ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

リスクを過小に言うのも、過大にいうのも無責任

[ 2011/11/29 (火) ]
サイト「あいんしゅたいん」東日本大震災-放射線の影響3 宇野賀津子(財)ルイ・パストゥール医学研究センター 基礎研究部,インターフェロン・生体防御研究室室長
からの引用ですが、かなりボリームのある資料の最後に記載されている事です。

 リスクを過剰に言い恐怖を煽るも無責任!

 放射線の影響は多少過剰気味に言ってよい、その方が正義だと考えているヒトがおられるようです。
 しかしながら、私はエイズパニックを経験しました。その際に、京大のウイルス学の大先生は、 「そりゃ、一匹でも見つかれば、キスでも理論的にはエイズに感染する可能性はありますよ」と答えました。これは研究者としては一見厳密な答えのようですが、現場では混乱を巻き起こしました。
 実際、蚊の吸った血の中にウイルスが見つかったとなれば、感染者と同席するのはどうもという意見が出て、患者を孤立させました。また、学校現場では子供のことだから、けがもするし、けんかもするし鼻血も出す。感染しているリスクの高い血友病のヒトは、陰性証明をだしてもらわないと学校へ来てもらっては困る、と一部の学校では言いました。他の子供を守ると言うため、一部の教師はそれが正義だと考えたのです。その結果登校出来ないヒトが出てきました。
 患者さんとの接点のある医者や研究者はこれではだめだと気づき、感染が成立するにはバケツ何杯分ものだ液が必要だし、一回に何十万匹もの蚊にさされることが必要ですよといいなおしました。そして危険度に応じて、これは非常に危険とか、まずもってありえないとか、それは絶対ないとか、言葉を選んでしゃべるようになりました。
 私も、この頃、エイズ教育の場で、ヒトの免疫のバリアーについてお話し、手に一滴ぐらい感染者の血がついた位では感染しないと、生体防御機構について話をしてまわりました。
 この経験を通じて、私は、リスクを過小に言うのも、過大にいうのも無責任であると考えるようになりました。
 現在、東京あたりでも放射線が怖いからと、子供を外に出さない、給食の野菜は食べるなと言う親がおられると聞いています。過剰な心配は、免疫力を低下させ、かえってがんのリスクを上げます。また、運動不足や抗酸化作用の強い野菜不足もまた、がんのリスクをあげるのです。過剰な心配は、本末転倒だと私は思います。*1

*1ブログ主注:この4行は元資料全体と関連しています。内容は、上記のリンク先の元資料、または、その要約メモ●放射線によるDNAの損傷(DNAの修復・アポトーシス・免疫システムなど、がん化防止のプロセス)を参照ください。

つぶやき

 確かに、この様な事がありました。エイズの時は上記の修正情報が“科学的に公式な結論”だったので速やかに広まったのだと思います。
 さて、低線量被ばくの影響(リスク)に対しては“科学が公式な結論を出せない”という違いがあるのは承知ですが、この宇野賀津子さんの指摘を受けて何とかなりませんか?“専門家さん”

 例えば、次のようにおっしゃったらどうかと・・・

 ●放射線生物学系の“研究者”
 『私の説ではリスクは○○だが、他説では違う見方もある。』
 →研究者にここまで言って頂くのは無理かも。優秀な人ほど自説に自信をもっているそうなので。“研究者は他の研究者と違うことを言って生活している人種”との事である。 

 ●放射線生物学系に強い“専門家”
 『私は△△説が有力だと判断しているのでリスクは○○と思うが、他説では違う見方もあり科学的な結論はでていない。』

 ●自称系の“専門家”。
 『私はこの分野の専門外だがリスクは○○だと信じている。他の説の事は知らない。』

 なにぶん、我々素人は“専門家という権威”に弱くて、おっしゃった事を100%信じてしまいがちなので。


【追記】
読売新聞 2011/11/21~12/28 連載の「時代の証言者」リスクを計る 中西準子
からの引用です。

安全の標榜には嘘を感じますが、危険を強調しすぎるのも、問題です。なぜならば、被害者がいるわけですよね。
昔、「若者たち」という映画を見ました。田中邦衛や佐藤オリエが出た映画です。原爆被害者との結婚に家族から反対されている佐藤オリエ演じる女性が、「被爆者と結婚しても、子供が障害を持って生まれてくることはほとんどないのよ、それが調査でわかったのよ」とうれしそうに言う場面があるんです。私は当時、「被爆の影響は世代を超えてあるはず。だからこそ、原爆は禁止しなければならない」と信じていたし、こういうことは、ある程度大げさに言ってもいいと思っていたので、強いショックを受けました。
しばしば、「影響は大きい」と警鐘を鳴らすことで、特定の人が不幸になってしまうことに、その時、気付きました。それ以来、微量な放射線の影響を聞くたびに、佐藤オリエを思いだし、気をひきしめています。どちらにもおぼれないリスク評価をしなければ、と。これって、意外と孤独な道なんですよ。片方に偏れば、仲間はいるんです。

出典:「Togetter」2011/12/31 「時代の証言者」 リスクを計る 中西準子 by syoyuriさん

関連エントリー

●きわめて主観的なメモ(信用する専門家、しない専門家)
●LNT仮説ほか、放射線の“確率的影響”を巡る諸説のまとめメモ

 その他の関連エントリーはカテゴリーにひとまとめにしています。記事下部or左欄のリンクから、どうぞ。
[ 2011/11/29(火) ] カテゴリ: リスク認知など一般的な | CM(5)
中西さんが引用している、映画「若者たち」のオリエの言葉については、私も衝撃を受けました。(作品を鑑賞したのは、中西先生よりずっと後の時代ですが…)
それだけ<「遺伝する」というのが刷り込まれているということ>は恐ろしいことです。

いったいどこで刷り込まれてしまうのでしょうか?

代表的なものの1つに、同じくドラマになりますが「夢千代日記」が挙げられると思います。夢千代自身は母親のお腹の中にいた時に被爆したという設定ですから、遺伝問題とは異なるはずなのですが、劇中の会話の中で、自分は被爆者だから結婚して子供が産めるような体ではないといったニュアンスの台詞が夢千代自身にあるのです。間接的でぼやけてはいますが、遺伝的影響があるのだということを臭わすものだと思いました。そしてこの辺りの問題というのは、ドラマを観終わって視聴者がよくよく自分で調べて学んでみないとはっきりしたことが解らないようになっています。

日本に、広島・長崎を扱ったドラマ・映画はいったいどれくらいの数あるのでしょうか?私たちは自国に起きた悲劇を見つめる余りに、大切な点を見落としてきてしまったような気がしてなりません。

『〈夢千代日記〉における原爆・白血病・吉永小百合』石川巧
http://www.genbunken.net/kenkyu/07pdf/ishikawa.pdf

https://twitter.com/nozo5cm_s/status/496819480979193856
[ 2014/10/16 16:19 ] [ 編集 ]
Re: タイトルなし
lightning様

>関心がある人なら、もう少し調べてみようとすると思います。・・・
コメント欄に受けたグレー情報を受けた方が調べる事を求めるのは、いかがなものでしょうか?

『放射線の人体への影響』に関する情報に、重要なファクターの一つは被ばく量です。チェルノブイリの知見は貴重なものですが、被ばく量との関連が欠けた情報は、今の状況下では役に立たないと思っています。
今後は、その様な情報および出典不明情報の提供は不要ですのでご遠慮ください。

>リンク先は読んだ上です。私は素人ですので、・・・
>モスクワやリオの自然放射線がどうだという話をする人・・・
読まれているなら、最初のコメントの『>こういうズれた一言が・・・』は誤解を生みます。
私も素人です。宇野賀津子さんの科学的な説明に関する異論・反論をご存じなら紹介して頂きたいと思います。
また、宇野賀津子さんの説明には『>モスクワやリオの自然放射線が・・・』という記述は無いのですが、この事を含めてlightningさんが一般論でご自分の思いと違うという感想を書かれたと解釈しました。

>気に入らないものは抹消するというのでは、・・・
(再度、念のため)異論・反論を忌避している訳では、ありません。
(一般論として)ここは個人のweb日記です。削除などは管理者である私の判断によることをご理解願います。
[ 2011/12/01 18:09 ] [ 編集 ]
>URL先を見ましたが、非医療関係者のブログに記載された出典も明らかでない情報は無益どころか有害だと思います。

おろかな大衆は「パニック」を起こすからでしょうか。普通の人なら、あくまで一つの情報として留めるくらいでしょうし、関心がある人なら、もう少し調べてみようとすると思います。事実出典に関する情報も見つかりました。
http://ameblo.jp/maimaikaimei/entry-11081968327.html#main
気に入らないものは抹消するというのでは、この事故の遠因を作った人たちと同じです。
そもそも、全部が解明されていないからこそ、様々な情報が意味を持つわけで、結果が出てからでは手遅れかもしれない事態だと考えるべきです。

>内容を読まれていないのですか?

リンク先は読んだ上です。私は素人ですので、上記リンク先と同じく、どちらが嘘つきかなど判定もできません。
ただ、文明史上最悪の原子力事故に対して打つ手もないという現実の中で、やってくるかもしれないリスクに対して、運動不足だの野菜不足だの、タバコがどうだ、モスクワやリオの自然放射線がどうだという話をする人には、ズれを感じます。少なからずの人がそう感じているはずです。それほどまでに原子力の実態がひどすぎたせいで、まったく善意のお医者さんまでが、悪意で見られるのは残念ですが。


内部被ばくについては、市川定夫 農学博士の下記の動画も、かなりwebで注目を集めましたのでご紹介します。
http://youtu.be/FSQMLt-E6T4
[ 2011/12/01 00:08 ] [ 編集 ]
Re: タイトルなし
lightning様

今回のコメントは問題があると判断します。

>このような意見もあります。・・・
URL先を見ましたが、非医療関係者のブログに記載された出典も明らかでない情報は無益どころか有害だと思います。
オリジナルの情報がキチントしたものであれば、被ばく量に関する記載などもある科学的情報だったのかも知れませんが、どう転送されたかも判らない、どう2次加工されているかも判らない、この手の情報のURLをコメントに載せるのは止めて下さい。(ネット上には、一次資料が明らかでない疑問情報が星の数ほどありますよね。)

>こういうズれた一言が、余計に不信感を・・・
内容を読まれていないのですか?
宇野賀津子さんのこの4行のコメントの背景には、私の様な素人にも判りやすい詳細な説明があります。その説明に対する反論であれば、意味のあるコメントになると思いますが、lightningさんのコメントは無意味です。

>危険派・反対派の人でも、普通は↑のように発言しているものと・・・
(これはlightningさんの単純な勘違いだと想像していますが)
この記載は『放射線生物学系の“研究者”』についてのものです。
小出氏も武田氏も『放射線生物学系の“研究者”』ではありませんよね。

以前に、有効なコメントを頂いたlightningさんですので、以上の説明をしました。
今回のコメントは削除させて頂くかも知れませんが、ご了承ください。
(念のため)反論を忌避している訳では、ありませんので。
[ 2011/11/30 18:47 ] [ 編集 ]
http://ameblo.jp/maimaikaimei/entry-11080073452.html
このような意見もあります。医師のプロフィールがここでは不明なのが残念ですが。

>過剰な心配は、免疫力を低下させ、かえってがんのリスクを上げます。また、運動不足や抗酸化作用の強い野菜不足もまた、がんのリスクをあげるのです。

こういうズれた一言が、余計に不信感を増幅させているといつになったら気付くんでしょうかね。
一部の人たちがいう「パニック」が、いったい何を指しているのかよく分からないのですが、おおくの国民にすれば「避けられるものは避けたい」「判断するための、悪い側の情報、リスクについても知っておきたい」だけのことと思います。あとは個人の選択の問題です。
よく言われていることですが、パニックを起こしているのはむしろ、それでは都合が悪い事情がある人々の側ではないでしょうか。

>私の説ではリスクは○○だが、他説では違う見方もある。

危険派・反対派の人でも、普通は↑のように発言しているものと私には感じられますが、逆に「絶対に癌になる」と断言している人っていましたでしょうか。

例えばあの小出氏でも「何がしかのリスクはある。」「少ない被爆には少ないなりの害は必ず存在する。」「どれだけ我慢するかの問題」と言っているだけで、これは真っ当です。前回のポストでは、武田氏には厳し目の評価ですが、この方も「今まで危険だったものが何で急に安全になるのか」と誰もが感じる正論です。(武田氏は、時々間違いを、あとからこっそり修正することが指摘されており、これは発信者としてよろしくない態度だとは私も思います。)

ちなみに、私などは、おそらく貴ブログでは取上げる価値すらないトンデモ部類かもしれませんが、、それでもこれまでを振り返る限り、ああやっぱり広瀬隆の言ってたことは正しかったなと思っています。
[ 2011/11/30 15:43 ] [ 編集 ]
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