ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

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【後編】放射性セシウムの影響をカリウムK40を指標として評価する。(食品の新基準も評価)

[ 2012/01/24 (火) ]
1.【前篇】の復習、と【後編】の概要

 【前篇】では、定常的な摂取状態で同じベクレルであれば、セシウムCs137,Cs134の人体への影響は、自然放射線であるカリウムK40よりやや小さいレベルである、ことを理解した。
 【後編】は、Cs137,Cs134の影響をK40を指標として評価する方法である。【前篇】に続き、田崎晴明 学習院大学 教授のセシウムは体に何ベクレルくらいたまるのか?からの引用がメインだが、ブログ主オリジナルとして、4月から予定されている食品のセシウム新基準をこの方法で評価した。
(引用)

 体内にあるカリウムK40と放射性セシウムの量を比較することでセシウムによる余分な被ばくの量の目安にできる。
セシウムがカリウムの×倍程度だから平気だろう」とか
セシウムをカリウムの○倍以内には押さえたいから食生活を工夫しよう」という風に考えようというわけだ
(また、この視点に立てば実効線量係数を使う必要がないことも注意しておく。実効線量係数の信頼性に疑問を感じている人も、この考え方なら安心して使えるのではないだろうか?)。

 ただし、「子供の被ばくは別格に考えなくてはいけない」という客観的な事実を念頭に置いていただきたい。



2.【前篇】で5 歳児の体内の放射性セシウムの総量の時間変化のグラフを紹介した。その続きからスタートする。

(引用)

 長期的に健康に影響が出る可能性があるかどうかは気にしなくてはいけない。これは、何週間といった短い期間ではなく、何年間という長い目でみて考えるべき問題だ。特に、福島など、周囲の汚染の高い地域ではそもそも外部被ばくが無視できないので、それに加えて余分な内部被ばくをしない努力が必要だ。

田崎教授22

 体内の放射性セシウムの量の変化の仕方にはもちろん個人差があり、体重や年・性別によって異なる。上のグラフは、ICRPのモデルで計算した、成人、15 歳、10 歳、5 歳、1 歳、3ヶ月の人が、一日に 10 Bqずつの放射性セシウムを摂取し続けた場合の体内の放射性セシウムの時間変化である。実際には年齢によって摂取量も大きく異なるだろうから、セシウムの量そのものを比較することに大した意味はない。それより、子供の場合は 2、3 ヶ月ですばやく平衡量に達し、大人の場合は何年かかかってゆっくりと平衡量に達することに注意しよう。

バンダジェフスキーの研究への言及は【前篇】に引用したので、割愛)

 下の表は、放射性セシウムを一日に平均 1 Bqずつとり続けたときの、体内での放射性セシウムの平衡量を年齢別にまとめたものだ。ここでも ICRP が用いているモデルを使って計算した。このような計算はモデルの取り方にかなり依存するので、細かい数値を気にする必要はない。あくまで、大ざっぱな目安と思ってほしい。

 【表A】放射性セシウム毎日1Bq摂取し続けた際の体内の平衡量(Bq)

3 ヶ月1 歳5 歳10 歳15 歳成人
体内の放射性セシウム
の平衡量(Bq)
23193053117143
同上
Bq/kg体重
3.81.91.61.72.12.0
 (下の行は、ブログ主が追加したもの)

 平衡量は、一日あたりに摂取する放射性セシウムの量に比例する。だから、上のグラフの 5 歳児の場合は、一日に 10 Bq 摂取したので、平衡量は 30 × 10 = 300 Bq だったのだ。

 なお、IAEAの文献には、新しいデータと動物実験にもとづいたセシウムの体内での動態モデルが紹介されている。そちらのモデルを使って体内のセシウムの平衡量を計算すると、ICRP のモデルに基づいた結果とは少々異なっている。要するに、この程度(あるいは、もっと大きな)不定性は含んだ話だと理解すべきなのだと思う


3.体内のカリウムK40の一定量(Bq)(引用+ちょっと補足)

自然放射線のK40の「一定量」が体重 1 kg あたり 60 Bq

から、体内のK40の総量(Bq)を算出する。

成人体重が 70 kg は、ちょっと重すぎる気がするけど、ICRP の標準値に合わせた。


 【表B】体内のカリウムK40一定量(Bq)
カリウムの一定量

 この一定量と上記の【表A】から、セシウムの平衡量がK40の一定量とほぼ等しくなるための、一日あたりの放射性セシウムの摂取量を算出する。

 【表C】セシウム平衡量がK40一定量とほぼ等しくなるための、放射性セシウム摂取量(Bq/日) カリウムと同量になるセシウム摂取量02

 「体内にもともとあるK40の一定量と、放射性セシウムの平衡量が(ベクレルで測って)だいたい等しくなる」という状況は、セシウムによる内部被ばくについて考える際の一つの目安になるだろう。
 細かい数値にはほとんど意味がないので、ごく大ざっぱに、「一日平均で 30 Bq程度のセシウムを摂り続けると、体内のセシウムの量とK40の量が(ベクレルで測って)だいたい同じになる」と思っていれば十分だ。最初にも書いたように、これを「セシウムによる内部被ばくがどれくらい大きいか」を考えるための一つの目安にできるだろう。


    (田崎教授の解説は、ここまでです。)

4.この方法で食品新基準を評価してみる (田崎教授解説を応用したオリジナル)

(1) (新基準値ぎりぎりの食品を摂取した場合の)1日の放射性セシウム(Bq/日)
 以前の記事:新基準値どおりに汚染された食品を摂取した場合、一日に何ベクレルか?で算出した数値を使用する。
 その記事にも書いたが、かなり安全を見た数値で、(言葉は悪いが)これだけ摂取することは現在の状況では、まず、無理な数値である。(詳細は記事を参照)

 結果のグラフだけを下記に引用する。

 ●一日の摂取ベクレル量
一日の摂取量png
 ●一年間の実効線量
mSv年png

(2) 放射性セシウムの総平衡量(Bq)の算出
 この一日の摂取量と【表A】から、体内の放射性セシウムの総平衡量(Bq)を算出した。

 【表D】体内の放射性セシウム総平衡量(Bq)
セシウム平衡量ブログ主注:厚労省の資料に1歳という年齢層設定(ICRPで言う1~2歳)がないのが残念である

(3) カリウムK40で評価(K40一定量の何倍か) 
 【表E】放射性セシウム平衡量をカリウムK40一定量で評価する
セシウムとカリウム比較

5.今回の結論を文章で表わすと

 新基準値どおりに汚染された食品を長期に摂取した時に

 ●3ヶ月児
 セシウム(Cs137+Cs134)摂取量は29 Bq/日、年間の実効線量は0.29 mSv/年となる。(上限としている1 mSv/年より遥かに少ない)
 それを今回の方法で評価すると、この量を長期にわたり摂取した場合、2~3ヶ月で体内に溜まるセシウム(Cs137+Cs134)が平衡量に達し、その量は自然放射能K40の約2倍である。

 ●「15歳、男子」の場合
 セシウム(Cs137+Cs134)摂取量は123 Bq/日、年間の実効線量は0.79(≒0.8)mSv/年となる。(上限としている1 mSv/年より少ない)
 それを今回の方法で評価すると、この量を長期にわたり摂取した場合、1~2年で体内に溜まるセシウム(Cs137+Cs134)が平衡量に達し、その量は自然放射能K40の約4~5倍である。

 以上で、新食品基準値がどの程度のものなのか、が理解できた。

つぶやき

 前述のとおり、“新基準値どおりに汚染された食品を摂取した場合”のセシウムBq/日にはかなりの安全余裕がある。(実際の汚染は遥かに小さい)
特に低年齢層でのセシウムBq/日の余裕が顕著である。(詳細は既エントリーを参照)
3項の数値、例えば3ヶ月児では16 Bq/日、1歳児では31 Bq/日を下回るとセシウム平衡量はカリウムK40一定量より低いレベルになるが、それが現実ではないか。

流通品なら食品には神経質にならなくて良いと(この評価方法でも)言えるだろう。(むろん、それをどの様に捉えるかは個人の自由であるが、)

 前篇にも記載のとおり田崎先生も否定しているが、少数の学者がセシウムとK40の体内動態は違うと言っており、中には有名人もいる。一般の人達がそれのみを信じている事が“放射線ゼロリスクの追及”が続く原因の一つだと思う。
 それが科学的根拠が弱い(無い?)事を説明しようとしている専門家や研究機関もあるが、情報が一般の人達になかなか届かない?
 「主流 対 反主流」という構図があるとき、両者が等価でないのに、小さくて弱い「反主流」を「主流」と同じ位置にして虚像?ができあがってしまう。(ICRPとERCCのの比較と同じ構図)
 素人にとっては、「反主流」の大きさや強さを正しく理解する事が大切である。 
 セシウムの体内動態でもこの部分をクリアーにする事がポイントになると思う。(評価する能力のないお前が何を言うか、と言われてしまうが)

 (参考までに)
 最近、相次いで実際の食事のセシウム量が発表されている。これらを見ると、“新基準値どおりに汚染された食品を長期に摂取した時”として本エントリーで使用したセシウムBq/日は、めちゃくちゃ高すぎる数値となっていることが判る。
●一日にセシウムを何ベクレルを摂取しているか?陰膳調査から


過去のデータについては下記をご覧ください

●過去(1960年代)からのセシウム摂取量 Bq/日、体内平衡量 Bq/人



関連エントリー(新しい順)

●新基準値どおりに汚染された食品を摂取した場合、一日に何ベクレルか?
●“放射線ゼロリスクの追及”を止めないと復興・復旧が進まない、皆が幸せに暮せない
●放射線によるDNAの損傷(DNAの修復・アポトーシス・免疫システムなど、がん化防止のプロセス)
●【改定】核分裂、放射線、ベクレル(Bq)とシーベルト(Sv)、人体への影響
[ 2012/01/24(火) ] カテゴリ: 放射線,放射性物質の勉強 | CM(4)
Re: タイトルなし
omizoさん、ありがとうございました。
じっくりと咀嚼して理解してみます。
[ 2012/01/25 23:42 ] [ 編集 ]
女性後3ヶ月

大誤字ですいません。

受精後3ヶ月

すいません。


年齢を重ねるほどに、DNAの複写は誤複製が起こります。そこに外部要因が加わった場合の確率ということです。 

低年齢期の細胞分裂過渡期での外部要因からの誤複製率、誤修復率が、起こりやすいと推測されることから、特に要注意となっているのですが。この考えは、予防原則からは正論であるのですが。 

過渡期と安定期に生物学的に違いがあるのか、よくわからないとこです。
ウイルス性、細菌性、化学物質での毒性は、低年齢ほど高くはなりなすが、化学物質は体重1kgに対しての量とはなります。 放射線量も感受性は1kgでの量となることから、全身にと、局所的にの違いがありましょうが、化学物質的に毒性に成人と低年齢者の違いがそれほどあるのか?。 が、私の疑問です。

  小児がん発生率は、4歳まで0,00013人(10万人に13人)で、60歳ほどで、0.015人(10万人に1500人)。 低年齢ほど、誤修復、誤複製率は低いとおもわれます。ウイルス性のがんでは、B型肝炎ウイルスがありますが、キャリア化は、低年齢時代に感染してキャリア化が多いですからその年代からがん化するのは、40代以降が多くなります。ウイルスでのがんは、がん化までの期間が5年ほどでともなりますので。やはり、低年齢は実は誤修復、誤複製率は低いのでは。


500bq。kgは、日に500bqを摂取し続けると(500bqの吸収は、食品に5000gq存在しないと)、全身に100.000bqが蓄積される(この場合は、平衡量を日量×200倍で計算されているようですが)。 との論からです、その場合にの放射線危険度をどう考えるか?。

平衡量は、生物的半減期と関係すますから、Cs134のような物理学的半減期が2年という場合は、物理学的半減期も試算必要ですが。 成人での137生物学的半減期は110日中値、10歳で50日中央値、1歳未満なら10日中央値ですから、 1歳より3ヶ月が、生物学的に生物学的半減期が長いと思えませんが。

[ 2012/01/25 20:52 ] [ 編集 ]
omizoさん、ありがとうございます。
私には、田崎先生の「子供の被ばくは別格に考えなくてはいけない」を判断できる素養が少ないので、コメントは貴重でありがたいです。
すいませんが、深く理解する前に、まず、何点か質問をさせてください。
>女性後3ヶ月
意味がわからないのです。

>40歳以上の方がDNAの誤修復率は高そうですし、DNAの劣化も高いです。放射線に感受性は高齢の方が高いと思います。
omizoさんがそう思われる理由があるのでしょうか?

>体重1kgあたり500bq(体重70kgで35,000Bq)は危険なのか?。体重1Kgあたりγで 0,01uSv・h程が。
500bq(体重70kgで35,000Bq)がどこから、なぜ、出て来たのかが判りません。
また、最後の0,01uSv・h は0.01uSv/hでよろしいでしょうか?
 
[ 2012/01/25 00:46 ] [ 編集 ]
女性後3ヶ月と胎児への500mSVほどの外部放射線意外に、乳児が本当に生物学的に放射線に感受性が高いか?。は、疑問があります。DNA修復に差があるのか?、劣るのか?。 細胞分裂の盛んな時期には、誤修復率が上がるのか?。 私的には、40歳以上の方がDNAの誤修復率はたかそうですし、DNAの劣化も高いです。放射線に感受性は高齢の方が高いと思います。 ただ、がん化するまでの時間がですから。 がん化するまでのとがん化した場合の残された期間の問題とも。

 内部被爆に関しては乳児は栄養摂取のための食品選択がほとんど無いに等しいことからはあります。母体からの母乳、汚染地域生産の代替ミルクの問題はです。

 3kg体重と60kg体重に全身に500mSv浴びるのでは、当然に危険度は変わりますが。 

 セシウム134は、体重1kgあたり500bq(体重70kgで35,000Bq)は危険なのか?。体重1Kgあたりγで 0,01uSv・h程が。 
[ 2012/01/24 23:10 ] [ 編集 ]
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