ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

太陽光発電FIT認定制度、やはり欠陥だらけの悪法

[ 2014/03/03 (月) ]
追記があります。2014/3/3
初回公開日:2014/2/17


久しぶりのFIT関連エントリーです。認定取消が672件の報道を目にしましたので、過去の経緯を含めてまとめておきます。

(はじめに)
再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT制度)の経緯の“おさらい”
主観が入っていて恐縮ですが。

2011年3月11日に閣議決定
民主党菅政権が東日本大震災当日の午前に閣議決定。その後の原発・震災対応の無能ぶりを振り返ると象徴的な日付である。
8月26日に国会承認・成立
菅元総理が退陣条件の一つとして法律の成立を上げたため、エネルギー全体の政策がないのに・・・といった本質的な論議がなされずに、しかも、孫正義氏がしゃしゃり出たりして制度の効果と関係が薄い脱原発の風の中で成立してしまった訳で、そもそも成立の経緯からおかしな法律であった。
逆進性が高い』、 『日本のエネルギー供給制約の解決に寄与しない』、『日本の産業の成長に繋がらない』など、多くの基本的な問題が指摘されていた。
震災後のこの時期に立法府がやるべき事は他にいっぱいあったのに。
2012年7月1日に施行。
初年度は利益を確保しやすい高めの買い取り価格設定としたが、太陽光買取価格 42 円/kWh(税込)が高すぎて『投機目的に利用され太陽光バブルをまねくだけ』、『再エネ普及と電力使用者負担がバランスしない』との批判が多かった。
2013年4月1日に非住宅用は 37.8 円/kWh(税込)に値下げ。
2013/3/31までに認定*されていれば 42 円/kWhが20年間保証される仕組みなので、駆け込みでの認定が多数発生。*正確な認定条件は、経済産業大臣の設備認定と電力会社が系統連系に関する契約の申込み書類を受領の2点。
なお、導入量のグラフなどはこちらを参照。

「霞が関政策総研Blog by 石川和男」2014/2/15 太陽光発電~FIT認定取消予定は約14%分
今回の報道に関してまとまっていましたので、部分的に引用させて戴きます。

日本経済新聞 2014/2/15 太陽光、発電しない672件の認定取り消しへ
経済産業省は再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)で、国の認定後も発電を始めようとしない672件の認定を取り消す検討に入った。
【記事要旨】
・発電に必要な太陽光パネルの値下がりを待って不当な利益を得ようとする事業者が多いため。
・原発の長期停止が続く中で期待される再生エネだが、課題は山積
・問題がある事業は738万キロワット分1,643件。認定事業全体の発電容量の半分近く。
・303万キロワット分672件は事情を聴いたうえで3月にも認定取消
・435万キロワット分971件も発電準備が進まなければ9月にも認定取消

FITの対象は太陽光・風力・中小水力・バイオマス・地熱であるが、2013年10月末時点で認定容量ベースの94%は太陽光。
今回の経産省による認定取消に係る検討は、平成24年度中に認定を受けた運転開始前の400kW以上の太陽光発電設備4,699件を対象に報告徴収を実施した結果を踏まえたもの。
認定取消は行政処分の一種であるが、行政側にとっては、認定よりも難儀であろう。一度認定したものを取り消すということは、認定そのものの正当性が問われるからだ。認定した 4,699件のうち取消検討対象が672件(14%)
各紙報道を見ると、いかにも672件が今すぐ取り消されるかのように思ってしまいがちだが、今後の聴聞などの手続を経てから正式な決定が下される。
.
つぶやき

当ブログは、法律の制定時から“異議あり”の立場でしたが、“やはり”との感覚です。改めて、
政治が変なアクションをおこして、官僚が不真面目に作った欠陥だらけの仕組みであり、これだけの悪法は珍しいのでは。
元総理が退陣条件の一つとして法律の成立を上げ、エネルギー全体の政策がない中で、孫正義氏がしゃしゃり出たりして、制度の導入が決まり、さらに、買い取り価格に大きな問題を抱えたまま、制度がスタートした訳で、そもそも成立の経緯からおかしな法律ですし、基本的な指摘が多い政策です。“脱原発のためなら少しぐらい電気料金が上がっても”という錯覚を利用した詐欺に近いものかと。
例えば、補助金制度などの場合は、一般的には対策のための予算を割く必要があり、それは「どこから持ってくるか」の議論を欠くことはできない訳ですが、この制度は、消費者が電気料金で負担するだけ(国民負担が支えるビジネス、総額も青天井)なので、政治家や官僚の腹は全く痛まない訳です。
もしかすると、官僚にとっては天下り先が増えるというメリットがあるのかも知れません。(自然エネルギー財団?とか太陽光発電協会?とか)
原理的にも、太陽光と風力はその間欠性と変動性のため、ベース電源として100%に近い出力で一定運転できる原発の代替えになりません
さらに、高すぎる太陽光買取価格38(旧42)円/kWh普及促進と利用者負担のバランスを欠いており、このまま進めても、
    日本のエネルギー供給制約の解決に何ら寄与しない
    日本の産業の成長に何ら繋がらない
のは明らかです。
大手メディアがこれをあまり報道をしないのは、ソフトバンク太陽光パネルメーカー施工会社巨大な広告スポンサーだからではないでしょうか。
優遇政策が新たな利権を産んでおり、まさに、太陽光発電ムラと言えるでしょう。

かなり前ですが、2012年5月の尾崎弘之教授の論説が的を得ていたと実感します。


【追記】 ここまで酷い実態があるとは、、、
Togetter 2014/2/22 太陽光バブル最前線 メガソーラー乱開発の実態 by WEDGE_Infinityさん
(ごく一部のみ引用)

日照条件の良い九州地方では、これまで価値がつかなかった遊休地が次々メガソーラーに転換している。すでに限界容量近くまで太陽光発電が設置され、電力会社に接続を断られる地域も出始めた。「エコ」のイメージで捉えられることが多いはずの太陽光パネルだが、自然や景観を壊すと反対運動が発生している地域もある。「乱開発」の様相を呈し始めた、ソーラーバブル最前線の状況を追った。

42円/kW時という、世界最高の買取価格を確定させるために12年度中に書類申請だけ行い、太陽光パネルの価格低下を狙って意図的に運転開始を遅らせるのが「空枠取り」。

50kW未満の低圧連系であれば、数百万円かかる高圧受電設備が不要、電気主任技術者が不要、電力会社との系統接続の事前検討も不要だから、例えば1万kWのメガソーラーを49.9kW×200件に分けるのが「小分け」。
九州各地で、「小分け」案件は散見された。やたら電柱が多いので素人でも一目でわかる。「小分け」にすると、事業者が負担すべき柱上変圧器等の系統対策コストが需要家負担になってしまう。

空枠取り」は、経産省が昨年秋から実態調査を始めた。発電に必要な設備を発注していないなど悪質な業者は認定を取り消すという。しかし、あまりに数が多いため、対象は400kW以上の設備だけ。「小分け」は調査すらしないという。

【追記】 ヒドイ光景です
関連エントリー:太陽光バブルの実態


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[ 2014/03/03(月) ] カテゴリ: FIT認定制度に関する事 | CM(0)
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