ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

新基準値どおりに汚染された食品を摂取した場合、一日に何ベクレルか?

[ 2012/01/14 (土) ]
 食品のセシウムの新基準値の資料に、新基準値の食品を摂取し続けた場合の被ばく線量が年齢層ごとに示されていた。*1既エントリーに掲載
 では、この場合、一日に何ベクレルを摂取する事になっているのか?計算してみる。
 まあ、数字のお遊びです。

1.既エントリー*1の復習を兼ねながら、「13~18歳、男子」の例で説明
(既エントリー*1の内容のご理解がある、として書きます)

(0) 新基準値
新規制値暫定基準値
一般食品
乳製品
を含む
100 ベクレル/kg野菜類500
ベクレル/kg
穀類
肉・卵・魚・その他
飲料水10 ベクレル/kg飲料水200
ベクレル/kg
牛乳50 ベクレル/kg牛乳・乳製品
乳児用食品


(1) 一日の食品摂取量(出典は資料1別冊:食品の基準値の導出についての21ページの表5)
食品摂取量png

 全ての年齢層の摂取量をグラフにした。
食品摂取量png

(2)  核種ごとの放射性物質の濃度 
 原資料ではセシウム以外にも6種類の核種について計算しているが、ストロンチウムSr90以外は微量で結果に影響しないので外して計算する。【概算手法01】
 また、食品ごとに複雑な手法で算出しているが、ブログ主の能力ではそのとおりにできないし結果に大きくは影響しないので、以下の同一濃度として計算する。【概算手法02】
核種ごとの濃度png (注)Sr90のセシウムに対する比率は、若干の試行錯誤の結果である。

(3)  流通する食品の汚染割合
 原資料どおりの仮定とする。
(現在の状況から、食品の全てが汚染されている事はないが、安全サイドの考え方で、一般食品は流通する食品の半分、それ以外は全部が基準値まで汚染されていると仮定)
汚染割合
一般食品
乳製品
を含む
50%
飲料水100%
牛乳
乳児用食品
 

(4)  一日の摂取ベクレル量
(1)~(3)を各年齢層ごとに計算して、一日の摂取ベクレル量を算出する。セシウムはCs137、Cs134の合計である。
一日の摂取量png
 これが、今回のエントリーの結論です。

(5)  一年間の実効線量のチェック(ベクレルBqからシーベルトSvへの換算)
 各年齢層の実効線量係数を掛けてシーベルトSvへ換算する。
mSv年png
 結果は、全ての層で原資料±0.02 mSv/年の範囲にあり、【概算手法01】,【概算手法02】が大きくは外れていないことが判った。

2.(参考として)実際に使用したエクセルのワークシート

 実際に使用したワークシートですので、あまり親切には作ってないのですが。ご興味のある方はどうぞ。
Excel 2007 ワークシート 
Excel 97-2003 ワークシート

3.今回の結論を文章で表わすと、ほか

 ●「13~18歳、男子」の場合
 半数が新基準値どおりに汚染(別の表現では、全てが新基準値の50%汚染)された一般食品、全て新基準値どおりに汚染された飲料水・牛乳を、毎日、標準量(食品で2052g、飲料水2L)摂取すると、セシウム(Cs137+Cs134)は123 Bq/日、ストロンチウムSr90は2.5 Bq/日を摂取することになり、年間の実効線量は0.79(≒0.8)mSv/年となる。
 ●「1歳未満」の場合
 半数が新基準値どおりに汚染(別の表現では、全てが新基準値の50%汚染)された一般食品、全て新基準値どおりに汚染された飲料水・牛乳・乳児用食品を、毎日、標準量(食品で373g、飲料水1L)を摂取すると、セシウム(Cs137+Cs134)は29 Bq/日、ストロンチウムSr90は0.6 Bq/日を摂取することになり、年間の実効線量は0.29 mSv/年となる。
 ●飲料水による被ばくの割合
 飲料水による被ばくの割合が高く、しかも年齢が低いほど顕著になる。(計算詳細は2.項のワークシート参照)
飲料水png
現状の測定値がほとんどND(不検出)であるので、少々、安全サイドすぎると言える。

つぶやき

 数字のお遊びでしたが、こうして見ると、かなり余裕をもった仮定で算出している事が判る。
 もし、汚染割合を現状に即して低く仮定すれば、基準値をもっと高くできる訳であるが、“3桁ではチョット”という感じがあろう。
 また、基準値を低くしろという意見もあるようだが、測定時間が長くなるなど検査体制の問題が障害となるのでは。
 個人的には、基本的部分では、この新基準に反対する理由は見当たらない。一般食品に関しては検出されたとしても新基準値以内なら神経質にならなくて良いと思う。


【追記】
 新基準値案が公表された途端、市民、消費者の食に対する不安は一気に沈静化した、という事実。(「FOOCOM.NET」2012/3/22 松永和紀さんによる論説)

関連エントリー

●放射線線量計(測定器)、あれこれ(種類・検出下限値・測定(計測)時間など)
●食品の放射性物質(セシウム)の新基準、詳細な考え方を確認してみた
[ 2012/01/14(土) ] カテゴリ: 基準値,規制値,測定値な | CM(0)
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