ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

ストロンチウム90の測定方法

[ 2011/06/09 (木) ]
放射線医学総合研究所 放射線被ばくに関するQ&A から引用

31.ストロンチウム90はどのように測定するのですか?

 ストロンチウム90(半減期約29年)の測定ではβ線を測定しますが、そのβ線は弱く、また、β線は連続スペクトル*1ですので、放射性核種を特定できません。そのため、まずストロンチウムを分離しておく必要があります。原発事故のようにストロンチウム90とストロンチウム89(半減期約51日)が含まれると予想される場合は以下の方法を用います。分離精製後、沈殿として取り出したストロンチウムのβ線を測定(1回目)します。この測定値にはストロンチウム90とストロンチウム89が含まれます。
 その後、沈殿を溶解します。二週間経過後*2ストロンチウム90から生成されるイットリウム90(半減期約64時間)がほぼ同量となります(これを、「放射平衡」といいます。)ので、イットリウム90を分離して測定し、ストロンチウム90を計算します。一回目の測定カウントのうち、ストロンチウム90の寄与分を差し引き、ストロンチウム89を算出します。詳細は文部科学省発行の「放射能測定シリーズNo.2 放射性ストロンチウム分析法」をご覧下さい。
 このように、ストロンチウム分析は、分離精製操作などが必要であることから、分析結果が得られるまで数週間を要します

   ストロンチウム90の測定   ストロンチウム90の測定2

*1 スペクトルには線スペクトル連続スペクトルがあり、特定の波長しかないものを線スペクトル、複数の波長が連続して出てくるスペクトルを連続スペクトルといいます。γ線は放射性核種に特有な線スペクトルを放出します。
一方、β線のエネルギーは、同時に放出されるニュートリノとエネルギーを分けあうため、ゼロから最大値まで連続的に分布する。崩壊図には核種固有値として最大値が記載されている。

*2 ストロンチウム90(Sr-90)は半減期29年でβ線を出して崩壊し、子孫核種のイットリウム90(Y-90)になります。イットリウム90は半減期が64時間で、β線を出して崩壊し安定なジルコニウムになります。親核種のストロンチウム90に比べて子孫核種のイットリウム90の半減期がとても短いので、子孫核種はできてすぐに崩壊することになります。ストロンチウム90を分離してきた段階では、子孫核種のイットリウム90は含まれていませんが、時間の経過とともに増加し、やがてストロンチウム90とイットリウム90の量がほぼ同量になり、そのままの状態が長く続きます。この状態になるまで2週間ほど待つ必要があります。また、イットリウム90のβ線の方がエネルギーが強く測定しやすいため、イットリウム90のβ線を測定して、ストロンチウム90の量を計算します。



【関連情報】
●低バックグラウンドベータ線測定器による放射能測定

【放射性崩壊図】
●【改定】核分裂、放射線、ベクレル(Bq)とシーベルト(Sv)、人体への影響から転記

(4) ストロンチウム Sr 90 の放射性崩壊図、半減期
 バ)ストロンチウム90

(5) ストロンチウム Sr 89 の放射性崩壊図、半減期
 ストロンチウム89

【個人的メモ】
福島大学2013/9/18「放射性物質ストロンチウム90 の迅速分析法の開発」
●環境放射能を測る:財団法人 日本分析センター

●リーフレイン‏@leaf_parsleyさんとの会話
https://twitter.com/leaf_parsley/status/259667404949442560

リーフレイン 今日実際に環境中のSr90を今測ってる人にお会いできたので、測り方聞いてきましたよ~~~~

icchou (興味津々、お聞きしたいです。前に調べたのと違うのかなぁ)

リーフレイン 一緒です。「化学的にあらかじめ分離」←他の物質を取り除く 「イットリウムのβ崩壊を測って、逆算」←この待ち時間が2週間  最終的には水溶液状態になったSr90をシャーレに2センチの円状に薄く広げて、β線をカウント
これでも毎日試薬を作って2週間後へ回せば、どんどん測れるはずなんですが、実際には他のものを測らなければならず、メイン2人バイト3人ぐらいで回してるので、Sr90を測る機会はそんなに作れない、そうです。

icchou ありがとうございました!限られた検査のリソースを有効に活用しないといけませんね。


[ 2011/06/09(木) ] カテゴリ: 放射線,放射性物質の勉強 | CM(2)
Re: Sr90 シンチレーションβ線スペクトロメータ
情報提供、ありがとうございます。
ザット検索してみたところ、下記の機器ですかね。

AKP社 ベータシンチレーションスペクトロメータ SEB-01-150
http://www.envsafe.jp/product/03/SEB-01-150.html
http://www.envsafe.jp/pdf/product/SEB-01-150.pdf

評価情報などにめぐり逢えたら追記したいと思います。
[ 2012/12/06 18:39 ] [ 編集 ]
Sr90 シンチレーションβ線スペクトロメータ
化学的処理なしにβ線のエネルギー分析からSr90,Cs134,Cs137,K40がどのような割合で混合しているかを算出する方法もあるようです。
現に商品化されています。
[ 2012/12/06 13:04 ] [ 編集 ]
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