ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

電磁波と物質の相互作用に関するメモ(化学反応、波長、振動数、エネルギー)

[ 2013/07/24 (水) ]
EMP攻撃の原理を追記。2017/9/8
初回公開日:2013/04/01


温暖化やオゾン層などの環境問題が物理的に発生するメカニズムを勉強していくと、どうやら、表記の相互作用が基本になっているようです。自分用のメモとして整理しておきます。非専門家がまとめたものですので、誤りや不適切表現などありましたら、ご指摘ください。

目次 ページ内リンクが付いています

1.電磁波と物質の状態の対応関係
2.β線(粒子線)やγ線(電磁波)は、電離や励起を引き起こす
 電離と励起、制動放射線
3.γ線(電磁波)の作用
 光電効果、コンプトン効果、電子・陽電子対生成
4.化学反応とエネルギーと温度
5.気体分子の運動エネルギーと物質の特性
6.波長、振動数、エネルギーの図 いろいろ
 (1) 紫外線、可視光線、赤外線
 (2) 電磁波全体
 (3) 一家に1枚光マップ(文科省)
 (4) 電波
7.メモ
8.EMP攻撃(Electromagnetic Pulse)の原理、懐疑論【追記】
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1.電磁波と物質の状態の対応関係

物質の状態は、それぞれの状態の変化に関係する電磁波の振動数(波長)と対応関係をもっている。すなわち、対応する振動数域の電磁波を吸収することにより物質内に変化が起こったり、逆に物質内の変化に伴って対応する振動数域の電磁波が放出されたりする。
詳細は量子光学、さらには量子力学などの分野の話になるので、そこまでは立ち入らない(能力不足)。

エネルギーの大きい順(波長の短い順、振動数の高い順)に並べると下記のとおり。

電磁波(光)の波長とエネルギー
電磁波(光)の波長とエネルギー
① ガンマ線
原子核の状態の変化(壊変)に対応。放射線問題に関係。
② エックス線
内殻電子の電子準位間の遷移に対応。これも放射線問題に関係。
③ 紫外線
外殻電子の状態の変化で化学反応に対応。紫外線の有用な作用として殺菌消毒、ビタミンDの合成、生体に対しての血行や新陳代謝の促進、あるいは皮膚抵抗力の昂進(こうしん)などがある。オゾン層問題に関係。
詳細は紫外線の種類のエントリーを参照ください。
④ 可視光や近赤外・近紫外光
同様に外殻電子の電子準位間の遷移におもに対応。
⑤ 赤外線
分子振動、格子振動や分子の回転の準位間の遷移に対応。赤外線が物質に当たると赤外線は物質に吸収されて分子振動に変換され、熱的な作用を及ぼすことが多い。地球温暖化の温室効果ガスに関係。
分子振動
詳細は温暖化メカニズムのエントリーを参照ください。
⑥ マイクロ波
分子の回転運動に対応。電子レンジ(波長:2.54GHz)による水分子の加熱など。
⑦ 電波
アンテナの中で電子が動くと、低い周波数の電磁波である電波が出る。一般に、電磁波は電子が加速度を持って動くことによって生まれる。
電波

①~⑥の電磁波が生体に与える影響は、①活性酸素の発生,分子の解離などの化学反応、②電気雑音の発生、③熱の発生、の3種である。

上記の放射線の種類は人間が分類したものな訳で、基本的には保有しているエネルギーの違いしかない、と思えばよいかと。放射線被ばくの人体の影響の度合いを示す単位Sv(シーベルト)は非物理量ですが、そのベースはGy(グレイ)で単位はJ/kg(ジュール/kg)でエネルギーですね。

【メモ】
紫外線と放射線はどう違うの?(国立保健医療科学院)

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2.β線(粒子線)やγ線(電磁波)は、電離や励起を引き起こす
以下は主に、β線(粒子線)γ線(電磁波)、に関連します。(β線は1項の話から外れますが関連として)

電離と励起
電離と励起
制動放射線

ベータ線の特徴はマイナスの電気を持ち非常に軽いことです。このため、重い原子核の近くを通ると強い力でひっぱられて簡単にその向きが変わります。この時、ベータ線は自分の運動エネルギーの一部をエックス線として放出します。これを制動エックス線または制動放射線といいます。
制動輻射?
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3.γ線(電磁波)の作用
以下は主にγ線(電磁波)に関連します。(出典:「放射線科学センター」暮らしの中の放射線

光電効果

ガンマ線が自分のエネルギーを全部軌道電子に与え、消滅してしまう場合、これを光電効果といいます。そしてガンマ線のエネルギーを全部受け取った軌道電子は、原子から飛び出し電離が起こります。
光電効果
コンプトン効果

ガンマ線は粒子のように振る舞う性質があり、電子にぶつかって散乱します。この場合、散乱後のガンマ線の運動エネルギーは入ってきた時より、電子に与えた分小さくなり方向も変わります。
コンプトン効果
電子・陽電子対生成

ガンマ線のエネルギーがずっと大きければ、電子や原子核の近くを通った時、自分が消滅するかわりに電子と陽電子の“双子”を1組生み出すことがあります
電子対生成

【関連エントリー】放射線のDNAへの作用
【メモ】「放射線医学総合研究所」放射線の性質と防護の動画説明

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4.化学反応とエネルギーと温度
以下は主に、外殻電子の状態についてのことなので、紫外線可視光や近赤外・近紫外光、に関連します。

水素と酸素が反応して水になるといった物質の変化を化学反応という。化学結合とは電子の軌道を組み替えたり変形したりすることで作られる原子どうしの結びつきである。特に分かりやすい化学反応はイオン化だろう。イオン化とは、原子核のまわりにいた電子が何かのはずみで飛び出していなくなってしまう、あるいは、原子核のまわりに外から余分な電子がやってきて落ち着いてしまう(「まわり」はじめる)ことである。

物質の中に、無数と言える程の数(1E24/cm3 の桁)の電子がありますが、外にこぼれない様に、高い壁があります。電子は深い井戸の中にあります。井戸の中の電子の水面から壁の上端までの高さを「仕事関数」と呼び、物質により異なり、2~5電子ボルトです。絶縁体の場合は、電子の水面と外壁の上端の中間に棚があり、その中間棚と外壁との差は、「電子親和力」と呼ばれます。普通の物質では、棚は外壁より低く、電子親和力は、1電子ボルト程度が多いです。
化学反応を起こすには、電子を外に出さなければならないので、電子に、仕事関数より大きなエネルギーを与える必要があります。あるいは、一旦、水面から棚まで上げて、次に、電子親和力より大きなエネルギーを与える必要があります。電磁波は「量子」であり、量子エネルギーは、振動数(波長の逆数に比例)に比例します。紫外線は、仕事関数程度の量子エネルギーを持っているので、化学反応を起こさせ易いです。
温度が高くなるほど、大きなエネルギーを持つ電子の割合が増え、中間棚にある電子の数も結構多くなり、可視光の量子エネルギーを貰うだけで、電子が外に飛び出られますし、量子エネルギーを貰わないで時々外に飛び出る電子も現れます。温度が10℃上がると、化学反応の速度が倍になると言われますが、これは、エネルギーの高い電子の数が増えるからです。
以上説明したように、化学反応を起こす(電子を物質の外に取り出す)には、物質の仕事関数より大きな量子エネルギーを持つ電磁波を当てる必要があります。温度が高くなると、電磁波のエネルギーを貰わなくても井戸の外に飛び出る電子の数が増えて、化学反応が進みます。
出典:toshi_tomieのブログ 携帯電話で発癌の可能性、とWHO~そんな馬鹿な!

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5.気体分子の運動エネルギーと物質の特性
以下は主に、赤外線マイクロ波、に関連します。

気体分子は、並進(飛び回ること)、回転、 分子振動という3種類の運動を行っている。
温暖化002
一般に、並進エネルギー < 回転エネルギー < 振動エネルギー
分子運動のエネルギー

【関連エントリー】温暖化のメカニズム~温室効果ガスによる赤外線の吸収放出

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6.波長、振動数、エネルギーの図 いろいろ

(1) 紫外線、可視光線、赤外線

紫外線
光子一つのエネルギー(E=hν=hc/λ)
光の波長と光子エネルギーの関係02
ブログ主作成

光の振動数と光子エネルギーの関係02
ブログ主作成

【関連エントリー】紫外線の種類、大気による散乱、UVインデックスなど

(2) 電磁波全体

波長、振動数、エネルギー04
波長、振動数、エネルギー
波長、振動数、エネルギー03
温暖化005

可視光は地上まで届く電波も地上まで届く
出典:宇宙はなぜ暗いのか 津村耕司


『このマップをご覧になれば、様々な種類の光の共通点と、波長(振動数)による性質の違いとを、同時に理解いただけると思います』とのこと。

(4) 電波
以下の図はx軸の向きが他の図と逆なので注意。
電波02
電波 .
7.メモ

電磁波の種類と特徴
鈴木俊輔 の サトルの泉意識の振動数は?
遷移(ボーアの登場)
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【追記】
8.EMP攻撃(Electromagnetic Pulse)の原理、懐疑論

成層圏などの空気が希薄な高々度で核爆弾が破裂すると、核分裂反応で発生した電磁波:γ線(ガンマ線)は減衰せずに広い範囲に広がる。そのγ線が、成層圏の下にある大気圏の酸素原子や窒素原子に当たり、コンプトン効果で電子が叩きだされる。広域にわる電子拡散が、地磁気の影響で地球の中心に向かう電子の流れを発生させ、それが強力な磁場を生み出す。
高高度核爆発であれば広範囲にEMP:電磁パルスが発生し、その被害も広範囲に及ぶ。
EMPは、ケーブル・アンテナ類に高エネルギーのサージ電流を発生させ、それらに接続された電子機器などに流れる過剰な電流によって、半導体や電子回路に損傷を与えたり、一時的な誤動作を発生させる。
軍事用の電子装置には、金属箔などでケーブルをシールドする、過負荷が予想される箇所に半導体の代わりの真空管を使うなど、電磁パルスに対する防護措置がされているものもある。特に、爆撃機や核ミサイルは、自らの発射した核爆弾や、同じ目標に先行する核爆弾に破壊されないよう、防護措置がされていることが多い。【参考にした情報】電磁パルス(Wikipedia)

【懐疑論】北朝鮮の「電磁パルス攻撃」は脅威か?米専門家の懐疑論 (山田敏弘 現代ビジネス 2017/9/9)

【小見出しとごく一部のみ引用】

  • 恐怖をあおるばかりだが…
    一方で、米国では電磁パルス攻撃に懐疑的な見方も少なくない。特に防衛関係者の間でそれは顕著だ。
  • そんな回りくどいことをするのか?
  • ある高官の発言が元凶?
  • 恐怖を感じさせることが目的とすれば…
    ハワイのケースは、「Starfish Prime(スターフィッシュ・プライム)」というコードネームで行われた実験だった。冷戦下でソ連のレーダーや通信システムを無力化する目的で研究が行われ、上空約400キロで長崎に落とされた原発の100倍という核爆弾を爆発させた。ところが、一部の信号機が停電したことは確かだが、それ以上の大した影響は起きなかったとも言われる。
    むしろ彼らの狙いは、アメリカや日本の恐怖心をあおることの方にあるはずだ。北朝鮮の「EMP攻撃が可能だ」という挑発に過剰に反応するのは、彼らの「思うツボ」なのである。


【参考エントリー】 宇宙線からの自然放射線による外部被ばく
[ 2013/07/24(水) ] カテゴリ: 共通基礎のその他 | CM(0)
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