連エントリー
1.消化・吸収・代謝の全体像
  • 摂取した食べ物は、そのままの形では吸収できないので、消化器官で小さい分子に分解する。これが消化。
  • 消化された栄養素は主に小腸の粘膜(一層の上皮細胞の膜)から吸収される。
  • 多くは粘膜のすぐ下の毛細血管に移行し、門脈を通って肝臓に移動し必要に応じて静脈から心臓を通って全身へ運ばれる。ただし、脂質については、チョット複雑で、後述します。
消化器官の位置と名称 吸収の経路
出典:栄養に関する基礎知識(国立循環器病研究センター)

2.各栄養素毎に見ると。

私達は3大栄養素であるタンパク質、炭水化物、脂質を食物から摂取して分解し、その過程で生じたエネルギーと生体構成物質を得て生命活動を維持している。
栄養素の摂取と代謝02
栄養素のクロストーク01
出典:消化酵素は3大栄養素から(中学受験理科の玉手箱)

タンパク質
消化器系でアミノ酸に分解・吸収され、肝臓に運ばれたアミノ酸は一部がタンパク質に合成され、その他のアミノ酸は血液によって身体の各組織に運ばれ、組織タンパク質に再合成され身体を構成する材料になる。いったん合成されたタンパク質は一定の割合でアミノ酸に分解され、絶えず新しく合成されるタンパク質と入れ替わっている。また、ホルモン、血球、免疫物質の形成などにも使われる。余ったものはグルコース(ブドウ糖)に変換されエネルギー源となる。

消化器系によってグルコース(ブドウ糖)にまで分解され、小腸粘膜から吸収された後、肝臓に運ばれる。フルクトース(果糖)とガラクトースは肝臓でグルコースに変換される。
肝臓に運ばれたグルコースは、そのまま血液中を運ばれて*、各組識でエネルギー源として利用されるほか、グリコーゲン(動物デンプン)として肝臓に肝グリコーゲン、筋肉に筋グリコーゲンとして貯えられ、必要に応じて再びグルコースに分解される。
*血液中のグルコース(ブドウ糖)血糖値
インスリンは唯一、血糖値を下げることのできるホルモンだが、血糖値を下げるというよりもむしろ、血中のブドウ糖を肝臓や筋肉・脂肪へ蓄えさせるためのホルモンというのが適切。インスリンは血糖値の上昇を感知し、それを下げようと(膵臓のランゲルハンス氏島の)β細胞から分泌されるホルモンで、その働きにより血中のブドウ糖は肝臓や筋に取り込まれ、グリコーゲンとして蓄積されたりエネルギーとして利用されたりする。

グリコーゲン(動物デンプン)の貯蔵量には限界があり、余分なグルコース(ブドウ糖)中性脂肪となって肝臓脂肪組織に貯蔵される。そのため、糖質(炭水化物から食物繊維を除いたもの)をとりすぎると肝臓や脂肪組織に脂質がたまり、肥満脂肪肝につながる。

脂質
油脂や脂肪酸、グリセリン、リン脂質、ステロール(植物性ステロールは「植物の細胞膜構成成分」、コレステロールは「動物の細胞膜構成成分」)などをあわせて脂質と呼ぶ。
私たちが摂取する脂質のほとんどが化学的に安定したトリアシルグリセロール(別名でトリグリセリド中性脂肪などという)である。
いきなり色々な単語がでてきました。詳細は、脂質の基礎から善玉・悪玉コレステロールまでにまとめています。以下、そこから転記

【消化・吸収】
サラダ油、豚や牛の脂肪、魚の油などの油脂の主成分は化学的に安定した中性脂肪トリグリセリドトリアシルグリセロール)で、血液検査で測定する中性脂肪と同じ。名前が3つもあるので混乱するが、『トリ』は3、『アシル』は脂肪酸がエステル結合したという意味
脂質の消化とは、脂質を単に小さくするだけでなく、水溶性の物質にかえて取り込む過程。胆汁酸で細かく乳化されミセルという小さな構造になる。
さらに、中性脂肪は膵臓から分泌されるリパーゼによって分解されて、脂肪酸グリセロール(グリセリン)になる。下図の矢印の逆。
油脂グリセリン脂肪酸 油脂
グリセリンは常温常圧で無色透明の液体。保水性と保湿性を示す。浣腸液や目薬に使用される。ニトログリセリン(爆薬)の原料。
グリセリン脂肪酸カルボキシル基と結合することができる手を3本持っていて、グリセリンに脂肪酸が(エステル結合で)3個つながったものはトリグリセリドトリアシルグリセロール)。

水に溶けやすいグリセロール(グリセリン)はそのまま小腸上皮細胞から吸収される。
脂肪酸は水溶性でないために、そのままでは血液に溶けない。胆汁酸でさらに細かく乳化され、ミセルという小さな構造になって小腸から吸収される。脂肪酸が腸管から吸収されるとき、脂肪酸の大きさ(炭素鎖の長さ)の違いによって代謝のされかたが異なる。
炭素の鎖が10個以下の短い脂肪酸は、ブドウ糖やアミノ酸と一緒に門脈経由で肝臓に向かう。
長鎖脂肪酸は、小腸上皮細胞内で中性脂肪に再構成され、今度はタンパク質と結合し、カイロミクロンという大きなリポタンパク質をつくる。カイロミクロンはリンパ管から吸収されリンパの流れにのり、腹部、胸部、さらに左頸部下から鎖骨下静脈、心臓を巡って動脈に移り全身へ運ばれる。
脂質の多い食品は糖質やタンパク質が主体の食品に比べ、消化の始まりが遅く、吸収に時間がかかる。脂っこい料理が腹持ちがいいのは、こうした長いプロセスがあるため。

【代謝】
リポタンパク質に包まれ全身に運ばれた中性脂肪は、筋肉細胞等に運ばれ酵素により再び脂肪酸に分解されエネルギー源として利用されるか、皮下、腹腔、筋肉の間などにある脂肪細胞中性脂肪トリアシルグリセロールとして貯えられ、必要に応じて再び脂肪酸に分解される。
グリセロールは解糖系で代謝されたり、糖新生によってブドウ糖に変換される。

余剰となった栄養素
消費されなかったグルコース(ブドウ糖)は脂肪酸に変換されるので、結局余計に摂取した栄養素は最終的には中性脂肪として蓄積され肥満が誘導されることになる。

3.体の各細胞におけるエネルギー代謝

細胞はグルコース(ブドウ糖)脂肪酸に保存されている化学エネルギーをATP(アデノシン3リン酸)分子に捕獲し、筋肉の収縮や能動輸送や物質合成などの細胞の仕事に使っている。
このATPの生産は身体の各細胞において行われる。
ATPは酵素(生体触媒)の力を借り複雑に絡み合いながらも、整然と制御された化学反応を経て生産される。このように栄養素を分解しATPを生産する過程をエネルギー代謝と言う。
簡単にいうと『栄養素をエネルギーに変えること』

エネルギー通貨:ATP
ATPはアデノシンに3個のリン酸が結合したもので、リン酸とリン酸の結合部(高エネルギーリン酸結合)に化学エネルギーが貯えられており、この結合が1つ解かれて、ADP(アデノシン2リン酸)とリン酸1個に分解されるとエネルギーが供給される。生じたADPとリン酸は再び酸化のエネルギーでATPに再生される。
ATPとADP
出典:タンパク質と生物体の機能1(Z会PDF)

人間、動物、植物、バクテリアも筋肉の収縮や生体構成物質の合成、細胞のカリウム・カルシウムくみ出しなどにATPが使われており、生体内の「エネルギー通貨」と呼ばれている。
約60兆個の細胞からなる人間の場合、成人男性が1日に使うATPは40kgにもなる。もちろん、40kgのATPが存在してるわけではなく、あくまでも述べ数。

細胞に運ばれたグルコース(ブドウ糖)脂肪酸はそれぞれ別の経路で分解される。
なお、脳細胞は脂肪酸が細胞膜を通過できないのでエネルギー源として使用できるのはグルコース(ブドウ糖)のみ。
エネルギー経路の概略
出典:スポーツ119

グルコース(ブドウ糖)の解糖系
細胞に運ばれたグルコース(ブドウ糖)は細胞質の解糖系という経路でピルビン酸に分解される。この過程でATPが生成される。解糖系は酸素を必要としない(嫌気的)化学反応で、原始的な単細胞生物を含めほとんど全ての生物が備えている代謝経路。
解糖系では1グルコース分子あたり2個のATPが生成される。
この解糖系は細胞の細胞質で行われる。

エネルギー代謝

エネルギーの産生経路
出典:第14回 食肉の栄養 -ビタミン-(九州食肉学問所 九州肉屋.jp)

脂肪酸のβ酸化
一方、脂肪酸は細胞内のミトコンドリアβ酸化という過程を経てアセチルCoAという物質に変換される。この過程でNADHFADH2という水素を運搬する物質(補酵素の一種)が生産される。1脂肪酸分子に対しβ酸化で生成されるエネルギーはATPに換算すると33個

クエン酸回路(TCA回路)
解糖系の過程で分解されたピルビン酸ミトコンドリアに入り酵素によりアセチルCoA及びオキサロ酢酸に分解される。また脂肪酸のβ酸化によってもアセチルCoAが生成され、これらはクエン酸回路という経路に入り、二酸化炭素(CO2)にまで分解される。この過程でβ酸化と同様に水素運搬物質であるNADH及びFADH2が生産される。
クエン酸回路ではグルコース(ブドウ糖)1分子に対して理論的にはATPに換算して36個分1脂肪酸分子に対してはATPに換算して96個分ものエネルギーが生産される。

利用されなかったアミノ酸
身体の構成物資として利用されなかったアミノ酸はアミノ酸分解によりアンモニア(NH3)が遊離され、残りの物質は一部はクエン酸回路に入りさらに分解されるか、糖新生*によりグルコース(ブドウ糖)に変換される。またアミノ酸の種類によってはアセチルCoAに分解されグルコースや脂肪酸と同様な経路を辿る。
*糖新生(体内で糖分が不足している場合)
前述のように、グルコースは解糖系により分解されピルビン酸に、さらにはクエン酸回路で分解されエネルギーとなるが、体内で糖分が不足している場合、ピルビン酸から糖が生合成される解糖系と逆の代謝過程があり、これを糖新生という。ピルビン酸はグルタミン酸などのアミノ酸からアミノ基が取れて生成できるので、アミノ酸からグルコースが生成されることになる。

呼吸鎖 (少々、理解力を超えだした)
クエン酸回路や脂肪酸のβ酸化により生成されたNADHFADH2ミトコンドリア内膜にある呼吸鎖という経路に流れる。呼吸鎖においてNADHFADH2に貯蔵されたエネルギーを利用してミトコンドリアのマトリクスから膜間スペースにH+(水素イオン:プロトン)が移動する。
この過程で酸素(O2)が消費され、水(H2O)が生じる。マトリクスから膜間スペースにH+が移動することにより両者の間でH+の濃度差(pHの差)が生じる。この濃度差の為、膜間スペースのH+がマトリクスに流れ込もうとし、この力を利用してATP合成酵素によりATPが生成される。
H+を水に例えると呼吸鎖は水力発電所に似ている。つまりH+を貯える膜間スペースはダムでATP合成酵素は水の上から下へ流れる力を利用して発電するタービンと発電機に相当する。

ミトコンドリアの呼吸鎖

4.脂肪を燃焼させるには
栄養素の摂取と代謝02
食物から摂取された栄養素、体脂肪として蓄積された脂肪、筋肉や肝臓に蓄積されたグリコーゲン(動物デンプン)はグルコース(ブドウ糖)、脂肪酸、アミノ酸に分解され血液により身体の主要な臓器、筋肉などに運ばれそれぞれの細胞のミトコンドリアにおいて分解されATPの生産に利用される。
但し、この過程(エネルギー代謝)は体内のATPが不足した状態にならないと活発に行われない。逆にATPが十分に存在する場合はグルコースとアミノ酸までも脂肪酸合成系で脂肪酸に変換され体脂肪として蓄積されてしまう。
結局、ATPを不足させないと脂肪は消費されない。私達の身体は精緻な調整機構が働いておりエネルギー代謝においてもしかりで、必要以上にATPを生産することはない。ATPを減少させるには、当たり前だが運動などにより積極的にATPを消費すること。
脂肪の代謝においてもう一つ重要なことがある。クエン酸回路のオキサロ酢酸という物質はグルコース(ブドウ糖)の分解により生成される。即ちオキサロ酢酸がないとクエン酸回路はスムーズに働かない。従って脂肪を燃焼させるには、グルコースが必要ということになる。ダイエット中においても、食事では身体を維持するのに必要な量のタンパク質ばかりでなく、炭水化物も必要量摂取しなければならない。

関連エントリー

『炭水化物』は、糖類、糖質、食物繊維。おまけで人工甘味料、お酒のカロリー
脂質の基礎から善玉・悪玉コレステロールまで
タンパク質の基礎、消化・吸収・代謝から酵素まで
食品中のトランス脂肪酸は問題か?

【メモ】
エネルギー産生と物質代謝の基礎(中鎖脂肪ケトン食)
[ 2017/09/19(火) ] カテゴリ: 栄養学?や基礎的な事 | CM(0)
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