ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

いい仕事と悪い仕事(放射線測定や報道)

[ 2012/02/03 (金) ]
 追記しました。2012/3/28


 このところ、少々重たいエントリーが多かったのですが、一瀬昌嗣先生のツイッターで紹介戴いたり、bloom先生にコメント戴いたのは嬉しい事でした。
 今回は軽め?のアーカイブです。

 内容は
 【良い仕事として】
1.早野先生の2/1のツイッター発信 福島市民測定所のAT1316
2.コープふくしまでは組合員さんの協力を得て、陰膳方式により実際の食事に含まれる放射性物質測定を進めています
3-1.朝日1/19 福島の食事、1日4Bq被曝、国基準の40分の1

【追記】
3-2.「日本生活協同組合連合会」2012/3/27家庭の食事からの放射性物質摂取量調査結果について。不検出が全体の95%。

 【悪い仕事として】
4.東京新聞・中日新聞 1/21「見切り発車」の災害がれき処理
5.毎日新聞 1月18日 社説:放射能汚染石材 使用の実態解明を急げ

(1項以外は、少々鮮度の悪い情報や既エントリーに追記済みなどもありますが、個人的な情報整理ですのでご容赦ください。)

 【良い仕事】
1.早野先生の2/1のツイッター発信 福島市民測定所のAT1316
 素人が、早野先生の発信に対して良い仕事と論評すること自体、僭越ですが、お許しください。

 (概要と結論のみを引用)

 概要
 これまでに約1300 人福島市民放射能測定所でAT1316 ホールボディカウンターによる放射性セシウム内部被曝の検査を受け、内部被曝量の平均値は約20 Bq/kg(134Cs+137Cs) となった。しかしこれは、装置内蔵のソフトウェアが作成した「操作上のバックグラウンド」が原因で生じたアーティファクト*と考えられる。

 結論
1. 福島市民放射能測定所で測定を受けた大半は内部被曝していない
2. これまでに報告されている内部被曝量の平均値約20 Bq/kg は、装置内蔵のソフトウェアが作成した「操作上のバックグラウンド」が原因で生じたアーティファクト*である。
3. 正しい測定を確実に行うには実ファントムを使用したバックグラウンド測定が必要である。
4. 検出限界は(総セシウム量134+137Cs の場合) 約15~20 Bq/kg とみられる。
5.(この報告では論じなかったが)AT1316 のデータ解析ソフトウエアは,600~700 keV 領域にある134-137Cs の複合ピークから137Cs 成分を正しく分離していないように思われる。この点についてはさらに検討が必要である。

 *(ブログ主注)信号処理などで、観測や解析の段階で発生したデータのエラーや信号のゆがみ

 (つぶやき)
 “安心系の情報”である。
 早野先生への感謝と同時に、間違いの結果を受けた方の事を思うと・・・
 放射線測定にキャリブレーションという概念や手法はないのだろうか?例えばカリウムや放射性セシウムを比較的多く含む何らかの粉を入れた人形などを使うとか。


 【良い仕事】
 データが更新されるとリンクが外れるようです。その場合は開いた画面のサイドバーの「重要なおしらせ」から見て下さい。

陰膳調査については、追記などをした下記をご覧ください。2012/9/20
一日に何ベクレルを摂取しているか?陰膳調査から

クリック

(抜粋引用)

 この測定は、2012年3月まで継続し、コープふくしま、コープあいづ、福島県南生協の組合員さんにご協力いただきおよそ100名(世帯)について実施していく計画です。
<測定の進め方>
・測定方法  陰膳方式 → 毎食家族人数より1人分余計に食事を作り、それを
       2日分(6食+おやつや飲料など含め)検査センターに送り、検査
       センターにおいてミキサーで均一に混ぜ込み、その内1kgを検査試料
       として測定
します。
・測定場所  日本生活協同組合連合会 商品検査センター
・測定機器  ゲルマニウム半導体検出器
・測定時間  1検体あたり測定時間は約14時間
・検出限界値 1ベクレル/kg



コープふくしま
<途中結果51世帯分の結果>
 グラフをご覧ください。(グラフ中、セシウム137のみ検出されたIとKとAVの方は、セシウム134が1ベクレル未満であるためです)

<今回報告結果の特徴>
(1)実際の食材の産地傾向
調査にご協力いただいた51家庭中9割以上のご家庭で福島県産の食材をご使用されていました。食品店で購入された食材、自家栽培の食材などさまざまです。天然のきのこをお召し上がりの方もいらっしゃいました。
 食材産地のこだわりが特に大きい4世帯は、福島県産以外の材料で食事をされていました。

(2)測定結果値の概要
a)51世帯名中、1Bq/kg以上のセシウムが検出されたのは6家庭。他の45家庭は放射性セシウムが含まれていたとしても1Bq/kg未満であることを示しています。
b)最も多くの放射性セシウムを検出した家庭の食事に含まれるセシウム137:6.7 Bq/kg、セシウム134:5.0 Bq/kgでした。この量は、51家庭いずれでも検出されている放射性カリウム(カリウム40)の変動幅(15~56 Bq/kg)のほぼ4分の1程度でした。
c)セシウムが検出された家庭で、仮に今回測定した食事と同じ食事を1年間続けた場合の放射性セシウムの実効線量(内部ひばく量)を計算すると、年間合計約0.01~0.14ミリシーベト以下となります。


 (つぶやき)
 100検体を検査機関でやったらざっと300万円との事である。
 カリウムも測定している事を含めてエールを送りたい。
 関連エントリー
 ●【前篇】放射性セシウムと放射性カリウムの人体影響は同じレベル
 ●【後編】放射性セシウムの影響をカリウムK40を指標として評価する


 【良い仕事】

陰膳調査については、追記などをした下記をご覧ください。2012/9/20
一日に何ベクレルを摂取しているか?陰膳調査から

クリック

 朝日新聞と京大 小泉昭夫教授の共同調査。陰膳法による2011年12月時点での放射性セシウム摂取量調査。
 結果は、福島県では26家族の中央値で4.01Bq/(1日3食)、最大値で17.3Bq/(1日3食)との事。

 (つぶやき)
 小泉教授の調査はありがたいと思う。前回の予備的調査はこちらのエントリー 
 前回と同じように論文などで発表してほしい。(朝日新聞がお金を出していて自由に発表できないのかも知れないけど)
 朝日新聞の紙版での論調は、“チョット問題あり”と言う意見が多い様だ。 
 欲を言えば、カリウムK40も測ってほしかったなぁ。


 【追記】 【良い仕事】
3-2.「日本生活協同組合連合会」2012/3/27家庭の食事からの放射性物質摂取量調査結果について

陰膳調査については、追記などをした下記をご覧ください。2012/9/20
一日に何ベクレルを摂取しているか?陰膳調査から

クリック

 昨年11月から3月まで、福島県の96世帯を含む237世帯に、食事を1人分多く用意してもらう「陰膳方式」で実施。2日間の6食分をミキサーで混ぜ、ゲルマニウム半導体検出器で測定した。
 不検出が全体の95%。検出限界である1Bq/kg以上を検出したのは、福島県内の10世帯と宮城県内の1世帯。最も高かったのは11.7Bq/kgだった。内部被曝線量は年間0.019~0.136mSvと推定され、新基準の2~14%だった。食材の産地や献立にこれといった特徴は見られなかったという。



 【悪い仕事】
4.東京新聞・中日新聞 1/21 「見切り発車」の災害がれき処理
 (電子版はないようです)

 (ブログ主注)
 “瓦礫の焼却炉のバグフィルターで安定セシウムでのデータがあっても、放射性セシウムは違うので信用できない”という記事。


(間違い報道) 

(前略)
 この時点で、放射能汚染がれきを実際に焼却炉で燃やしたデータはなかった。環境省によれば、その主な根拠は、検討会委員の大迫政浩・国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センター長が同会に提出した資料だった。
(中略)
 もう一つが「一般廃棄物焼却施設の排ガス処理装置におけるセシウム、ストロンチウムの除去挙動」と題した論文だ。2009年秋、バグフィルターを備えた「A自治体」の焼却炉で測定したところ、セシウムの除去率は「99.99%」という。だが、ここに登場するのは放射能を持たない「安定セシウム」と「安定ストロンチウム」。そもそも放射性物質をテーマにした実験ではないのだ。
(後略)


 (つぶやき)
 吸着やろ過といった通常の化学工学的操作では、放射性セシウムと安定セシウムは全く同じ振る舞いをする。
 この報道は悪い仕事どころではなく、誤報と言える。
 一般の方はやむを得ないとしても、報道機関が勉強不足のまま発信するのは困ったものだ。恣意的な臭いさえ感じる。
 関連エントリー
 ●被災地瓦礫(がれき)の焼却処理で、放射性セシウムが煙突から拡散するか?


 【悪い仕事】

 この社説に対して“なるほど”という論説を加えたブログからの引用です。
 ●「日出づる処の御国を護り、外国までも率いん心」1/20 定性的判断の見本―毎日社説「放射能汚染石材 使用の実態解明を急げ」をブッタ斬る!

 (ブログ主注)まず、産経の記事をご覧戴きたい。白抜き文字の意味は、後にあります。
 産経新聞 2012.1.16 06:53 マンション室内、高線量 新築、汚染石使用か

 福島県二本松市は15日、昨年7月 に完成した同市内のマンション1階の室内で、0.9~1.24 μSv/hと屋外より高い放射線量が検出されたと発表した。コンクリートの基礎部分は、東京電力福島第1原発事故により計画的避難区域となった同県浪江町の砕石場の石が使われており、市や国などは原発事故で汚染された石が原因とみて調べている。
 市による子供の被曝(ひばく)線量調査で、このマンションの1階に住む中学2年の女子生徒の線量が昨年9~11月の3カ月で1.62 mSvと高かったことから判明した。
 市などによると、マンションは3階建てで12世帯が入居。線量が高かったのは1階の4部屋で、うち2部屋は、県の借り上げ住宅として南相馬市と浪江町からの避難住民が生活している。県が転居先を手配する方針。
 マンションの周辺の放射線量は地上1メートルの高さで0.7~1.0 μSv/h2,3階の室内では0.1~0.3 μSv/hだった。
 経済産業省によると、警戒区域や計画的避難区域内の砕石場の石については放射性物質の基準は設けておらず、出荷制限もしていなかった。担当者は「石から高線量が測定されたのは想定外だった」としており、流通ルートを調べている。
 石は「双葉砕石工業」(福島県富岡町)が浪江町の砕石場で採取し、昨年3月11日~4月22日約5200トン を県内の建設会社など20社 に出荷。二本松市内の生コン会社がこの砕石を使って製造したコンクリート57.5立方メートルが、マンションの基礎部分に使われた。
 双葉砕石工業の社長は「マンションの住民の方々や、線量が高いところで作業させた従業員に申し訳ない」と話した。
 マンション1階の男性は「台所付近で最大1.2 μSv/hあった。どのくらい被曝しているのか心配だ」と不安そうだった。



 (ブログから一部を引用)

 さて、如何であろうか。
 お気づきだろうか。この社説の中に出て来る数字が、ごくわずかしかない事に。

・同じ採石場から、約5200トンの石が流通
・計画的避難区域に指定される昨年4月22日までに出荷した。
・その石を材料にした生コンは、建設会社約200社に出荷された。
  (ブログ主注)県内20社に出荷、その先さらに、計200社以上の建設関連
          業者に納入されている。

昨年7月に完成した二本松市内の賃貸マンション
・調査を始めたのは今月10日ごろだった。
・入居している12世帯のうち10世帯が、被災地から避難してきた人たちだ。

 これだけである。(ブログ主注:上記の白抜き文字の部分だけ)

 「放射能汚染石材」とタイトルにも銘打ち、その石材の量や流通先は数字で表記しても、肝心要としか思われない「放射能」については「放射性物質に汚染された石材」としか表記していないのである。
(中略)
 「放射能に汚染された」と定性的評価のみで騒ぐのは、恣意的基準・情緒的基準であり、ヒステリーないし狂信に他ならない。「ケガレ思想」と呼べばまだ格好良いが、要は「エンガチョ」であり、さらに言えば福島差別の被災地差別だ。
(後略)


 (つぶやき)
 上記の引用以外に、原ブログには辛辣なコメントがあります。ブログ主も同意です。

 さらに、驚くべき社説として同ブログの記事のリンクのみ紹介します。引用はしませんがご興味ある方はご覧下さい。
 ●「日出づる処の御国を護り、外国までも率いん心」1/20 上には上が居るものだ―沖縄タイムス社説「[高線量マンション]避難先まで汚染とは…」を叩ッ斬る!
[ 2012/02/03(金) ] カテゴリ: 基準値,規制値,測定値な | CM(0)
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