ポストさんてん日記

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市販製品の新型コロナウイルス消毒効果(北里大学)

[ 2020/04/20 (月) ]
追記。2020/5/29
初回公開日:2020/4/20



目次

1.医薬部外品および雑貨の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化効果について
2.新型コロナウイルスの科学(4)
3.新型コロナウイルスに有効な界面活性剤を公表します(第二弾)【追記】

1.医薬部外品および雑貨の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化効果について 2020/4/17

北里大学プレスリリース
PDF

【一部のみ引用】

北里大学大村智記念研究所 ウイルス感染制御学研究室Ⅰ 片山和彦教授らの研究グループは、市場に流通している医薬部外品・雑貨のうち、主にエタノール界面活性剤成分を含有し、新型コロナウイルスの消毒効果が期待できる市販製品を対象に、新型コロナウイルス不活化効果を有する可能性について、試験管内でのウイルス不活化評価を実施したのでその結果を報告する。
本研究にて評価した製品の選定にあたっては、本研究結果の公開に異議を唱えないことを前提として国内複数企業へ製品サンプルの提供を要請し、同意が得られた企業の製品を使用した。製品評価は、北里大学大村智記念研究所ウイルス感染制御学Ⅰ研究室 にて実施した。
各製品サンプルについては、製品のパッケージ裏面に書かれている使い方を参考にし、希釈が必要な場合には水道水を用いた。
情報の活用を考慮して、試験に供した実際の製品名(50音順)をすべて公開した。


【結果部分】(表記方法のみ改変)
不活化効果
あり
不活化効果
なし
接触時間:1 分(製品裏面の使い方から、手指の洗浄、拭き取り洗浄を想定 )
かんたんマイペット(原液)、
クイックルワイパー立体吸着ウエットシート香りが残らないタイプ(絞り液)、
クイックルワイパー立体吸着ウエットシートストロング(絞り液)
クイックルJoanシート(絞り液)、
クイックルJoan除菌スプレー(原液)、
食卓クイックルスプレー(原液)、
セイフキープ(絞り液)、
トイレマジックリン消臭・洗浄スプレーミントの香り(原液)
ハンドスキッシュEX (原液)、
ビオレガード薬用泡ハンドソープ(原液)、
ビオレu薬用泡ハンドソープ (3倍希釈)、
ビオレガード薬用手指用消毒スプレー(原液)、
ビオレガード薬用ジェルハンドソープ (3 倍希釈)、
ビオレu手指の消毒液(原液)、
リセッシュ除菌EXプロテクトガード(原液)
接触時間:10 分(製品裏面の使い方から 、洗濯 、器具の洗浄を想定 )
アタック高浸透リセットパワー(3.5g/L)、
アタックZERO (3000倍希釈液)、
クリーンキーパー(100倍希釈) 、
ワイドハイターEXパワー液体(100倍希釈液)、
ワイドハイターEXパワー粉末(5.0g/L)、
ワイドマジックリン(10g/L)
アタック抗菌EXスーパークリアジェル(1200倍希釈液)
接触時間:1 分
50%、70%、90%エタノール10%、30%エタノール
接触時間:10 分
50%、70%、90%エタノール10%、30%エタノール

【まとめ部分】

エタノールは、50%以上の濃度であれば、接触時間 1分間で十分なウイルス不活性化が可能だと考えられた。 不活化効果の確認された上記製品は、新型コロナウイルスの不活化に有効と考えられた。新型コロナウイルスの汚染が懸念される手指や硬質表面の洗浄の他、日常使用する衣類やリネン類の洗浄などに活用が期待できる。


【評価方法】

100 万コピーウイルス RNA/μL のウイルス液 3μL を 27μL の試験対象液と混合し、常温で 1 分間または 10 分間接触させた。その後、混合した液が、試験に用いる細胞に影響を及ぼさないようにするため、細胞を培養に用いる培地で希釈(100 倍希釈、1000 倍希釈を試験)して添加し、6日間培養した。顕微鏡観察による細胞傷害性は毎日確認した。リアルタイム RT-PCR でのウイルス量の検出は 0 日目、3 日目、6 日目に実施した。細胞傷害が起こらず、リアルタイム RT-PCR でもウイルス RNA 量の増加が確認されなかった試験対象液をウイルス不活化効果有りとした。
使用した新型コロナウイルス株:2019-nCoV JPN/TY/WK-521 (国立感染症研究所)
使用した細胞:Vero-E6/TMPRSS2 (JCRB 細胞バンク)


関連する参考情報です。
2.新型コロナウイルスの科学(4)
越智小枝 IEEI 2020/4/15
【ごく一部のみ引用】

ウイルスの不活化・消毒
ウイルスの表面は脂肪を多く含む膜に覆われており、石鹸や洗剤などの界面活性剤でも不活化効果があるとされています。また新型コロナウイルスは乾燥にも弱いので、洗ったものをよく乾燥させることもウイルス対策になると思われます。
しかし家具や手すりなどを毎回洗剤で洗うのは難しいでしょう。その時に用いられるのが、いわゆる消毒薬です。
一般のご家庭で用いられる色々な消毒薬がどのくらい効果があるのかを表2に示します(文献1.より抜粋・改変)。これは過去の論文をまとめたものなので、消毒時間や濃度がまちまちになっています。多少矛盾するデータもありますので、あくまで目安と思って下さい。
各種消毒薬のウイルス不活化効果

こうして見ると一番簡単で効果的な消毒薬は、エタノールです。一般的に70%以上のエタノールが良いとされていますが、時間をかけての消毒であれば35%程度でも効果がある、という報告もあるようです。しかし今の日本ではエタノール消毒薬の入手が困難であり、他の消毒薬で代用せざるを得ないこともあるでしょう。
そんな時、ひとつの候補となるのは過酸化水素水です。この表では1分間という長めの消毒ですが、強力な不活化効果が得られています。
また次亜塩素酸ナトリウム、いわゆるハイターについては、市販のハイター(約5%)を20倍程度に薄めた物については、30秒の消毒で効果が出ています。更に薄めたものでは効果が出るのに10分とかかるため、ハイターを薄めて使いたい洗濯の時にはつけ置きなどがよいかもしれません。高濃度のものは強アルカリですので皮膚に触れないよう注意が必要です。なお、「次亜塩素酸ナトリウム」と「次亜塩素酸水」は別物であり、後者については明らかな新型コロナウイルス不活化のエビデンスはありません。
この表を見る限り、イソジン液やイソジンうがい液に含まれるポピドンヨードにも殺菌効果がありそうです。ただしイソジンは色がついてしまうため、使える場は限られるかもしれません。
生活環境でのウイルスの消毒効果については、文献1.のTable3にもう少し詳しく記載されているので、ご参照下さい。

感染症にも「ゼロリスク」はない
しかしどんなに改善しても、ウイルス感染対策に「絶対」はありません。気を付けていたのに風邪をひいてしまった、そういう経験はどなたにもあると思います。放射能のリスクコミュニケーションの時にも繰り返し言われることですが、私たちは日常生活を送る限り、「健康リスクゼロ」という生活はできない、ということもまた、認識しておくべき大切なことです。

文献1:環境表面のウイルス除染ガイダンス(4月14日,第4版 日本リスク学会)

【追記】
【ごく一部のみ引用】

有効と判断された界面活性剤は次の7種

  • 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.1%以上)
  • アルキルグリコシド(0.1%以上)
  • アルキルアミンオキシド(0.05%以上)
  • 塩化ベンザルコニウム(0.05%以上)
  • 塩化ベンゼトニウム(0.05%以上)【5月28日追加】
  • 塩化ジアルキルジメチルアンモニウム(0.01%以上)【5月28日追加】
  • ポリオキシエチレンアルキルエーテル(0.2%以上)

[ 2020/04/20(月) ] カテゴリ: COVID-19関連 | CM(0)
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