ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

スマートグリッドとは、スマートメーターとは、(発送電分離の具体例)

[ 2011/06/28 (火) ]
発送電分離に関する情報・記事に、スマートグリッド、スマートメーターと言う言葉が良く出てくる。情報をまとめて見た。

1.スマートグリッド(次世代送電網)とは

 元々、米国の脆弱な送配電網をIT技術によって低コストで安全に運用する手法を模索する過程で生まれた構想。「スマート(賢い)」な「グリッド(電力網)」という語が表すように、発電設備から末端の電力機器までを高機能な電力制御装置同士をネットワークで結び合わせて構築する。従来型の中央制御式コントロール手法だけでは達成できない自律分散的な制御方式も取り入れる。
2.目的・メリット

目的・メリット具体例
1需給バランスの
最適化調整
最大ピーク消費量をベースに建設が進められていた発電所や
変電所の計画を、 具体的な消費予想をベースに計画的に
配置することが可能になる。 また、発電所側では、リアルタイム
な需要に応じてきめ細かな発電を行えるので、 これまでのような
無駄な発電を行う必要がなくなる。
2需要家の省エネ電力需要のピーク時に電力機器の使用を一時的に
減らす代わりに電力料金を下げる
3分散型発電設備
への対応
自家発電や個人宅での余剰電力の買取時、
円滑に「逆方向」に電力を流し、 さらに電力品質(周波数や
電圧など)を適正に維持するよう調整する。
4再生可能
エネルギー
への対応
自然エネルギー由来の発電システムは、発電量が天候や
気候に左右され非常に 不安定である。電力品質を維持
するために、需要家側と送出側、そして電力系統を
管理する側が相互に協調する。
(日本の現状では、まだ、発電量が少ないので、その変動は、
電力系統全体で吸収できている)
5電気自動車の
インフラ整備
例えば、充電を発電量に余剰がある時間帯に行えるよう
スケジュールを組む。また、電力需要のピーク時に
電気自動車から放電させる。
6停電を減らす、
信頼性の向上
落雷や断線などの異常を検知して、電力を迂回させる。

スマートグリッド概念図
(出典:主に参考とした資料と同じ)

3.デメリット

 セキュリティ上の問題が欠点との指摘がある。スマートグリッドのインフラには、高度な通信システムや技術が結集することになる。セキュリティの脆弱性の克服が必要になる。

4.スーパーグリッド(参考として)

 スマートグリッドを更に進めた構想である。送電ロスが少ない高圧直流線で結ぶ、余剰電力を液体水素に換えて保存する、など。

5.米国の動向

 2000年頃から検討が進んでおり、さまざまな実証実験が行われている。オバマ政権が2009年10月に、「グリーン・ニューディール政策」の一環として、34億ドル(約3,100億円)の連邦政府資金を拠出すると発表して以来、世界で大きな関心を集めた。スマートグリッドを推進する大きな理由は、アメリカの経済回復を担う重要な事業と考えているからだ。
 また、スマートグリッドに関する標準化活動はアメリカ主導で活発化しており、国家間や企業間での競争が既に始まっている。

6.欧州の動向

 EU欧州委員会では2005年にスマートグリッドに向けたテクノロジープラットフォームを設立した。ドイツやオランダ、デンマーク、イタリア、スウェーデン、フランスなどでは、スマートグリッドの導入計画を推進、あるいは、実証実験に着手している。

7.日本の動向

 これまでスマートグリッドの取り組みが進まなかった。その最大の原因は電力会社の抵抗だと言われている。スマートグリッドを本格的に推進すると、再生可能エネルギーを含めた分散電源の振興の議論と対になって、発送電分離が必要という議論を誘発し、本格的な電力市場の自由化につながるからだ。
 電力会社の主張は、現行の電力網で電力供給が安定して運営されており、停電の回数や停電時間も諸外国と比べて低く、「日本にはスマートグリッドは不要」との声である。多極分散型の電力ネットワークの仕組みは、電力会社にとって、競争原理の導入・独占の解消に繋がり、是非とも避けたい事態なのである。

【以上、主に参考とした資料】
ソフトバンクビジネス+IT スマートグリッドとは何か?知っておきたい次世代電力ネットワークの基本

8.スマートメーターとは

 スマートグリッドの構築の前提条件になる、各家庭や電気使用者に設置する次世代双方向メーターである。
 需要家の消費電力や太陽光発電などによる発電量がリアルタイムに把握でき、そのデータを送配電網を通じて、電力会社に送信することも可能。また、住宅やオフィス内の家電・設備機器と無線通信でつながっており、そのON/OFFや状態・送配電量の調整を、電力会社側から制御できる。 

スマートメーター02 
(出典:主に参考とした資料と同じ)

 欧州では、2006年のEU指令(第三次EU電力自由化指令)で2020年までに少なくとも80%の電力メーターをスマートメーター化することを各電力会社に要求している。最も進んでいるイタリアスウェーデンでは、ほぼ全戸に設置が完了している。

 米国では、2010年に1500万台を超えた。2013年には5200万台(全米の1/3)とし、2015年には50%、2020年には100%を目標に掲げている。

 現在、電力メーターの世界設置台数は約17億台であり、2020年までには20億台を超えると見られている。スマートメーターは、寿命が約10年であるから単純に計算すると2020年には年間2億台が販売されることになる。

【主に参考とした資料】
6月6日 日経電子版 スマートメーター、年2億台の大市場へ

9.企業の動向

(1) グーグル、IBM、マイクロソフトなどのIT企業が積極的にスマートグリッドの実証実験を行っている。
(参考記事)
2009年5月21日Google,スマート・メーターを用いた省電力化支援で電力会社8社と提携 
 米Googleは公式ブログへの投稿で、通信機能などを持った高機能型のスマート・メーターと連携する同社の消費電力表示ソフトウエア「Google PowerMeter」について,電力会社8社と提携したと発表した。

(2) 気になるのは、日本企業が遅れており取り残される事だ。
(参考記事)
2010年1月15日「スマートグリッドで日本外しが始まった」,シリコンバレーのVCが警鐘鳴らす
 米国は、自動車産業において、日本の環境技術にずいぶんとやられたので、その轍は踏まないように、スマートグリッドにおいては、Internetと同様の勝ちパターンを実現したいと思っている、という分析。

(3) 日本企業も動きが
●スマートメーターで日本市場トップの大崎電気工業は、2010年5月に日立製作所と手を結んだ。
東芝が2011年5月19日、スイスLandis+Gyr社の買収を発表した。Landis+Gyr社はスマートメーターのトップ企業である。世界のスマートメーター市場では知名度のなかった東芝だが、Landis+Gyr社を買収することで一気に世界的なプレーヤーとしての存在感を放ち始めた。 (出典は主に参考とした資料と同じ)
(以下はブログSmart Grid Japan から直近のトピックスをピックアップしてみたが、結構あった)
●2011年5月27日 スマートシティー構想が加速 復興・原発事故で需要拡大
 産業界ではスマートグリッドや電気自動車(EV)、省エネ家電などを組み合わせて都市全体のエネルギー供給を効率化するスマートシティー構想を相次いで打ち出している。太陽光発電などの普及に欠かせない事業で、東日本大震災の復興に役立てようとする声も出ている。
●2011年5月24日 電力需要の把握と制御が課題に、SAPがスマートグリッドへの取り組みを紹介
 夏場の電力不足に対する懸念からスマートグリッドへの関心が高まるとして、SAPジャパンが取り組み状況を紹介した。
●2011年5月19日 日立、シャープ、JFEエンジなど、ハワイで離島型スマートグリッド実証事業を実施 
 日立製作所、シャープ、JFEエンジニアリングなど6社は、ハワイで離島型スマートグリッドの実証事業を実施する。
●2011年5月14日 三菱電機、「大船スマートハウス」でスマートグリッドの実証実験を開始
 三菱電機は、スマートグリッドに対応したHEMS(Home Energy Management System)の実証実験を、神奈川県鎌倉市大船に建設した「大船スマートハウス」にて5月から開始することを発表した。

【つぶやき】

 日本企業も取り組んでいるが、やはり、現状の“電力会社の呪縛”をなくさないと! 
 政策として、“発送電分離を前提とした電力自由化の方向明確化”を打ち出す事が必要だ。


【追記】
●「Open ブログ」11/8 スマートグリッドの愚

【関連エントリー(新しい順)】

●スマートグリッドとは、スマートメーターとは、(発送電分離の具体例) →このエントリーです
●古賀茂明レポート(後半)発送電分離の具体的なシナリオ
●【日本版コラム】東京電力の「発送電分離」、日本のエネルギーイノベーションに不可欠
●【続01】発送電分離の経緯・過去の取り組み、総合資源エネルギー調査会、村田成二・事務次官
●発送電分離の背景、経緯、過去の取り組み
●【日本版コラム】問われる日本のエネルギー将来像(3)
[ 2011/06/28(火) ] カテゴリ: エネルギー基礎資料 | CM(0)
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