ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

(メモ)代替医療の光と闇

[ 2015/11/02 (月) ]
自分用のアーカイブとして、リンクと一部引用のみのエントリーです。

HONZ 山本尚毅 2015/11/26
『代替医療の光と闇』繰り返される悲劇に巻き込まれないために

その探求を続けた結果、一冊の本になった。博識で熱心なお医者さんが代替医療を360度解剖して、わかりやすく噛み砕いて患者に語りかけてくれるような本だ。代替医療の伝道師として登場するインチキ療法士、医師や政治家のエピソードはワンパターンだけれど、感情を揺さぶられ、つい引き込まれるぐらいによくできている。そして、患者とその家族は科学的に検証されていない話を信じるように求める魑魅魍魎の治療者に騙され続け、大金を払い続けてしまう。
日本もこの話題に無縁ではなく、サプリは食品であるという前提で薬事法の規制を受けていない。さらに、栄養補助食品健康教育法を参考に規制緩和を進めようとしており、「機能性表示食品」もその流れの一つだ。少しでも、心当たりがある人は、インターネットの口コミや雑誌記事を読むのではなく、自分が飲んでいるサプリ、受けている治療についての科学論文を、注意深く読んでみてはいかがだろうか。


Togetter 2015/10/28
「代替医療の光と闇」を読みながら by s_matashiro @glasscatfishさん

アマゾンレビュー 2015/10/28 投稿者 遠目なまず

「人間は確率というものが分からないいきもの」と聞いた。あれが効くとか、だれそれが良かったと言ってたとか、エピソード的な情報にばかり左右されてしまう。
この本では、アメリカのサプリメント業界の暴走ぶりが描かれるが、それが法的・制度的なお墨付きの下で行われている様子を読むと、暗澹とした思いがする。
間違いなく第一級の科学者であるポーリングが、ビタミン大量投与の効能を主張してぬかるみに嵌っていく様子はまさに「ギリシャ悲劇のよう」
イギリス中、マスコミからアーチストから運動選手も巻き込んで盛り上がった募金運動のお金の行き先が、インチキ代替医療とはなんという皮肉。
本書後半で述べられる「インチキ代替医療の見分け方」と「なぜ人々は代替医療が効くと思うのか」(プラセボ効果)の説明はとてもためになります。
ひとつ気になったのは、本来的な意味でのサプリメント(食事を補う役割)とインチキ代替医療で用いられているサプリメントを混同してしまいがちな論の進め方が見られる点。サプリメント自体、キチンとした食生活をしていれば不要であるという思いが前提になのかもしれないが。


SYNODOS -シノドス- ナカイサヤカ 2015/10/27
代替医療は存在しない、効く治療と効かない治療があるだけだ
翻訳者ご自身による解説

JItoZU 2015/10/15 
超オススメ【代替医療の光と闇 魔法を信じるかい? Do You Believe in Magic?】

感染症診療の原則 2015/10/11 
本の紹介 『代替医療の光と闇ー魔法を信じるかい?』

- かるがもブログ -かるがもクリニック 2015/10/2
代替医療の光と闇ー魔法を信じるかい?

内科開業医のお勉強日記 2013/6/19
代替医療への警告を取り上げる本

【メモ】

第7部 代替医療に実際に効くものがあるのはなぜか?
第11章 驚くほど強力でひどく過小評価されているプラセボ反応


プラセボ効果など些純なものだと片付ける人もいるが、それは違う。プラセボ効果がどれほど強力かを最初に実演することになった場所は、第二次世界大戦の戦場だった。
看護師がモルヒネを切らしたとき、傷ついた兵士に痛みを和らげるものが何もないと告げることが出来ず、彼女はウソをついた。使用した生理食塩水が実はモルヒネだと言ったのだ。驚いたことに痛みは消えた。そうなると重大な問題は「プラセボ効果は効くのか」ではなく、「どうして効くのか?」である。
針治癒のようなプラセボ治癒は本当に痛みを減らしているのか、それとも人々は同じ痛みを許容しているのか?プラセボ効果は身体的なものかそれとも心理的なものなのか?

最も強力な鎮痛剤はモルヒネだ。ケシ(ケシ科ケン属)から分離されるもので、他のすべての薬品に勝る鎮痛剤だ。1970年代はじめ、ラバイ・シマントフとソロモン・スナイダーがモルヒネと結びつく受容体を脳内で発見した。驚くべきはそのことではなかった。
驚くべきは彼らがまるでモルヒネであるかのように振る舞い、モルヒネ受容体に結びつく化学物質も見つけたことだった。これらの化学物質は植物から抽出されたのでも医薬品会社が合成したのでもない。人間の脳下垂体腺と視床下部で作られていた。シマトフとスナイダーはこの物質をエンドルフィンと名付けた。体内という意味のエンドゲノウスとモルヒネと言う言葉から作った言葉だ。後にエンドルフィンは痛み、辛い食物、運動、興奮、オルガズム(エヴリンの「エンドルフィンを浴びる」)に反応して、放出されることが示された。
エンドルフィンを掌中にして、科学者は鍼のような手当が効く仕組みをよりよく明らかにすることができるようになった。

結果は予想どおり。プラセボ鎮痛は身体的なもので現実だったのだ。人々が鍼治療のあと痛みが薄らいだというのは、「頭の中だけで起こっている」 のではなく、身体が自ら作り出す麻薬によって身体の中で起こっていたのだ(研究者は鍼治癒による痛みの軽減はナロキソンで消えることも実証している)。
代替治癒師たちはこれを知ると長期に渡る鎮痛剤の使用―中には大きな副作用があるものもある―に鍼が取って代わることができるなら悪いことはないと主張した。薬に頼るより自然にエンドルフィンを引き出す方が良いではないか?
鍼に批判的な人々は三つの反論をする。
第一に、鍼は欺瞞だ。(中略)
鍼治療に対する第二の反論は費用が高いということだ。だが認知的不協和説によれば高ければ高いほどいい。(中略)
最後の鍼治癒に対する反論は一番魅力的だ。鍼治癒の鍼にはリスクがある。(後略)

エンドルフィンの同定と同じように1970年代の発見がこうした魔法がなぜ効くのかに光を投げかけた。発見はあまりにも意外で、その後他の二つの研究所が再現するまで誰も信じなかった。
1975年ローチェスター大学医学部のロバート・アダーとニコラス・コ-エンが「行動によって条件付けられた免疫抑制」と題する論文を発表した。

第一二章 代替医療がインチキ医療になるとき
代替医療は有益になる可能性はあるが、プラセボ医療をするものとインチキ医療をする者の間にははっきりとした境界線がある。線を踏み越えてしまうのは四つの場合だ。
第一に、役にたつ通常医療を勧めないこと。(中略)
代替療法師がインチキ医療との境界線を踏み越える二つ目の道は、適切な警告なしで危険な可能性がある治療法を勧めることだ。(中略)
代替療法師が境界線を越える三つ目の道は患者の蓄えを空にすることだ。(中略)
代替治療師が一線を越えてしまう第四の道は呪術的思考を広めることだ。これは悲しいかなどこを見ても溢れている。(中略)

科学的な無知―あるいはそれどころではない科学否定主義―は患者の病気の受容を蝕んで、最悪のインチキ医療に影響されるままにしてしまうのだ。

エピローグ アルベルト・シュバイツァーと呪術医 - ある寓話
(略)


【参考】 世界史を変えた薬(佐藤健太郎 著)から関連部分を引用

モルヒネの作用
さて、ここでいったん生化学の話に立ち寄ってみよう。アヘンの主成分であるモルヒネは、なぜ人に多幸感を与え、耽溺性を持つのだろうか? その解明が始まったのは、1970年代のことであった。アメリカとスウェーデンの3つの研究グループが、人間の脳内にモルヒネがとりつく場所があることを、ほぼ同時に発見したのだ。このように、ある特定の分子が結合し、情報を受け取る部位を、「受容体」と称する。
しかし、なぜこのような受容体が存在しているのだろうか? ある種のケシだけが生産する、特殊な物質のための受容体を、人体がわざわざ用意しているはずはない。ということは、人体はこの受容体に結合する物質を、自ら生産していると考えられる。受容体を鍵穴とすれば、モルヒネはたまたまそこにはまってしまうだけの偽の鍵であり、脳内には「本物の鍵」が存在しているはず、というわけだ。人間に快楽の感覚を引き起こす「本物の鍵」こそは、脳の謎に大きく関わる重要物質に違いない。生化学者たちは、この発見に
色めき立った。
こうして1970年代から1980年代にかけて、「本物の鍵」の正体が次々に明らかになった。これらは、アミノ酸が5個から30数個連結した「ペプチド」と呼ばれる簡単な物質群で、「エンドルフィン」と総称される。モルヒネはエンドルフィンの先頭部分によく似た構造をしており、受容体に結合して同じように作用できるのだ。エンドルフィンは、外傷やストレスを受けた際に放出され、その苦蒲を和らげる。たとえば長距離走者が感じる高揚感(ランナーズ・ハイ)は、苦しみを緩和するためのエンドルフィン分泌によるものとされる。また社会的連帯感・安心感や、謎を解いた時、知識を得た時の満足感などにも、エンドルフィンが関わっていると見られている。エンドルフィンとその受容体は、人間の多くの行動の動機に関係する、極めて重要な系なのだ。
モルヒネはこの系に入り込み、かりそめの、しかし深い快感を与える。こうしてモルヒネを授与し続けると、生体は「現在のところエンドルフィンの量は十分である」と判断し、生産を止めてしまう。このためやがてモルヒネが切れると、体はエンドルフィン不足となり、強い不快を感じる。これが麻薬の禁断症状だ。モルヒネを投与すればこれは治まるが、エンドルフィン生産能力はさらに落ち、次回はさらに多量のモルヒネを求めるようになる。まさに悪循環だ。
モルヒネの禁断症状は、何ともいえない全身のだるさ'不眠、鼻水、発汗、震え、激しい頭痛や腹痛、嘔吐などなど、まさに地獄としかいいようがない症状の数々として現れる。たかだが原子40個の塊に過ぎないモルヒネが、人体という恐ろしく複雑なシステムを破壊する力を備えているとは、実に驚くべきことという他ない。

[ 2015/11/02(月) ] カテゴリ: ニセ科学,デマ,怪論文 | CM(0)
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