ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

ポロニウムPo-210、一日の摂取量、食品含有量(自然放射線による被ばくの【続編】)

[ 2013/03/27 (水) ]
日本分析センターのデータベースからの引用などを追記。2013/3/27
(上記までの追記記録は割愛)
初回公開日:2012/8/24


本エントリーは自然放射線による被ばく、ポロニウムPo-210 、カリウムK-40、ラドンRn-222(以下、本編と書きます)の一項目が追記を重ねて長くなったので、単独エントリー化したものです。


(3) 食品に含まれるPo-210、一日の摂取量 ← (項目番号は本編に合わせたものです。)
海産物中のPo-210のデータ(文献)やマーケットバスケット方式による日常食のデータを幾つか集めました。データ自体が少ないうえにバラツキがかなりあるようです。
α線種の測定がγ線種の測定のように簡単ではないのは判りますが、実態を明らかにしてほしいと思います。

帝京大ほかによるマーケットバスケット調査での日常食のPo-210濃度(調査時期:2011年10,11月)
出典:食品由来の放射性核種の暴露評価研究(杉山英男 帝京平成大学健康メディカル学部教授ほか)

 この調査では、放射性セシウム(Cs-137,Cs-134)、カリウムK-40、ポロニウムPo-210などを調べていますが、なかでもポロニウムPo-210のデータは貴重なものだと思います。以下、Po-210関係の情報を引用します。

【調査方法】 トータルダイエットスタディ(TDS)
 全14食品群に分類した食品を大型スーパーマーケットなどの流通市場でマーケットバスケット方式により購入(飲料水群のみ水道水採水)、購入後、飲料水を除いた食品(全13食品群)は食品群ごとに、炊く、ゆでる、炒める、煮る、焼く等の調理を行い、日本人の日常食を再現した試料を調製した。これら食品の購入にあたっては、地元産品を優先して選択すること、また、プライベート商品は選択しないことを前提とした。

【対象都市】 福島市、仙台市、東京都(豊島区)
 2011年の調査は3都市ですが、以下のグラフには、以前のデータを含めています。
 
【食品群中の濃度】
 魚類が突出して高く、福島市では3.1 Bq/kg、仙台市では6.9 Bq/kg、東京都では4.0 Bq/kgであった。次いで、調味料・香辛料類(食品群ⅩⅢ)、その他野菜きのこ・海藻類(食品群Ⅷ)の濃度の順となるが、これらのPo-210濃度は魚類の1/100程度にすぎない。
食品中のPo-210濃度に関する報告はいくつか見られるが、これらの数値は食品素材そのものの分析値である。本研究では、実際の摂取形態に近い調理後の調製試料の濃度を求めていることからより食生活に準じた値に近い評価といえる。

【成人の1日摂取量】
 仙台市が0.68 Bq/日、福島市が0.37 Bq/日、東京都が0.43 Bq/日であった。この値は前年度までに求めた摂取量の結果と同程度である。食品群別のPo-210の摂取量寄与率は魚類が圧倒的に高く、全体の90%程度を示している。

 以前のデータを含めてグラフにしました。都市間で差がみられます。
            Po-210の摂取量と被ばく量
食品中のPo-210による線量05
 魚類による寄与率は、福島市では77%、仙台市では94%、東京都では87%が得られた。この傾向は従来の研究結果と同じである。
この他の記載されている過去データを含めて、グラフ上にプロットしました。

【内部被ばくの預託実効線量(成人)】
 仙台市が300 μSv、福島市が163 μSv、東京都が189 μSvと算出され、事故以前の平均値レベルにある。福島原発事故以前のPo-210 の食品に由来するの預託実効線量は0.034~0.81 mSv(平均値:0.22±0.21 mSv)で国内10都市間で差がみられた。(上のグラフにプロットしました。
食品中の核種別預託実効線量

【個人的メモ】
 上記グラフに示した過去データの一部は食品中の放射性核種の摂取量調査・評価研究 (放射線診療への疑問にお答えします)に掲載のものと違っています。出典は同じ調査なので、どちらかに記載ミスがあると思われますが、当ブログでは今回の資料のデータを採用しました。(記録として→リンクされている資料

日本人成人の食事から摂取されているポロニウム-210とカリウム-40の内部被曝量(調査時期:2007年~2008年)
 土の中に含まれているウランU-238の崩壊でできるポロニウムPo-210や鉛Pb-210は、海水に移行した後、魚や貝に蓄積する。Po-210の被曝の約70%は魚介類からで、20%は野菜、きのこ、海藻からになっており、日本人がPo-210濃度が高い魚介類の摂取量が大きいことを反映している。
出典:http://www.nagoyaseikatsuclub.com/essay/syokuhinnzyouhou/191.html
   http://ci.nii.ac.jp/naid/110007359657(Journal of toxicological sciences 34(4), 417-425, 2009-08-01)

原子力文化 2007年5月号 ほうしゃせん古今東西
 Po-210は太古の昔から地球上に広く存在しているのです。そして私たちが毎日摂取している各種食物の中にも、もちろん微量ですが含まれています。
興味深いことに、多種類の食用生物に含まれているPo-210濃度を比較してみると、海産生物中のPo-210濃度が他の食物群に対して明らかに高い濃度を示しています。
アジ、サバ、カツオ、マグロ、アサリ、イカ、クルマエビなどの海産生物は1kgあたり数Bq、ときには10ないしは20 Bqの水準の値も検知されています。もちろんこれらの濃度は極めて低いものです。
出典:http://www.jaero.or.jp/data/03syuppan/genshiryokubunka2007/bunka0705kokontozai.html

【追記】
海産食品中のPo-210のデータが、日本分析センターのデータベース、食品と放射能にありましたのでアーカイブします。

ポロニウム02(食品と放射能)
経年変化というより、ある測定年では、ある品種を測定しているようですが、古いデータしかありません。
いわしで100 Bq/kgを超えるものもあり問題だと思いますが、データ数も少ないため全貌は不明です。


【追記】
文部科学省のデータベース、環境放射線データベースにもありました。
(こちらも日本分析センターが管理しています)

こちらのデータ数も少なく、いわしは1998年の1点のみで52 Bq/kgとなっています(これは全データの最高値ですが、Bq/kg-乾:すなわち乾燥重量濃度なので特異値としてみるべきでしょう)。サンプル数として最も多いのはブリの11点ですが、検出なし~20 Bq/kgと、バラツキが大きいです。
ポロニウム(環境放射能データベース)02のAポロニウム(環境放射能データベース)02のB

海産魚のPo-210測定例 (発表時期:1994年)
表7 海産魚におけるPo-210濃度 出典:環境パラメータ・シリーズ6 「海洋生物への放射性物質の移行」 7-2-1. 海洋におけるPo-210と海産生物による蓄積(原子力環境整備・資金管理センター原環センターライブラリ)
原典は、Polonium-210 and lead-210 in marine organisms: Intake levels for Japanese
M. Yamamoto; T. Abe; J. Kuwabara; K. Komura; K. Ueno; Y. Takizawa (Profiled Author: MASAYOSHI YAMAMOTO)
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry 1994;178(1):81-90.

 最高値はクロマグロの26.3 Bq/kg(wet)
 この表には放射能濃度として、Bq/kg(wet):水分を含んだ濃度、Bq/kg(dry):水分を含まない濃度(すなわち乾物換算)、の2種類があるが、従来から食品の放射能濃度と言っているのはBq/kg(wet):水分を含んだ濃度である。(とブログ主は理解しているが、間違いがあればご指摘願いたい)


輸入食品中の放射性核種に関する調査研究(2011年発表)
 Po-210は食品の種類によっては高い値を示し、シジミ(ロシア産)の19 Bq/kgが最大であった。このシジミを摂取し続けた場合の成人のPo-210による預託実効線量は、貝類の1日摂取量3.8 g( 平成17年国民健康・栄養調査)を用いて算出すると0.032 mSvであった。この他、ハマグリも比較的高いPo-210濃度を示しており、貝類の被ばくへの寄与は大きいと考えられた。
出典:文科省 第53回環境放射能調査研究成果論文抄録集(2011年12月)のp.73、Ⅲ-1 輸入食品中の放射性核種に関する調査研究(平成22年度)

 今回から対象核種としたPo-210は食品の種類によっては高い値を示し、最大値はアカガイ(中国産)の87 Bq/kgであった。このアカガイを摂取し続けた場合、成人の貝類の1日摂取量3.8 g(平成17年国民健康・栄養調査)を用いて算出すると0.14 mSvであった。
出典:文科省 第52回環境放射能調査研究成果論文抄録集(2010年12月)のp.73~74、
Ⅲ-1 輸入食品中の放射性核種に関する調査研究(平成21年度)

欧州方面から輸入されている海産食品についてPo-210 放射能調査(2007年発表)
海産食品中のPo210
出典:文科省 第49回環境放射能調査研究論文抄録集(2007年12月)p.92、Ⅲ-5 食品中の放射能水準調査(日本分析センター)

(4) 人体への影響度合い

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[ 2013/03/27(水) ] カテゴリ: 自然放射線の勉強 | CM(0)
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