ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

【日本版コラム】問われる日本のエネルギー将来像(3)

[ 2011/04/23 (土) ]
http://jp.wsj.com/Business-Companies/node_223534

シリーズ最終となったウォール・ストリート・ジャーナル日本版、2011/4/17の野尻哲也さんのコラムである。
現状の電力産業・行政の仕組の欠点をやさしく解き明かした上で、日本のエネルギー将来像を示している。

【抜粋→つぶやき
1.総括原価方式が原子力発電を推進
 事業にかかった総費用に対して一定比率で利益を計上し、これを電力料金とする仕組みだ。これにより電力会社は費用が増えれば増えるほど、利益が増えることになる。高度成長期にはこれにより電力会社は積極的に発電所を建設し、見事な電力インフラが構築された。
 仮に電力会社が経営努力によってコストを削減すると、電気代は値下がりし、結果として自社の利益額も減少することにため、原子力のような重厚長大型投資を優先し、太陽光など小型で利益にならない投資に消極的になる。
 政府からの補助金も、原子力であれば巨額の補助金を電力会社が一手に受けられるが、例えば太陽光では、一般消費者が補助金を受けることになる。
 これらの構造では電力会社が原子力発電をほぼ絶対的な選択肢とするのは必然で、彼らにとって自然エネルギーは「リスクだけ高い、全く旨みの無い話」ともいえる。

→納得。

2.電力事業の地域独占の欠点 
 総括原価方式そのものは、水道や鉄道、バス、タクシー業界などにも適用されているが、例えばタクシー業界が料金を値上げし過ぎると、消費者は電車やバスなど他の代替手段を求めるようになり、結果的に利益を減らす可能性が高くなる。
 つまり代替的な競争が存在するため、経営努力へのインセンティブはそれなりに働く。
 電力会社に関しては、家庭向けを中心に依然として実質的な独占状態となっている。そのため、利用者は電気代が値上がりしても節電するのが精一杯で、電気契約を解約することは不可能に等しい。
 この結果、電力会社は電気を供給さえしていれば、巨大な資金と権限を手に入れられるようになる。
 一般的に言って、このような組織に経営努力を求めたり、環境変化への柔軟な適応を期待したりするのは、困難である。

→納得

3.行政の罪

 こういった構造を生み出したのは、行政に他ならない。
 監督省庁から電力会社への天下りが繰り返された過去は、周知の事実である。この結果、行政による電力会社へのチェックアンドレビューは機能不全に陥った。

→納得

4.今こそ電力の自由化促進を

 この現状に対し、事態の収束後には政府と国民の手によって新たなエネルギー政策が描かれることを期待したい。何よりも重要なのは、この硬直化した電力産業と行政の構造をひも解くことにある。そのために最もパワフルな手段は、電力の自由化促進である。

→納得

5.送電の自由化促進を

 電力には発電・送電・配電という3つの機能があり、現在は電力会社によって実質的にほぼ独占されている。
 このうち「送電(網)」は交通や物流でいう「道路」と同じであり、最も重要なインフラだ。
 仮に発電事業に新規参入しようとも、送電網を電力会社が独占している限り、自由に顧客に電力を届けることが出来ない。
 これを機に送電網を国有化し、発電事業者に対して安価に貸し出すことが出来れば、多様な発電手段を持った新規参入者が拡大することになるだろう。

→納得
→国有化のデメリットには対策が必要か


6.国家予算の配分も見直しが必要
 エネルギーのような公益事業は、やはり軌道に乗るまでは国・地域が支援しなければならない。
 例えば原子力発電にはこれまで数十兆円規模の補助金や電力会社への資金が投じられてきた。その中には完成が18回も延期されている青森県六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場や、いまだ実用化されていない高速増殖炉もんじゅが含まれている。
 プルサーマル関連のこの2施設は、既に国と電力会社で4兆円以上も投資してきたが、現在でもほとんど稼働していない。
 仮にこの資金を太陽光発電の補助金としていたら、4kWパネルの設置に50万円を補助するとして、800万件(年間発電量で320億kWh)の太陽光を設置できたことになる。
 もちろん太陽光だけではなく、風力や地熱、バイオマスでも構わないが、おそらく原子炉数基分の電力を自然エネルギーで十分にまかなえたことだろう。

→納得

7.大きな転換期

 日本はその歴史において無数の国難に遭った。しかし危機に屈することなく、むしろそれを繁栄の糧とすることが出来たのは、「維新」と呼ばれるように社会の大転換を成し遂げたからである。
 そして現在の震災と原発事故、更には停滞する経済・政治・国際情勢も含め、日本は大きな転換期を迎えているように思う。

→納得

8.未来を創るという姿勢

 本コラムに記した内容を全て実現するとしたら、きっと多くの困難が待ち受けており、長い時間がかかるだろう。
 しかし今もっとも大切なことは、理想を持って現実の問題を解決し、未来を創るという姿勢だと考える。また場合によっては、既存の仕組みを根幹からさっぱり切り変えてしまうほどの柔軟な発想も必要だ。

→納得

9.子供たちへの責任

 福島原発の事故・廃炉処理は、長期にわたると言われている。それらの費用や放射能に汚染された自然は、確実に未来の子供たちへのツケとなっていく。
 次の世代の子供たちが生まれ育った時、私たちが残した放射性廃棄物や廃止された原子炉を見て、彼らは一体何を思うだろうか。少なくとも私たちの世代は、このようなことを再び繰り返してはならない。

→納得

10.問題はいま解決し、次の世代に先送りしない

 そして残念なことに、これに限らず現代の日本は財政赤字や年金問題など多くの問題を先送りし続けている。しかしそれをいつまでも許していては、いよいよ国がもたない。
 「問題はいま解決し、次の世代に先送りしない」という強い決意で現実に臨むことこそ、未来の子供たちに対して私たちが果たすべき責任ではないだろうか。

→納得

すべての“つぶやき”が『納得』というシンプルな一語のみになった。
勉強になりました。野尻哲也さん、ありがとうございました。


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[ 2011/04/23(土) ] カテゴリ: エネルギー政策,発送電分離 | CM(0)
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