科学を離れた一般社会での“遺伝”の意味は、小学生でも知っていますが、次のとおりです。
遺伝:親の形質が遺伝子により子やそれ以後の世代に伝えられること。 |
広辞苑から部分的に引用
ところが“遺伝毒性”となると、科学(毒性学?)の専門用語で、全く別の意味になってしまいます。この辺りの話しを、易しくかつ背景なども含めて説いた解説(詳細な解説は手に余るので)を探してみたのですが、これは!というものが見つからなかったので、勉強がてら纏めてみます。
個人的に、放射線勉強や化学物質勉強で理解したことの復習も兼ねていますので、少し遠回りの部分もあります。
0.広い意味での遺伝には2つがある
個体間遺伝 (
個体から個体への遺伝、上記の広辞苑の説明のこと)
生殖細胞による遺伝。植物などと違って、ヒトでは大きな染色体異常や遺伝子異常があると個体発生ができません(→流産)。
細胞間遺伝 (
細胞から細胞への遺伝、これが本エントリーのテーマ)
体細胞による遺伝(=体細胞遺伝)。がん細胞は幹細胞から発生しますが、この初めの段階で起きた異常が細胞が分裂するたびにコピーされ、細胞から細胞に遺伝しながら細胞が増加した結果が腫瘍なのです。
1.遺伝毒性とは、、、遺伝毒性についての誤解