ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

【1】 “はじめに” および “用量・反応関係”

[ 2013/01/10 (木) ]
はじめに

 【食品中の化学物質の安全性】に関して、基礎的なところを勉強して行こうと思います。何回かのシリーズになる予定ですが、奥が深そうなので“基礎の基礎”だけで終わってしまうかも知れません。
 岡本嘉六 鹿児島大学教授のホームページにある【分かりやすい安全性の考え方】を幹にして、関連文献・資料などに巡り逢えたら加えて行く予定です。岡本教授にはお礼を申し上げます。
 自分の理解が目的ですので、部分的な引用になりますが、文末に引用資料のリンクを記載しますので、判りにくい部分は原典でご確認をお願いします。
 また、当ブログでは、とりあえずエントリーを起こすことで情報アーカイブ場所を確保して、後から追記していくことも多いのですが、今回もそんな形になりそうです。
 なお、素人の纏めですので、不適切や正しくない引用もあるかも知れません。ご指摘戴けると幸いです。


化学物質の用量・反応関係

 化学物質が体内に入った場合、その濃度によって生体反応が異なることを、人類史の過程で経験し、中世においてパラケルサスが説を唱えた。
全てのものは毒である。毒でないものはない。適正な用量が毒と薬を分ける。
All substances are poisons; there is none which is not a poison. The right dose differentiates a poison and a remedy.
                             パラケルサス(Paracelsus、1493-1541)

 高濃度では死亡する化学物質であっても、少量では薬効があり、それ以下の濃度では全く影響が認められないという生体反応の濃度依存性が動物実験によって証明されてきた。
化学物質の用量・反応関係01

 毒性学や薬理学の教科書には、用量―反応関係についての記述が必ずある。そこでは、閾値がある化学物質閾値がない化学物質の2種類に分けて説明されているが、国際保健機構(WHO)は、さらに、栄養素の用量―反応曲線を追加している。
用量―反応曲線01

閾値がある化学物質

 標的となる細胞膜、酵素、蛋白合成系などに結合して作用する。濃度が限られているので、結合した細胞だけに対する影響に留まり、結合しなかった他の細胞には影響しない。

細胞に対する化学物質の二種類の作用

閾値がない化学物質

 DNA障害作用を持つ物質のことであり、突然変異原性発癌性*などを示す物質として知られている。DNAに障害が加わると、異常な情報が DNA→RNA→蛋白合成系 と伝わり、様々な影響が発生する。DNA障害が修復されない限り、この影響は継続することになる。* この詳説は次号にあります。

 ここで強調しておきたいのは、発癌性などのDNA障害作用を持つ物質は限られており、一般的な化学物質とは明確に区別することができることである。農薬や食品添加物などの人工産物に発癌性が認められた場合には、国際的に、製造・販売・使用が禁止されている。ただし、ベンツピレン(ベンゾピレン)アフラトキシン*などの自然界にあるものは、汚染を防ぐ手段しかない。* 連載の後のほうでこれらの物質について説明の予定です。
 閾値がない化学物質点線部分は、使用する動物数に限りがあるために求めることができない範囲である。1群1000匹使ってその内1匹に影響が認められた場合に陽性率が0.1%と計算されるが、その数値の信頼性は低い。0.1%が統計的に有意と判断されるためには、数万匹使って数十匹に影響が認められた時に初めて有意と判断される。したがって、0.1%以下の陽性率を実験的に求めることは事実上不可能である。影響が確認された用量を結んだ直線を延長すると原点を通ることから、どれだけ低用量でも悪影響があると判断される。

社会と科学のギャップを埋めるための放射性物質リスクガバナンスの提案(産総研 安全科学研究部門 岸本充生氏)のP16には少し違う説明があります。

岸本充生P16

 この説明が正確のようです。次号にその説明があります。

出典(個別に明記してある部分以外)

岡本教授の【分かりやすい安全性の考え方】
 はじめに
 化学物質の用量・反応関係(1)
 化学物質の用量・反応関係(2)

次号:【2】遺伝毒性(変異原性)、発がん性
食品中の化学物質の安全性の一覧ページはこちら

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[ 2013/01/10(木) ] カテゴリ: 食品中の化学物質,リスク | CM(0)
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