ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

(メモ)論文の査読、学術雑誌の権威、など

[ 2015/02/11 (水) ]
表記に関する一般論的な論説・説明のアーカイブです。
既エントリーの【続】怪しい科学論文なんて結構ある、という事実、や、STAP事件に関する解説リンク(メモ)、などにメモしてきましたが、単独エントリーに抜き出しました。

(発信日で新しい順です)
むしブロ 堀川大樹 2014/3/28 
クラウド査読により透明になるアカデミア


一般論として、科学的とはどういうことか、科学における作法とは、査読とは、などについて

一般の方には、一流紙と三流紙の違いとか、学会発表と査読論文の違い*とか、あまり伝わらないことかもしれません。が、専門誌には履いて捨てるほどの「胡散臭い報告」がたくさんあります。そして、そういう報告は「見向きもされず、捨て置かれる」という処置を受け、雑誌もimpact factorの低下、という商業的な打撃を受けます。玉石混交の論文達を膨大な数から選び出す、というのを、科学業界では日常的に強いられています。それは確かに問題なのですが、研究業界内だけで収まってた話なのですよ。

* 研究成果を論文にする前後に多く行われるのが、学会などの講演発表です。これは、成果を早く公表して最新の情報を提供することや広く研究成果の批判を仰ぎ、多くの研究者と交流して研究を進めることが目的です。学会発表の内容には、速報性はありますが、まだ研究の途中のものも含まれます。

生命科学の明日はどっちだ!?(近藤滋教授) 2012/10
第十五回:科学者はみのもんたに勝てるのだろうか?
(小見出し項目と一部のみの粗い引用ですので、詳細は原典を参照ください)

●免疫学者、みのもんたに完敗
 (略)
●正確さの保証はどこに?
 (略)
●科学的な事実の客観性への信仰
 (略)
●科学ジャーナルとTV局は結構似ている
 科学者にとってのメディアは、もちろん専門の科学ジャーナルだ。個々の論文を科学ジャーナル掲載するか否かはピアレビュー*1により判定される。論文を受け取った雑誌編集部は、その分野の専門家2~3名に、その論文の質・インパクトの評価を依頼し、その結果をもって掲載を決める、というやり方である。少人数専門家の評価で、論文の価値を判断できるという考え方の前提には、やはり科学的な判断には客観性がある、という暗黙の前提が存在している。なんだかTV局と似ているではないか。判断を少数の専門家に任せて、ジャーナル自体は責任を持たないところも同じだ。
 さらに、一部の「人気のある」ジャーナル(Nature, Science, Cellなど)に、「権威」が発生するのも全く同じである。高インパクトファクターの雑誌に掲載されれば、その研究は瞬時に世界中の人の目に留まる。新聞雑誌で報道され、注目は浴びるし、研究費やポストも取れてうはうはである。研究の目的が、「純粋な科学的な真実の発見」でなく、「CNS*2の論文をゲットする」になってしまっている人だって沢山いるだろう。Natureはこの分野の論文を掲載する可能性が高いから、こういう研究をしよう、とか考える人もいるかもしれない。(う~ん、書いていて自分で耳が痛い・・・)必然的に「権威」が発生し、論文を吟味することなく「Natureに載ったからすごい」と思ってしまうのである。
 という訳で、メディアと一般人の関係と、科学者とジャーナルの関係はそっくりなのだ。「Natureは科学界のみのもんた」なのである。Natureを信仰している限り、みのもんたに勝つことはできない

●論文評価のもう一つの方法
 現在のピアレビュー制度に問題はたくさんある。論文の評価をする専門家が、本当に正しい評価を下せるのかは、結構疑わしい。研究の競争相手であるかもしれないし、頭の固い人は新しいアイデアを評価する能力にかける可能性も大きい。メンデルの法則も当時は誰も理解しなかったし、チューリングの理論もまた然りである。だが、ほかの方法がなかったので、この制度が続いてきたわけである。
 しかし、最近論文のレビューに関して新しい方法を採用する雑誌が出てきている。PlosOneや、Nature.comが運営するScientific Reportなどだ。これ等のジャーナルでは、一応ピアレビューは行うが、それは実験の手法とそこから導かれる結論の妥当性に関するものであり、得られた結論の価値・意義等は、出版後の読者に任せる、というスタンスである。この方法を可能にしたのは、誰でも論文にアクセスでき、更にコメントをつけられるというインターネットの特性である。
 この方法のメリットは2つある。審査の主体がバイアスのかかった少数の専門家でなく、研究者全体に変わることで、論文の採否に関する不合理を排除できること。さらに、論文に対する評価が、署名付きのコメントの集積になることで、掲載されたジャーナルの権威とは切り離されることだ。このやり方がうまく機能すれば、みのもんたに一泡吹かせられるかもしれない。
 一方で、この方法の成否は、研究者社会のモラルやリテラシーに依存してしまうと言う問題がある。査読の甘い論文が世に出ると、社会を混乱させる可能性もある。これは結構心配だ。(後略)

●ネットピープルによる査読の健全性は?
 (この部分は本編に引用済み)

以上、論文の査読のあり方に関して思う事を書いてみた。まあ、どんなスタイルが一番良いのかは解らないが、マジョリティがちゃんとした判断力を持っていれば、そんなにひどい事にはならないのではないかとちょっと楽観している。もちろん、そのためには、科学者一人一人が正しく社会に向けて発言することで、信頼を得ることも重要だ。みのさん一人に科学の権威を代表していただくのは、そろそろ終わりにしたいのである。

●tweetでのコメント
 本文中にもあるように、私自身はPlosOne方式の可能性を期待しているのですが、新聞記者でさえリジェクトしたシジミ論文がアクセプトされているという事実は、結果の妥当性に関しても、極めて甘いレビューアーがいる事を示唆します。困ったもんです。

ブログ主注
*1 peer review:査読のこと。
*2 Cell,Nature,Scienceの頭文字をとったもの(だと思う)


バイオ系研究室PC管理担当のメモ 2013/10/5
オープンアクセス誌の玉石混淆ぶりが明るみに
(リジェクトされるべき論文をオープンアクセス誌に送る実験の結果がScience誌に載った。なんと半分以上の雑誌がこのクソ論文をアクセプトしてしまったと言う。)

大学1年生の化学(北里大学・野島高彦) 2013/6/1
実験ノートには何を記録するのか


PseuDoctorの科学とニセ科学、それと趣味 2012/10/14
「学術論文」って何だろう?


システム論ブログ 永井俊哉 2012/9/29
査読はどうあるべきなのか


Togetter 2012/5
論文に関するまとめのまとめ(by bokudentwさん)



 論文の話だけでない一回り広い“信頼性のある科学とは”という論説です。
 内容の紹介がてら数枚のシートを引用させて戴きます。
ニセ科学の見分け方04

ニセ科学の見分け方01

ニセ科学の見分け方021

ニセ科学の見分け方03

【メモ】
大隅典子の仙台通信 2014/3/29 
STAP細胞騒動から考える「科学論文とは?」
[ 2015/02/11(水) ] カテゴリ: ニセ科学,デマ,怪論文 | CM(2)
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[ 2016/10/04 00:15 ] [ 編集 ]
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