ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

被災地の応急復旧を急げ(政府のリーダーシップの欠如)

[ 2011/11/08 (火) ]
 田母神俊雄さん、猪瀬直樹さん、ウォール・ストリート・ジャーナル記事の3点を紹介します。内容は、瓦礫処理・除染を含めた被害復旧の遅延、スピードの感のない復興支援など、政府のリーダーシップにレッドカードを付きつけているものです。

1. 田母神俊雄「志は高く、熱く燃える」11/5被災地の応急復旧を急げ

【引用】 (強調、赤字は原文と同じ)

 東日本大震災の被害復旧が遅々として進まない。何故進まないのか。政府のリーダーシップが発揮されないからである。その前に政府自身がどうしていいのか分からないというのが正しいのかもしれない。10年はかかるとかいう人がいるが、我が国が戦争で焼け野原になったときでも10年後の昭和30年には復興は終わっていたのではないのか。原子爆弾が投下された広島や長崎も、大空襲で街中が焼かれてしまった東京などでも10年もかかっていない。あのときの被害は人的被害を含め、今回の地震と津波による被害をはるかに上回るものであった。10年かかるとか言っているのは、責任を問われないための政府の時間稼ぎだとしか思えない
 政府は復興構想会議なるものを立ち上げ、震災から3ヵ月半もしてから、あまり内容のない報告書を作らせた。あれによって何か上手く行くことになったのか。復興構想会議とかいうものは時間が十分にあるときにやるべきものであって、それを待って復興に取り掛かるというのは発想が間違っている。とりあえず復旧しなければいけないときに議論などしている暇はない。
政府には緊急事態という発想が著しく欠落している。
(中略)
 応急復旧というのは元の形に戻すというのが基本である。どのような復旧を行うかなどと議論している暇はない。機能喪失間に再び敵襲を受ければ自衛隊は壊滅してしまう。その後応急復旧の見込みが立ったのならば、本格復旧について時間をとって議論すればよい。本格復旧はあくまでも応急復旧の見込みが立ってからの議論なのだ。
(中略)
 今回の震災における政府の対応を見ていると、まさに応急復旧が出来ていないうちから本格復旧の議論をしている。応急復旧が必要なのにそれを考える人がいないで、本格復旧だけを考えている。京都大学の藤井聡教授が「列島強靭化論」(文春新書) の中で、自衛隊のやり方と同じこと言っている。血を流して死にそうな人がいるときに、医者を集めてどのような治療が一番いいかを議論しているようなものだと。取りあえずは出血を止める応急処置が必要である。
(中略)
 政府は震災に際して次のように言うべきだったのではないかと思う。「町をそれぞれの地方自治体の計画で元通りに復旧してください。その費用については政府が面倒を見ます」と。そうすれば被災者も町が元通りになるという共通認識を持つことが出来る。将来の生活設計も出来るというものだ。しかるにエコタウン構想だとかより安全な町へだとか言っていては、どのような復興がなされるのか分からない。また費用もどの程度面倒見てもらえるのかもわからない。将来の見込みが立たず、多くの人が被災地を去ることになって、町が復旧することは困難になる。
(中略)
 今からでも遅くない。政府は「元通り復旧してください。それに必要な費用は政府が何とかします」と言えばよい。そして国債の発行で資金を調達すればよい。そうすれば各都道府県が力強く動き出す。復旧は迅速に進むことになるだろう。現在のように復興構想に合っているかどうか審査しながら金を出すようなやり方は復興を遅らせるだけである。時間がかかれば復興は次第に難しくなる。多くの日本国民が被災地を去ることになるからだ。

2. 猪瀬直樹 日経BPnet10/11がれき処理、国がやらないから東京都がやる

【引用】 (強調、赤字はブログ主による)

 東京都は東日本大震災で発生した岩手県内のがれき受け入れを決めた。東北以外での被災地のがれき広域処理第1号となる。国のタテ割り行政が滞るなか、地方のヨコの連携で復旧・復興を進めていく。
細野大臣は「除染技術カタログ」のことを忘れた?
 9月3日に、緊急時避難準備区域の指定が解除されたが、放射能に汚染された表土を取り除く除染について、国はいまだに具体策を示していない。6日の参議院震災復興特別委員会では、つぎのようなやり取りがあり、国の準備不足が露呈した。
佐藤信秋議員(自民党)
 放射性物質の「除染技術カタログ」を提供すると、政府の原子力災害対策本部が8月26日の「除染に関する緊急実施方針」で示しています。この除染技術カタログというのはいまできているんですか、できていないんですか、どっちでしょう。
細野豪志環境大臣兼原発事故担当大臣
 8月26日に除染に対する考え方と、緊急実施基本方針を決めております。それとあわせて除染実施ガイドラインというのを出しておりまして、そのなかでは、たとえば生活圏の除染のあり方ですとか、学校や保育所、公園などの除染のあり方ですとか、道路についてであったりと、それぞれおよその考え方を提示しております。ただ、まだこれでは具体的ではないということで、いま先生がカタログとおっしゃいましたけれども、そういう具体的なものを示すべきだというお考えの方がたくさんいらっしゃいます。できるだけわかりやすいものを作りたいと考えております。
佐藤議員
 いや、私が言っているということではなくて、この緊急実施方針に、「継続的に除染技術カタログを提供します」とあるから、私は聞いているんです。そして、じつはガイドラインなるものがどれだけの意味があるのか。現地ではあまり使えません。一方、技術カタログで言っているのは、どういうやり方なら費用がどのくらいかかって、効果がどのくらいかというようなことを含めて出しますよ、と書いてあるんですね。だから早く出してくださいと言っているわけで、ガイドラインで済むという話では全然ありません
役所はタテ割りだが、生活はタテ割りではない
 佐藤議員が指摘した除染技術カタログ」は、8月26日に政府の原子力災害対策本部が出した「除染推進に向けた基本的考え方」に書かれている。
 「国は、特に高い線量の地域も含め、各地域でのモデル事業を通じて、効果的な除染方法、費用、考慮事項など除染に必要となる技術情報(『除染技術カタログ』)などを継続的に提供します」
 具体的な除染技術の方法と効果、それにかかる費用などがわからなければ、家庭だけでなく、企業も地元自治体もかぎられた予算のなかで、除染作業を進めることはできない。そこで、佐藤議員は除染技術カタログの早期策定を求めているのだが、細野大臣は政府の文書の文言を覚えていないような答弁である。
 除染技術カタログ策定は省庁横断的な作業で、政治のリーダーシップがなければできない。たとえば下水道の汚泥なら国土交通省、稲わらなら農林水産省と、除染対象によって担当省庁が違う。役人任せではダメで、政治家が役所のタテ割りを突破していかなくてはならないのに、その政治家が除染技術カタログの存在を忘れているようでは話にならない。
(中略)
東京都は岩手、宮城のがれきを受け入れ表明
 被災地では、がれきの処理も大きな問題となっている。がれきは仮置き場に置かれているが、処理が進まないために、悪臭の発生や粉塵などによる健康被害が懸念されている。
 また、がれきの仮置き場での火災発生も相次いでいる。がれき内部にたまったガスなどが自然発火したものと見られている。
 がれきが残存することによる心理的負担も大きい。がれきの山が目に入る風景があるかぎり、被災者の心が晴れることはないだろう。本当の意味での復旧・復興を実現するためにも、がれきの処理は喫緊の課題である。
(中略)
 震災・原発事故発生以来、民主党政権では、リーダーシップ不在がつづいている。リーダーシップを欠いた政権中枢には、情報が集まってこない。かけ声ばかりで具体的な復旧・復興を進められない国を当てにするよりも、地方自治体や住民が連携して動いていくしかないというのが現状である。

3. ウォール・ストリート・ジャーナル11/1 原発事故後の除染対策が難航─放射性物質拡散の懸念も

【一部のみ引用】 (強調、赤字はブログ主による)

(前略)
 政府が確固とした除染計画を打ち出せずにいることは、日本の重要な欠点を露呈している。政府による意志決定の弱さだ。3月11日の大震災と津波以来、明確なリーダーシップの欠如と官僚の縦割り組織により、政府の対応が遅れ、説明責任が薄れている
(中略)
 担当範囲は複数の省庁で細かく分かれていた。文部科学省は放射線レベルのモニタリングと学校への助言、農林水産省は農地の土壌のモニタリング、国土交通省は下水設備の汚泥の対処を担当した。内閣府の原子力災害対策本部は、複数の省庁の取りまとめ役を担った。しかし、政府当局者らは包括的な除染計画の作成や、放射性廃棄物の最終処理場の決定など、大きな決断は行わなかったという。
 福島第1原発の事故から5カ月が経った8月、国会は環境省を除染の責任機関とする法案を可決した。同法案が施行されるのは来年1月だが、放射線量の最も高い地域の除染計画はまだ決まっていない。地域ごとに異なる除染計画を承認するのも大変な作業だ。被ばく線量が年間20ミリシーベルトを超える地域においては、国が除染計画を打ち出す意向だが、線量の低い地域では、市町村独自の計画を打ち出し、政府が支援する予定だ。

(後略)

【つぶやき】
 色々な方々の思いや活動が、もっと効果的になる様に政府の努力を求めたいが、首相が交代しても変化が見られない。今の“民主党の政治”ではダメだ、と言う事がはっきりしてきたんだ、と思う。
[ 2011/11/08(火) ] カテゴリ: その他の震災関連 | CM(0)
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