ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

大失敗が目に見えている太陽光発電推進、大手メディアは報道しない。

[ 2012/05/30 (水) ]
 再生可能エネルギー全量買取制度に関するネット世論は、反対論が多く批判の多い政策です。
 その中から今回は、尾崎弘之教授が的確に問題を指摘していますので、アーカイブします。
 
WSJは2週間で有料記事になってしまうので

(部分的に引用)

太陽光ばかりに資金が集中すると思われる理由

 全量買取制度の対象は太陽光以外に風力、地熱、中小水力、バイオマスがある。今回これら5種類のエネルギーについて買取価格案が出されたが、発電事業は太陽光に集中する可能性が高い。なぜなら、太陽光の初期投資負担が最も低いからである。

 太陽光以外のエネルギーには、費用以外に、設置手続きが複雑で時間も追加コストもかかるという問題がある。

 要するに、太陽光以外のエネルギーは、その道で経験を積んだ人でないと、買取価格の高い低いにかかわらず、容易に参入できないということである。

 これに対して、太陽光は設置が容易である。土地を見つけて使用料金で折り合いがつけば、すぐ始められる。環境アセスメントは基本的に不要だし、電気事業法をクリアすれば良い。したがって、今まで電力事業とは縁がなかった企業でも参入できるし、太陽電池の在庫を抱えていたメーカーにとってもチャンスである。

 以上の理由で、全量買取制度がスタートすれば、太陽光ばかりに資金が集中する可能性が高いのである。

効率が悪い太陽光発電

 初期建設費用だけでなく、太陽光は運転維持費用も安く、算定委員会によると1kwあたり1年間で1万円である。風力が6000円、地熱が3万3000円、中小水力は9500円、固形燃料燃焼バイオマスは2万7000円、ガス化バイオマスは18万4000円となっている。安い初期費用と維持費用を考えると、太陽光は安い電力になるはずだか、実態はその逆である。

 なぜ、このようなことが起きるのか。それは、太陽光の設備利用率が他のエネルギーと比べて際立って低いためである。算定委員会が計算根拠として使用している設備利用率は、小水力の60%、地熱、バイオマスの50~80%、風力の20%と比較して、太陽光はわずか12%に過ぎない。要するに、太陽光は夜間や曇りでは発電しないため、一見、発電能力(kw)が高くても、実際の発電量(kw時)は大したことないということである。しかし、太陽光発電事業者にもそれなりの投資利回りを確保することが法の趣旨なので、太陽光だけ特に高い買取価格を設定しているというカラクリである。前回指摘したとおり、現場の実情に照らした利回りはさらに高くなっている。

ドイツ環境政策史上最大の失敗

 独シュピーゲル誌は「太陽光発電補助政策の落とし穴」という今年1月18日の記事で、太陽光発電のコスト(累計)が2000年から2011年までの11年間で 1000億ユーロ(約10兆円)に達したのに、それに見合う効果は出ていないと指摘している。記事は「太陽光発電補助政策はドイツ環境政策の歴史で『最も高く付く誤り』になり得る」とまで酷評している。

安定供給がない太陽光になぜ期待する?

 二酸化炭素(CO2)削減よりもエネルギー安全保障が重要な日本で、太陽光推進に固執する必要があるだろうか。太陽電池の在庫減らしに国民の税金*を使われたのではたまらない。また、全量買取制度という「公費」で儲ける電気事業者には電力安定供給義務を課すべきだが、経営不安定なベンチャー企業にそのような責任を負うことはできるだろうか

 私は全量買取制度を全否定しているわけではない。下記のポイントを考慮しながら運用を改善するべきである。
1)太陽光ではなく効率が良い風力や地熱を推進する。
 これは再生可能エネルギー増加という本来の目的に適う。
2)太陽光は分散型、非常用電源としての役割を再認識する。

* (ブログ主注)ここは間違いで、消費者が電気料金で負担することになる。

その他の論説

●「toshi_tomieのブログ」2012/9/4 稀代の悪法「太陽光・風力発電の固定価格買い取り制度」-20年間の利益を保証。低コスト化の動機付けなく、モラルハザード

●「アゴラ」2012/8/10 ドイツの電力事情=理想像か虚像か3-再生可能エネルギー法の見直し 
(一部のみ引用)

再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り制度をスタートさせた日本に衝撃的なニュースが飛び込んできた。ドイツが太陽光発電の買取制度を大幅に修正することが決定したという。
6月7日に開催された上院と下院の両院協議会において、以下の政策変更が決まり、同29日に内容を盛り込んだ法案が成立した。


●「櫻井よしこ」2012/7/5 独の二の舞か『太陽光発電』買取制度

つぶやき

菅前総理*が退陣条件の一つとして法律の成立を上げ、エネルギー全体の政策がないままに、制度の導入が決まった訳で、そもそも成立の経緯からおかしな法律だが、これだけ基本的な問題を指摘されている政策もめずらしいのではないか。
  *この名が出て来ると、書かずにはおられない (脱線)
    菅 :史上最悪の首相
    鳩山:史上最低の首相
この高すぎる太陽光買取価格42円/kWhで進めても、
  日本のエネルギー供給制約の解決に何ら寄与しない
  日本の産業の成長に何ら繋がらない
のは明らかである。
民社党の悪しき実績として、原発事故対応を除けば、将来、ワースト3にランクされる失策になる可能性が高い。
大手メディアがこれを報道をしないのは、ソフトバンク太陽光パネルメーカー施工会社巨大な広告スポンサーだからであろう。
まさに、太陽光発電ムラである。


関連エントリー

関連エントリーはカテゴリーにひとまとめにしています。記事下部or左欄のカテゴリーリンクから、どうぞ。
[ 2012/05/30(水) ] カテゴリ: FIT認定制度に関する事 | CM(3)
永田町が崩壊しても、霞ヶ関が崩壊はこまる。 
[ 2012/06/01 20:33 ] [ 編集 ]
Re: タイトルなし
本当に困りもんです。
悲しいことですが、まさに『アフリカの中流国家並みの政治家しかいない国』ですね。
http://icchou20.blog94.fc2.com/blog-entry-99.html
[ 2012/06/01 10:02 ] [ 編集 ]
風力は日本は台風が来るのだが。それに野鳥の会が猛反対しているし。沿岸に作れば、漁業補償も出てきます。
自然発電も場所を選ぶということで、地元からの反発もありますよ。 温泉地域は別にして、地熱は掘って見なければわからない、博打の要素がたかいですから。 
1980年の暮らしで我慢すれば、現状の火力、水力で何とかやっていけそうですが。 もちろん携帯電話はなしです。 コンビにも24時間でなく、7時から9時まで。 宅配も2、3日かかるとして。盆正月は休み。 それで、今の他国との経済戦争に勝てるかは、でしょうが。
[ 2012/05/31 22:00 ] [ 編集 ]
コメントの投稿










管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

このブログについて
管理人 icchou から簡単な説明です 更新,追記の通知はTwitter
カテゴリ
最新記事
ブログ内検索