ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

カリウムK-40、一日の摂取量(自然放射線による被ばくの【続編】)

[ 2013/02/21 (木) ]
関連エントリーを追記。2014/9/1
上記までの追記記録は割愛。
初回公開日:2012/09/27


本エントリーは自然放射線による被ばく、ポロニウムPo-210 、カリウムK-40、ラドンRn-222(以下、本編と書きます)の続編の位置づけになります。

K-40の摂取量に関して、マーケットバスケット調査や陰膳調査などの幾つかの調査結果を纏めました。なお、いずれも他の核種を含めた調査ですが、その中からK-40関係の情報だけを抜き出したものです。

帝京大ほかによるマーケットバスケット調査(調査時期:2011年10,11月)
 出典:食品由来の放射性核種の暴露評価研究(杉山英男 帝京平成大学健康メディカル学部教授ほか)

【調査方法】 トータルダイエットスタディ(TDS)
 全14食品群に分類した食品を大型スーパーマーケットなどの流通市場でマーケットバスケット方式により購入(飲料水群のみ水道水採水)、購入後、飲料水を除いた食品(全13食品群)は食品群ごとに、炊く、ゆでる、炒める、煮る、焼く等の調理を行い、日本人の日常食を再現した試料を調製した。これら食品の購入にあたっては、地元産品を優先して選択すること、また、プライベート商品は選択しないことを前提とした。

【対象都市、時期】 18都市、2004~2011年
 2011年のデータは3点ですが、以下は、以前のデータを含めて纏めました。

【成人の1日摂取量、(内部被ばくの預託実効線量)】
 平均値:78 Bq/日(62~94 Bq/日)、0.18 mSv(0.14~0.21 mSv)で都市間や時期により大きな差はみられていない。
18都市のK40その2

 食品群別の寄与割合は(2011年の調査によれば)、緑黄色野菜類、穀類・種実類・芋類の被ばく寄与がやや高い傾向にある。食品群別のK40による預託実効線量割合
【つぶやき】
 この調査結果は日本人平均(と言われている数値)と良く合っていますね。

【関連エントリー】
 ★自然放射線による被ばく【続編】ポロニウムPo-210、一日の摂取量、食品含有量

厚労省のマーケットバスケット調査(調査時期:2011年9月,11月)

 (資料7)食品からの放射性物質の一日摂取量の推定に、K-40の一日の摂取量が、79~92 Bq/日、という実測データがあります。

京大・朝日新聞共同、および福島県による陰膳調査結果
 陰膳調査では、カリウムK-40の摂取量データも発表されていますので、纏めておきます。
        K-40の摂取量
カリウム40摂取量表02
*01 朝日新聞と京大 小泉昭夫教授の合同調査、(個別のデータは判りません)
*03 福島県の調査【県1】、こちらは個別データがありますのでグラフにします。
*04 福島県(第2期)の調査【県2】、こちらもグラフにします。

福島県【県2】、 77人のK-40の摂取量
カリウム40摂取量グラフ(第2期)
【データに対する雑感】
(1) 上の表で示すように、【県1】に比べて平均値・中央値とも10 Bq/日 ほど高く、最大値も63 Bq/日 高い他は下記の【県1】と同じ傾向のようです。
(2) グラフを作成したエクセルシートです。あまり親切に作っていませんが何かのご参考になれば。http://icchou20.web.fc2.com/20130221/kagezenn.xlsx


【関連エントリー】一日にセシウムを何ベクレルを摂取しているか?陰膳調査から

福島県【県1】、 78人のK-40の摂取量
カリウム40摂取量 グラフ
【データに対する雑感】
(1) 京大と福島県の調査結果は、同じような傾向を示している。
(2) 日本人平均(と言われている数値)より少ない傾向がある。女性や子供も含んでいるので当然かも知れない。
(3) 人によるバラツキが大きい。
(4) 中には、ゼロに近い人もいる。  →コメント欄を参照。
(5) これらをどう評価するかはカリウムの摂取量、すなわち栄養学の話になるので。


【追記】
【関連エントリー】必須栄養素であるカリウムの摂取基準、おまけで被曝量

日本人平均

 自然界にあるカリウムの中に約1万分の1(0.0117%)、不安定なカリウムK-40が混ざっていてβ線とγ線を出している。K-40は不安定といっても、半減期は約13億年、極めて少しづつしか崩壊しない。
 年間の被ばく線量は0.18mSv/年で、自然放射線による被ばく量(約2.1mSv/年)の1割弱を占める。
 年間の被ばく線量から1日の摂取量を逆算すると、79 Bq/日となる。
   0.18mSv/年÷1000÷365÷(6.2×10-9Sv/Bq)=79

 本編から転記。

・カリウムの一日の所要量は2010年5月の厚生労働省「日本人の食事摂取基準」で目安量は男性 2.5g/日、女性 2.0g/日と勧告されているので、2.5g/日と仮定。
・その中に、K-40は0.0117%含まれるので、0.29mg/日
・それをベクレルに換算すると、76 Bq/日

 【前篇】放射性セシウムと放射性カリウムの人体影響は同じレベル(内部被ばく)から転記

本編に戻る
[ 2013/02/21(木) ] カテゴリ: 自然放射線の勉強 | CM(8)
Re: カリウムの摂取(食事摂取基準)
tatsuさん
お久ぶりです。コメントありがとうございます。

日本人の食事摂取基準の目安量については、K-40について色々と勉強していた2012年1月当時、検索してつまみ食いした情報なので、その数値の意味や考え方までは、読んでいませんでした。
今回、あらためてザット目を通して、大変、勉強になりました!

ちなみに、年齢毎の目安量・目標量の一覧表2015年版は
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdfのP30にありました。
(2010年版はhttp://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/s0529-4.htmlのP214、少々、探しにくいですね。)

後日、新エントリーに仕立てようと思っています。
[ 2014/09/01 15:22 ] [ 編集 ]
カリウムの摂取(食事摂取基準)
ご無沙汰しております。平成25年度の福島県の日常食結果が出たということでエントリが更新され、改めてセシウムよりもカリウムで見直してみました。ということで、こちらにコメントを入れます。

エントリ内にもある厚労省が5年ごとに出している日本人の食品摂取基準(2010年版)では、
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4ab.pdf
乳児を含む目安量とともに、現在の日本人の摂取量とアメリカ高血圧合同委員会第6次報告に基づく、高血圧予防のための目標量について記述がありました。成人の代謝量(損失量)もあるのが面白かったです。
(2015年版は2010年版になかった6-17歳までの目標量設定されるようです。http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000041824.html )

世代ごとにカリウムの摂取量は違い、改めて県の調査の1日食事量などを見直してみると、全般に食事量に比例しているように見えます。そうすると、乳幼児のK-40が少ない人は食事量に強く影響されている気がします。

また、アメリカ・イギリスでのカリウムの推奨量3500mg/日、目安量4700mg/日というのは、それに含まれるK-40はそれぞれ計算すると1日106Bqと142Bq位…。福島県の調査からは心臓病が減らせそうな方がいらっしゃいますね。また、2期が全体にカリウム量が増えているのは、野菜や果物がおいしく、沢山食べる季節りするかもしれません。

ちなみにカリウムは、腎機能が正常な場合は高カリウム血症にならないということで、耐容上限量は設定されていないようです。
カリウムの例で見ると、どのリスクを重視するかという問題ということがよりはっきりする気がします。
[ 2014/08/31 22:29 ] [ 編集 ]
Re: 2期結果がでました
教えて戴き感謝です!!

セシウムのエントリーhttp://icchou20.blog94.fc2.com/blog-entry-306.html
と本エントリーの順番に追記しようと思います。
本エントリーの追記には、エクセルシートも添付しますが、少々お時間を戴きます。
[ 2013/02/20 21:40 ] [ 編集 ]
2期結果がでました
先日はありがとうございました。遊んでます。食事量との関係というよりもやはり年齢層的なファクターがありそうです。食事の中身が分かればもっとよく傾向が分かるのでしょうけど。

ところで。日常食調査2期の結果が今日でましたね。K-40が全般に大目な感じです。1例を除けば、放射性セシウムも前回と同じ程度までのようです。
[ 2013/02/20 19:37 ] [ 編集 ]
Re: 立て続けにすみません
意外に興味をお持ちですね。
確かに、Kの摂取量についてのこれだけ大規模で正確なデータは、過去にない貴重なものかも知れませんね。

tatsuさんの分析のとおりの事が言えそうですが、ファクターとしては、年齢によって食事量がかなり違うのが大きいのでは、と思います。
参考までに、グラフを書いたエクセルシートを添付しますので、遊んでみてはいかがでしょうか。
http://icchou20.web.fc2.com/20121023/kagezenn.xlsx
[ 2012/10/24 00:42 ] [ 編集 ]
立て続けにすみません
たびたびすみません。

そしてうろ覚え(Kの量と放射能の関係)を訂正いただきありがとうございます。

グラフを見直してみると、地域ごとに年齢区分で並んでいるので、右肩上がり、急に下がって(年齢が1歳以下)、また右肩上がりという形になっています。年齢区分ごとに平均としてみても、高年齢になるとK-40が高いですね。それぞれの年齢区分でばらつきはありますが、傾向としては年齢層での食生活も反映している気がします。

他の調査と違ってこのあたりを解析すると面白そうですが、食事内容自体がわからないのと、広い年齢層(せめて大人の方も13歳以上だけでなく区分してくれるとか)になっていること、もともと年齢層別でこんな違いが出るものかというデータがないので比較できないですね。

他の調査と切り口が少しだけ違うので、他にも解析すると面白いでしょうに。他の調査も年齢区分が分かったら比較できるのに。
[ 2012/10/21 19:44 ] [ 編集 ]
Re: K摂取について
ありがとうございました!

>K-40の値が10Bq以下、すべて、年齢区分が1歳以下です。・・・
なるほど、そのとおりですね。
10Bq以下の4人は全て1歳以下。1歳以下は全部で25人なので人によるバラツキも大きいようです。

ちなみに、K-40が10Bq →(K-40が0.038g)→ K総量が0.33g
の関係です。
[ 2012/10/21 11:44 ] [ 編集 ]
K摂取について
K-40の値が10以下になっている人を見直してみました。
すべて、年齢区分が1で1歳以下です。他の陰膳調査と違って、世帯ではなく、個人個人で取っていて、この年齢区分があることがこういうデータを出してしまったのではと思います。

1歳以下となると、大きくても離乳食なので、かなり薄味だったりしないでしょうか。食事内容が分かりませんが。。。Kを1gぐらいで30Bq/kg になりましたっけ? 調査は1回目の人と同じ人に協力してもらうようにも書いてるので、2回目以降でKが増えていくと食事内容が豊かになっていったということかもしれませんね。

ところで、分かりにくい場所だった公表データのホームページでの位置も、ちゃんとモニタリングで「日常食」として独立しましたね。
[ 2012/10/21 00:55 ] [ 編集 ]
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