いまさらながらですが、『長期エネルギー需給見通し』の『2030年の日本のあるべき電源構成(エネルギーミックス)』を簡単にまとめておきます。
2030年の日本のあるべき電源構成(エネルギーミックス)
比較データとして、震災前の2010年度、発表済で最新の2014年度、と並べた。
数字が小さいですが、クリックで拡大すると、何とか読めます。
経済成長等によるエネルギー需要の増加を見込む中、徹底した省エネルギーの推進により、石油危機後並みの大幅なエネルギー効率の改善を見込む。
2013~30年度の実質経済成長年率を
1.7%/年としてエネルギー需要を算出の後に、省エネルギー対策により
2,130億kWh(対策前比17%)の電力削減を織り込んでいる。上記グラフでは薄く標記。
→これに関しては、“野心的”、“目標達成に「困った時の省エネ」”との論評も多い。
過去の経緯
- 3~4年に毎に、エネルギー基本計画の中で、最適な電源構成を示してきた。電力会社はその計画に基づき中長期の設備投資計画を立ててきた。
- 前回計画(2010年6月、民主党政権)では基幹エネルギーとして原発割合を2030年に53%(地球温暖化対策)とした。
- 震災後の2012年9月(民主党政権)に2030年に原発ゼロを目指すなどとした参考文書を出した。(案を出した途端に異論・反論が続出し閣議決定できず)
- 最新版は2014年4月11日に閣議決定(自民党政権)
この中では、原子力は重要なベースロード電源としたが、具体的割合(数値目標)は提示せず、電源構成の目標をできる限り早く決定するとした。(議論先送り) - 2015年6月1日、経産省は、 (2015年末の) COP21に向けて2030年の日本のあるべき電源構成(エネルギーミックス)を設定。それに基づき、2030年度の温室効果ガス排出量の削減目標を設定し、安倍首相がG7 (先進7カ国首脳会議)で表明した。
- パブリックコメント(意見公募)を経て 7月16日に決定。
長期エネルギー需給見通し
長期エネルギー需給見通し 関連資料PDF
(関連情報として)
各国の温室効果ガスの削減目標
最新の目標
| 目標時期 | 基準年 | 内容 |
中国 | 2030年 | 05年比 | GDP当りの排出量を 60~65%減 |
米国 | 2025年 | 05年比 | 26~28%削減 |
EU(欧州連合) | 2030年 | 90年比 | 少なくとも 40%削減 |
インド | 2030年 | 05年比 | GDP当りの排出量を 33~35%減 |
ロシア | 2030年 | 90年比 | 25~30%削減 |
カナダ | 2030年 | 05年比 | 30%削減 |
日本 | 2030年度 | 13年度比 | 26%削減 |
各国の温室効果ガスの削減新目標から転記