ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

紫外線の種類、大気による散乱、UVインデックスなど

[ 2013/08/01 (木) ]
紫外線に関する基礎的な知識を纏めました。
主な出典は気象庁 オゾン層・紫外線の知識です。

地上に達する紫外線は?人体への影響は?

大気を進む間に、成層圏オゾンによる吸収や空気分子、エーロゾル(大気中に浮遊する液体や固体の微粒子)による散乱などを受けてしだいに減衰する。

紫外線の種類

紫外線:ultraviolet =UV の種類

UV-C (100-280 nm)
波長200nm 未満のものは高度90km 以上の大気上層部で酸素原子、酸素分子および窒素分子に吸収され、それより長いものもほんのわずかのオゾンにすべてが吸収されるので、地表には到達しない
下記のUV-Bよりもエネルギーが強く*、陸上生物の存在レベルの影響がありますが、生物が27億年かけて作ったバリヤのおかげで問題ないということです。*波長が短い・振動数が高いと同じ意味で、図表での確認はこちら
200~350nm(UV-C~UV-Bの一部)は、水銀ランプで病院の集中治療室や工場のクリーンルーム、浄水・食品などの殺菌処理に広く利用されている。

UV-B (280-315 nm)
成層圏オゾンにより“大部分”*が吸収され残りが地表に到達する。
これが“オゾン層破壊”問題ですね。オゾン層が1%減ると、地上のUV-B量は約1.5%増えるといわれています。
*“大部分”は下図の面積を比較すればよいのですが、対数目盛なので実感しにくいです。
紫外線の種類02

生物に大きな影響を与える。皮膚細胞のDNAはUV-Bを吸収し、そのエネルギーにより遺伝子のDNA に傷を誘発する。傷ついたDNAは修復されるが、何度も傷つけられると修復の過程でエラーを起こし、これがガン化を引き起こすと考えられている。白内障の原因にもなる。免疫反応を抑制し免疫力低下*1など。

UV-A (315-400 nm)
大気による吸収をあまり受けずに地表に到達する。
生物に与える影響は皮膚の老化を促進(しわやたるみ)するなどで、UV-Bと比較すると小さく、UV-Bの1/100から1/1000の影響力。ただし、近年UV-A が、直接遺伝子に働きUV-B と同様の傷を遺伝子のDNA に誘発することも明らかとなり、皮膚発がんやシミの発症にも深く絡んでいる可能性が強く示唆されている。*1
*1 紫外線による人の健康への影響については、『オゾン層等の監視結果に関する年次報告書(環境省)』
平成24年度の『第3部 太陽紫外線の状況』参考資料
平成23年度の『第3部 太陽紫外線の状況』参考資料
が詳しいです。

オゾンの吸収スペクトルとDNA不活化吸収スペクトルの比較
オゾンの吸収スペクトル04
                             (吸収断面積は光吸収の強さを表す)
出典:「toshi_tomieのブログ」 2011/9/6 紫外線(UV-B)の健康への影響~真皮上部はSv/日程度の被曝
原典:絵とデータで読む太陽紫外線(2006/3東海大 佐々木政子教授)

紫外線のエネルギーは、原子間結合のエネルギーの強さに近い。このため、分子が紫外線を吸収すると、それと等しいエネルギーで結合している原子間結合が切断される。紫外線のエネルギーが原子間結合を切断するエネルギーに変化するのである。紫外線がどの分子に吸収され、どこの結合が切れるかは、紫外線の波長によって異なる。遺伝子を構成する分子であるDNAは、紫外線を吸収すると原子間結合が切れる。多少であれば損傷を受けても、細胞にはそれを修復する能力がある。けれども、損傷の程度が限度を超えて大きかったら、修復はできなくなり、細胞がガン化したり死んでしまったりする。だから、強い紫外線の下では生物は生きていけない。

【メモ】
校内における紫外線測定結果と今後の対応について(山口県学校薬剤師会)

光子一つのエネルギー(E=hν=hc/λ)

光の波長と光子エネルギーの関係02
          ブログ主作成

空気分子やエーロゾルによる散乱
(気象庁の資料はエアロゾルとは書かないようですね)

太陽から地上に達する光には、直射光と散乱光がある。
散乱光とは太陽からやってきた光が窒素・酸素などの空気分子やエーロゾル粒子(固体または液体の微粒子)にあたり、その進行方向が変化し地上に達する光のこと。
下図のように散乱光は分子や粒子の四方に広がる。
光が空気分子により散乱する場合は、光の波長が短いほど散乱しやすい。晴天時の空が青く見えたり、宇宙船から見た地球が青いのは、可視光の中で波長の短い青色の光が強く散乱されるから。
紫外線は可視光よりも波長が短いために、より散乱されやすい。

散乱される紫外線02
日傘や帽子で日射しをさえぎったり日陰にいても、空が見える所では目で感じる以上に紫外線を浴びることになるので注意が必要

本州の夏の晴天時の紫外線強度の日変化の例
散乱される紫外線03
この図では、正午頃では紫外線の総量のうち約6割が散乱光。その他の時間帯でも散乱光の方が多い。

地表面の反射

ここは、気象庁の地表面の反射と紫外線を参照。

ガラスの透過性

UV-Bは大半が窓ガラスに吸収されてしまい通過しにくい。
UV-Aは普通の窓ガラスを通過する。
自動車のガラス(フロントガラス、サイドガラス)には、 UV-Aをカットするガラス*が使用されることが多い。
* 合わせガラスの中間膜に有機系の紫外線吸収剤が入っており、 99.9%の紫外線をカットすることができる。

その他の性質

大気中の通過距離の影響を受け、太陽高度が高いほど紫外線は強くなるので低緯度ほど多い。札幌と那覇を比べると、1年間に受ける量は那覇の方が約2倍
標高が100m高くなると1%増加
薄曇りの場合は快晴時の約8~9割のUVインデックスとなる。曇りの場合は快晴時の約6割。さらに、雨が降っている場合には快晴時の約3割まで減る。

紫外線は5月が最大、は都市伝説?
日射量は夏至に最大になるので、大気上層部では6月末に最大になるが地上の月平均値では、
UV-Aは5月が最大→梅雨の影響のため。
UV-Bは7~8月が最大→オゾン濃度が7~10月に薄くなるため。
出典は絵とデータで読む太陽紫外線(2006/3東海大 佐々木政子教授)および既エントリー

UVインデックスとは

地上での紫外線は波長によって強度が大きく異なるため、紫外線の強さをわかりやすく表現したのが UVインデックス
UVインデックス06

UVインデックス04

UVインデックスの実際

気象庁 紫外線情報分布図などを参照

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[ 2013/08/01(木) ] カテゴリ: オゾン層の破壊 | CM(0)
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