ポストさんてん日記

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地球温暖化の“緩和策”と“適応策”

[ 2014/10/27 (月) ]
地球温暖化対策としての、“緩和(mitigation)”と“適応(adaptation)”について、勉強しておきます。
“緩和策”が先行的に進められてきましたが、今回、IPCC第5次評価報告書では、“適応策”についても実際の適用を念頭に整理しており、その重要性に対する認識が、昨今急速に高まりつつある、とのことです。

適応策と緩和策
分かりやすそうな図をピックアップ
緩和策と適応策
     出典:温暖化から日本を守る適応への挑戦(2012 環境省)

緩和策と適応策02
     出典:JCCCA IPCC 第5次評価報告書特設ページ 緩和・適応とは

以下、適応策についてです。
日本における気候変動影響と適応策について
2014/2/14 国立環境研究所 肱岡靖明氏 から引用

適応策とは?

  • 最善の緩和の努力を行ったとしても,世界の温室効果ガスの濃度が下がるには時間がかかるため,今後数十年間は,ある程度の温暖化の影響は避けることができない
  • 既に温暖化の影響ではないかと考えられる事象が現れつつある
  • 悪影響に備える適応策:気候の変動やそれに伴う気温・海水面の上昇などに対して人や社会,経済のシステムを調節することで影響を軽減,対処療法的な取り組み
  • 適応策に関しては、先進7か国のうち、日本,イタリア以外はすでに適応計画を策定済み。日本も2015年8月を目途に策定予定。

適応策の事例

適応策01

適応策02

「白井信雄のブログ」2014/9/20 
地球環境関西フォーラムで、気候変動適応策について講演をしました。
から一部のみ引用
 
日本の適応策は、他先進国に比べて5年は遅れている。ようやく2015年度に適応国家戦略が作成すべく、検討が開始されている。

主要国の適応への取組み

省庁における気候変動適応への取組経緯

適応策といっても、気候被害さえ防げればいいものではない。持続可能性の観点から、適応策のメニューを複眼的に評価し、いい適応策を選別していく必要がある。

「悪」適応の類型化

悪い適応策として危惧される身近な例
  • 感染症の媒介昆虫の生息への過剰反応
  • 水災害への過剰な防御設備の整備と将来の維持管理費の増大、地域住民の無防備な安心
  • 緑地整備をせずに、ミストシャワーに頼る駅前整備(ムクドリが駅前の木立に集まるとも聞いたが。。。)
  • 高齢化が進んだ小規模零細農家が採用しにくい農業技術導入
  • 長期の影響予測に基づく戦略性を持たない、刹那的な対症療法 等

良い適応策の方向性
  • 自然の水や大気の循環を再生し、緑地を都市に取り入れ、ヒートアイランド現象を抑制し、緩和とコベネフィットを創出
  • 適応策を通じた地域経済の活性化、地縁的コミュニティの再生、高齢者や貧困者等の社会的身体的弱者の支援(感受性改善)を図る
  • 適応策を、地域ビジネスとして行い、地域経済を発展させ、住民やコミュニティの参加として行うことで人づくりを進める
  • 公助・自助・互助、防御・影響最小化・転換等の多様な方策を、多重かつ柔軟に組み合わせる
  • 将来予測の様々なケースを設定した代替案設定とモニタリングによる未然実施等(順応型管理)

適応策とは社会経済の弱さの改善である。対症療法的な対策、短期的な対策に留まらない、追加的適応策の具体化と実装が課題である。
良い適応策を見極め、悪い適応策にならぬように注意すること、行政が主導する適応策を明示するとともに、地域住民等による主体性を引き出すことが望まれる。

関連エントリー

今世紀末の気温、海面水位上昇(IPCC第5次評価報告書の理解ノート)
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【メモ】
「白井信雄のブログ」2014/4/13 気候変動への緩和策と適応策のコベネフィットとトレードオフ

【メモ】
災害リスクの大小は、気候変化の大小だけで決まるものではない。気候変化が生じる場所に住む人の数やそこにある家や工場の数といった「曝露」の大きさにも左右される。
また、被害の大小は、経済力・経験・防護施設などの諸条件に基づく「脆弱性」にも左右される。
例えば、熱波が発生した場合でも、空調が十分に整備されていてそれを利用できたり、熱波を事前に予報・警告する仕組みがうまく機能していたりすれば、熱中症による死亡等の実被害は生じずに済む。そのような状態を「脆弱性が小さい」という。よって、温暖化リスクの管理に際しては、緩和策による危害の軽減に取り組むとともに、同時に適応策により曝露や脆弱性を減らすことで、許容可能な範囲にリスクを抑えることが大事になる。
出典:地球温暖化リスクに関する最新の科学的知見 -IPCC 第5 次評価報告書をふまえて-(高橋潔)
[ 2014/10/27(月) ] カテゴリ: 地球温暖化 | CM(0)
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