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— ぶたさんっ!さん (@J_Tphoto) 2013年2月15日
低線量のγ線、β線被ばくは、活性酸素を増やす効果(間接作用)のみで直接作用はない。
140字で解説するノーベル化学賞/我々生物のDNAには紫外線などにより常に傷が入る。このエラーの蓄積が、がんを引き起こすことも。傷の種類によってミスマッチ修復、塩基除去修復、ヌクレオチド除去修復が働きDNAを修復。これらの修復機構を発見した3名に、今回のノーベル化学賞が贈られた。
— クマムシ博士 (@horikawad) 2015, 10月 7
初回公開日:2011/10/24(既エントリーより)
放射線は細胞のDNAを傷つける。
(1)確定的影響(高い放射線の場合)
ある線量(しきい値)を超えた場合に、被爆後直ちに現れる影響・急性障害。
造血能の低下(リンパ球の減少)、皮膚の障害、脱毛、胃腸管の障害、神経障害、不妊などがあるが、それぞれのしきい値は障害の種類によって異なる。
(2)確率的影響(低い放射線の場合)
がん・白血病や遺伝性影響といった確率的影響(数年後に100人中がんになる人が何人増える、といった影響)も100 mSv以上では、線量とともにリスクが上昇することが判っている。確率的影響のなかで最も早く現れるのは白血病である。
しかし、100 mSv以下の低線量被ばくでは、確率的影響がふえる証拠は疫学的・統計的に得られていない。
*1:125 mSvとする資料や、100 mSv~150 mSvとする資料もある。がん・白血病や遺伝性影響といった確率的影響(数年後に100人中がんになる人が何人増える、といった影響)も100 mSv *1以上では、線量とともにリスクが上昇することが判っている。確率的影響のなかで最も早く現れるのは白血病である。
しかし、100 mSv *1以下の低線量被ばくでは、確率的影響がふえる証拠は疫学的・統計的に得られていない。100 mSv*1以下の低線量被ばく影響(リスク)では“異なる仮説”がある。
なお、遺伝的影響については、動物実験ではみられているものの、ヒトでは確認されていない。
31.ストロンチウム90はどのように測定するのですか?
ストロンチウム90(半減期約29年)の測定ではβ線を測定しますが、そのβ線は弱く、また、β線は連続スペクトル*1ですので、放射性核種を特定できません。そのため、まずストロンチウムを分離しておく必要があります。原発事故のようにストロンチウム90とストロンチウム89(半減期約51日)が含まれると予想される場合は以下の方法を用います。分離精製後、沈殿として取り出したストロンチウムのβ線を測定(1回目)します。この測定値にはストロンチウム90とストロンチウム89が含まれます。
その後、沈殿を溶解します。二週間経過後*2ストロンチウム90から生成されるイットリウム90(半減期約64時間)がほぼ同量となります(これを、「放射平衡」といいます。)ので、イットリウム90を分離して測定し、ストロンチウム90を計算します。一回目の測定カウントのうち、ストロンチウム90の寄与分を差し引き、ストロンチウム89を算出します。詳細は文部科学省発行の「放射能測定シリーズNo.2 放射性ストロンチウム分析法」をご覧下さい。
このように、ストロンチウム分析は、分離精製操作などが必要であることから、分析結果が得られるまで数週間を要します。
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*1 スペクトルには線スペクトルと連続スペクトルがあり、特定の波長しかないものを線スペクトル、複数の波長が連続して出てくるスペクトルを連続スペクトルといいます。γ線は放射性核種に特有な線スペクトルを放出します。
一方、β線のエネルギーは、同時に放出されるニュートリノとエネルギーを分けあうため、ゼロから最大値まで連続的に分布する。崩壊図には核種固有値として最大値が記載されている。
*2 ストロンチウム90(Sr-90)は半減期29年でβ線を出して崩壊し、子孫核種のイットリウム90(Y-90)になります。イットリウム90は半減期が64時間で、β線を出して崩壊し安定なジルコニウムになります。親核種のストロンチウム90に比べて子孫核種のイットリウム90の半減期がとても短いので、子孫核種はできてすぐに崩壊することになります。ストロンチウム90を分離してきた段階では、子孫核種のイットリウム90は含まれていませんが、時間の経過とともに増加し、やがてストロンチウム90とイットリウム90の量がほぼ同量になり、そのままの状態が長く続きます。この状態になるまで2週間ほど待つ必要があります。また、イットリウム90のβ線の方がエネルギーが強く測定しやすいため、イットリウム90のβ線を測定して、ストロンチウム90の量を計算します。
リーフレイン 今日実際に環境中のSr90を今測ってる人にお会いできたので、測り方聞いてきましたよ~~~~
icchou (興味津々、お聞きしたいです。前に調べたのと違うのかなぁ)
リーフレイン 一緒です。「化学的にあらかじめ分離」←他の物質を取り除く 「イットリウムのβ崩壊を測って、逆算」←この待ち時間が2週間 最終的には水溶液状態になったSr90をシャーレに2センチの円状に薄く広げて、β線をカウント
これでも毎日試薬を作って2週間後へ回せば、どんどん測れるはずなんですが、実際には他のものを測らなければならず、メイン2人バイト3人ぐらいで回してるので、Sr90を測る機会はそんなに作れない、そうです。
icchou ありがとうございました!限られた検査のリソースを有効に活用しないといけませんね。
@kazooooya @leaf_parsley こないだの話のメモ、長いんでいったんブログに書きました。どこかに移すかも bit.ly/TPtxX3
— 菊池誠さん (@kikumaco) 10月 23, 2012
32.土壌や農林水産物等の環境試料中のプルトニウムはどのように測定するのですか?
プルトニウムには複数の同位体があります。環境モニタリング等で測定されているのは、プルトニウム238、プルトニウム239、プルトニウム240です。これらはα線を放出しますので、アルファ線スペクトロメータ(シリコン半導体検出器)で測定します。γ線はほとんど出さないのでガンマ線検出装置では測定できません。
まず、測定の妨害となるウランやトリウムを分離して試料からプルトニムだけを抽出し、濃縮します。土壌試料の場合は、硝酸で加熱浸出してプルトニウムを抽出した後、陰イオン交換を用いてプルトニウムを分離精製し、ステンレス板上に電着(メッキ)します。電着板から出てくるα線をシリコン半導体検出器を用いて測定し、プルトニウムを定量します。このとき、プルトニウム239とプルトニウム240のα線は、お互いのエネルギーが近いため弁別できません。このため、測定データの多くは両者の合計(プルトニウム239 + 240)で表記されています。一方、プルトニウム238は分けて測定できます。
最近では質量分析装置の一種であるICP-MSを用い、原子量から直接測定する方法が開発されていて、プルトニウム239とプルトニウム240を分離して測定できます。ただし、この方法では プルトニウム238は測定できません。なお、プルトニウムの分析では、化学操作が多いために、イールドモニター※を用いて回収率を確認します。そのためこれらの分析や測定は、核燃料物質取扱い許可のある施設内において実施する必要があります。
※ 回収率補正のために添加する放射性同位体。あらかじめ数量が分っている放射性同位体(測定対象核種と元素は同じだが別の核種。例えばPu-239, 240の測定ではPu-242またはPu-236が使われる)を添加し、一連の分析が済んだ後にそれを定量して添加量との比を求めることで、分析の際に回収された割合(回収率)を算出することができます。
試料中から抽出クロマトグラフによりポロニウムを分離・精製し、ステンレス鋼板上に電着し測定試料とします。シリコン半導体検出器を用いるアルファ線スペクトロメトリーによって放射能を求めます。
「金属状のセシウム」など実際の状況では存在しない。セシウムの原子はとても電子を放しやすく1価の陽イオンになる。地上の物質中のセシウムは必ず化学結合に参加していて、電子を奪われて陽イオンになっていると考えてよい。
一般的な環境中で考えられるセシウムの代表的な化合物は、塩化セシウムと酸化セシウムである。
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管理人:icchou
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