ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

(情報の整理用)ヤマトシジミ蝶論文に関連するコメントの転記

[ 2012/08/25 (土) ]
 これは、一つ前のエントリー怪しい科学論文なんて結構ある、という事実へのコメントと「bloomさんのブログ」で交わされた関連コメントを合わせて転記したものです。

整理して以下に移植済みですので、そちらをご覧戴くのが良いと思います。
ヤマトシジミ関係のコメント→怪しい科学論文なんて結構ある、という事実
わりと普遍的なコメント → 【続】怪しい科学論文なんて結構ある、という事実


新しい順です。太字加工はブログ主によるものです。
本ブログ 2012/09/07 22:42  19

和訳有り難うございます  bloom

(前略)

「悪意の情報」を見破る方法・・という本がネットニュースで紹介されていますが、ここに書いてあることは私達が論文を読む時に気を付けていることです。
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2012/09/post-cf6e.html


本ブログ 2012/09/07 12:37  18

ねつ造の手口 bloom

私は今まで色々なねつ造を見ているし、自分がねつ造をするように圧力をかけられたこともあるので、一番使いやすい手口についてだけ、簡単に解説しますね。

それは「都合の悪いデータを外す」と「測定ミスも疑われるエキセントリックなデータを使う」です。

前者は実験区と対照区で差が出ては困る時、差が出ないと困る時、どちらでも使われる手口で、都合の悪いデータを「これは異常個体だから」「たぶん測定ミス」「実験が失敗したのかも」などの理由を付けて消去します。

当研究室では本当に異常個体なのか?測定ミスなのか?実験が失敗したのか?という議論や検証実験を経てからデータを削除させますが、それをやらずに恣意的にデータを選ぶ人は結構います。

逆に「この数値は1回しか出ていない(1サンプルしか出ていない)」を入れて平均値を変える手法もあります。
これは実験区と対照区で差が出ないと困る時に良く使われる手口で、私はチェルノブイリ膀胱炎の尿中のセシウム濃度で疑っています。
測定ミスでないことを確認するためには、同じようなデータが複数出るまで解析数を増やす必要がありますが、そのまま論文にしてしまった例はいくつか知っています。

顕微鏡観察で、稀にしか染色されない細胞や切片の画像(不適切な固定条件や染色条件によることが多い)を「常にこの構造が染色される」といった出し方をするのも同様の手法です。
バンダジェフスキーの「心臓にセシウムが溜まる」がこちらに相当するかも知れません。

他にもたくさんの手口を知っているのですが、学会後にでも解説します。

生物系の論文ねつ造事情は白楽ロックビル先生が詳しいと思います。
細胞生物学会のシンポジウムで研究者の倫理問題についてお話しして下さったことがあります。
http://www.haklak.com/

山崎茂明先生も「科学者の不正行為―捏造・偽造・盗用」というズバリな本を出しているので、詳しいです。


本ブログ 2012/09/07 17:49  17

Re: 論文のサイトに投稿された批判コメント  icchou

scientific reports誌のヤマトシジミ論文のサイトに放射線医学の専門家の「問題が多すぎる」というコメントが投稿されています。
http://www.nature.com/srep/2012/120809/srep00570/full/srep00570.htmlの一番下です。

結論部分のみ、つたない和訳しました。

2012-08-30 04:02 AM
(前略)
結論として、本研究で報告された結果は、その内包する矛盾、および、従来からのより包括的な昆虫に関する放射線生物学の研究との適合性の両方に起因する疑いがあると見なされるべきである。
本研究?の中心的主張である、福島原子力発電所からの人工放射性核種が[ヤマトシジミ蝶]に生理と遺伝子損傷を引き起こした?、という、このステートメントは懐疑的であり、研究データが実際に立証することができるすべてのものを超えている。
故に、本研究?のセンセーショナルなクレームは、これらの比較的低環境放射線量への曝露が重大な健康リスクを招くという誤った結論で住民を怖がらせるために使われるべきではない。

ワシントンDC
ジョージタウン大学
放射線医学科と保健物理プログラム
Timothy J. Jorgensen, PhD, MPH(MPH、博士、ティモシーJ.ヨルゲンセン)


(原文)
Comments
2012-08-30 04:02 AM
Timothy Jorgensen said:August 21, 2012

(前略)

In conclusion, the results reported in this study should be considered highly suspect due to both their internal inconsistencies and their incompatibility with earlier and more comprehensive radiation biology research on insects. The study?s central assertion is that ?artificial radionuclides from the Fukushima Nuclear Power Plant caused physiological and genetic damage to [the pale grass blue butterfly]?. This statement is incredulous and goes well beyond anything that the study data can actually substantiate. Therefore, this study?s sensational claims should not be used to scare the local population into the erroneous conclusion that their exposures to these relatively low environmental radiation doses put them at significant health risk.

Timothy J. Jorgensen, PhD, MPH
Department of Radiation Medicine and the Health Physics Program
Georgetown University
Washington DC


本ブログ  2012/09/07 12:06  16

専門家の批判コメントが入り始めました bloom

ヤマトシジミ論文のサイトに放射線生物学の専門家の「解析手法と思考回路に問題が多すぎる」というコメントが掲載されています。

http://www.nature.com/srep/2012/120809/srep00570/full/srep00570.html

元々科学雑誌ではなく科学読み物的な位置づけで、査読もほとんど行われていないので、その分批判コメントでバランスを取るというスタンスの雑誌のようです。

(後略)


bloomさんのブログ 2012/8/26(日) 午前 6:45  15

bloom

6:23

池谷奉文(日本生態系協会会長)が「福島の人とは結婚しないほうがいい」「今後、福島での発がん率が上がり、肢体の不自由な子どもが発生する懸念がある」などと発言・・というニュースを見て、生態系の人々の放射能オンチは救いがたいなぁ・・と思いました。
http://www.minyu-net.com/news/news/0825/news4.html

ご本人のブログ記事の「原発を止めなければならない理由」は素人でも書けそうな月並みなお言葉が並んでいるだけなので、特に問題は感じませんが、日本ナショナル・トラスト協会の会長もつとめる方が政治活動に関わる方がまずいんじゃないかと思っています。
http://d.hatena.ne.jp/h_ikeya/20110826/1314343881

また、「日本をリードする議員の政策塾」で講師を務める人が放射線生物学のド素人ではまずいでしょ・・

6:32

池谷奉文さんが元研究者なのかも分かりませんが(知人の野鳥の会関係者と本を出しているので自然観察のプロだとは思いますが)、大学にいる生態系の研究者でも60代以上だとDNAに関する知識がほとんどありません。
50代以下でも分子生物学の授業の無かった大学出身者や、あっても真面目に勉強していない人は、放射線や変異に関して素人並みの感覚しか持ち合わせていません。

逆に私達のような実験生物学者が環境問題に対して○○すれば解決するのに・・と思うことを、プロの生態学者に話してみるとズレていることもあるので、「生物学者」の発言はそれぞれの専門性を参考に聞いてもらう方が良いです。
もちろん福島の人が癌になるという仮説はがんの発生機構を理解していないド素人によるガセです。
「肢体の不自由な子ども」は「見えないばくだん」でも読みましたかね・・日本生態系協会会長が文系人の妄想絵本に影響を受けた?・・ププッ(笑)というレベルです。

ヤマトシジミ論文の人々も放射線による変異の頻度と過程を勉強せずに【放射能→変異】という一つ覚えのストーリーに従って論文を出している可能性はありますね。

6:45

ガセ論文の特徴は、世間がそういう論文が出たら面白いな・・と思っているところを、絶妙なタイミングで突いてくる点ですね。

昨年、放射線生物学の復習をしている過程で kikulog で過去の研究の流れを教えてもらったのですが、これまでの生物を用いた放射線照射実験では昆虫の精子が特に感受性を示した・・という情報があって、「昆虫に変異、とかいうガセ論文が出たりして」というコメントが出ていたと思います。

インフルエンザの時も「新しいウイルス株だから(←ヒトと豚の相互感染は昔から小規模ながら報告されているが)致死率が高いかも」とマスコミが煽る中で最初は 0.4% とか 0.5% などの期待通りの値で、その後どんどん下がって 1/100 以下になりました。

ウイルスの致死率はよほどの配列の変化が無い限りは同じなので、最初から疫学データをきちんと分析すれば、そんなバカな話にはならないんですよ。
私が軽蔑する研究者の1人は「研究はエンターテイメントだ」と抜かしているし、生物学で20年以上飯を食う中でねつ造は日常茶飯事で見聞きしているので、私は新聞の科学ネタには冷めています。


bloomさんのブログ 2012/8/26(日) 午前 6:12  14

bloom

(前略)

私のブログのコメントは出典さえ示していただければそちらのブログに転載可です。


bloomさんのブログ 2012/8/25(土) 午後 7:38   13

icchou

ヤマトシジミ蝶論文の関連コメントを読んで、勉強させて戴いてます。
こちらのコメントと私のブログへのコメントを時系列的にアーカイブさせて戴きました。
bloomさんまたはコメント者から、何らかの要請があった場合は対応致します。

(後略)


bloomさんのブログ 2012/8/26(日) 午前 6:04  12

bloom

八合閑人さん、疫学調査はリスクを推定するきっかけの一つにはなるという意見に私も賛成です。ただ、単体ではリスク評価には使えない情報だし、そんなに心配なら自分で動物実験くらいしなさいよ・・と私は考えています。

ただ、インフルエンザの致死率0.4%などメディアでセンセーショナルに取り上げられる論文の多くが生データや解析手法を見ると「0.004%~0.4%の大きな幅でしかリスクを推定出来ないのでは?」と思うレベルなのになぜか0.4%となっていたり、研究者の先入観や願望が入りやすい研究領域なのだと判断しています。

実際、私も企業時代に医学部と共同研究をしていた縁で疫学調査の手伝いをしたことがあるのですが、データの取捨選択から解析側の主観が入りそうになっていて、統計のマジックなら分かりやすいのですが、生データの操作は怖いな・・と思ったことがあります。

そういう意味では、チェルノブイリ膀胱炎の論文は分かりやすい統計操作なので良心が残っている・・とも言えるかな?
論文の著者達が統計がド下手という可能性もありますが。


bloomさんのブログ 2012/8/23(木) 午後 11:17  11

八合閑人

生物系の論文のガセ率は、
疫学調査(チェルノブイリ膀胱炎とか)>野外調査(ヤマトシジミとか)>動物実験=細胞実験

というのは同感です。
ガセと言っても
完全に意図的なガセ
統計手法で強引に有意差を出し結果的にガセになったもの、
正しく研究した結果が残念ながら後の研究からガセと判断されたものと、スペクトルがあると思います。

私が思うに、これらの内で統計のマジックによるガセが怖いのではないでしょうか。
疫学には統計学的手法が不可欠というかクリティカルですが、都合の良い結果が出てくる統計手法を選ぶという事は実際には多いのでしょう。

ただし、疫学的調査で発見の端緒につながった事象は多いわけで、それらの研究が重要であることは変わりないと思います。

ですから、個々の疫学調査については過大にも過小にも評価せず、正しく評価するという態度が実験科学の研究に対する以上に求められているのではないでしょうか。


bloomさんのブログ 2012/8/23(木) 午後 9:28  10

bloom

八合閑人さん、プロの生物学者としての感想はぜひ icchou さんの記事の方にも入れてあげて下さい。

「怪しい科学論文なんて結構ある、という事実」は生物系なら常識なのですが、物理や化学の人は騙されやすいし、生物学者を名乗る人々の中にも他人の嘘に無意識に乗りたがる人はいるんですよね。

生物系の論文のガセ率は、
疫学調査(チェルノブイリ膀胱炎とか)>野外調査(ヤマトシジミとか)>動物実験=細胞実験
だと私は感じていますが、八合閑人さんはどう思いますか?
最初の2つは実験ではなく調査なので追試が難しく、それがセンセーショナルな論文を出したい人々を増長させていると私は考えています。

センセーショナルな結果になった時も、逆に凡庸な結果になった時も、本当にそうなのか?と疑うのが本来の科学なのですが。


bloomさんのブログ 2012/8/22(水) 午後 9:05  9

八合閑人

7:18

ヤマトシジミの論文については、やはり自分のポジションからして、読んでおかねばならないと思いました。
まずは、当然の態度ですが、先入観を排除し正しく”批判的”に読んでみます。

今は「モデル生物」という考え方で全ての生物の現象を説明しようとする考えが有力ですが、ある種の傲慢さがあります。
都合の良い結果を出す生物を選んで実験をしているという面はあります。
「マウスで知られている事をラットでも證明することは意味がある」
と仰った先生がありました。
マウスを調べるのは人間で起こっている事を調べる為の方便であるという立場の、端的に言えば医学の立場の人間からすると、マウスでもラットでもどちらでも関係ないとなりますが、生物学者をもって自認する人間にとってはヒトもマウスもラットも平等な筈。

あえて色々な生物を用いて実験しているのには相応の意味があるのであって、その生き物を用いている研究者の間ではそのことは了解済みなのですが
(つまりトリックなりガセなりの種や仕掛けがわかっている)
そのようなことに免疫のない人々は騙されルのでしょうか。

9:05

読んで見ました。

このジャーナル、いいですね~。
投稿料は高いのでしょうか?
私にもセンセーショナルな結論を言いたかったのだけれど途中でボツになった仕事がいくらかあります。

といった内容でしょうか。


本ブログ 2012/08/22 00:42  8

昆虫を使っている方に聞いてみました bloom

昆虫を材料とする研究者は色々な学会にいるので大瀧先生を直接知っている方にはまだ行き当たっていませんが、昆虫を使っている方にどう思うか?聞いてみました。

「怪しい論文として話題になっている」
「飼育環境によって形態がばらつきやすいので、室内で実験をするなら温度他の条件をきっちり合わせる必要がある」
「形態解析はまだ未成熟な部分があるので(=統一された手法がある訳ではないので)目視も有り得るが、形態で見ること自体がね・・」
だそうです。
遺伝的形質が揃っているショウジョウバエの変異体は足に生える毛の数など数値化している例が結構あるんですけど、野生の昆虫はそもそも変異要素を論じる材料には向かないという話のようです。

ちなみに放射線を浴びたホタルは光らなくなるという話は全く聞いたことが無いそうで、いわきの騒動も知りませんでした。


本ブログ 2012/08/21 23:57  7

私はアウトな人々だと思っています bloom

私は野原さんのツイートにはドン引きですね。

木下黄太に論文のニュースを拡散してもらって喜び、竹野内さんとお友達・・なんて方はプロの生物学者にはいませんから、思考回路のレベルが知れてしまいます。

ネットでざっと調べたところ、昭和30年生まれだそうなので現在は50代後半、愛知大学を2007年あたりに退職されているので(定年退官ではないみたいですね)、その後に琉球大学で生物学を学び始めたのではないかと思います。
お友達は「福島から関東の野菜は食べないで」と野原さんの論文を紹介していますね。
ネットには本人の思考や人脈が見えるので怖いですね・・

どうせ大学で勉強し直すならホメオパシーの先生など指導教員に選ばなきゃいいのに・・とも思っていますが、同じ研究者とは言え文系教員の生物オンチぶりはすごいので(自分は教育や政治を安易に語るべきじゃないんだろうと反面教師にするくらい)、大瀧先生に「反原発運動を研究で支えよう」などとそそのかされたのかもと思っています。

Chiyo Ushiro @chiyodon

福島原発事故が環境に与える影響について研究しています。主に食草による昆虫の被曝実験です。現在理学部大学院生、元大学教員(経営学部)。野原千代(旧姓&通称 後 千代)。

@KinositaKouta 木下さん、拡散ご協力いただきましてありがとうございました。(8/14)
@mariscontact 竹之内さん、以前はアドバイスいただきまして、ありがとうございます。(8/12)

http://leo.aichi-u.ac.jp/~backzemi/1.html
http://www.hoyu-kai.jp/dear/teac01.html
http://ameblo.jp/angi-andi/entry-11328370199.html


bloomさんのブログ 2012/8/21(火) 午後 11:10  6

bloom

ヤマトジシミの論文の件は icchou さんのブログ記事に情報を集中させましょう。
http://icchou20.blog94.fc2.com/blog-entry-293.html

ちなみに私は企業時代に鶏糞に発生するイエバエに対する Bt 菌系列の殺虫活性を研究していました。
医学部と共同研究のお付き合いで疫学調査の手伝いをしたこともあるし、動物に癌を発生させる実験や動物を使った毒性試験も経験があります。
大腸菌・酵母・イエバエ・カイコ・線虫・ウニ・ニワトリ・マウス・ラット・ハムスター・モルモット・豚・牛を実験材料に使った経験があるし、その人脈が今でも情報収集に役立っています。

頻繁にテーマを変えたために業績が年齢の割に少ないことがコンプレックスなのですが、ガゼ論文を見破る上では今までの経験が生きてるな・・と感じることが増えました。
でもその能力自体が社会の役に立っているのかは疑問ですが。


本ブログ 2012/08/21 21:49  5

omizo

カタバミ捕食のF0生存率に関して、謎か解けるかも。Bt菌  クルスターキ菌アイザワイ菌を検出できれば。

 
bloomさんのブログ 2012/8/21(火) 午後 8:44  4

omizo

例の論文のFig. 5d/b/ eの生存率の謎が解けるかも。 毒物学と農薬学で、Bt菌。 Bt蛋白の感受性検証では、ヤマトシジミが用いられるのは、特に感受性が高いからでしょう。

カタバミの生息地域と、花き類の栽培地域を参照。


本ブログ 2012/08/21 11:42  3

Re: ヤマトシジミ論文は穴だらけ icchou

bloomさん、omizoさん

論文内容の解説、ありがとうございました。

“オープンアクセスジャーナル”は、また、一つ物知りになれました。

>私が気になったのは個体の異常頻度を目視に・・・
の部分は“なるほど”でした。
さらに、その判定者である野原さん(Chiyo Nohara)のツイッターを私も覗いてみましたが、結構な固有名詞(武田邦彦とか木下黄太とか竹野内真理などなど)や再稼働反対の言葉が出てきて、かなり引いてしまいました。(これと、科学論文の内容とは無関係との建前は理解していますが、これだけ偏りがあると、ですね。)

個体の異常頻度の検定の部分は、結構、ポイントとなる情報だと思いましたので、本文に移植させて戴きました。ありがとうございました。


本ブログ 2012/08/21 00:23  2

ヤマトシジミ論文は穴だらけ  bloom

ヤマトシジミの件は記事にしようか思案していたので、先に解説して戴いて助かりました。
また、私のブログやコメントの紹介も有り難うございます。

同じグループが2010年に「北のチョウほど変異が大きい」という論文を出している点も批判されていますね。
http://www.frontiersin.org/Epigenomics/10.3389/fgene.2012.00015/abstract

ちなみに scientific reports は最近始まったばかりのオープンアクセスジャーナル(大学などが契約して読む科学雑誌の方がまだ多い)なので impact factor はまだ決まっていません。正直、現時点での査読はユルユルではないかとヤマトシジミの論文を見て思いました。

近藤先生の記事から堀川大樹さん(パリ大学・クマムシ研究者、放射線生物学も専門)が放射線照射実験の穴を指摘した記事も紹介されています。
http://d.hatena.ne.jp/horikawad/20120813/1344814974
http://d.hatena.ne.jp/horikawad/about

「ここまでの野外個体の調査を見れば、かなり眉唾モノなのだが、なんと著者らは正常なヤマトシジミに低線量の放射線を照射すると奇形が生じたり死亡したりすることを示している。(中略)ところが論文を眺めていると、実験手法に問題点を発見した。著者らはヤマトシジミの幼虫をガンマ線照射装置の中で最大16日間閉じ込めたまま照射している。その一方で比較対照の非照射区の幼虫は通常の飼育環境で過ごしている。照射中の個体はプラスチック容器に閉じ込めたままにしていたようだが、このときに餌を与えていたのか、あるいはどのような温度や日照条件に置いたのかについては、論文に一切記述がない。」

まともな論文ならこの時点で差し戻しがあるはずです。
少なくとも私が査読者ならそうします(私もたまに査読をします)。

私が気になったのは個体の異常頻度を目視に頼っていることです。
A conventional anatomical microscope was used for abnormality identification. An external morphological examination of the entire specimen was performed. All abnormalities were searched for by two persons, A.H. and C.N., to avoid possible inter-personal discrepancies in the assessment of morphological abnormalities.

2人の研究者が話し合って決めた・・という、細胞の形態観察を仕事にしている私には考えがたい方法ですね(本当に conventional なのだろうか?)。
私達の場合は画像解析で細胞の形態をデジタル化し、自分達が決めた法則(○マイクロメートル以上の長さ、○マイクロメートル以下の幅の突起のみを糸状仮足と規定する、など)に従って淡々と=人間の判断が入らないように数値化します。

二重盲検法(Double blind test)を使っているようでもないし、Atsuki Hiyama さんと Chiyo Nohara さんが「異常だ」と決めれば異常個体になる・・というのは科学的ではないです。

野原さんは生物学の研究を始めたばかりのようですし、twitter を見る限りはトンデモな方々がお好きなようなので、科学的センスにも疑問ありです。
https://twitter.com/chiyodon


本ブログ 2012/08/20 16:52  1 

omizo

http://www.nature.com/srep/2012/120809/srep00570/full/srep00570.html

のFig. 5d/ e に関する、沖縄ヤマトシジミに福島でのカタバミの葉を食くさせて生存率の低下と形態異常の増加が観られることを示す。内部被曝に関する部分です。

この部分です。形態異常はゆらぎの範囲にですが。生存率の低下は、実験環境下の問題か、反証が難しい所を突いてくるでしょう。

 

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[ 2012/08/25(土) ] カテゴリ: 今では古い陳腐化情報 | CM(0)
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