ポストさんてん日記

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ドイツの消費者は輸出電力の再エネ賦課金まで負担している

[ 2014/07/28 (月) ]
以前から知りたかったことですが、ドイツの電力輸出入収支データ(金額)がありましたので、まとめました。その結果、理解したことが表題です。再生可能エネルギー

(始めに、経年の推移)
ドイツの電力輸出入の経年変化

 TWh    
独輸出入2013の02
2011年に17基の原発のうち旧式の8基を停止したために、周辺国からの輸入が増加し、輸出入の差が一時縮まった。
その後、再エネの発電量が増えて、2013年は過去最大の電力の輸出超過になっている。
2013年の輸出量(約72TWh)は国内発電量の11.4%、輸入量(約37TWh)は同6.2%。
なお、2013年の再エネ比率(総発電量に占める再エネの割合)は23.4%。
     出典:ドレスデン情報ファイル、ドイツにおける電力輸出入の動向

(ここからが本題です)
2013年のドイツの電力輸出入収支

電力量
GWh
(総発電量に
対する比率)
金額
億ユーロ 
平均単価
ユーロセント/KWh
輸出71,829(11.4%)37.65.2
輸入-36,872(6.2%)-18.14.9
収支34,954.19.5(5.6)
2013年の電力の輸出入収支は19億5000万ユーロの黒字。(130円で換算すると約2500億円)
輸出平均単価 5.2ユーロセント/kWhは輸入平均単価より高いし、電力スポット市場の平均価格 3.79ユーロセント/kWhよりも高い。
金額の出典:スマートジャパン 2014/7/21 電力輸出で「利益」を出すドイツ、輸出単価も高い

一見、良い数字のようですが、はたして、これは喜ぶべき状況でしょうか。誰かが損をしていないでしょうか?

輸出分の賦課金をドイツの消費者が負担している

下の左のグラフは、ドイツの電力料金の内訳です。再エネはFIT制度(法律名がEEG)により高い単価で買い取られますが、そのコストは、消費者が再エネ賦課金(FITサーテャージ)で負担している訳です。(他の価格要素にもFITの影響があるのかも知れません。)
右のグラフが、輸出電力の平均単価です。

2013年ドイツの電力料金            2013年ドイツの輸出単価
ドイツの電力料金構成
      出典:既エントリー

電力にラベルがついている訳ではないので、輸出電力の電源構成は分からないでしょうが、再エネは優先接続が認められているために輸出が増加していると、いわれています。(既エントリー
高い価格で買い取られた再エネが、国内市場価格より遥かに安い単価で輸出されていることは、そのコスト差も、消費者が賦課金で負担していることになります。 輸出先は賦課金を払わない訳ですから。

結局のところ

再エネは発電した段階でFIT賦課金が発生します。
2013年の再エネ比率(総発電量に占める再エネの割合)は23.4%ですが、輸出が増えて再エネ比率が高まれば、ドイツの消費者の賦課金負担が増加する、という構図になります。
それで周辺国の再エネ比率は少し上がる訳ですが、問題ないのでしょうか?

本論から少し外れることですが、需要がないときには水力や火力発電は出力を絞り供給を落としますが、優先接続が認められている再エネは発電してしまうので、電力スポット市場の平均価格は異常に下落している、といわれています。
【追記】
一方で、こんなハプニングも。
2014年7月21日、太陽光発電の出力予測が大きく外れたことが原因で、1時間単位の電力価格が10ユーロセント/kWhを超えた。(最高価格は30ユーロセント/kWh)
出典:前日に再エネ出力予測を誤り、当日市場価格が高騰(電気事業連合会 2014/8/7)

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[ 2014/07/28(月) ] カテゴリ: FIT認定制度に関する事 | CM(0)
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