ポストさんてん日記

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古賀茂明レポート(後半)発送電分離の具体的なシナリオ

[ 2011/06/22 (水) ]
すでに紹介した5月11日 現代ビジネス 現職経産官僚が緊急提言 古賀茂明「東電破綻処理と日本の電力産業の再生のシナリオ」から、発送電分離の具体的なシナリオの部分を引用する。

 古賀茂明さんのレポート全体は14ページに及ぶもので、
東電の破綻処理→(東電による日本支配の構造)→新東電の再生→発送電分離
と進む大きなシナリオである。

前半:東電の破綻処理からの続き)

【部分的に引用】
 第二段階 

 今回の事故後の対応によって、実は将来の電力市場のあり方、さらには日本の社会の在り方にまで大きな影響を及ぼす可能性がある。逆に言えば、やり方によっては、今の構造をそのまま温存することになる危険性も十分あるということだ。

 まず、首都圏直下型等の地震発生可能性が高まっていることを前提として、経済機能の首都圏集中を根本的に見直し、10年後に首都圏で供給される電力を現在よりもかなり低めに設定する。大口需要者に対する電力使用制限を常用することなども検討し、経済主体の地方分散を促進する。ただし、国外移転回避のための措置も必要となる。
 同様の趣旨から電源の分散設置のための方策を検討する。
 併せて再生可能エネルギー利用・自家発電などあらゆる分野における規制緩和を集中的に行う。電気事業法はもちろん消防法などを含め関連規制を総合的に見直す。

 これらを実施して行く上で、東京電力が発送電で事実上の完全独占状態となっていることが大きな障害となることは明らかだ。
 まず、発送電分離を前提とした電力自由化の方向を明確化して乗り越えるべき課題について早急に検討する必要がある。その際、東電の巨大な経済力が政治、経済、社会を支配している状況も併せて根本から正すために、発電部門は分割してその規模を縮小するとともに自由競争下において、通常の企業としてのガバナンスが働く構造を確立することが必要である。 今回の事故の原因、事後対応のまずさがガバナンスの欠如を主因としていることは既に広く指摘されているが、その根本原因である、東電による市場の独占と巨大な経済支配力を崩すことが今後の改革の主要テーマとなる。

 具体案 ――持株会社段階を経て規制を整備し完全分割へ 

 実際に事業再生過程で発送電分離と発電部門分割を行うやり方は、一つの案としては次のような経路を採ることが考えられる。

 まず、東京電力を持株会社とし、その傘下に発電部門(東京発電株式会社)と送電部門(東京電線株式会社)を別々の子会社として配置する組織再編を実施する。

 次に発電部門を事業所単位で分割して持株会社の下に子会社として直接配置する。各子会社は独立採算として、1年から2年程度の実績を見て各子会社間の連携上の課題への対応、将来子会社を完全売却した場合の問題点の想定と対策案を策定。必要な法整備の検討を行う。
 福島第一原発の廃炉事業はこれらとは別会社とする。この切り離しの方法については別途検討が必要。

 これらの準備段階を経て、概ね3年から5年以内に、発電事業会社を順次売却する前提で特に送電会社に対する特別の規制のための法整備を行う。
 送電会社は上場により資金回収することを基本とする。

 電力事業の規制主体としては、独立の3条委員会(「電力事業規制委員会」)を過渡的に設置し、電力全体の自由化が終了して安定した段階で、この委員会を公正取引委員会に統合する。

 なお、送電については、現在の交流送電網は今後も独占となるため、適切な規制が必要だが、今後は新たな技術開発の進展に応じて直流送電の可能性が広がるとも言われており、これらについては自由化することができる。
 将来的にはNTTJRが既存のインフラを利用して送電に進出する可能性もあるのではないか。いずれにせよ、送電にも競争が部分的に導入されれば、地域を越えた市場の自由化につながるだけでなく、電力の安定供給の観点からも効果が期待できる。

 なお、これらの改革を進めるのと歩調を合わせながら、他地域の電力についても同様の改革を進めることが必要であるが、その進め方については別途検討が必要である。

【関連エントリー(新しい順)】
●スマートグリッドとは、スマートメーターとは、(発送電分離の具体例)
●古賀茂明レポート(後半)発送電分離の具体的なシナリオ →このエントリーです
●【日本版コラム】東京電力の「発送電分離」、日本のエネルギーイノベーションに不可欠
●【続01】発送電分離の経緯・過去の取り組み、総合資源エネルギー調査会、村田成二・事務次官
●発送電分離の背景、経緯、過去の取り組み
●【日本版コラム】問われる日本のエネルギー将来像(3)
[ 2011/06/22(水) ] カテゴリ: 東電問題,原子力ムラに関す | CM(0)
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