ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

過去(1960年代)からのセシウム摂取量 Bq/日、体内平衡量 Bq/人

[ 2012/01/28 (土) ]
 過去のフォールアウトにともなうセシウムCs137の摂取量 Bq/日、体内平衡量 Bq/人のグラフなどをセシウムの挙動経路に沿って纏めます

【目次】
1.過去の核実験によるフォールアウト Cs137 Bq/m2
2.食品中のCs137 Bq/kg
 2-1.水田土壌と白米の汚染 Cs137 Bq/kg
 2-2.粉乳の汚染
 2-3.海水・海底土・魚の汚染
3.セシウム摂取量(ストロンチウムもあり)
 3-1.Cs137 全国 日常食
 3-2.Sr90 全国 日常食
4.セシウムCs137の体内平衡量、尿のCs137濃度
5.核実験による世界平均の実効線量推定値
6.今回の降下量はどうだったか?
7.ストロンチウムSr90はセシウムとの比率で把握すれば良い
8.注意すべき事(一瀬昌嗣先生)
9.個人的メモ

 ごく一部を除き特に新しい情報ではなく、今さらの感ですが個人的な情報整理ですのでご容赦ください。
 できる範囲で、1950年代からの成るべく過去からのグラフをピックアップしました。
 引用させて戴いた各原典には感謝いたします。

1.過去の核実験によるフォールアウト Cs137 Bq/m2

(1) 過去の核実験によるフォールアウトによる降下量

 数多く引用されているグラフです。立て軸は対数目盛で単位はmBq/m2月 (ミリベクレル)
降下量
    出典:環境における人工放射能50年:90Sr、137Cs及びプルトニウム降下物
    (同じグラフがこちらにも

(2) 東京の降下量
Bq/m2
東京降下量
出典:田崎先生の1960 年代の放射能汚染はもっとひどかったと聞くけど?

 核爆発実験の時代、もっとも放射性物質の降下が多かったのは 1963 年 6 月。東京で、1 ヶ月のあいだにセシウムCs137 が 550 Bq/m2 降り注いだそうだ。
さらに、1963 年の 1 年間での降下量は約 1900 Bq/m2である。核爆発実験が盛んだった 1964 年までの総計は約 5600 Bq/m2であり、その後の降下量はずっと少なくなる。
核爆発実験の時代から 2005 年までの 50 年ほどの降下量すべてを足しあわせるとおおよそ 7600 Bq/m2くらいだ(放射性セシウムは崩壊していくし、そもそも流されたり飛ばされたりするから、これだけの量が残っているわけではない。これは参照のために単に足しあわせただけの数値)


Bq/m2
Cs137東京月データ
 出典:吉田勝彦さんの資料

2.食品中のCs137 Bq/kg

2-1.水田土壌と白米の汚染 Cs137 Bq/kg

(1) 水田土壌の汚染量(平均)
   水田作土中のCs137経年
    ピークは1967年
日本海側
平均
日本海側
最大値
水田土壌65.4 Bq/kg138 Bq/kg


(2) 白米の汚染量(全国平均)
(対数目盛)                    (リニア目盛)
白米Cs137対数白米Cs137
    ピークは1963年
全国平均最大値最小値
白米4.2 Bq/kg8.1 Bq/kg0.9 Bq/kg

 これらは、既エントリーから一部のみの転記ですので、原典や他のグラフはそちらをご覧ください。
 ●過去42年間の玄米・白米の放射能データ

2-2.粉乳の汚染
粉乳中のCs137の経年変化

粉乳中のSr90の経年変化
 出典:「勝川俊雄 公式サイト」2011/12/18 粉乳のセシウムとストロンチウムの長期的な変動

2-3.海水・海底土・魚の汚染

 下記のエントリーにまとめてあります。
 ●【基本03】過去(1960年代)からの海水・海底土・魚のセシウム汚染グラフ

3.セシウム摂取量(ストロンチウムもあり)

3-1.Cs137 全国 日常食
 出典は、環境放射能データベースです。(引用資料も同様)

(1) Cs137 全国 日常食の全データ
Cs137日常食全国
早野先生がツイッターで発信もセシウム137を毎日数ベクレル食べていたビートルズ世代

(2) 福島、宮城、東京 出典:早野先生のツイッター
  Bq/日       一日あたりのセシウムCs137摂取量 Bq/日
セシウム摂取量グラフ

(3) セシウムCs137の摂取量の最大値 出典:福島県資料
セシウム摂取量(福島県)
.
3-2.Sr90 全国 日常食

全国及び福島県におけるストロンチウム90摂取量の年度毎の最大値の推移
Sr90日常食全国福島
           出典:福島県資料

Sr90日常食全国
早野先生がツイッターで発信もストロンチウム90も毎日数ベクレル食べていたビートルズ世代

4.セシウムCs137の体内平衡量、尿のCs137濃度

 大気圏内核実験のフォールアウトの影響調査が1956年から組織的に始められた。1959年には中学生の尿中のCs137濃度測定が放射化学分析を用いて開始された。1961、62年に最低値となり、以後1964年まで急激に上昇した(測定は1964年で中止)。
 1962年に日本にもWBCが導入された結果、体内量測定が可能になり1963年からはこの手法が影響調査に取り入れられた。
出典:ATOMICAフォールアウトからの人体内セシウム(40年の歴史) (09-01-04-11)の図4および図2
セシウム体内蓄積量グラフ
中学生尿のCs

上記の蓄積量をどう評価するかは以下の関連エントリーをご覧ください。
 ●【後編】放射性セシウムの影響をカリウムK40を指標として評価する。
 ●【前篇】放射性セシウムと放射性カリウムの人体影響は同じレベル

.
次項は、いきなり世界平均、しかも内部被ばくと外部被ばくの合計の話になりますが、
5.核実験による世界平均の実効線量推定値 【追記】

 これまでに、地球上と大気圏において、合わせて2000回以上の核実験が行われた。これによる、1945年~2005年の期間の世界平均でみた一人当たり実効線量推定値。
出典:ATOMICA人工放射線による被ばく(09-01-05-06)の図1
核実験世界一人当たり実効線量

 これをみると、大きいときで100μSv/年程度で、案外小さいことがわかります。しかし、テールがずっと伸びていて、これは主に長寿命核種であるC-14の寄与によるものです。全核実験による預託実効線量*は北中緯度地域で 4.4 mSv と計算されています(こちらの表)。ただし、この推計はあくまで平均の値であり、降水量によって地域差があること(こちらのFig.16参照)や、食物摂取の習慣の違いによる差もあります。

出典:「カクリ論」2012/9/9 放出量、降下量、被曝量の備忘録
* 当時の人が成人で50年、子供は70歳までの期間に被ばくする線量

6.今回の降下量はどうだったか?

 黒猫(横浜)さんのツイッターから借用
 立て軸は対数目盛で単位はMBq/km2月でBq/m2月と同じ。 
月間降下量

 平成20年度 環境放射能水準調査結果総括資料にあったセシウム137の月別の降下量(1978~2008年)のデータに2011年3月18日~4月17日までの関東地方のデータ加えました。これはあくまでセシウム137だけです。



 参考までに、各都市の月間降下量(ヨウ素I131,セシウムCs137,Cs134)は文科省が公表しています。
●環境放射能水準調査結果(月間降下物)(H23年3月分)2011/12/14 修正 
http://radioactivity.mext.go.jp/en/contents/2000/1881/24/1060_03_gekkan_2.pdf
●環境放射能水準調査結果(月間降下物)(H23年4月分)2011/12/14 修正
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/contents/3000/2412/24/1060_04_gekkan.pdf
●環境放射能水準調査結果(月間降下物)(平成23年5月分)2011/12/14 修正
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/contents/6000/5731/24/194_1_H2305data_0713.pdf
●環境放射能水準調査結果(月間降下物)(平成23年6月分) 2011.12.14 修正
http://radioactivity.mext.go.jp/old/ja/monitoring_by_prefecture_fallout/2011/06/15753/index.html
●環境放射能水準調査結果(月間降下物)(平成23年7月追加分) 2011.12.13 発表
http://radioactivity.mext.go.jp/old/ja/monitoring_by_prefecture_fallout/2011/07/27693/index.html

7.ストロンチウムSr90はセシウムとの比率で把握すれば良い 【追記】

●「toshi_tomieのブログ」 2012/2/15 セシウム-ストロンチウム = 2、10、100、2000 for 大気圏内核実験、チェルノブイリ、1986年の黄砂、福島県土壌 

 結論だけ引用します。
Cs137:Sr90Cs137:Cs134
大気圏内核実験の日本へのフォ-ルアウト2:11:0
チェルノブイリ事故の日本へのフォ-ルアウト100:11:0.5 *1
(地元での影響、すなわち
チェルノブイリ事故での大気放出放射能)
(10:1)
今回の原発事故で福島県の土壌中に蓄積1000:1*31:1 *2
ブログ主注
   *1出典はこちら (正確には 1:0.55)
   *2:正確性に拘るなら2012年前半では6:4とすれば良い(半減期の影響)。
   *3:Srの検出は80km圏内の限られた地点(既エントリー参照)

 さらに詳細な情報は下記を参照。
 ●buveryの日記11/6 私が、『福島のプルトニウムは無視して良い』と考えるわけ

8.注意すべき事(一瀬昌嗣先生) 【追記】

 出典:「カクリ論」2012/9/9 放出量、降下量、被曝量の備忘録

 過去の様々な核事象と福島事故を比較するときに、何を比較しているのか、目的に対して意味のある比較であるのか、注意が必要だいうことです。放出量や降下量、地表の汚染量の比較によって、健康影響やリスクの考察をしている人が(安全/危険どちら側にも)見られますが、飛躍があるのではないかと思います。リスクを考えるときには、ひとまず仮定を置いてでも、シーベルトに直さないと、その先には進めないと思います。内部被曝なら、ベクレルからシーベルトへの換算は容易ですからベクレルのままで構わないのですが、降下量と放出量は、シーベルトに直すまでに何段階かのステップを経なければなりません。
 今後益々、個人の被曝量をガラスバッジやWBCから測定し、大きい人には生活スタイルを変えてもらうなどの線量管理が、重要になってくると思います。(それを行うのがICRP 111の趣旨であると理解しています)



9.個人的メモ

北欧諸国の牛乳のCs-137
北欧諸国の牛乳のCs-137




引用 転記
[ 2012/01/28(土) ] カテゴリ: 過去の汚染に関する事 | CM(5)
Re: タイトルなし
コメントありがとうございます。
東京の降下量Bq/m2年の図に今回の事故の降下量を追加、のリクエストを戴きましたが、この図は自分が作ったものでなく引用ですので、対応できません。

文科省のデータのリンク切れのご指摘はありがとうございました。修正済みです。
ここから東京都(新宿区)のCs137を拾うと、
3月:8100、4月:280、5月:74、6月:18、7月:27、Bq/m2月、となりますね。(6月以降は無視できるとの判断に同意です)
恐縮ですが、あとはご自分で。

余談ですが、お勧め情報をいくつか紹介させて戴きます。
http://icchou20.blog94.fc2.com/blog-entry-271.html の『田崎先生の本』と『今中先生の講演まとめ』
http://icchou20.blog94.fc2.com/blog-entry-132.html
http://icchou20.blog94.fc2.com/blog-entry-165.html
http://icchou20.blog94.fc2.com/blog-entry-280.html
http://icchou20.blog94.fc2.com/blog-entry-267.html
[ 2012/08/15 13:28 ] [ 編集 ]
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[ 2012/08/15 05:28 ] [ 編集 ]
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[ 2012/08/14 22:05 ] [ 編集 ]
Re: 教えてください
ありがとうございます。ご質問も歓迎ですが、
>どうみますか?・・・
と聞かれても意味のある答えはないので、
>核実験の頃の60年代の表がついてないのですが、・・・
についてデータの補足をしますね。

4項のグラフは対数目盛で読みにくいので、リンクの文科省のH23年3月分と4月分を見ると、 
東京都(新宿区)でCs137が、
8100+280=8380 Bq/m2月(グラフも大体その位になっていますね)
これを1項(2)の(過去の)東京の降下量550 Bq/m2月、1900 Bq/m2年 と比べれば良い事になります。
なお、リンクの文科省データには千葉(市原)のデータもありますのでご覧になって下さい。
[ 2012/02/02 12:27 ] [ 編集 ]
教えてください
初めまして。最近、こちらのブログを知り大変参考に
しております。二児の母で千葉に住んでいます。

「4.今回の降下量はどうだったか?」についてですが、
icchou様の考察はどのようなものですか。

私は「思ったよりもすごく降ったんだ!!」と思いました。
核実験の頃の60年代の表がついてないのですが、セシウム137
だけの数字なので、驚きでした。この数字をどうみますか?
よかったら教えてください。
[ 2012/02/02 08:07 ] [ 編集 ]
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