ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

セアカコケグモとハイイロゴケグモ、咬まれた場合の症状など

[ 2014/10/14 (火) ]
セアカコケグモについての報道を目にするので、少し勉強しておきます。報道ではあまり聞きませんが、同類のハイイロゴケグモもついでに記載します。
外来種(外来生物)のうち、在来の生物を補食したり、生態系に害を及ぼす可能性がある生物は、法律で特定外来生物現時点で112種類)に指定されていますが、ゴケグモ属の指定は4種:セアカゴケグモハイイロゴケグモ、クロゴケグモ、ジュウサンボシゴケグモです。
また、セアカゴケグモは、外来種の中でも特に生態系や人間活動への影響が大きい生物として、日本生態学会により侵略的外来種ワースト100に選定されています。

基本情報

セアカゴケグモハイイロゴケグモ
科名ヒメグモ科
学名Latrodectus hasseltiiLatrodectus geometricus
原産地オーストラリア亜熱帯地方
α-ラトロキシンという神経毒をもっているのは雌だけ
形態成熟した雌の体長は、約7~10mm。
全体が光沢のある黒色で、腹部の背面に目立った赤色の縦条がある。
(雄の体長は約4~5mm。)
成熟した雌の体長は、約7~10mm。
色彩はさまざまで、腹部背面が真黒のもの、茶色や灰色を基調として斑紋を有するものなど変異が多い。
(雄の体長は約6~8mm)
セアカゴケグモ、ハイイロゴケグモ出典:大牟田市HP

確認の参考になるチラシ(PDF 九州地方環境事務所)
生息場所日当たりの良い暖かい場所で、地面や人工物のあらゆる窪みや穴、裏側、隙間に営巣する。
例)プランターの底、室外機の裏、庭に置いた靴の中など
屋外に置かれていた傘、衣服、おもちゃ等に付着して、屋内に持ち込まれる可能性がある。
(セアカゴケグモと区別ない説明資料が多い)

日当たりが良く、地面のある広い場所であれば、
コンクリート建造物や器物のあらゆる窪みや穴、裏側、隙間、管渠、アングル部分に営巣が可能である。
繁殖形態繁殖期:真夏
産仔数:7~8の卵塊(直径1~1.5cmで乳白色)を生涯に産出し,1卵塊あたりの卵数は数10~200個.
卵から成熟までに要する期間は約100日で、寿命は2~3年と言われている。
産仔数:1回の繁殖で約5000個産卵し,ゴケグモ属では多産な方
卵嚢は薄黄色で表面に多数の突起物があり,他のゴケグモ属の白くスムーズな卵嚢と区別できる.
メスは3年は生きるが,オスは半年から1年の寿命といわれる.
生態的特徴性質はおとなしく,攻撃性はない.脅かされると,すぐに巣から落下して擬死する.
食性:昆虫等
セアカゴケグモよりも攻撃性は弱いと言われている(刺咬症の事例は米国南部等に限られている)
食性:主に昆虫食
防除方法ピレスロイド系の殺虫剤散布
卵については、殺虫剤が効きづらいため潰すか焼却する必要がある。
主な出典:国立環境研究所 侵入生物DB セアカゴケグモハイイロゴケグモ

ゴケグモとは

ゴケグモ類は、ゴケグモ属 (Latrodectus) というグループに分類され、約31種が知られている。熱帯地方を中心に世界中に分布する仲間である。ゴケグモの名前の由来に関して、「毒性が強いため噛まれた時の死亡率が高く、奥さんが後家になる」という俗説が知られている。実際には、ゴケグモ類の英名 "widow spider" そのままの和訳で、ゴケグモ類はオスの体がメスに比べて非常に小さく、交尾後にオスがメスに共食いされることに由来する。ただし、共食いの頻度などは種類や条件により異なる。

日本での分布

1995年11月に日本で最初に大阪府高石市で発見された。以降日本各地へ分布域を広げた。
2015年9月時点42自治体で確認されており、一部では定着も確認されている。
分布図2015年9月
ゴケグモを発見した場合は、お住まいの自治体にご連絡ください
出典:セアカゴケグモ・ハイイロゴケグモにご注意ください!(環境省)

【追記】  セアカゴケグモの分布
2011年以降急速に分布が拡大し、2015年には北海道でも確認された。
分布拡大の背景には温暖化も影響している可能性もあるが、それ以上に、国内における物流の増大、土地整備や宅地開発などの環境改変、都市化によるヒートアイランド化など人間による移送と環境改変が大きく影響していると考えられる。

毒性、セアカゴケグモに咬まれた場合の症状と対応
主な出典:国立感染症研究所

オーストラリアでは古くから代表的な毒グモとして知られており、抗血清も存在する。日本でも、発生地域の医療機関で抗血清を準備しているところがある。メスに咬まれた部位は激しい痛みを感じた後に腫れ、全身症状(痛み、発汗、発熱など)が現れることがある。重症化することは少ないが、全身症状が現れた場合には医療機関で診察を受けることが望ましい。

毒性
毒腺の蛋白分画中、人に対し毒性を示すのはα-ラトロトキシンという蛋白である。この毒素は神経毒で、哺乳類に対し活性を示す。α-ラトロトキシンは神経系全般にわたって働き、神経末端よりアセチルコリン、カテコールアミンなどの神経伝達物質の放出を促し、再流入を阻止することにより神経末端の神経伝達物質を枯渇させる。したがって、人がセアカゴケグモに咬まれると、運動神経系、自律神経系が障害され、種々の症状が現れる。

症状
局所症状:咬まれた直後は局所の痛みはほとんどなく、あっても咬まれた部位に軽い痛みを感じるだけである。刺し口が一つ、あるいは二つ見つかる場合もある。また、咬まれた部位の周辺に発疹を見ることもある。局所症状が現れるまでの時間は様々であるが、通常、5~60分の間である。局所痛として現れ、次第に痛みが増強する。時間と共に痛みが咬まれた四肢全体に広がり、最終的には所属リンパ節に及ぶ。これに要する時間は30分~数時間である。局所の発汗も起こり、しばしば熱感、掻痒感も伴う。しかし、局所症状の最も大きな特徴は痛みである。

全身症状
セアカゴケグモに咬まれて全身症状を示す者はごく一部である。咬まれてから約1時間で全身症状を示すこともあるが、一般には徐々に進行し、12時間以上かかることが多い。
重症になるのは小児、高齢者、虚弱体質の者である。主要な全身症状は痛みである。痛みは全身に及ぶこともあり、咬まれた部位の近くの躯幹だけに限局することもある。したがって、上肢を咬まれた場合、強い痛みは顔、首、胸部に生じ、胸部痛がしばしば心臓発作による痛みと間違われることがある。一方、下肢を咬まれると、強い痛みは腹部に生じ、急性腹症とよく似た症状を示す。
躯幹のどの部位を咬まれても腹痛は起こり得る。筋肉のけいれんが主として腹部に認められることがある。
著しい発汗が全身に、あるいは咬まれた場所とまったく違った部位に限局して認められることがある。
全身の筋肉の弛緩が起こるが、麻痺にまで至ることは稀である。
他の主要な症状としては、嘔気、嘔吐、発熱、不眠症、めまい、頭痛、全身の発疹、高血圧、下痢、喀血、呼吸困難、排尿困難、重度の開口障害、食欲不振、眼瞼浮腫、全身の関節痛、全身の震え、不安感、羞明、流涙、精神異常、徐脈や頻脈、括約筋のけいれんに続いて起こる尿閉などである。

乳幼児が咬まれると痛みのため泣き叫び、間欠的にけいれんし、症状の進行は早く、重症になりやすい。
腹部の痛みと硬直はしばしば認められる。熱がないのに強い痛みが突然起こり、局所の発疹や著しい頻脈が乳幼児に認められれば、セアカゴケグモに咬まれたことを疑わなければならない。

予後
セアカゴケグモに咬まれてもアナフィラキシーショックを起こすことがないので、適切な診断と治療を行えば死ぬことはない

ほとんどの患者は少量の毒素を注入されるだけで、全身症状を呈したため治療が必要となるのは約20%と少ない。これらの患者は、もし治療を行わなくても、多くは1週間以内に回復する。稀に死亡することもあるが、これは16歳以下の子供、60歳以上の高齢者や何らかの基礎疾患を持ったものに起こる。オーストラリアでは、1956年に抗毒素が導入されてからは1名の死亡者も出ていない。オーストラリアの死亡例をみると、咬まれてから死亡するまでの時間は6時間~30日までと幅があるが、24時間以内に死亡したのは、生後3カ月の乳児に起こったこの6時間の1例(1933年に報告)だけである。

診断
治療を開始する前に、セアカゴケグモに咬まれたことを確認しなければならない。咬まれた後にセアカゴケグモを見つければ診断は容易であるが、小さな子供が腹痛を起こし、泣き叫んでいるだけの状況では診断は困難である。診断に役立つ検査はないので、臨床診断だけが頼りである。

患者が全身に強い痛みを訴え、痛みの原因が他になければセアカゴケグモに咬まれたことを疑わなければならない。特に腹痛を起こし、圧痛がないのに腹部の硬直が認められれば疑わしく、急性腹症と間違ってはいけない。熱がないのに著しく発汗したり、他の症状と共に高血圧が認められれば診断に役立つ。

治療
咬まれた局所を包帯等で強く圧迫するのは、痛みを増強させるので勧められない。局所をアイスパックで冷やすのは、痛みをいくらか緩和するかもしれない。

それぞれの症状に応じて対症療法を行っても、効果のないことが多い。痛みに対して鎮痛薬の服用はもちろん、モルヒネやペチジンの注射でも効果が認められない場合がしばしばある。すべての症状に対して最も有効なのは、抗毒素による治療である。

局所症状だけに止まれば抗毒素は必要ないが、セアカゴケグモに咬まれたことが明らかで全身症状が現れてくれば、できるだけ早く抗毒素を注射する。しかし、最初は診断がつかなくて、症状が出てから時間が経った場合でも抗毒素を使うべきで、咬まれてから1週間経過しても抗毒素は有効である。筋肉内注射で投与し、通常1時間以内(しばしば20分以内)に著明な効果が現れる。オーストラリアのCSL社製のセアカゴケグモ抗毒素を1アンプル注射すれば大部分の患者が回復するが、それでも効果が現れない場合にはアンプルを追加する。5アンプル以上を注射することもある。小児にも成人と同じ量を使う。
[ 2014/10/14(火) ] カテゴリ: 生物多様性,外来種,森林破 | CM(0)
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