ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

【基本03】海への、海中でのセシウムの移行経路(海水の汚染の最新版)

[ 2012/02/18 (土) ]
 Keyword:放射性物質,放射能
 基本的な情報シリーズです。
 海水のセシウムCs137,Cs134濃度の最新版情報も記載しました。 

Ⅰ.海への、海域での、移行経路の全体像 個別情報から個人的に理解した事

放射線科学Vol52 No3 2009             図の出典:放射線科学Vol52 No3 2009 日下部正志さん

1.前面海域、沿岸海域 
 原発からの汚染水の放出とフォールアウト。
 その後も、流域から阿武隈川などの河川を経由して、大雨が降って川の水が濁った時に泥の中に含まれるセシウムが海へ運ばれる。泥と一部の溶存態のセシウムは河口域での凝集沈殿に取り込まれ海底土の汚染になる。
 海底土の汚染は移動して行くが、沿岸流の影響を受け南側に流れる性質がある。
 
2.沖合海域
 フォールアウトおよび沿岸海域からの移流・拡散。
 さらに、海流により移流・拡散して行く。 

3.外洋海域 
 フォールアウトおよび沖合海域からの移流・拡散。
 さらに、海流により移流・拡散して行く。

(各海域の説明)
海域図  出典:こちら 一部をカットしてます。

Ⅱ.日本近海の海流などの影響

日本近海の海流                                  出典はこちら

●東日本大震災に対するJAMSTECの緊急的調査活動及び海域における放射能濃度シミュレーションについて2011/9/2 海洋研究開発機構 菊池聰

東北沖の流況場

シミュレーション結果から指摘されること

 福島沖合では、沿岸域の流れの変動、局所的な風の変動によって、放射性物質は岸沿いに広がり、また沖に向かって徐々に拡散して行く。
 沿岸域から沖合に出ると、混合水域の複雑な流れに乗って流される。
 南へと流れた放射性物質は、黒潮に取り込まれて急速に東へと広がる
 黒潮を横切って、さらに南へと広がるものは少ない
 4~5ヶ月で日付変更線付近まで達するが、かなり希釈される。



海水の汚染レベルブログ主は、当初からの海水汚染状況を追っていないので、重要な情報が抜けているかも知れません。

(原資料には測定値マップがある。最高・最低値と時系列グラフの一部のみ引用。)

1.前面海域と沿岸海域の一部(表層)のセシウム測定値

 12/27採水(1/27発表)で、

最高でCs137:0.094+Cs134:0.072=0.17Bq/L 【5】(下図の左上)
最低でCs137:0.025+Cs134:0.024=0.05Bq/L 【29】

 (つぶやき)
 最高値は1960年代より一桁高く、最低値でも1960年代の数倍高い。*1
 各ポイントの時系列グラフの傾向はバラバラである。

文科省全面海域

2.沖合海域(上層,中層,下層)のセシウム測定値

 12/5~15採水(2/7発表)で、
最高でCs137:0.039+Cs134:0.030=0.07Bq/L 【E5】(下図の左上)
最低でCs137:0.00078+Cs134:ND=0.0008Bq/L 【J3】

 (つぶやき)
 最高値は1960年代の数倍高いが、最低値は事故の影響がないレベル。*1
 各ポイントの時系列グラフを見ると、全体的には低下傾向が見れる様だ。

海水放射能E5

3.外洋海域(表層,水深100m)のセシウム測定値

 11/30~12/2採水(1/26発表)で、

最高でCs137:0.056+Cs134:0.044=0.10Bq/L 【15】
最低でCs137:0.0012+Cs134:ND=0.001Bq/L 【20】

 (つぶやき)
 最高値は1960年代の数倍高いが、最低値は事故の影響がないレベル。
*1

 *1過去のデータはこちら

 「3.11東日本大震災後の日本」から、ごく部分的に引用させていただきます。

 4月から5月の外洋海域の状況である。
(内容のトピックス紹介的なものですので、全体は原ブログをご覧ください。)

 JAMSTECの発表により、海洋汚染の中でも特に垂直方向への汚染海底土の汚染についてのメカニズムについてわかったこと。

1.4月から5月に行った調査で、全地点での海水の平均は0.048Bq/Lでした。3月11日以前の日本周辺表層海水のセシウム137濃度(約0.001 Bq/kg)の約50倍に相当するものであった。ここで検出された海水の放射性セシウムは大気中から拡散したものが海に沈着したものであると考えられるということです。

2.深さ4810m沈降粒子(マリンスノー)の中にCs-134が4/18には検出されていた。これは大気中に放出された放射性セシウム由来としても、170m/dayの速度で沈降しているものであり、かなり速い速度である。

3.これは、プランクトンのフンや死骸、粘液などに鉱物などが付着してできる粒子で、大きさは1mmにも満たないものがほとんどです。鉛直方向への拡散は、主にマリンスノーという形での沈降によるもので、海底土の汚染となる。遠洋の深海で起こっていることと、沿岸で起こっていることは同じでない可能性があります。
(海流は、表層における流れがメインであり、海底までは流れがあるわけではないようです。海底での海流は、全地球的に1000年単位での大きな流れはありますが、表層の海流のように速い流れはないそうです。)

 表層・亜表層の放射性セシウムCs137濃度は乾燥重量で、懸濁物は5~40Bq/kg、動物プランクトンは10~60Bq/kgでした。動物プランクトンの湿重量換算では2~4Bq/kg、これは原発事故以前の0.01~0.08Bq/kgより二桁高い。 このあたりの海水の放射性セシウムはだいたい0.01Bq/kgなので、濃縮係数としたら300程度になるそうです。プランクトンの濃縮係数は30とか50とかいわれていますので高いです。ただし、当時は過渡期であり、この2~4Bq/kgが、体内に吸収したのか外に吸着したのかは判断できない。また、プランクトンと称しているが、本当にプランクトンだけを集めたわけではなく、ゴミのようなものも集めているのかもしれないので、今後確認したいということでした。また、このプランクトンが、黒潮などに乗ってそのまま流れていくのか、それとも途中で沈降するのか?という質問があり、それは今後調査してデータを取っていきたい、ということでした。

 詳しく知りたい方のために、今回とっておきのキーワードを教えてもらったので、「生物ポンプ」という言葉で検索して調べてみてください。「生物ポンプ」という言葉は海洋における炭素循環ということで出てくる用語です。なぜかatomicaにも出ていましたが、二酸化炭素による地球温暖化とからめての解説があります。

 関連資料
 ●福島第一原子力発電所事故一ヶ月後におけるセシウム-134, -137の西部北太平洋における拡散状況について2011/11/28 JAMSTEC 海洋研究開発機構

つぶやき

 今後の海産物の汚染に対してポイントとなるのは、汚染海水の移流・拡散よりも、海底土の汚染とそれに関連するセシウムの挙動の様です。特に現状の前面海域、沿岸海域の海底土の汚染レベルは、1960年代より1~2桁高いレベルなので。

 次回は、基本的な情報シリーズの最後として海底土関係をアップする予定です。


 関連エントリーはカテゴリーにひとまとめにしています。記事下部or左欄のリンクから、どうぞ。
[ 2012/02/18(土) ] カテゴリ: 海産物への影響,被害に関 | CM(0)
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