ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

「パンデミック疫学??」の津田敏秀教授(岡山大学)and 津田論文への批判リンク集

[ 2015/12/14 (月) ]
最新追記:2017/1/25 一番下です。
『津田論文への批判リンク集』を追記:2015/12/14 中段より下、赤字で【追記】から。
初回公開日:2014/3/2


自分用のアーカイブとして、リンクと一部引用のみのエントリーです。

「パンデミック疫学??」の津田敏秀教授(岡山大学)
ここは新しい順です。

津田教授は、疫学者としては考えられないほどの超々基本的な過ちを犯していることになります。それでも教授というポジションがあることは、恐らく、上記の認識の態度の分類では、タイプ3の人だろうという推測が成り立つように思います。このタイプ3の人には科学者は無理で、本来、政治家が適しているのでは。
ちなみに、タイプ3の人とは、先に結論があって、それ以外の結論に至る認識法を採用しない人のこと。

(中略)
2014年2月7日の「科学」岩波書店の3月号に、津田教授が、「2014年2月7日福島県県民健康管理調査検討委員会発表データによる甲状腺検診分のまとめ」という記事を書いた。
(中略)
文章としての出来は、なにか非常に乱雑で、何を検討して何が言いたいのか、かなり分かりにくい文章である。岩波の「科学」だから掲載された原稿、とも言えるように思える。

(中略)
津田敏秀教授の講演を聞きながらの感想
津田教授は、今回みつかった59件もの福島県の調査結果は、件数として多すぎて、スクリーニング効果などで説明できない、と主張している。しかし、対照群が違っていては、どんな議論も無価値である。
そして、今後確実にアウトブレークが起きることを前提として、その準備をするのが行政の役割であると主張。その理由として、アウトブレークが起きないということは、誰も証明できないからだ、という。
しかし、考えてみなくても分かることだが、アウトブレークが今後起きないという証明は「悪魔の証明」なので、もともとできないことである。悪魔の証明に類する対応を考えることが行政の責務であるという結論は、余りにも暴論である。
ついでに、「100mSv以下でがんがでないという論文はない」ことも、悪魔の証明にかかわる問題。悪魔の証明を自分の論理の正当化のために使いはじめたら、その人にタイプ3症候群が起きはじめていることの判断材料になる。
(中略)
津田教授は、「パンデミック疫学」が今回有効だという主張のようだが、パンデミックは諸君らも言うように、感染症のような伝染性疾病の場合には指数関数的に患者が増加するので、時間との勝負になるのだが、放射線による甲状腺異常は、いくら想像力をたくましくしても、指数関数的に被害が増えるというものではない。福島県民としては、そんな心配をして精神的に不安定になるのは損だ。津田教授の発言は無視して、落ち着いて検査が完了するのを待つのが、トータルには発がんが減ることだろう。
(中略)
C先生:津田教授の発言は、予防原則というものが何を意味するか分かっていない人の発言のように思える。一人で危険性があると主張して、対策を取れと言っているが、これは予防原則の悪い使い方だ。予防原則とは、科学的に見た上で、リスクの存在について合意形成ができることが第一。その合意に基いて、他のリスクを増大させないで実施できるかどうかを科学的に判断し、それを実施する。その際、必要なコストも考慮に入れた合理的な判断をするということだ。これがEUなどが言う予防原則だ。コストを考えるなどとんでもない、という人もいるかもしれないが、コストも適性な範囲内で考えなければならない。コストを全く無視した対策を行うと、結果的に多くの不幸を引き起こすといことが、経験的に分かっていることなのだ。


「福島 信夫山ネコの憂うつ」 2014/2/27の記事の追記部分

つまりこの「会議」の動画1時間1分で確認できるわけだが、津田氏は「山下俊一先生は英語の論文を書いた事がない。若くして教授になったので何も知らない。普通のおじさん 」と発言した。しかし「上海」さんたちがやってくれたように、山下先生の英語論文なんて、ネット上からでもたくさん見つかる。
一体津田氏は何なのか?「倒壊デマ」以下ではないか。
こういう人物が「朝日・岩波文化人」となって、「放医研HPの図が、伝言・噂話で100ミリシーベルト以下でがん発生しないという誤解を広げた」と、鬼の首を取ったかのように言っていたわけだ。しかし津田氏こそデマ発信して、「伝言・噂話」で広げようとしたのではないか?
(中略)
全く話にならない。もちろん、福島県民はこんな人物の「小児甲状腺がんアウトブレイク説」で不安になる必要は全くない。ただのデマ、ウソ、脅しの類だ。そして今や、「朝日・岩波」が代表する「戦後の知性」とやらより、「アサヒ芸能」が正しいという、「さかしまの世界」がやってきたのだ。


(前略)
本当に日本中の一流の方々が、福島を助けにきてくれているのだにゃ、皆さんありがとうございます。津田氏はこの大先生方を前に、「アウトブレイク疫学とは」講義+本の宣伝をしている・・・さすがは「アサヒ・岩波文化人」だにゃ。もしかして津田氏は、いつものシンパ=「市民」相手の講義用スライドを、そのまま持ってきたんじゃないだろうか?「市民」相手ならば、さぞかし本は売れたとは思うが。
(中略)
しかも「提言」の続きが、この先の「アウトブレイク(=正しくは感染者集団)」に備えて、因果関係の確認を待たずに、妊婦・乳児・小児・青年、妊娠可能性のある女性の順で、避難計画と実施の検討だと言うから思わず吹き出し、やがて哀しくなった(1;53"40")。
(中略)
こんなことだから、この後の「質疑応答」では津田氏は「四面楚歌」だった。「疫学」についてもいろいろあったみたいだけど、
(中略)
津田氏の今回の議論で明確になったのは、
ダブルスタンダードで議論を行う=研究に携わる人間としては失格であること
甲状腺がんについての基礎知識をもたずに数字をもてあそんでいること
放射線発がんの基礎知識もないこと
の3点です。
(後略)


【メモ】
★「toshi_tomieのブログ」 2014/5/31 放射「脳」のバイブル?自然放射線で白血病が増える、と主張するKendall et.al論文批判~元データに、相関は認められない

以下が【追記】です。引用は一部だけですので、詳細は各リンク先にてご確認ください。

津田論文への批判リンク集
ここは古い順です。

福島県で見つかっている子どもの甲状腺がんの多くは被ばくで発症したものだと主張する分析結果を岡山大の津田敏秀教授(環境疫学)らのチームがまとめ、国際環境疫学会の6日付の学会誌電子版に発表した。 47news.jp/smp/CN/201510/…

岡山大の津田さんの「主張」を報道してるのは、共同以外は沖縄にゅーすあわぷらだけかな、今のところ。共同はかなり慎重な書き方。彼が甲状腺検査についてこれまでにどんな「主張」をして、自分の言葉の責任を取らずに来たか、この問題に関心がある人は知ってるからね

私は津田さんのことは「自分の専門分野で嘘をつく恥さらし」と思ってますが、学術論文で主張を行ったことだけは評価します。これで世界中の同業者の目に彼の主張が根拠とともに目に留まる状態になったので、考察のおかしい部分同業の方々が寄ってたかって料理してくれることでしょう。ご本人や支持者は「専門誌に載った」を旗印にゴリ押ししようとするかもしれませんが、注目すべきは「これに対する同業者の反応」です。



ようこそDr.町田のホームページへ 2015/10/7
科学はイデオロギーの下僕ではない!

要するに、この人は、福島事故では有意な被害が出るはずである→それは小児の甲状腺がんの多発である、という結論が始めにあり、その価値判断に自分たちの研究成果を無理やり当てはめるのである。
それはあたかも、”プロクルステスの寝床”の如きものである。すなわち、強盗プロクルステスが自分の寝床の大きさに合わせて、そこに寝かせた旅人の足を切断したり、その身体を引き伸ばしたりしたように、自説という”寝床”に研究成果がちょうどはまり込むよう、都合の悪い部分は切りすて、あるいは足りない部分はデータを作るのである。
こういう学者は世に満ち満ちているので、その方面に知識がないと、うっかりして騙されるので、注意が必要となる。


楽園はこちら側 岩田健太郎 2015/10/13
福島で甲状腺がんが増えている、という論文の考察

ぼくの読むところ、この論文を持って福島で震災後甲状腺がんが増えた、という結論をつけるのは難しいと考えます。


(前略)
東日本大震災に伴う福島第一原発事故においてはインターネット上で様々な情報が飛び交っているのは御承知の通りで,その中にはデマが多数混じっていること,これらのデマに便乗して活動している学者がいることも事実です.
(中略)
この論文データから結論を得ることはできません.統計解析手法の不備を無視したとしても,多いとも多くないとも言えないはずの結果です.しかし,この論文の考察や結論は甲状腺癌増加ありきのかなりバイアスがかかった表現になっています.まあここまでは,ニュース等で震災後の津田先生の発言や考えを知っていれば想定の範囲内とも言えますし,私も「ああまたか」程度に思っていました.想定外だったのは,医師が登録するアカデミックなメーリングリストアカデミックな立場の先生がこの論文を紹介されたことです.
(中略)
真意ははかりかねますが,もしこの論文から得られた他人のバイアスのかかった内容を鵜呑みにしたということであれば,アカデミックな問題はもちろんのこと,リスクアセスメント・リスクコミュニケーション上非常に危惧されるべきものです.
(後略)


Global Energy Policy Research 池田信夫 2015/10/19
津田敏秀氏の「福島で甲状腺癌20-50倍」は誤りだ

大手メディアは無視したが、ハフィントンポストが「福島の子供の甲状腺がん発症率は20~50倍」という津田敏秀氏の外人記者クラブでの発表を報じている。私は疫学の専門家ではないが、Togetterで専門家から多くの批判が出ている。
一見してわかるのは、この記事のずさんさだ。

これを書いた吉野太一郎という記者は、朝日新聞から出向中だ。朝日は鼻血が笑い物になったら、次は甲状腺癌で恐怖をあおりたいようだ。さすがに本紙には載せなかったが、こうしてハフポストでネットに噂を流している。慰安婦問題でこりて、責任逃れのテクニックだけは上達したようだ。

【ブログ主補足】 朝日は11月19日の紙面で、見解の異なる2人の疫学専門家に聞いたという両論併記の記事津田主張に対抗する『過剰診断による多発多発見』の主張者は津金昌一郎国立がん研究センターがん予防・検診研究センター長)を出したようだが、『自分の意見を主張する為に、100人対1人の意見の対立であっても、それを1対1の重さで書く』といった震災直後から言われている公正中立を隠れ蓑した虚像造りをまだやっている。

米国ワシントン大学疫学教授のScott Davis博士は、(津田論文と)同じ媒体に「Screening For Thyroid Cancer after the Fukushima Disaster: What Do We Learn」と題するCommentary(論評)を投稿し、掲載されました(全文閲覧のための登録は有料です)。以下にその要点を紹介します。

そして、津田博士らの研究報告の最も重要な限界として、甲状腺への放射線被ばく量の推定のために使用できる個人レベルでのデータが存在しないこと、結果として津田博士らの分析結果は、2つの最も急務な科学的な疑問、すなわち、低線量での被ばく線量反応曲線の特性、及び放射線被ばくに関連する甲状腺がんリスクを修飾する可能性のあるその他の因子の役割の詳細な解明において貢献できないと述べています。
さらにDavis博士は世界保健機関(WHO)、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)の報告を引用し、福島県におけるがんの発生率は引き続き安定した状態が持続し、福島原発事故による放射性物質の放出による放射線被ばくに起因しうるがんが、がん統計において大きな変化を与えないこと、そして暫定的な地域別の線量推定値から考えると、福島原発事故による放射線被ばくによる過剰ながん発生数は、疫学的方法を使用して検出するには小さ過ぎるであろうと予測しています。

結論として津田博士らの分析結果は、放射線誘発性(または放射線に関連する)甲状腺がんについて何ら新しい知見を追加していないと述べています。



Togetter 2015/10/29 by parasite2006さん 抄訳:@hirokiharoki さん
岡山大・津田敏秀氏の論文の問題点を解説した英語YouTube動画"Fukushima Thyroid Cancer?"

私はこの論文がとんでもない詐欺的な、まやかしだと判断するようになった。以下にその理由を説明する。

論文は、現在進められている甲状腺がんスクリーニング検査に基づいたものだ。しかし、その甲状腺がんスクリーニング検査を行っている科学者達に許諾、承認されたものではないのだ。その検査を行っている科学者達は福島県立医科大学から来ている。

そして彼ら(福島県立医科大学の科学者達)は、このど派手な見出しの論文に賛成していない。彼らのコンセンサスは「今現在はまだ、福島第一原発事故による放射線影響で甲状腺がんが増加するかどうか、といった結果が見えるような時期ではない

もう一つ重要な、理解すべきポイント。「見つかっている甲状腺がんが増えていること」が、「甲状腺がんで治療を求める患者が増えている」ことではない、ということだ。

一番いい説明としてはこうだ:「甲状腺がんスクリーニング検査により甲状腺がんの発見が増えているが、この検査をしなければ発見されなかった初期ステージのものを含めた、各ステージの甲状腺がんが狩り出されて見つかっている」

小さい甲状腺がんは見つけるのが相当に困難だ。このスクリーニング検査が行われていなければ、見つかった甲状腺がんは、かなり大きくなって症状が出はじめたものだけだったろう。症状が出れば患者は甲状腺がんの治療を求めてこざるをえない。

であるから、甲状腺がんスクリーニング検査後に増えたように見える甲状腺がんは、幻としてのエピデミックだ。

プレ・スクリーニング時ケースのデータと、スクリーニング検査後のデータを比較したからこう見えてしまう。このような現象をディテクションバイアスという。

ディテクションバイアスを防ぐために、福島県立医科大学の科学者達はプレ・スクリーニング時ケースのデータを除外して検証を進めている。このようなデザインの考え方だ。

ところが、このど派手な見出しの論文の執筆者は、短絡的にも、プレ・スクリーニング時ケースのデータと、スクリーニング検査時のデータを比較している。

このど派手な見出しの論文の執筆者は、これまでリサーチにより示された結果を正確に見ることができておらず、予想の範囲内に収まるデータを、甲状腺がんが激増するエピデミックな結果だと、我々に信じ込ませたいようだ。

この、今現在までのところの、福島第一原発事故後の福島のグラフを見てほしい。
甲状腺がんスクリーニング検査で、もっとも若い子供への影響が、まるっきり見られない。もしも放射線の影響で甲状腺がんになったとしたら、もっとも若い子供への影響があるはずだ。

こちらのグラフは、福島での原発事故前の、日本の甲状腺がんデータだ。福島第一原発事故後のデータと重ねてみると、傾向が一致する。
これでもう明らかだろう。我々は、福島原発事故後の放射線の影響による甲状腺がんのデータを、いまだ目にしていない

しかし、もっとシンプルで素直な説明をするのなら、「今現在は(甲状腺がんへの)福島原発事故後の放射線影響は出ていない」と言えるだろう。これは、検査を行っている福島県立医科大学の科学者達の見解と同じだ。


先日、ある学会誌に「福島の子供たちの間で、甲状腺がんが他の地域の20-50倍上がっている」という論文が受理されたようです。最近になり、この論文が今でも世間で物議をかもしているという事を聞き、とても驚きました。なぜならこの論文は、多少なりとも甲状腺やスクリーニングの知識のある研究者の間ではほとんど問題にされないものだったからです。

まずこの論文は、主に3つの点で克服できない問題を抱えています。1つは、放射性ヨードの被ばく量推定が難しいこと。2つめは、放射線の推定被ばく量類推値と甲状腺がんの発症率との間に相関がみられていないこと。3つめは、福島と比較するためのコントロール群が適切でないことです。
(下)
「なんでこれだけ突っ込まれる論文が騒がれるのだろう」
と疑問に覚える方もいるかもしれません。私は、この騒動は、現在の福島県における行政の対応に対する不満が爆発した結果ではないか、と考えています。

誤った科学信仰、論文信仰により、「専門家」に安易に追随して、あいまいさの残るデータを断定するような報道を繰り返す。研究者は批判されるリスクを避け、あるいは面倒臭がって説明責任を投げ出す。その悪循環をやめない限り、このような騒動は繰り返されます。そしてその騒動に否応なく巻き込まれるのは、福島県の住民の方々なのです。
科学とは何のためにあるのか、ニュースの目的とは。福島に関心を持つ善意ある方々に、そのことを今一度考えていただきたいと切に願います。


高橋秀人教授を筆頭著者とする本学の教授8名のLetter(英語400字)が、2016年2月3日、疫学の学術誌「Epidemiology」の電子版に掲載されました。
このLetterは、2015年10月上旬に同誌の電子版に掲載された、津田敏秀博士らによる論文の解析手法の誤りを指摘したものです。
津田博士らの論文では、福島県で実施している県民健康調査の甲状腺検査について、甲状腺がんの潜伏期間を4年間と仮定したうえで、福島県における甲状腺がんの罹患率が全国の罹患率と比較すると超過であり(例えば、中通りの中部の場合、50倍)これはスクリーニング効果で説明できるようなものではない、と述べられています。
この論文では、下記①と②の仮定が共に成立していることが前提になっております。
①原発事故後に「全てのがんが甲状腺検査(がん健診)で発見できるまでに進展した」
②「がん健診で発見されたがん」の全てが、4年間に臨床症状で発見されるまでに成長する(潜伏期間が4年)
この前提について、
①に関しては、原発事故が起きる前にも、がん健診で発見できるまでに進展した甲状腺がんが存在した可能性があり、
②に関しても、がんの進展(成長)が遅く、4年間では臨床症状(体調が悪くなる、声がかすれたり物を飲み込みづらかったりするなどの自覚症状がある、甲状腺の腫れが表面から分かる、など)が出て医療機関を受診し、その甲状腺がんが発見されるまでには進展しない可能性があります。
実際甲状腺がんは一般的に進展が遅いということが知られており, 甲状腺がん以外の原因で亡くなった高齢者の解剖(剖検)をすると、甲状腺がんが見つかることが少なくありません。その甲状腺がんは、ご本人が亡くなるまで悪さをしなかった(=臨床症状が出なかった)ということになります。すなわち「4年で全てのがんが臨床症状で発見されるまでに成長する」というのは、実際とはかけ離れた仮定です。しかし、津田博士らは①②に関する二つの可能性を無視した解析をしています
つまり、本論文の本質である、福島県の甲状腺がん罹患率や、その罹患率を用いた全国の罹患率との比較について、津田博士らの結果は、実際とはかけ離れた仮定を前提にして得たものですので、必然的に実際とは違っている(真の値を得ることができない)と考えられます。
津田博士らの論文には「この点で誤りがある」と指摘したのが、今回のLetterの内容です。

このお知らせの中に、『Letterに関する説明資料(日本語、ファイル形式=PDF)』のリンクがあります。(内容はかなり専門的でブログ主の理解を超えます。)

【追記】

甲状腺がんについては、当ブログも、いろいろと書いてきましたが、NHKが分かりやすく報道していましたので、部分的に引用します。

(前略)
NHK甲状腺がん01
被災時におおむね18歳以下だった全ての県民を対象にした「甲状腺検査」です。1986年のチェルノブイリ原発の事故後、汚染されたミルクなどを通じて体内に入った放射性ヨウ素の影響で、特に、子どもの甲状腺がんが多発しました。これを踏まえ、福島では20歳を超えるまでは2年ごとその後は5年ごとにいわゆるエコー、超音波検査を実施します。検査を受けるかは任意ですが、38万人を見守り続ける大規模な調査です。
(中略)
まず事故から3年以内に対象者全てのベースとなる状態を把握しようと、1巡目のエコー検査が行われました。
ところがこの1巡目の段階で、受診した約30万人の中の116人に、甲状腺がんの悪性又は悪性疑い、という判定が出ました。
検討委員会では、これらのがんは「放射線の影響とは考えにくい」としています。福島の被ばく量がチェルノブイリに比べ少ないことや、被ばくからがん発見まで4年以内と短いことなどが理由です。

一方で、去年10月、岡山大学などの研究グループが、同じ調査のデータを使って、県外と比べ最も多い地域では50倍も甲状腺がんが発生しているとする論文を、専門誌に発表し、メディアにも取り上げられてきました。
これに対し、今月、国内や欧米の研究者による複数の反論と、さらにそれに対する岡山大グループの再反論も、発表されました。
(中略)
「多発」とする岡山大などのグループは、全国で登録された甲状腺がんの数を使って比較しています。全国のがん登録を元に計算すると、18歳以下の甲状腺がんは10万人に1人ぐらいしか見つからないはずでした。
ところが、県民健康調査では10万人あたり30人を越えるがんが見つかっています。地域によっては10万人に5~60人となり、確かに桁違いに多い数字です。
ただ、これには多くの専門家が異議を唱えています。内容は多岐にわたりますが、ひとつだけ簡単に言えば、「数十倍」とされる甲状腺がんの数は、実は異なる方法で数えたものだということです。
NHK甲状腺がん02
全国の「がん登録数」とは主に「何か症状がある人が、医療機関にかかって診断されたがんの数」です。つまり、自覚症状がなく、医療機関にかからなければ、実はがんがあったとしても、数字には反映されません。そして、甲状腺がんは多くの場合、自覚症状が無いことが知られています。要するに、全国の患者数や有病率は氷山の一角しか捉えていない数字なのです。
一方、福島の調査は、18歳以下の全員にエコーによる集団検診を行って甲状腺がんを探そうとするものです。がんが見つかった人も自覚症状はなく、調査が無ければわからなかったと考えられる人たちです。
つまり、意味が異なる数字を比べて「こちらはがんが多い」とは言えないという指摘です。

例えば韓国では、’90年代末から一般の健診で甲状腺エコーを受けられるようにしたところ、甲状腺がんが次々見つかり、見かけ上、十数倍に急増しています。
こうして見ると、県民健康調査の現在のデータから「放射線によってがんが増加した」とは言えないと思います。
(中略)
もう一つ指摘されている問題があります。それは、見つかったがん患者のうち既に101人もの方が手術を受けた、という事実です。全国的に見ても、やはりとても多い数です。
本来は見つからなかったはずのがんを見つけただけなら手術は不要ではないか?本当に手術すべきがんが多いなら、やはり多発しているのだろうか?甲状腺の専門医も頭を悩ませていますが、一つの仮説が浮上しています。
それは、福島に限らず、現在、手術するのが一般的な甲状腺がんの多くが、実は命に関わらないものではないか?という説です。
背景にあるのは甲状腺がんの生存率の高さです。
先月、国立がん研究センターが、がん患者の10年後の生存率を初めて発表しました。別エントリー参照
これは治療も含めての数字ですが、甲状腺がんは最も生存率が高かったのです。
NHK甲状腺がん03
実際に手術を見送って調べたケースもあります。神戸市の医師たちが、一定の条件を満たす甲状腺がんの患者さん千人以上の希望を聞き、手術せず経過観察にしたら10年後、1人も亡くならなかったと報告しています。
つまり、福島で手術数が多いのは、やはり、エコー検査で従来は見つからなかったがんも見つかったからで、必ずしも命に関わるものではない可能性も考えられているのです。但し、これはまだはっきりわかっていません。
(後略)


【追記】
安井至 市民のための環境学ガイド 2016/2/21
理解不能な学者達 陰謀論者のためになぜ論文を書くのか

発がんリスクの話は、まだ統計学的な結論は出ないし、まだ現時点では分からないというのが常識的なところでしょう。ところが、色々な解析を行って結論を出す学者が居るのはなぜでしょうか。一言で言えば、陰謀論が大好きな学者なのでは。甲状腺がんの発見数が世界で断然トップの韓国における甲状腺検査の話は、実に、示唆的です。


【追記】
食品安全情報blog(畝山智香子氏) 2016/3/4
Scienceの今週号は福島特集

がんと確定した事例が増えると放射線との関連を心配する声が大きくなりそのような懸念の提唱者が人気を集めた。2013年に岡山大学の環境疫学者Toshihide Tsudaが国際学会で福島のスクリーニングで発見された甲状腺がんが異常に多いと主張する発表を始め、昨年の10月に全体としてがんが30倍増えたと結論する彼の結果をEpidemiologyにオンライン発表した。
他の科学者は速やかに厳しく批判した。何人かの疫学研究者によると、Tsudaは高性能の超音波装置を用いた検査しなければわからなかったであろう福島のスクリーニングの結果を、伝統的な甲状腺の腫れや症状があって病院に来て甲状腺がんと診断される患者での100万人あたり3人程度という数字と比べるという基本的な間違いをしている。英国マンチェスター大学の疫学研究者Richard Wakefordは「そのようなデータを比較するのは不適切である」と福島の健康影響を調べたWHO専門家ワーキンググループのメンバーとして書いている。彼らの意見は先月Epidemiology に発表されたTsudaの方法論と結論を批判した7つのレターのうちの一つである。
Tsudaは超音波検査で見つかったものと臨床的に見つかるものの時間差を考慮してスクリーニング効果を補正したと主張している。彼は他の批判には答えていないしScienceからの複数回にわたる取材にも反応しなかった。
多くの科学者が偏った解釈(spin)には合意しないにも関わらず、Tsudaや活動家らはその発見を振りまきスクリーニングを支持する。
(なんで日本の記者が外国人のDennis Normile並の報道ができないの?)


【追記】
FOOCOM.NET(松永和紀氏) 2016/3/11
両論併記の罪~東日本大震災5年に思う

毎日新聞社が3月7日朝刊に出した「福島・甲状腺検査 子のがん「多発」見解二分 過剰診断説VS被ばく影響説」を読んで、「両論併記の罪」という、昔考えた言葉を思い出しました。

私だったら、津田敏秀・岡山大教授の「被ばく影響説」を、国立がん研究センターの津金昌一郎・社会と健康研究センター長の「過剰診断説」と並べては書きません。二分とは表現しません。私の感覚だと、科学者の見方は「被ばく影響説」1人に対し「過剰診断説」99人。いえ、999人くらい離れていると思います。


【追記】

その論文の誤りを指摘する反論のペーパー資料を出し、学術誌の電子版に掲載された。その論文は専門家から見れば噴飯ものの内容だが、論文は『出したものが勝ち』という面もあり、こちらからも論文を出していかなければならない。以前のような狂騒的な状況はなくなったものの、今でも偏った意見が専門家の中から出てくる。われわれは科学の土俵で闘わなければならない。


【追記】

内容①:甲状腺癌が増えているとする津田氏による論文の概要
(前略)
また、今回の先行調査のように、ある時点の一回での調査では、いつの時点でがんが発生したかわからないため、疫学ではこういう形での発生率の算出は通常行ないません。もっとも、過去には、病気である期間が皆同じで、新たに病気になる人、病気から回復したり亡くなったりして患者数からは出て行く人の数が同じで、患者割合が常に一定になる(つまり定常状態)ときには、ある時点での調査での患者割合から発生率を出すことも行なわれてきましたが、この仮定を満たす状況が少ないため、最近ではあまり使わなくなり、標準的な疫学の教科書からもこの手法の解説は今では掲載されていないことが多くなりました
(後略)


【追記】

今回はこのUNSCEARの2016年白書内容から、津田氏達の論文評価内容部分を示すので、こうした似非専門家の見解が、国際的、客観的にはどう見られているかに関して理解を深めていただきたい。

上記の記載に示されているように、津田氏達の論文は統計的な意味を持たず、私が3月に指摘したように、「学術論文として投稿発表する」に値しないタメにする論説以外の何ものでもないのである。
UNSCEARは、「調査の計画と方法は、この解釈を正当化するにはあまりにも偏りが生じやすいものであった」、「2013年報告書の知見に対する重大な異議であるとはみなしていない」と穏やかに述べるのだが、本音は、こんな科学に基づかない論文は読んで反論する価値すらないと言っていることを、我々はよく認識しなければならないのである。


【メモ】
2月15日の報ステ報道とNHK解説( 杜の里から 2016/2/21)

【関連エントリー】
(引用)「自主避難者いじめ」についての朝日社説に呆れ 国連科学委員会が津田論文否定(福島 信夫山ネコの憂うつ)から
【続】怪しい科学論文なんて結構ある、という事実

【関連カテゴリー】
甲状腺がんなどに関する事
[ 2015/12/14(月) ] カテゴリ: 怪しい放射線論文 | CM(0)
コメントの投稿










管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

このブログについて
管理人 icchou から簡単な説明です 更新,追記の通知はTwitter
カテゴリ
最新記事
ブログ内検索