ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

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どのようなリスクが大きく感じられるか?~リスク認知の特徴やバイアス

[ 2014/03/12 (水) ]
追記。 2016/5/13
初回公開日: 2014/3/12


リスクの“ものさし”は科学的に求められたリスク推定値(客観的リスク)であり、別エントリーにまとめました。しかし、人がそのリスクを受け取る際の感じ方(主観的リスク)は、時にかなり大きくなります。どのようなリスクが大きく感じられるか?などについて、関連文献などのアーカイブを兼ねて紹介します。

リスクが過大視されるケース、高く感じられるリスク(怖いと感じるリスク)

出典:食品添加物や残留農薬は本当に危険なのか? 横行するリスク過大視&認知バイアスの罪 大野智氏 2016/5/13

「認知バイアス(偏り)」が起こりやすい条件や背景について、リスクコミュニケーション分野における教科書である『Risk Communication and Public Health』(Oxford University Press/第2版2010年)にまとめられていましたので紹介したいと思います。
(1)意図せずに受ける(例:汚染への暴露)
(2)不公平な分配(ある人には利益、ある人には害)
(3)個人的な予防措置で避けられない
(4)馴染みがない新規の原因から発生
(5)天然より人工的な原因から発生
(6)潜伏して不可逆的な損害を引き起こす(暴露後、何年も経過してから病気を発症)
(7)子供、妊婦、将来世代に害をもたらす
(8)死、病気、怪我などのおそれがある
(9)被害者が特定できるような損害
(10)科学的に十分に解明されていない
(11)信頼できる複数の情報源から矛盾する報告が出ている


出典:化学物質アドバイザーの役目 (市民向け解説法) 大歳幸男氏 2002/3/29

高く感じられるリスク(怖いと感じるリスク)

  • 非自発的に曝されるリスク
  • 不公平なリスク
  • 個人の判断で回避できないリスク
  • 良く知られていないリスク
  • 人工的なリスク
  • 気が付かない影響のリスク
  • 子孫に影響の有るリスク
                    Bennett 1999年


出典:原子力は、どのくらい安全なら、充分なのか (2002年7月 原子力安全委員会 安全目標専門部会)

リスクが実際より大きく見積もられる傾向があるできごと

  • リスクの負担が不公平
  • 非自発的(自分からやろうとしたことではない)
  • 悪い影響の及ぶ範囲が広い
  • 一度に多くの被害者がでる(規模が大きい)
  • 次世代に影響を及ぼす
  • 人為的
  • 新しいタイプ
  • リスクがどうやって発現するかが見えにくい
受動的なものに比べ自ら選んだものの場合には1000倍も大きいリスクを受け入れるとも言われます。


一般市民がより高く認知し、より強い不安を感じるリスク
出典:科学技術に対する一般市民のリスク認知 田中豊 大阪学院大学准教授 2013/10/6ごく一部のみの引用ですし、趣旨を違わない範囲で加工もしていますので、正確なところは原文でご確認ください。

一般市民がより高く認知し、より強い不安を感じる科学技術

  • 目新しい科学技術
  • 事故が生じた時にそのイメージが鮮明に湧きやすい科学技術
  • 事故時に一度に大勢の人が死傷したり、悲惨な状況が生じる科学技術
  • 自分がコントロールできないと感じる科学技術
  • 将来ガンになる可能性が高まったり、次世代への影響が予測される場合など、被害が遅れて現れたり、あるいは五感で感じることのできない科学技術
  • 人工的な化学物質や放射線


、、、一般市民が強い不安を感じてしまう特徴を原子力発電所放射線は数多く備えているのである。

、、、科学技術のリスクやベネフィットを判断する際に、一般市民は知識の欠如を処理する一つの方法として信頼を用いる、、、

近年、リスク受容において上述の要因以外に重要な要因として注目されているのが、好き嫌い、怒り、恐れ、不安などの感情に関する要因である。、、、

、、、重大なリスクが克服されると、それよりも一段レベルの低いリスクに対する重要度が増加し、レベルの低いリスクをあたかも重大なリスクであるかのように認知してしまう傾向を、人間は有している、、、リスク認知のパラドックスと呼ばれている。

リスク認知のパラドックス
      出典:一般市民のリスク認知とリスクリテラシー

、、、かなりの程度低減されたリスクをさらにゼロに近づけようとすると、莫大なコストが掛かってしまうため、それ以上リスクをゼロに近づけるのは現実には困難、、、ゼロリスクの達成は不可能であることや、それに近づける際のコストの問題に対する一般市民の理解は、まだ不十分、、、


21世紀型リスク感覚 安井至氏のHP「市民のための環境学ガイド」2009/1/11

 身の回りのリスクは、日本のような先進国では、ほぼ安全圏に入っている。しかし、ときに、意図的、非意図的に、妙なことが起きるのは人間社会の常である。加えて、天災のように避けることのできない事態が原因で、何か危険な事態も発生する。そのようなとき、最後に頼りになるのは、個人のモノに対する理解力、観察力しかない。

 ところが、地球全体でみると、気候変動をはじめとして、資源的限界、食糧供給限界など、リスクが高まりつつある。そのような地球レベルのリスクに十分に注意を払って対応しないと、日本は、国全体として、大きなリスクに遭遇することになる。

 それには、まず、日本国内の身近なリスクは安全圏にあることを認識し、注意をむしろ地球レベルのリスクに向ける必要がある。

 身の回りに、あまりにも安全な社会を作り上げると、人間のリスク検知能力は失われる傾向がある。そして、被害はかえって増大する。現在の日本の状況はすでにそのレベルに入っている。身近なリスクと地球レベルのリスクの理解力、そのいずれにもいささか不安がある。


つぶやき

“リスク認知のパラドックス”、“身の回りに、あまりにも安全な社会を作り上げると、人間のリスク検知能力は失われる”は確かになるほどです。
極めて低いレベルの放射線原発以外に、遺伝子組換え食品(GMO)残留農薬食品添加物PM2.5などにも共通する特徴も多く、これら全部を極端に忌避する人たちが居るのも頷けます。この命題を深掘りしていくと、社会心理学などの領域に踏み込んでしまうようなので止めておきます。

一般の人々はメディア・マスコミから大きな影響を受けますが、ニュースキャスターや記者も個人としては本エントリーにあるような傾向を持っているうえに、メディアとしての特性*も加味されるので、さらにリスクを過大にしてしまう方向になりますね。
* リスクに関連するメディアの特性についての“なるほど”

(念のため申し添えますが)
リスクを過剰に捉えると大きな矛盾が生じますが、それを是とするのも個人レベルでの考え方次第なので否定されるものではないと思います。ただし、個人とその家庭内に責任と権限が及ぶ範囲で他人に迷惑をかけずに、ですが。例えば、食品の選択などでは自由な選択をして静かに行動して頂ければ良いかと。

関連エントリー

【資料編6】リスクの“ものさし”いろいろ(比較図表)

その他の関連エントリーはカテゴリーにひとまとめにしています。記事下部or左欄のカテゴリーリンクから、どうぞ。

【メモ】
般市民のリスク認知とリスクリテラシー~実りあるリスクコミュニケーションに向けて(2013/3/14 大阪学院大学 田中豊准教授)
「やわこく まあるい おばちゃん」 2014/6/17 食品添加物【6】BSE下地に、素人、役人、メディア、科学者を叱る医師の本
[ 2014/03/12(水) ] カテゴリ: リスク認知など一般的な | CM(0)
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