ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

【基礎資料】ドイツのエネルギーや発電などの図表集

[ 2014/12/13 (土) ]
家庭/産業の電気料金のデータ更新。2014/12/13
(上記までの追記・更新記録は割愛)
初回公開日:2012/11/6

再生可能エネルギーに関する論説やコメントなどで、“ドイツでは”との情報がかなりあります。それらを正しく判断するための材料として、関連図表をアーカイブしておきます。
【基礎資料】日本のエネルギーや発電などの図表集とセットの位置づけです

ドイツの原発政策
歴史的には揺れながらも、福島第一原発事故の後に以下を決定している。
 旧式の8基を停止
 残りの9基については稼働年数32年で順次廃止⇒実質的に2022年に全廃となる。
ただし、再生エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)で消費者に転嫁される賦課金の高騰や高圧送電線の建設に対する住民の反対運動に直面し、22年までの原発完全廃止を危ぶむ声もあるという。

ドイツの再エネ政策
1991年に買取制度を導入。
2000年に固定価格化:再生可能エネルギーを20年間に渡り全量固定価格で買取る制度(FIT:フィード・イン・タリフ)を施行。
2004年に導入拡大:買取価格を3割弱引き上げ(45.7から57.4ユーロセント/kWh)
2009年の再生可能エネルギー法(EEG)の改正で、買取価格を引き下げ、逓減率を引き上げても賦課金(FITサーチャージ)は上昇。
2012年買取価格の引き下げ、さらに太陽光発電の累積設備容量が5,200万kWに達した後は太陽光発電の買取を中止するとしている。
最近のドイツの再エネ政策に関する論説は岐路に立つドイツの再エネ政策にありますので、宜しければどうぞ。
2014年7月 再生可能エネルギー法(EEG)の改正
賦課金を抑制するため、陸上風力発電施設及び太陽光発電施設の設備容量の増加は、1 年につき2,500MWまでとする。
FIT対象電源を段階的に小さくし、2016 年1 月1 日以降に運転を開始する発電施設で100kW超のものは買取対象外とし、卸電力取引市場への売却とする。さらに、2017 年に再生可能エネルギーにより発電した電力の入札制度を本格導入する。これは固定価格買取制度の廃止を意味する。
また、従来、賦課金を免除されてきた自家発電にも賦課金を課す。
出典:【ドイツ】 2014 年再生可能エネルギー法の制定(2014年8月渡辺富久子)


目次 ページ内リンクが付いています

1.ドイツの発電比率など 
 ■ 2013年 ドイツ 発電比率(暫定値)
 ■ 欧州の電力網
 ■ 2013年 ドイツ 電力輸出入量
 ■ ドイツの原発配置
2.買取制度の賦課金(FITサーチャージ)、買取価格、パネル価格など 
 ■ 2014年 ドイツ 賦課金(FITサーチャージ)総額
 ■ 2013年 太陽光買取価格 日本/ドイツ・イタリア・フランス・英国比較
 ■ 2013年 ドイツ 太陽光買取価格
3.電気料金 
 ■ ドイツ 家庭 【更新】
 ■ ドイツ 産業 【更新】
4.関連エントリー  

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1.ドイツの発電比率など

2013年末時点で、再生可能エネルギーは23%太陽光発電は4.5%
2013年の総発電量はは2012年(6,170億KWh)をわずかに下まわった。輸出が増加し電力総消費量は5,960億KWhで前年比1.8%の減少。ちなみに、日本の2012年度の総発電量は9,408億KWh

(再エネの話からは外れますが)
ドイツの発電における石炭比率は2013年で45%あり、100%国内産の褐炭と、自給率3割弱(発電だけでの自給率は4割弱)の無煙炭(グラフ中では石炭と記載)で賄われています。これはエネルギー安全保障面での利点になっています。詳細はこちらのエントリー


2013年 ドイツ 発電比率(暫定値)
独2013発電比率01
独2013発電比率02
出典:「ドレスデン情報ファイル」ドイツのエネルギー関係データ集。 以下、資料01と記載。

欧州の電力網
欧州の電力網
          出典:エネルギー白書2011      1GW=百万KW
実際には、この図よりも、さらに色々と連系がある巨大なメッシュ。(こちらのエントリーからの転記)

2013年 ドイツ 電力輸出入量

      年間の電力輸出入の推移(TWh)
独輸出入2013の02
2011年に17基の原発のうち旧式の8基を停止したために、周辺国からの輸入が増加し、輸出入の差が一時縮まった。
その後、再エネの発電量が増えて、2013年は過去最大の電力の輸出超過になっている。
2013年の輸出量(約72TWh)は国内発電量の11.4%、輸入量(約37TWh)は同6.2%。
輸入量の32%(約12TWh)はフランスからの輸入である。
         出典:資料01

輸出入の詳細説明は別エントリーにありますが、概要は以下のとおり。
フランスの電気(原発比率8割弱)がなければ、電力の多需要地域であるドイツ南部は停電する。風の強い北部の再エネ電力を南部に送る送電線の増強計画は地域住民の反対で遅れており、国内需要が少ない時や夜間に不必要に発電した再エネ電力は、ポーランドやチェコなど周辺国に極端な安値で輸出せざるを得ない。


ドイツの原発配置
ドイツ原発配置
         出典:資料01

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2.買取制度の賦課金(FITサーチャージ)、買取価格、パネル価格など

2014年 ドイツ 賦課金(FITサーチャージ)総額

10月中旬に翌年分の賦課金想定額を決定しており、2014年の賦課金総額は236億ユーロ(3.1兆円)。うち約22億ユーロは前年の賦課金想定額と実際の収支との差額調整費。
2000年比で買取電力量が11倍に対して、賦課金総額は27倍に増えている。
2000年から2014年までの賦課金累積で1,095億ユーロ(約14兆円)

賦課金総額2013
データ出典:ドイツにおける再生可能エネルギーの 普及と費用負担について(2014/2/20 資源エネ庁)(2012年以降のデータは不正確かも知れません)

【参考】「霞が関政策総研Blog by 石川和男 2014/12/2」 2015年のドイツの再エネ賦課金~約2,100円/月(前年比1.1%減)

2013年 太陽光買取価格 日本/ドイツ・イタリア・フランス・英国比較
各国買取価格01
出典:「 国際環境経済研究所 竹内純子氏」2013/8/20 ドイツの電力事情⑩ ―再エネ全量固定価格買取制度、グリーン産業、脱原発を改めて考える

2013年 ドイツ 太陽光買取価格
買取価格、地上設置2013
出典:「資源エネ庁」2014/2/20 ドイツにおける再生可能エネルギーの普及と費用負担について

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3.電気料金

2014年の家庭用では2000年時点に比べ2.1倍(=29.13/13.94)に上昇。
★賦課金(FITサーチャージ)は2000年は0.2ユーロセント/kWhであったのが、2014年には6.24ユーロセント/kWhとなっており、一般的な家庭需要家が支払う電気料金の21.4%を占める。
★グラフ要素の一番下の部分が発送配電のコストで急激な増加はなく、それより上に積み上げられた税金や再エネ導入に係る費用が大きく膨らんでいる。
家庭用では52%(2014年)が、産業用では54%(2014年)が、税金・賦課金


ドイツ 家庭(ユーロcent/KWh)
独2014電気料金家庭
          出典:資料01
図中の“EEG割増”が再生可能エネルギー法(EEG)による賦課金

2013家庭円グラフ

右半分の上から①付加価値税、②公道使用料、③電気税(環境税)、④コジェネ普及付加金、⑤再生可能エネルギー普及付加金の5つが電気料金に含まれています。その合計は48.8%にもなります。
ようするに、2013年度の電気料金は1kwhあたり28.7セントの内、14.1セント(49.1%)は税金など。電力会社が電気料金として売上に計上できるのは14.7セント(51.2%)、日本円に直すと約15円です。
日本の場合、2012年度の電気料金は1kwh当たり約27円です。日本の電気料金に含まれる税金と付加金(サーチャージ)は約6%程度ですから電気料金からこの分を引くと電気会社に入る売上金は約23円、ドイツは15円。日本の電気料金はいかに高いかが分かりますね。

出典:「検証・電力システムに関する改革方針」 2013/8/2 ドイツの電気料金内訳

ドイツ 産業(ユーロcent/KWh)
独2014電気料金産業
          出典:資料01

【参考エントリー】電気料金の国際比較はこちら

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関連エントリー

★【基礎資料】日本のエネルギーや発電などの図表集
★【基礎資料】電気料金の国際比較
★欧州と日本の電力系統の比較
その他の関連エントリーはカテゴリにひとまとめにしています。記事下部or左欄のカテゴリリンクから、どうぞ。
 
古くなった図表を一時保管

2012年 ドイツ 再生可能エネルギー
独再生可能エネ割合02
          出典:資料01

独2012発電比率03
出典:「スマートジャパン」2013/4/23 電力の50%を風力と太陽光で得たドイツ、記録更新中

独2012発電比率04
出典:「スマートジャパン」2013/4/23 電力の50%を風力と太陽光で得たドイツ、記録更新中

独2013電気料金家庭
出典:ドイツにおける固定価格買取制度の施行状況 (ドイツにおける再生可能エネルギーの導入促進施策等に関する動向調査業務報告(2013年3月 環境省)の一部)。

独2013電気料金産業
出典:ドイツにおける固定価格買取制度の施行状況 (ドイツにおける再生可能エネルギーの導入促進施策等に関する動向調査業務報告(2013年3月 環境省)の一部)。

2012年 ドイツ 太陽光買取価格と設備価格の指数比較
ドイツ連邦太陽光発電産業協会(BSW-Solar)が発表した、ドイツでの100kW以下の太陽光発電システムに対するFITの買い取り価格(濃い青色の線)とシステム価格(オレンジ色の線)の低減の推移、および太陽光発電システムの年間導入量。2012年の導入量は速報値では7.6GWである。
買取価格と設備価格の指数比較2012の02出典:「Tech-On!」2013/03/15 太陽光発電の買い取り制度は大成功か大失敗か

【略称】
BMU:連邦環境・自然保護・原子炉安全省(詳細はこちら
BMWi:ドイツ連邦経済技術省
[ 2014/12/13(土) ] カテゴリ: FIT認定制度に関する事 | CM(0)
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