ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

スポンサーサイト

[ --/--/-- (--) ]
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/--(--) ] カテゴリ: スポンサー広告 | CM(-)

病気の治療法の研究方法(研究デザイン)

[ 2014/06/17 (火) ]
病気の治療法の効果を評価するための研究方法に関して、ブログ主のような素人にも良く分かる解説を見つけたので、アーカイブします。
出典は、がんの補完代替医療ガイドブック 第3版(2012年2月)の17~20ページの“補完代替医療の科学的検証”です。

治療方法の効果を評価する方法~科学的検証

がん補完、研究方法の信頼度

ランダム化(無作為化)比較試験
がん補完、ランダム化比較01
 対象者をランダム(無作為)に2群に分け、一方にはこれまでの従来の治療法(標準治療)、他方には新規に開発された治療法を行い、治療の効果を比べる方法です(※標準治療の代わりに、効果のない偽薬・プラセボを用いる場合もありますが、近年は倫理的な問題から偽薬・プラセボは用いないことが多くなっています)。
対象者をランダムに振り分けることによって、その治療法の効果を純粋に検証することができます。そのため病気の治療法の評価方法として、研究結果の信頼性は一番高いとされています。しかし研究の実施には多額の費用と長い観察期間が必要なため、このデザインの研究を行うのは簡単ではありません。また、補完代替医療の領域においては、標準治療や偽薬・プラセボの設定が困難な場合が多く(例;鍼灸・整骨療法・マッサージなど)補完代替医療の科学的検証の際の問題点とされています。
 なお、病院で処方される医薬品(抗がん剤など)は、基本的にはこのランダム化比較試験を行って有効性が認められたものです。ですから次に説明する研究方法の結果は、がんの治療方法の選択においては、参考程度に留める必要があります。

非ランダム化(非無作為化)比較試験
 ランダム化(無作為化)比較試験と異なり、対象者を振り分ける時にランダム化(無作為化)を行いません。そのため、結果の信頼性はランダム化(無作為化)比較試験に比べてやや劣るとされています。

コホート研究
 ある集団に対して、数年から十数年の追跡調査を行って病気の発生を確認し、病気の原因となる可能性のある要因(喫煙・飲酒などの生活習慣、食生活、血液データなど)との関連性を調べます。
 病気の原因となる可能性のある要因を最初に調査しておいて、その後の追跡調査で病気の発生との関連性を調べる前向きコホート研究と、要因を過去にさかのぼって事後的(後ろ向き)に調査して、その後の追跡調査で病気の発生との関連性を調べる後ろ向きコホート研究の2種類があります。
 おもに、がんなどの病気の予防に関する研究方法になります。

コホート研究 (別の資料からの引用)
コホート研究と次の症例対照研究は、疫学調査の研究方法(研究デザイン)としての方が、知られていますね。(解説も多い)

コホート研究(Cohort Study)
 最も精度の高い疫学調査の方法である。
 この方法は、まず、観察開始時点ではがんに罹患していない人の集団(分母)を調査集団として設定し、この集団に発生するがん患者(分子)を把握するために長期追跡調査を行うものである(がん発生の把握は難しいのでがん死亡で代用されることが多い)。
 そして、被ばくした群としなかった群のがん発生率の違いを知らべ、放射線被ばくがどの程度がん発生率を増加させるかを推定する方法である。しかし、この方法は時間と費用がかかる欠点があり、特にリスクが小さい(発生数が少ない)場合は多くの調査対象者数を必要とする。

 代替の方法として、症例対照研究(ケースコントロール研究:Case-control study)がある。
症例群(がんに罹患している群)と対照群(がんに罹患していない群)の(過去の)放射線被ばく線量を比較して放射線リスクを調べる方法である。この方法はリスクが小さい場合に有用で、時間と費用はかからないが、対照群の設定により結果が大きく異なるという欠点がある。

 出典:放射線による発がん

症例対照研究
 すでに病気になった人(症例)と年齢や性別などの因子をそろえた人(対照)を選び、病気の原因と考えられる要因を過去にさかのぼって調査し、両者を比較する方法です。
 結果が早く分かるという利点がありますが、適切な対照(健康な人など)の設定が難しく、また過去のことを思い出してもらうため、研究結果に色々なかたよりが入り込む可能性があります。

症例報告
 病気に対してある診断法、治療法などが有効であった一人もしくは複数の症例に関して、カルテに記録された情報(血液検査・画像検査など)を整理して報告したものです。その後、類似の病態を示した患者さんの診断・治療の情報源として役立てられています。ですが、症例報告で得られる情報からは、患者さんに対して、どれくらいの確率でどれくらいの効果があるかを判断することはできません。しかも症例報告の場合、偶然起きた現象を過大に評価してしまう可能性があります。
 例えば、がんは、数万例に1例の割合で自然に消失することが、過去の調査で分かっています。そのため、がんが消えたのは、その治療法が本当に効果があったのか、それとも単なる自然経過なのか判断が難しくなります。
 もちろん、症例報告が契機となって新しい治療法が発見されることもありますので、貴重な情報であることに変わりはありませんが、情報の取捨選択にあたっては慎重な判断が求められます。

実験室の研究
 動物(マウス・ラット)や培養細胞を使った実験です。薬の開発において、作用機序、安全性や有効性などさまざまな情報を調べるのに重要な研究です。
 しかし、この研究方法による結果が、ヒトの病気でそのまま当てはまるわけではないという点に注意しなければなりません。
 例えば、薬の候補として発見された物質が、実際に病院で使われる薬(医薬品)になる確率は、およそ2万個に1個(約0.005%)といわれています。
 ですから、動物実験や細胞実験の結果は、薬になる前の段階の情報であることを理解し、新聞やテレビなどで報道されていた場合でも、鵜呑みにしてはいけないということを知っておいてください。

経験談・権威者の意見
 データの裏付けのない、主観に基づく意見です。これらは結果の信頼性が一番低いのですが、普段、皆さんが耳にしたり目にしたりする機会が多いのは、この経験談や権威者の意見でしょう。このタイプの話題は具体的で説得力があるように感じるかもしれませんが、実際には科学的根拠に基づかない主観的な意見のことが多いので、冷静に対応する必要があります。なお、経験談と症例報告はまったく異なるものですので、注意してください。
 また、大学教授などの権威者や人気テレビ司会者などの意見も、どのような研究方法によって導き出された結果に基づいた発言なのかを見極める必要があります。
(具体的事例があるが、引用は割愛)

まとめ
 テレビや新聞、インターネットなどを介して、非常に多くの情報が日々発信されています。しかし、補完代替医療に関する情報は、残念ながら科学的検証がおこなわれていないあやふやなものが多いのが現状です。
 そこで、情報を取捨選択する方法、そのための知恵(情報リテラシー)を身に付ける必要があります。その一つの手段として、科学的検証における研究方法(研究デザイン)の見極めかたについて解説してきました。
 このように、科学的根拠に基づいて治療方針を判断をすることは、補完代替医療に限った話ではなく、現代西洋医学(通常医療)においても、取り入れられている考え方です。これを「科学的根拠に基づいた医療」といいます。
 今後、ヒト臨床試験による科学的根拠(エビデンス)が蓄積され、多くの不確かなことが補完代替医療の名のもと漫然と継続されることなく、順次、有効・無効、有害・無害が明らかにされていくことが望まれます。

【メモ】 下記は分かりやすい!
Togetter 薬学たんとエビデンス by @Yakugakutanさん
「信頼できる情報」とは何か【資料編】エビデンスの見方(健康を決める力 ヘルスリテラシーを身につける)
メタアナリシス(meta-analysis) 1 (大阪大学腎臓内科)
日本薬学会 メタ解析

医学分野では対象や研究方法が多様で、各種のバイアスが入りやすく、また研究の質のばらつきが大きい。例えば、公表論文は有意な結果のみが発表されることが多い。これは研究者がポジティブな結果が得られたときにのみ発表する「報告バイアス」や、学会誌等の編集者が,統計学的に有意な結果の得られていないものはリジェクトする「出版バイアス」のためである。このため、単に報告を集めるだけでは、ポジティブ方向へバイアスがかかるという懸念が指摘されている。また、質の低い論文を他の優れた研究成果と同等に評価対象としてしまうと過大評価することになる。メタアナリシスでは、バイアスの影響を極力排除し、評価基準を統一して客観的・科学的に多数の研究結果を数量的、総括的に評価しようとしている。


以下、本論から外れてしまいますが、
おまけ

健康情報のトリック。 宣伝広告の三段論法に注意!(資料の34ページ)
 健康情報を読者に信じ込ませるトリックの代表的なものとして、事実と事実のつなぎ合わせによって、まだ証明されていないことをあたかも本当のことのように宣伝する三段論法という方法があります。
具体的な例を挙げてみましょう。
  • 「免疫を活性化するとがんを治療できる」「健康食品は免疫を活性化する」、ゆえに「健康食品はがんを治療できる」
  • 「活性酸素はがんの原因である」「健康食品は活性酸素を消去できる」、ゆえに「健康食品はがんを予防できる」
といった具合です。しかし、そんな単純に考えてはいけません。ヒトの体は非常に複雑な仕組みで成り立っていて、まだ解明されていないことがたくさんあります。ですから「健康食品はがんを予防・治療できる」ということが個別にヒト臨床試験で証明されなければ、それはあくまでも『仮説』でしかありません。
 そのような中、プロバイオティクスは、ヒト臨床試験によってその効果が直接証明されつつある数少ない食品であると思われます。

がん治療における漢方薬(資料の38ページ)
がん補完、がん治療における漢方薬

[ 2014/06/17(火) ] カテゴリ: 生物・医学の基礎 | CM(0)
コメントの投稿










管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

このブログについて
管理人 icchou から簡単な説明です 更新,追記の通知はTwitter
カテゴリ
最新記事
ブログ内検索


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。