ポストさんてん日記

放射線・エネルギー・環境・化学物質・食品などの情報をアーカイブとして整理すると同時に、徒然につぶやいています。 リンクはご自由に。

地熱発電とは(基本的なこと~現状)

[ 2011/08/17 (水) ]
 地熱発電シリーズの第2段です。今回は基礎的な情報から現在の計画までです。

1.地熱発電の方式
(1) ドライスチーム
 蒸気井から得られた蒸気が殆ど熱水を含まなければ、簡単な湿分除去を行うのみで蒸気タービンに送って発電することが可能である。高圧下の地下から噴出した概ね200゜C以上の水蒸気が,発電用タービン駆動に用いられている。 

(2) フラッシュサイクル
 蒸気に多くの熱水が含まれている場合、蒸気タービンに送る前に汽水分離器で蒸気のみを取り分ける必要がある。日本の地熱発電所では主流の方式である。
地熱資源エネ庁
(出典:資源エネルギー庁のHP)

(3) バイナリーサイクル
 地下の温度や圧力が低い場合、アンモニアやペンタン・フロンなど水よりも低沸点の媒体を、熱水で沸騰させタービンを回して発電させる。53~120℃の地熱資源が使用に適す。
 発電能力は小さいが、占有面積が比較的小規模ですみ、熱水の熱交換利用するだけなので、既存の温泉の源泉の湯温調節設備(温泉発電)として設置した場合は、源泉の枯渇問題や、有毒物による汚染問題、熱汚染問題とは無関係に発電可能な方式である。 地下に井戸を掘るなどの工事は不要であり確実性が高く、地熱発電ができない温泉地でも適応可能であるなどの利点がある。
 2008年に本方式だけ新エネルギー指定を受けた(補助金がでる?)が、大規模開発は対象外。

(4) 高温岩体発電
 地下(3km以上)に高温(300~400度)の岩体が存在する箇所を水圧破砕し、水を送り込んで蒸気や熱水を得る。地熱利用の機会を拡大する技術として期待されている。既存の温水資源を利用せず温泉などとも競合しにくい技術とされ、多くの技術的課題は解決しているとされる。
地熱発電の実例など(一部のみ記載)
日本の実例世界の実例
(1)ドライスチーム松川地熱発電所
八丈島発電所
(後で記載するかも?)
(2)フラッシュ
サイクル
(主流の方式)
八丁原発電所
森発電所
など
(後で記載するかも?)
(3)バイナリー
サイクル
八丁原発電所
霧島国際ホテル
(後で記載するかも?)
(4)高温岩体発電現地実験中
2020年頃の実用化
を目指す
2010年、オーストラリアのジオダイナミクス
社が27万5000kWの建設が進行中


2.井戸
 蒸気・熱水を採取するための坑井の深さは、地下の構造や水分量などによって異なり、数10mから3,000mを超えるものまでさまざまである。通常は1km以上3km以下である。

3.不用水の還元
 発電に使った蒸気(復水器で凝縮されて水になる)や余った熱水を地表に放出・放流させると地下の蒸気や熱水が枯渇してしまうおそれがある。また、熱水に含まれる金属などの成分が、河川や湖沼の水質に影響を与えることも懸念される。そのため、発電に使用した後の蒸気や熱水は坑井(井戸)を通じて地下に戻すことが行われる。これを還元という。還元用の井戸(還元井、かんげんせい)は蒸気井よりも浅いことが多い。還元井は当初から還元井として掘削される他に、勢いの衰えた蒸気井が転用されることもある。

4.設備の“稼働率”(資料によっては“効率”、“利用率”などの言葉も使っている)
 地熱発電は稼働率が高く、電源のベストミックスのなかで、“ベース電源”となりうる。
一般的な稼働率=年間発電量/(発電装置出力×365日×24時間)
-稼働率備考
地熱発電70~90%安定して、ほぼ休みなく発電
風力発電20~30%風が弱いと下がる、無風時・強風時はゼロ、
太陽光発電12~13%昼間のみ(曇天、雨天時は発電量がわずか)


5.日本の地熱発電所
 日本の地熱発電所は、ほとんどが東北と九州に位置する。
 位置・概略は資源エネルギー庁の「日本の地熱発電マップ」http://www.enecho.meti.go.jp/topics/ground/index.htmlのサイトマップの中の「地熱発電所の紹介」のページ
一覧表もある。http://www.enecho.meti.go.jp/energy/ground/data/080826.pdf
日本の地熱発電所(抜粋版)
事業用52.2万kW13箇所
最大は、柳津西山(福島):6万5,000kW 1995年
最古は、松川(岩手):2万3,500kW 1966年
最新は、八丈島(東京): 3,300kW 1999年
自家用1.2万kW5箇所
最大は、大沼(秋田)三菱マテリアル(株):9,500kW 1974年
最古は、同上
最新は、杉乃井(大分)(株)杉乃井ホテル: 1,900kW 2006年
合計53.5万kW総発電量の0.2%、世界第6位

★本川裕さんのサイト社会実情データ図録の主要国と日本の地熱発電に詳しく纏まっています。

6.世界の地熱発電
 位置・概略は資源エネルギー庁の「世界の地熱発電」。http://www.enecho.meti.go.jp/topics/ground/index.htmlのサイトマップの中の「世界の地熱発電」のページ
万kW地熱の
割合
1米国253.40.2%
2フィリピン19314.4%
3メキシコ95.32.2%
4インドネシア79.73.2%
5イタリア791.0%
6日本53.50.2%
7ニュージーランド43.65.1%
8アイスランド17.211.4%


7.日本の技術
 地熱発電に関わる技術は高く、14万kWと1基としては世界最大出力の地熱発電プラントを富士電機がニュージーランド(ナ・アワ・プルア地熱発電所)に納入(2010年)するなど、2010年の時点で、富士電機・東芝・三菱重工の日本企業3社が世界の地熱発電設備容量の70%のプラントを供給している。
地熱タービン・発電機の世界シェア
出典:再生可能エネルギー導入加速化の必要性など2012/3 低炭素社会づくりのためのエネルギーの低炭素化に向けた提言

8.現在進行中(日本)
 環境省は2010年に、36年ぶりに国立公園での地熱開発に譲歩した。日本地熱開発企業協議会によると、2011年3月には、規制区域外から公園敷地の地下に向かって斜めに地熱井を掘り進める開発2件が許可され、2011年夏に着工予定だという。
 6/23に日経が報じている。ブログ『サイクリング・ウォーキング』から 記事のスクラップをリンクさせて頂きます。
 6/30の産経ニュース 秋田・出光興産と帝石、湯沢市小安地域で地熱発電事業化へ調査
 7/11の産経ニュースJFEエンジなど、地熱発電の事業化へ 岩手・八幡平で

【主に参考とした資料】
ウイキペディア 地熱発電
資源エネルギー庁のHP

【追記】
●Open ブログ10/2のエントリー 地熱発電の可能性と課題

【関連エントリー(新しい順)】
●地熱発電とは(基本的なこと~現状) →本エントリーです
●地熱発電の問題点・デメリット(いきなりですが)

(個人的メモ)
★地熱情報研究所 Q&A
●地熱発電に関する研究会(2009年6月)
[ 2011/08/17(水) ] カテゴリ: FIT認定制度に関する事 | CM(0)
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